相棒 season12 #15 2014.02.12

(有村亮)ビクター?
(有村)ビクター…?
(雷鳴)
(雷鳴)
(笛吹悦子)『殺しのデッサン』…。
(悦子)あっ…。
ありがとう。
(甲斐享)有村亮?誰だっけ?それ。
ほら俳優の。
何年ぶりだろ?日本に戻ってきたの。
昔さすごい人気で私ファンだったんだよね。
へえ〜。
享お土産。
おっ!ワイン〜。
イエーイ!イエイ!ヘイ!おっ白ワインじゃん。
そうだよ〜。
これさ杉下さんにお願いね。
あっこれこれ。
見て。
劇評載ってる。
「有村亮」…。
(悦子)「ソーホー・シアターで熱演」「観客を魅了する鬼気迫る演技」って。
へえ〜。
そんなに有名なんだ。
うん。
(杉下右京)ソーホー・シアターといえば小さいながらも優れた芝居をよりすぐって上演する劇場です。
そこで認められるとは大したものですねぇ。
杉下さん小劇場にも詳しいんですか?まあロンドンで暮らしていれば演劇は生活の一部ですからね。
それからこの茶葉日本ではなかなか手に入りません。
悦子さんによろしくお伝えくださいね。
はい。
「名画に隠された血文字の秘密誰が画家を殺したか?」
(角田六郎)なんだ?画家殺しって事件か?ああ芝居の話ですよ。
ああ。
どれどれ?なんだ英語かよ。
フフフフ…。
コーヒーもらうよ。
どうぞ。
でもこれ日本でも上演されるみたいですよ。
悦子が見た台本に『殺しのデッサン』っていう邦題がついてたみたいですから。
何何?有村亮主演の舞台の話かよ。
ロンドンで当たって日本で凱旋公演やるっていう。
おやよくご存じですねぇ。
うちのかみさん昔からファンでさ。
ああ…有村亮もこれで復活出来るといいけどな…。
え?復活といいますと?人気絶頂の頃にマスコミに叩かれたんだよ。
5年くらい前。
あれでガタッと人気が落ちたんだ。
原因はなんだったのでしょう?ちょっとした失言。
初めての主演舞台の記者会見でね観客は俺を見に来るんだなんて強気な発言しちゃって。
課長詳しいですね。
こう見えて芸能通だよ。
毎日ね電車の中で雑誌のつり広告チェックしてるからね。
まあいささか傲慢な気はしますが叩かれるほどの発言じゃないと思いますがねぇ。
ええ。
噛みつかれたんだよ山路康介に。
山路といいますと?雑誌界のご意見番。
うるさ型の辛口評論家でさ。
有村は実力ゼロ生意気で業界中の嫌われ者なんて山路が言い出したもんだからね週刊誌やなんかもそれに乗っかってバッシングを始めたってわけ。
まあ「出る杭は打たれる」っていう事ですね。
雑誌も商売だからな。
悪口でもなんでも話題作って売らなきゃならないんじゃないの。
でその時の芝居はどうだったのでしょう?評判は散々。
ロンドンで演技の勉強し直すって行ったけど本当はきつかったんじゃないの?日本にいるのが。
復活をかけた舞台…ですか。

(米沢守)死因は鈍器による頭部の強打。
死亡推定時刻は昨夜の9時から10時の間だと思われます。
(芹沢慶二)ガイシャは山路康介さん68歳。
評論家です。
(伊丹憲一)評論家?なんのだ?芸能とかゴシップとか流行りものとかなんでもバッサリ斬る雑誌界のご意見番ですよ。
知りませんか?知らねえな。
家族構成は?一人暮らしです。
(芹沢)第一発見者は定期的に清掃サービスに来ている家事代行会社の従業員。
玄関の鍵が開いていて呼んでも返事がないので入ってみたら山路さんが倒れていたと。
釣り大会の賞品でしょうか。
頭の傷の形状から見てこれで殴られたのに間違いありませんね。
(芹沢)ここで殴られたんですか?
