オイコノミア「クルマなしでは生きられない!?」(後編) 2014.02.11

中も外ももう誰にも止められない。
(脳様)吐く…。
うう…。
俺が吐いてどうすんだよ〜!過剰摂取になるニコチンの量には個人差がありますがくれぐれもご注意下さい。
お医者さんの言う事はちゃんと聞いとけよ。
お体お大事に。

(又吉)渋滞ですか。
いや〜全然動きませんね。
次の仕事間に合いますかね。
僕も仕事の移動で結構渋滞に巻き込まれる事があるんですが1回タクシーに乗ってて渋滞に巻き込まれたときに運転手さんが「お急ぎですか?」と言うんで「そうなんです」と言ったら運転手さんが交差点を右折して次左折して細道バ〜ッと行って大通り出てUターンしたら「お急ぎですか」と言ってた場所に戻ってたことありましたけどね。
怖くて何も言えなかったですけどね。

(テーマ音楽)「オイコノミア」。
今回も「クルマの経済学」を日本大学教授浅田義久さんと考えます。
自由に移動ができて便利なクルマ!しかしクルマを持つとなるとお金がかかるだけではなく環境汚染や交通事故などの社会的なコスト「外部費用」があることも学んだ前回…。
今日はクルマにまつわる最大の問題「渋滞」とクルマにとっての必需品である「道路」について考えます。
先生クルマに乗るにはクルマを買うか借りるかしてガソリン代を払えば乗れるもんだと思ってたんですけど実はそうじゃなくて外部費用というのがあってそれを払わないとホントは乗ってはいけないんじゃないかと。
渋滞もやっぱり外部費用なんですか?
(浅田)そうですね。
これが前回もお話ししましたように実は一番大きい外部費用というふうに言われています。
どうしてかと言うと例えば又吉さんがホントは1時間で来れる所を2時間かかったとします。
渋滞してね。
とすると1時間ロスするんですよね。
はい。
例えば又吉さんが年間どのくらい収入あるかわからないですけど又吉さんという仕事に対して1億円の価値があると。
そういうふうに考えます。
1億円はすごいですけどね。
これは例えば吉本興業の事務の収入とかも全部入っちゃうんです。
大体2,500時間ぐらい年間に働くとしたら1時間当たりどのくらいになるかというと時間当たり4万円ぐらい。
1時間で4万円。
はい。
そうすると又吉さん1時間渋滞に巻き込まれると4万円失うということになる。
例えば又吉さんが劇場からテレビ局へ移動するとします。
通常ならばクルマで1時間の移動。
しかし渋滞に巻き込まれると余分に1時間がかかり又吉さんが本来稼げたはずの4万円を失う事になります。
これが「渋滞の外部費用」です。
ある経済学者が試算したところ日本全国で発生している「渋滞による外部費用」の合計はおよそ11兆円と言われています。
渋滞は交通経済学最大の問題なのです。
ところで渋滞の定義っていうのは経済学的にはあるんですか?ええ。
図で説明させていただくとこれは又吉さんクルマは持っておられないようですが大体おわかりだと思いますけど実は道路ってキャパがあってあるところ例えばこれ50台なら50台ですね。
50台まではですね一定の速度で走れますよと。
例えば45kmで走れますよと。
ところが50台を超えるとだんだんだんだん遅れてきますよね。
これは実感しますよね。
なんか台数が多くなると大体減ってるなぁと。
ピュ〜ッと減ってきます。
はい。
これが渋滞です。
先生でも交通量が多いってことでしたら例えば道路を広げたりしたらその渋滞は解消されるんじゃないですか?それはなかなか難しいんですが実際にモデルでやってみましょう。
今この1車線の道路で4台クルマがいて渋滞してますよね。
そうですね。
で又吉さんがおっしゃったように拡幅してみましょう。
はい。
1車線増やしました。
広がりましたね。
何だ!?ここすいてるじゃないかってことになりますよね。
はい。
そうすると利便性が高まるのでそれを聞いた人々がこの道路を使うようになりますよね。
なるほど。
どんどんどんどん使っていってどこまで使うかっていうと先ほどと同じ4台になるはずです。
結局はなるんですか?なるんです。
全部道路にしたら解消されるんでしょうね。
それ街じゃなくて道路ですよ。
そうですよね。
現実的に難しいと。
こういうのを「ピグー・ナイトのパラドックス」と言うんですね。
ピグー・ナイトのパラドックス。
ピグー・ナイトという人が考えたんですが結局拡幅しても元と同じ混雑具合になっちゃう。
なるほど。
例えば又吉さんはお酒は飲まれます?はい僕も飲みます。
僕も昔はかなり好きだったんで昔四谷で漢方薬の薬屋があって「これを飲むと酔わない」という薬があったんです。
ウコンの生薬みたいな。
ありますよね。
