くらし☆解説「“震災アーカイブ”のいま」 2014.03.13

生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
生放送でお送りしている「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマはこちらです。
担当は柳沢伊佐男解説委員です。
柳沢さん、まずこの震災アーカイブというのは、どういうものなんですか。
柳沢⇒こちらを見てください。
アーカイブ、アーカイブスとも言われますが、このことばはもともと図書館などで使われていたもので記録や資料を、組織的に集めて保存するという意味があります。
今回の震災アーカイブは東日本大震災の記憶を後世に伝えるためにさまざまな記録や資料を集めて公開する取り組みです。
今後の防災対策や地域の振興などに役立てるというねらいがあります。
地域の復興などですね。
そうですね。
3年前の震災、スマートフォンや動画の投稿サイトなどITツールが普及する中で起きたこともあって被害の様子などが膨大な写真や動画で記録されました。
これまでの災害ではなかったことでそうした貴重な資料を集めてデジタル技術で保存してインターネットで公開することがこの震災アーカイブの取り組みの中心になっています。
私たちも利用できるということですね。
そうです、その取り組みがどういったものなのかNHKがおととしから公開しているNHK東日本大震災アーカイブスを例に紹介してみたいと思います。
見てみると動画マークがついているのが多いですね。
映像が中心のサイトなんですね。
はい。
インターネットのサイトではNHKが放送した震災に関するニュースですとか、被災者の証言などの動画を無料で見ることができます。
例えばこちら。
見てみたいと思います。
証言のところを、クリックされましたね。
神田さんです。
こちらの方の証言を動画で見ることができます。
波にのまれた…証言が聞こえてきました。
神田さんがいた場所が、地図で示されます。
その場所で被災されたんですね。
これだけではなくて。
震災の津波や火事の被害の様子を示すこともできるんです。
津波がここまで来た、そこにいた方の証言が、まさに動画で流れるということですね。
赤いところは火災ですか。
そうですね、映像や音声だけでなく文字や図面など多くの情報を提供できるのがインターネットの優れた点ということです。
動画と一緒に見ることができるので分かりやすいですね。
このサイトで公開されているのは震災の被害や復興に関するおよそ700本のニュースと400人近い方々の証言などです。
そんなにたくさんあるんですね。
こうした情報は人々の防災意識を高めることにも役立ちそうです。
ご覧いただいているのは去年12月、沖縄県那覇市の高校で行われた防災授業です。
授業ではNHKの震災アーカイブを使いました。
生徒たちはニュース映像で地震の揺れの強さや、津波の破壊力などを学びました。
また被災者の証言をもとに、どのように身を守ったらよいかなども話し合いました。
これは実際に、インターネットを見られる環境であれば、どこでもこのような講義などができますね。
震災アーカイブを利用した防災の取り組みは徐々に広がっているということです。
また自治体などが集めた画像のデータを震災の記憶を伝える語り部の活動に使おうという取り組みもあります。
こちらは岩手県陸前高田市です。
震災の津波で、市の中心部が壊滅的な被害を受け町の様子が一変しました。
實吉義正さんは震災の記憶を伝える語り部の1人です。
おととし3月から訪れた人たちに被害の状況や被災者の現状などを伝えています。
変わり果てた町の姿を伝えるには当時の写真、画像などは欠かせません。
今は写真を手に持ちながらの解説ですが、市や県などではタブレットの端末を使って震災アーカイブの画像が利用できないかと考えています。
ツアーの参加者にタブレットを持ってもらいインターネットで取り寄せた画像で震災前と被災後の状況を比較する方法などが検討されています。
当時の写真、それから映像そういったものがないとなかなかかつて、ここに何があったとかここにはこういった建物があったっけなっていうのはなかなか思い出せない。
せめて記録、映像を残しておいて後世に伝えていく必要はあると思いますね。
震災の記憶を伝えるためにもアーカイブのデータは有効なようですね。
そうですね。
震災アーカイブの今のインターネットのサイトは大学や研究機関、企業、NPOなどさまざまな機関が設けています。
この中で写真や画像だけでなく自治体の文書や研究論文のデータなども提供されています。
さまざまな機関に震災アーカイブがあるということは実際、私たち使うほうはどこで調べたらいいのか分からなくなります。
一つ一つのサイトを探すのは難しいです。
震災アーカイブのサイトをまとめたポータルサイトというものが去年3月に設けられました。
まとめたサイトということですね。
そうです、こちらのサイト、「ひなぎく」という愛称がついています。
「ひなぎく」というのは、未来、希望という花言葉があることなどからこの愛称がつけられました。
こちらのサイト、総務省と国会図書館が開設したもので行政や大学報道機関、NPOなど震災アーカイブに取り組む27のサイトと連携しています。
例えばキーワードを入力すればそれぞれのサイトが持っている震災関連の画像などを一元的に検索して表示することができます。
このキーワードに関するデータが出たんですね。
現在このサイトで検索できる資料は、写真やサイトでおよそ20万点。
原子力関連の書籍や阪神・淡路大震災の写真など含めると250万点を超えるということです。
デジタルの技術で、膨大なデータが利用できるようになるということですね。
震災の資料、アーカイブ、集めて保存するというのはデジタルのデータだけではありません。
実際の資料を広く集めて保存することもアーカイブの取り組みの中では大切なことです。
そうした取り組みを東京電力福島第一原発の事故で今も住民の避難が続く福島県双葉町が始めています。
先月25日茨城県つくば市の筑波大学に1台の車が到着しました。
車の中には避難生活を続ける中で双葉町が作った文書や各地から寄せられた支援の品々などが詰め込まれていました。
これらは、埼玉県加須市から運んできたもので、役場の機能が福島県いわき市に移るまで2年余りにわたる町の動きや人々の生活の様子を物語る貴重な資料です。
こうした折り鶴や寄せ書きは全国各地、海外からの励ましの証しです。
本当にたくさん集まったんですね。
こちらは仮設の更衣室避難所での生活にとっては欠かせないものでした。
こういった資料を廃棄することはいつでも簡単なことなんですね。
避難を続けている間の記録というのも、1つ町の記録になってくるんだと思うんですね。
ですから今後もそういった関連の資料は保全していく必要があるというふうに思ってます。
ご覧いただいた双葉町の資料は大学で整理したあと、デジタルの画像で記録され、インターネットで全国、世界に発信することにしています。
その一方で、実物の資料にはデジタルでは伝えられない迫力といいますか、説得力といいますか数多くの情報があります。
町では将来的に、展示することも考えているということです。
震災の記憶、記録はさまざまな方法で伝えていく必要がありますね。
その中心となるのが震災アーカイブの取り組みだと思います。
その一方で広域的な情報が不足したり体系立てて資料を集めるのが十分ではないという指摘もあります。
東日本大震災の記録や教訓を伝えるために震災アーカイブの取り組みが今のままでよいのかどうか災害から3年がたって改めて考える時期に来ているんではないでしょうか。
柳沢伊佐男解説委員でした。
次回のテーマです。
担当は、藤野優子解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2014/03/13(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「“震災アーカイブ”のいま」[字]

NHK解説委員…柳沢伊佐男,【司会】岩渕梢

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出演者
【出演】NHK解説委員…柳沢伊佐男,【司会】岩渕梢

ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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