(米沢)ええ背びれの部分で。
うわっ…。
物盗りの線は?現金や通帳には手をつけていないようです。
何かを物色したような形跡も今のところは見当たりませんな。
という事は…。
怨恨か…。
これ…。
「評論家・山路康介さん殺害される」おやおや先日角田課長が話してた人じゃありませんか。
ええ。
「警視庁は怨恨による犯行の線で捜査を進めている」…。
怨恨ですか…。
あそこっすね。
ええ。
どうも。
お疲れさまです。
書斎ですねぇ。
ええ。
こんなものでしょうかねぇ…。
はい?先入観はよくありませんが様々な分野で持論を展開する評論家なのですから家の中は資料や録画機器などでもっと雑然としているものと思ってました。
ああ割と普通ですね。
以前テレビで見た映画評論家の部屋などは本やDVDが散乱して足の踏み場もありませんでしたがねぇ。
あっ山路さんが書いたコメントや記事ですね。
IT機器を使って情報収集してるって事は…ないですよね。
山路さん結構ご年配ですから。
山路先生がこんな事になるなんて…。
うちの連載コラム長く続いていたんで本当に残念ですよ。
「主演の学芸会演技で最低の映画に」「B級グラドルに女優を名乗る資格なし!」そうかなぁ…。
俺この映画見ましたけど結構面白かったっすよ。
辛口が売りですから。
これぐらい手厳しくないと。
時には苦情も来るのではありませんか?それはまあ…。
でもあくまでも個人の感想ですから。
(記者)デスク。
山路さん亡くなったんですってね。
名前出してもらうはずだったコメントどうしましょうか?あとで話しましょう。
先生にはいろいろコメントをお願いしていました。
何しろ雑誌界の重鎮ご意見番ですから。
なるほど。
あちらです。
あれ〜?なんで特命係がいるんですかねぇ?警視庁捜査一課の伊丹です。
芹沢です。
じゃあこちらの方は?大変参考になりました。
カイトくん我々は失礼しましょうか。
ええ。
あとはよろしくお願いします。
お先です。
(2人)なっ…!?結構粘着ですね。
一度目をつけるとしつこく叩き記事を書くみたいです。
こういうの真に受ける人も多いんでしょうね。
悪口やゴシップを面白がるのが人間ですからねぇ。
「近頃の若者は勉強すべき時にゴシップに興じて困ったものだ」。
これ誰が言ったと思います?誰ですか?ソクラテス。
ソクラテス?ええ。
彼もまたゴシップに悩まされていました。
イギリスでは王室もスポーツ選手も大衆紙の格好のネタです。
また火のないところに煙を立てるのが大衆紙というものですからねぇ。
ええ。
人を褒める記事じゃ駄目なんですかね?…まあそれじゃ新聞も雑誌も売れませんよね。
お前ら本当に暇そうだね。
どうも。
なんだ?これ。
ええっ…週刊誌ばっかだよこれ。
え?「大倉奈津謎の転落死!」な…。
はい?この子もかわいそうな事したよな。
へえ…。
ほれ。
「女優の大倉奈津さんが自宅のベランダから転落して死亡した」一時ひどいバッシングに遭ってさ。
テレビに出なくなったと思ったらしばらくしたらこれだもの。
またバッシングですか。
うん。
2年くらい前かな。
ちょうど人気が出始めた頃にドラマで主演女優のライバル役に抜擢されたんだけどそれがね親友の恋人を奪う役で。
まあはまり役だったのがあだになったっていうか世間から反感を買ったわけ。
ドラマの役柄と本人自身がなんか一緒くたにされちゃったんでしょうね。
そうそうそうそう。
女の敵とか言われてな。
まあ連鎖反応みたいに次々と中傷記事が出たんだよな。
メディアは時に暴走しますからねぇ。
そういえばあの時の悪口の言い出しっぺも山路だな。
え?