あれを飲んでお酒を飲みに行ったんですけどもたくさん飲んじゃって結局酔っぱらい度が変わらない。
なるほど。
全く意味がない。
それじゃ意味がないんですよね。
これを「浅田のパラドックス」と呼んでる。
同じことですよね。
同じことです。
そういうことやりません?僕も結構浅田のパラドックス状態にはなってましたね。
多分皆さんなってると思います。
なるほど。
じゃあ先生どうやったら渋滞は解消されるんですかね。
じゃあ渋滞は誰が引き起こしてると思います?渋滞はやっぱり混むのはゴールデンウィークとか帰省ラッシュとかでもまあみんなしかたないというか。
重要なのは一般道路もありますし首都高もありますが仕事が遅れるということですよね。
その場合に誰が悪いかというと実はその道路を使っている全員ということになっちゃいます。
じゃあ遅れてる自分が誰かのせいにしがちですけど自分も悪いということですね。
自分も他人を遅らせてるんでしょ。
そうですよね。
その分で減った機会費用のことを「混雑費用」といいます。
今赤いクルマが3台いて時速40kmで走ってるとします。
ここに無謀にも青いやつが入ってくる。
こうやってきたら渋滞が起きて時速35kmになったとします。
そうするとこの人も5km遅れてこの人も5km遅れてこの人も5km遅れてますよね。
はい。
とするとこの人の入ってきたことによる費用は実はこの人たちもかぶってるんですね。
なるほど。
だからこの5km分の減速部分をこの人たちにあげないといけない。
ところが青が悪いのかっていうと逆に戻しますね。
もしこの人がいなかったらどうなります?3台とも40kmですね。
ということはこの人がいることによっても全員に…。
マイナス5km。
そうです。
どうすればいいかっていうとこれを全員に課金するんです。
これが「混雑料金」といいます。
なるほど。
実際これ嫌でしょ混雑してる時になんで金払わきゃいけないのか。
ところがちゃんと海外ではやった事例があるんです。
やってるんですか?はい。
こういうのは「ピーク・ロード・プライシング」と言うんですが。
はい。
ピーク・ロード・プライシングとは混雑時の料金制度のこと。
クルマの渋滞が名物と言われているロンドンでは2003年から市の中心部に入るクルマに1日当たり10〜12ポンドの通行料を取っています。
料金徴収エリアには650台のカメラを設置。
クルマのナンバーをコンピューターで認識させ料金を徴収します。
一方シンガポールでは70年代から渋滞対策を始め更にきめ細かいピーク・ロード・プライシングが行われています。
ETCに似たシステムを導入し幹線道路や高速道路に72か所のゲートを設置。
そこを通過するたびに料金が徴収されます。
驚くのはその料金体系。
1日24時間をおよそ20分ごとに刻んで通行料金を設定。
更にその道路の通行車数データに応じて定期的に料金は改定される仕組みになっています。
例えば10時台にボ〜ンとお金を課金すると又吉さんどうします?ちょっとその時間は避けようかなとなりますね。
で11時台にして安い時に移るでしょ?こうやって平準化するんですよね。
それをやればちょっとは渋滞がなくなるかもしれない。
ちょっとはじゃなくて最適になるはずです。
それは他の交通機関とかでも使えそうですよね。
例えば鉄道なんかももう使えるはずですよね。
僕は常日頃「大学3時1限目説」というのを唱えてまして。
昼の3時から。
いや朝です。
朝の3時ですか。
ガラガラですよね鉄道。
はい。
走ってないですよね。
それを考えると5時ぐらいでもいいんですが。
ずらすんですね。
シェアする。
鉄道を学生と社会人がきちっとシェアして。
そうなると大学生と社会人の恋愛もしにくくなりますからなんか…僕としては自分と同い年の同世代の女の子が年上とつきあわへんのはうれしいことだからええんちゃうかなと思ってます。
アハハハッ。
さてもうひとつクルマを語るのに欠かせないものがあります。
それは道路。
日本では「国土の均衡ある発展に道路は欠かせない!」と政府や自治体が道路を建設。
今や国内の総延長は127万km。
地球31周分にも当たります。
しかし近年若者のクルマ離れも進み更に財源も限られる中これからは一体誰が道路を維持するコストを担えばいいのか?経済学はどう考える!?クルマで山とかに行ったときに本当に山奥のとんでもない所にちゃんと道路があったりするじゃないですか。
本当に「造った人すごいな!」とか思うんですけど。
経済学では道路を造るときにどのような問題があると考えられてるんですか?道路を造るというのは経済学的に考えても非常に難しいんです。
例えば建設費100万円の道路を3人がお金を出しあって造るとします。
Aさんはこの道路に60万円出す価値があると考えました。