(大木長十郎)課長ちょっといいですか?
(小松真琴)侠仁会に動きがありました。
おう今行く。
こっちは忙しいんだよ。
特命係と違ってね。
これ自殺ですかね…。
カイトくん僕はさっきから気になってるんですがねこれら全て山路さんの意見でしょうかねぇ?名前出してもらうはずだったコメントどうしましょうか?あとで話しましょう。
どういう意味か気になりますね。
ええ。
来ましたね。
すいません。
ちょっといいですか?警察の方?ええ。
何か御用ですか?雑誌というのは締め切りに間に合わせるためには記事の方向性に沿ったコメントをあらかじめ用意しておく必要もあるのでしょうねぇ。
え?それにご意見番の山路さんの名前があれば記事の真実味も増しますからね。
何しろ先生はお忙しい方でしたから…。
でもそれってちょっとした情報操作ですよね。
ま…待ってください。
あくまでも先生の意をくんでですよ。
それにゲラ原稿を見せて了解を取っていたわけですから…。
え?…あっ。
すいません。
今のオフレコでお願いします。
もちろん。

(音楽)これ大倉奈津さんのドラマですね。
今回の事件絡みでアップされてるんだ。

(音楽)いい演技だと思いますがねぇ。
これがバッシングの引き金ですか。
ええ。
(角田)おい!捜一が引っ張ってきたぞ。
え?
(角田)その子の父親。
山路殺しの被疑者だ。
(伊丹)現場周辺の聞き込みで目撃証言がありました。
事件当夜あなたが山路さんの家から出てくるのを見たという人がいるんです。
(伊丹)2月5日夜9時から10時どこで何をしていたのか話してもらえませんか?あなた山路さんをひどく恨んでましたね。
葬儀の席で山路だけは絶対に許さないと話しているのを大勢の人が聞いてるんですよ。
「清純派女優のしたたかな素顔」
(伊丹)「男を奪い取る女大倉奈津に気をつけろ!」
(伊丹)山路さんが書いたこの記事を発端にして娘さんへのバッシングが始まったんでしたね。

(大倉修司)娘は自ら命を絶ちました。
将来にも女優の仕事にも世の中にも絶望して飛び降りたんです。
許せなかった。
でっち上げの卑しい記事で娘を追い詰めたあの男…。
世間の悪意に火をつけて文化人面をしている山路が私は心底憎かった。
だからやったんだな?はい。
私が殺しました。
(大倉)「人の噂も七十五日」悪い噂なんかいずれ消えると初めは私も娘を励ましていました。
(大倉)でもバッシングは収まらず一度貼られたレッテルは消えなかったんです。
記事はインターネットに流れ広がっていって…。
(大倉)ネットの記事は消えないんです。
(大倉)いつまでも残って適当に書かれた噂話が真実のように伝わっていくんです。
奈津?
(大倉奈津の泣き声)どうかしたのか?
(泣き声)娘は女優として注目されるようになってから日が浅かった。
芸能界にも慣れていなかった。
(大倉)次々と書かれる中傷記事を受け流せるほど強くはなかったんです。
お父さん…ごめん。
(ノック)奈津?奈津!
(大倉の声)心を病んだ娘は…。
立ち直れませんでした…。
山路さんとは前から面識はあったのか?いいえ。
バカな男です。
雑誌社の者だ意見が聞きたいと言ったら簡単にドアを開けた。
あの男には罪悪感のかけらもなかった。
言い争ううちに私はカッとなって…。
(殴る音)
(大倉の声)気づいたら手近にあったトロフィーをつかんで振り下ろしていました。
どんなトロフィーだったか覚えてますか?魚の形の…イトウのトロフィーです。
令状の手配を。
はい。

(米沢)現場に残されていた指紋と大倉の指紋が一致しました。
そうですか。
それからこのトロフィーからも指紋は出ています。
やったのは大倉で間違いなさそうですね。
しかし親心を思うと気の毒です。
警察官として言ってはならない事ですが私個人としては殺された山路さんより大倉の方に同情を禁じ得ません。
ええ…。
何か気になりますか?ああいえ。
なんですか?気になる事って。
大倉さんはカッとなって手近にあったトロフィーをつかんだと自供していますねぇ。
はい。
さてそのトロフィーはこの部屋のどこにあったのでしょう?え?うーん…例えば…あっ。
こことか。
山路さんはこういう形で亡くなってましたねぇ。
ええ。
そしてトロフィーがここ。
この血痕からすると後ろから殴られたわけですねぇ。
はい。
カイトくんトロフィーを取ってこっちへ向かってきてくれますか?はい。
わーっ!顔を見合わせてますからねぇそこ違いますね。
じゃあどこですか?カイトくん!はい?あっ。
これ台座の跡ですね。
恐らくトロフィーはここに置かれていたのではありませんかねぇ。
ええ。
でもなんか持ちづらくないっすか?手近といえば…あっ。
これとか。
山路さんを殴ったのは本当に大倉さんだったのでしょうかね?ええ。
でも犯人じゃないんだとしたらどうして凶器の特定が出来たんでしょうか?トロフィーの形まで正確に話していました。
大倉さんが犯人だと考えるのが自然じゃないですか?ええ確かに。
それにやってないならどうして自供なんか…。
例えば共犯者がいたとかあるいは誰かをかばっているとか。
でも殺人ですよ。
肩代わりするには少し重すぎる罪です。
そうでしょうかねぇ…。
ああやっぱり気になりますね。
カイトくんこの事件一度大本から探ってみましょう。
大本?殺人の引き金となったのは奈津さんの自殺です。
彼女の死に僕たちがまだ気づいていない何かが隠されているんじゃありませんかねぇ。
何か…。
ええ。
奈津ちゃんが子供の頃に奥さんが亡くなって大倉さん男手一つで大事に育てていたのにこんな事になるなんてねぇ…。
例のバッシング騒ぎがあってから家に閉じこもったままだったから。
かわいそうにねぇ…。
そうですか…。
家族は父と娘の2人きり。
親しくしてる親戚もいないようです。
大倉が罪を被ってまでかばうような人物は出てきませんね。
何してんすか?奈津さんのノートです。
芸能活動を始めた頃につけていた覚え書きのようですねぇ。
あれ?有村亮だ。
ええ。
几帳面に書き込んで…。
真面目な子だったんですね。
だからこそ中傷記事もまともに受け止めて思い詰めてしまったのでしょう。
「有村亮の恋人役を公募」8年前ですね。
彼が人気絶頂の頃ですねぇ。
奈津さんは16歳。
恐らくオーディションに応募したのでしょう。
女優を目指していたとしたらビッグチャンスですからねぇ。
ええ。
2人には接点があったんですかね?はい?いや有村亮もバッシングに苦しめられて日本を飛び出しました。
山路の事は相当恨んでいたはずです。
まあでも今回の事件とは関係ないですよね。
いえいえいえいえカイトくん。
どんなに小さな可能性も調べてみる価値はあると思いますよ。
(有村)ビクターさん!
(画家)おおっマシューか。
なんですか!?この絵は!モチーフ構図タッチ全て僕が描いた絵にそっくりじゃないか!何の話かね?盗作です!あなたは僕の絵を盗んだ!!ここからが一幕目の山場弟子の画家殺しです。
有村さんの見せ場のようですよ。
(画家)バカバカしい!マシュー茶を入れてくれ。
(雷鳴)はい…。
おや…あのティーカップ持ち手のデザインがアールデコ様式ですねぇ。
そうなんですか?アールデコは20世紀初頭のものです。
この芝居の設定はロマン主義絵画全盛の19世紀初頭ですからあのデザインはまだ存在しないはずですがねぇ。
フフ…よくそんな事気づきますね。
衣装や他の小道具はちゃんと時代考証をやっているのにティーカップだけどうしたのでしょう?
(演出家)刑事さんあれは間に合わせに使ってるだけですよ。
今小道具がそれなりのものを準備してます。
つまり他の道具は揃っているのにティーカップだけ間に合わなかったという事ですか?急なプラン変更でね。
(演出助手)台本通りに戻しましょうよ。
もたもた毒を飲ませるよりカッとなって彫像で殴りつける方がずっと自然です。
(演出家)仕方がないだろう。
有村がどうしても変えてくれって引かないんだから。
こっちが折れなきゃ初日が開かないだろう…。
ロンドン公演の時は台本通りにやったくせに。
今さら暴力的な演技は嫌だとか何を言ってんだか。
5年間苦労して大人になったって聞いてたけどいざとなるとわがままな地が出るもんだなあ。

(うめき声)
(画家のうめき声)
(うめき声)先生…悪いのはあなたです。
なんでしょうか?帰国されてから山路さんとはお会いになりましたか?いいえ…あんな事になってお気の毒でした。
彼の記事では随分と嫌な思いをされたのでは?だからって人が死んだのを喜んだりしませんよ。
すいません。
お話を伺うのが僕らの仕事なもので。
話ってなんですか?犯人はもう捕まったんでしょう?自供したとニュースで流れていました。
ええ。
一件落着したんですが今自供の裏を取っているところで。
なんで僕のところにまで?殺害動機の裏付けのために被疑者の娘さんである大倉奈津さんの事を調べてましてね。
自殺したと聞きました。
かわいそうに…。
山路さんも罪な事をしたものです。
奈津さんと面識はありましたか?いいえ全く。
共演した事とかは?ありませんよ。
彼女が女優として売れてきた頃には僕は日本にいなかったんで。
ああ…そうでしたね。
もういいですか?そろそろ二幕目の稽古が始まるので。
お時間を取らせて申し訳ありませんでした。
出来ればもう来ないでください。
僕だって山路さんの事を思い出すといい気持ちはしないですから。
わかりました。
どうも。
あっ!申し訳ない。
もうひとつだけ。
一幕目のラストシーンなんですがねぇどうして演出を変更されたのでしょう?画家の言葉にカッとなって彫像をつかんで殴りかかる。
台本通りにおやりになった方があの場合の行動としては納得がいくように思うのですがねぇ。
あなたに芝居がわかるんですか?僕はあの役の心理をもっと複雑に表現したいんです。
勢いで殴りかかるのではなく毒に苦しむ姿をじっと見ている方がより強い憎しみが表現出来る。
ああ…なるほど。
これは申し訳ない。
素人考えは的外れでした。
本番を見に来てください。
必ず刑事さんも納得のいくような演技をお見せしますから。
恐縮です。
どうも。
強い憎しみですか…。
役の事を深く掘り下げてらっしゃるんですね。
今の説明で君は納得したのですか?えっ?僕はまだ納得いってませんよ。
はい?
(米沢)お探しのもの遺留品の中に見つかりました。
舞台に関係があるものをという仰せでしたのでこれを。
なんですか?これ。
蓄光テープ。
夜光テープとも言いますねぇ。
いいですか?あっ。
(米沢)舞台では役者の位置や道具の位置を決めるために床に貼ります。
これが山路の家に…。
ええ。
ところが山路さんの家ではどこにも使われていませんでした。
一体どうやってこのかけらが家の中に入ったのでしょう?有村ですか?ええ例えば稽古の最中に靴か洋服か何かに付いたものが山路さんの家ではがれ落ちた。
まああくまでも推測ですがね。
じゃあ有村と大倉は共犯で山路を殴ったのは有村って事ですか?2人の間に接点は見つかりましたか?いえ今のところまだ何も。
でも面識がないなら大倉が嘘の証言をして有村をかばう必要はありません。
自供にも矛盾点はありませんでした。
このまま大倉の犯行という事で落ち着くのではないでしょうかね。
その自供なんですがねどうも引っかかってましてねぇ…。
何がですか?
(ため息)杉下警部にしては珍しいですね。
あっ…。
(2人)えっ?わかりました。
(2人)えっ?カイトくん。
はい。
君ちょっとここにいてもらえますか?はい。
わかりました!はい?何がですか?あの夜2人がどこでどうしていたのかわかりました。
えっ?
(芹沢)送検用の調書を作るのでいくつか確認を。
2月5日21時過ぎ山路さんと口論になりカッとなって手近なトロフィーをつかんで頭部を殴打した。
(伊丹)これに間違いないな?
(大倉)はい。
(ドアの開く音)犯行の状況は確かにそのとおりでしょう。
警部殿勝手に入ってこないで…。
ですがひとつだけ事実と違う点があります。
あなたはトロフィーをつかんでいません。
大倉さんあなたは山路さんを殺していません。
ただ殺されるのを見ていただけです。
何を言うんですか?私がやったんです!あの晩山路の家を訪ねて…。
あなたは鏡に映る犯行の一部始終を目撃してしまったんです。
「イトウのトロフィーで殴った」そうおっしゃいましたね?はい。
カイトくん。
はい。
どれがイトウかわかりますか?魚ですか?ちょっと勝手に何やってるんですか?すぐに終わります。
1枚選んでください。
これがイトウですね?そうです。
やはりご存じない。
イトウはこれです。
(伊丹)ああもう…警部殿どういう事ですか?幻の魚といわれるぐらいで誰もが知っている魚ではありません。
まして釣りが趣味でもないあなたにトロフィーの魚がイトウだと断定出来るとは思えません。
我々は勘違いをしていました。
あなたは魚の名を言ったのではなかった。
台座の文字を読んだんです。
このトロフィーの台座に「HOT1」とありますねぇ。
これは山路さんが所属していた釣り愛好家のグループ名です。
これを鏡に映すと…。
「イトウ」と読めますね。
そうあなたは鏡の中にあるこの文字を読んだんです。
あなたがいた場所もわかりました。
(杉下の声)あなたは書斎から鏡の中の殺人を目撃したんです。
違う!私だ。
やったのは私です!
(ノック)
(米沢)失礼します。
遺留品の蓄光テープと有村の舞台で使っているテープ同一のものでした。
(伊丹)よし有村亮の事情聴取だ。
(芹沢)はい。
(大倉)やったのは私だ!私がやったんです…。
(芹沢)鑑識で調べたところこちらの舞台で使われているテープと同じ蓄光テープである事がわかりました。
そんなテープどこでも使っていますよ。
事件当夜稽古は8時に終わってました。
そのあとあなたがどこに行ったのか誰も知らないようですが…。
家に戻って台本を読み込んでいました。
それを証明出来る人はいますか?まさか僕が山路さんを殺したとでも?悪く書かれた事は恨んでいます。
受けたダメージも計り知れない。
だからって殺したりしませんよ。
今日が初日なんです。
もう帰ってください。
僕なりに考えてみたのですがねぇあなたがなぜ舞台上での殺害方法を毒殺に変えたのか…。
現実に人を殴り殺してしまったからではありませんか?なんの話ですか…。
演出の変更を言い出したのは山路さんが殺害されたあとだったそうですね。
それまでは台本通りに撲殺の稽古を続けていた。
偶然の一致です。
第一犯人は捕まったんでしょう?自供したならもういいじゃないですか。
何がもういいのでしょう?あなたの代わりに罪を着る人がいるんですよ。
無責任なバッシングにさらされて娘の命を奪われた人にあなたはさらに重い荷を背負わせるおつもりですか!心ない風聞に責められる苦しさをあなたは誰よりもよく知っているじゃありませんか。
(ノック)有村さんそろそろ…開演まで時間がありません。
あなたは本当にこれでいいと思ってるんですか?必死で努力してきたんです。
ロンドンで認められてようやく胸を張って日本に戻ってこられた。
あんな奴が死んだくらいで邪魔されたくない!僕は舞台に立ちたい!!反論したってバッシングは収まりません。
むしろ面白がられてますます叩かれるだけです。
見返すには成功した姿を見せるしかない!だからこの舞台は芝居の神様が僕にくれたチャンスなんです!!芝居の神様があなたに力を貸すでしょうか?えっ…。
罪を隠して舞台に立つあなたを神様が許すでしょうか?あなたはその足で歩けるんですか?神様が背中を押してくれますか?歩けるものならその足で舞台まで歩いてご覧なさい!あなたも苦しかったのでしょう。
だからこそ芝居とはいえ人を殴り殺す事は出来なかった。
そうですね?僕にはわからない…なぜあの人が自供したのか。
僕以外の犯人が…。
殺すつもりはなかった…。
芝居を見に来てくれと言いに行ったんです。
あの男を見返して今度はまともな劇評を書かせたくて!だけど…。
(山路康介)演技力ゼロ?そんな事言ったかな私が。
あんた何度も繰り返し俺の批判を書き続けたじゃないか。
意地悪くあおり立てて。
いちいち覚えちゃいないね。
こっちだって雑誌社や何かから頼まれてやってるんだ…。
(有村)そんな…。
君への批判が広まったのは賛同する人が多かっただけの事だろう。
私の責任じゃない。
第一バッシングごときで潰されるのは君が弱いからだ!まったくどいつもこいつも…。
逆恨みもいいとこだ。
大した役者じゃないくせに。
もういい!帰りなさい。
帰れよ。
(有村の声)こんな男に俺の人生は狂わされた!帰れー!
(有村の声)そう思ったら自然に手が動いて…。
山路ー!!
(有村の声)気がついたら山路を…。
(有村の声)それ以来稽古でもどうしても殴る事が出来なかった!あの時の…山路を殴った時の鈍い感触が手に残っていて…。
詳しい話は署で聞きましょう。
ロンドンの観客をうならせたあなたの舞台拝見したかった…。
残念です。
立て。

(伊丹)あなたが隣の部屋で一部始終を見ていた事を有村は全く知らなかったと言っています。
本当に面識はなかったんですか?ありません。
あの夜娘への謝罪記事を書けと山路に要求して口論になりました。
(大倉の声)そこに有村さんが訪ねてきたんです。
(大倉の声)山路は来客をいい事に私を追い返そうとしましたが話が済むまで待つからと粘って私は隣の書斎に移りました。
山路ー!!
(大倉の声)有村さんは山路にトロフィーを振り下ろすと…。
ああ…ああ…うわあ!
(大倉の声)慌てて家を飛び出していきました。
(芹沢)現場には有村さんの指紋は1つも残っていませんでした。
ドアノブにも凶器のトロフィーにも。
殺害後慌てて出て行ったにしてはおかしいんですよ。
指紋を拭き取ったのはあなたですね。
有村さんの手の触れたところは全てきれいに拭き取りました。
それなのにあなた自身の指紋は残したまま。
自分の犯行に見せかけるためだったとしか思えません。
不思議です。
知り合いでもない有村さんをあなたはなぜ助けようとしたのでしょう?彼が来なかったら私が殺していたからです。
だけど嘘の自供までして…。
嘘じゃない!あれが私の中では真実だったんです。
あの晩私が見ていたのは…。
山路ー!!
(有村の荒い息づかい)
(大倉の声)鏡の中で山路に殴りかかる自分の姿でした。
私はこの手で山路を殺したかった…。
なぜ気がつかなかったんだろう…。
(大倉の声)文字を逆さに呼んでいた事に。
謝罪記事なんて書かせたって何の意味もない。
それよりも私が山路を殺した犯人として捕まれば娘が命を落とした事情も世の中に訴える事が出来る。
あの男の罪を糾弾するチャンスがいくらでもある。
今度は私がマスコミを利用する番だったんです。
確かに山路さんを叩く記事が次々と出ています。
あなたの狙いはそれだったんですね?しかし今山路さんを叩いている人たちとあなたの娘さんを追い詰めた人たちの一体どこが違うというのでしょう?こんな事件を起こしても一時興味本位で取り上げられてネタにされ消費されていくだけの事だと思いますよ。
それじゃあ他にどんな手があったと言うんです?なんの力も持たない普通の人間がどうやって戦えば良かったんですか?警部殿…そろそろこっちに預けてもらえませんか?最後にもうひとつだけ。
娘さんと有村さんの間には本当になんの繋がりもなかったのでしょうか?ありません。
そうですか…。
(月本幸子)大倉さん罪に問われるんでしょうか?証拠隠滅犯人隠避の罪は免れないでしょうねぇ。
かわいそうですね…大倉さんも奈津さんも。
無責任な悪口で人生台無しにされてしまうなんて。
有村もですよ。
ロンドンで死にもの狂いで頑張った5年間が無駄になってしまいました。
大倉さん頼まれもしないのに共犯者になって罪まで被って…。
やっぱりかばうためとしか思えませんね。
有村亮…素敵だなあ!ほら手が止まってるぞ。
「はあはあはあはあ…」「うわあ!」「きゃあ!ごめんなさい」「すいません」「すいません大丈夫ですか?」手伝ってくれないの?うん…ちょっと待って…。
「君は…」「マーケティング部の西原です」「すいません…」お父さん!私有村亮の恋人役の公募これ受けてみる!いいでしょう?ん?映画のオーディション?私女優になりたいの。
えっ?女優になっていつか有村亮と共演したい!ハハハ…夢みたいな事を。
ハハハ…!もう…本気にしてないでしょう?お父さんお願いします。
私は本気。
今にきっとお父さんをビックリさせてあげるね!あの人だけでもなんとか助けたかったのに…。
お父さんうまくやれなかったよ…。
ごめんな…奈津。
記事を鵜呑みにして面白おかしくバッシングするこの世の中…。
なんとかならないものですかね。
また同じような事が繰り返されるんでしょうね…。
残念ながら今の法の力ではどうする事も出来ませんねぇ。
当番組は同時入力の為、誤字脱字が発生する場合があります。
2014/02/12(水) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
相棒 season12 #15[字]

水谷豊&成宮寛貴の相棒!かつてマスコミからバッシングされた俳優が数年ぶりに凱旋帰国!その直後バッシングの原因となった雑誌界のご意見番が遺体となって発見された…。

詳細情報
◇番組内容
第15話「見知らぬ共犯者」
◇出演者
水谷豊、成宮寛貴、鈴木杏樹、真飛聖
川原和久、山中崇史、六角精児、山西惇
【ゲスト】中山仁、天野浩成、中山絵梨奈
◇スタッフ
【脚本】山本むつみ
【監督】和泉聖治
【ゼネラルプロデューサー】松本基弘(テレビ朝日)
【プロデューサー】伊東仁(テレビ朝日)、西平敦郎(東映)、土田真通(東映)
◇音楽
池頼広
※『ピアノ・ソロ 相棒【改訂版】』発売中!
池頼広氏本人が書いたオリジナル譜面も掲載!
◇おしらせ
最新情報はツイッターでもフェイスブックでも!
【ツイッター】https://twitter.com/AibouNow
【フェイスブック】http://www.facebook.com/AibouNow
【ウェブ】http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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