Bさんは40万円。
Cさんは20万円出す価値があると考えました。
ところがAさんは「いくら出すか」と聞かれて「40万円」と答えました。
それでも3人の合計額は100万円になるので道路は造れますがAさんはこの場合20万円分得をします。
この時Aさんを「フリーライダー」と呼びます。
このフリーライダー問題があるとどうなるかというとAさんはウソついてラッキーでしょ。
Bさんもウソつくインセンティブは…。
ありますね。
ありますね。
これ30にしたとしましょう。
ウソをついて。
そうすると403020で…。
足らないですね。
足らないとどうなるかというと。
造れない。
造れない。
こういうのは困るからどうするかというと政府があるいは自治体が道路を通そうとするんですよね。
なんかよくわからない全然価値のない道路でも造った方がいいと言ってるとかでバンと通しちゃうってのがそこらじゅうにある使われてない道路ということになっちゃう。
では造った道路をどう維持管理するかっていうのは経済学ではどう考えるんですか?そうですね。
まず造られちゃった道路は基本的には誰でも使えますし完全な公共財なので今までは無料で提供するってのが基本的な考え方だったんですね。
ところが実際はそういう問題ではなくてさまざまなパターンがあると。
道路は生活を便利にする財の1つ。
では誰が道路を維持管理するコストを払うのか?経済学で考えてみましょう。
財は2つの尺度によって4つの種類に分けられます。
代表的なものはそれぞれこの4つ。
「排除可能性」とは使う人を限定して料金を取れるのか?それとも取れないのか?「競合性」とは誰かが使えば他の人は使えないのか?それとも使えるのか?という物差しです。
じゃ道路は先ほど言ったように実はこれだと思われてるんです。
そうですね。
公共財みんなが使えるもの。
ところがこれ非常に難しくて。
例えばすいている道路。
一般道路で無料のものはあります。
はい。
これは基本的には公共財ですよね。
…として提供されています。
ところがすいてるのにお金を取ってるパターンもありますね。
すいてる有料道路ってありますよね。
ありますね。
更に…。
混雑している道路でも有料のものと無料のものがあります。
かなりややこしいんですね。
かなりややこしいです。
ややこしいんですが基本的には維持費はどういう事かというとクルマが通るとアスファルトが剥がれていきますよね。
はい。
この費用はやっぱりアスファルトを削った人が払うべきじゃないですか?そうすると例えばこれ今4つあってややこしそうなんですが今技術的には完全に…どっちも。
だって今クルマってほとんどナビ付いてますよね。
あれを活用してしまえばどこで誰が使ってるかがわかります。
道路を維持管理するためにヨーロッパでは税金に加え道路を使った人が使った分だけ料金を払うシステムが施行されています。
ドイツでは12トン以上の大型トラックに専用のGPSの搭載が義務づけられ走った距離に応じて道路の使用料が課金されます。
支払いは銀行からの自動引き落としかクレジットカード払い。
今ドイツではこの道路の使用料を大型トラックだけではなく全てのクルマに適用する議論が始まっています。
先生でも全ての道路が有料になるとなかなかみんなクルマに乗りたがらなくなると思うんです。
もう全ての仕事場とか教育の場とかそういうのが1つの場所に集まってきてですねこういう超高層タウンで神社も学校も郵便局も全部がここにあると。
道路を一切使わずにこういうのがところどころに点在しててお金持ちだけが行き来して。
フフフッ。
すばらしい発想なんですがこれ絶対ならないんですね。
ならないんですか?どうしてかというとここからここまで行くのに何時間かかります?結構かかりますね。
かかりますよね。
例えばビルの地上から屋上まで1時間かかるとするとたとえ道路が有料でももっと短い時間で行ける所に神社や学校はできますよねぇ!又吉さんやっぱりそれはいつものモ・ウ・ソ・ウ。
うん!無料だったものを有料化してよりよい維持管理を実現したものがあります。
2006年にできたこちらの公衆トイレ。
1回100円と有料になりました。
(一同)おはようございます。
いらっしゃいませ。
おはようございます。
トイレでいいんですよね。
どうぞ。
こちらで現金なるほど。
もしくはSUICAPASMOいろいろカードを使えますので。
ここに?じゃあ100円入れます。
ありがとうございます。
どうぞごゆっくり。
すごいなんかきれいですね。
トイレじゃないみたいな。
あっ洗浄便座も付いてるんですね。
なかなかこれ無料の公衆トイレでは付いてないですよね。
男子トイレにもベビーベッドや着替え台が付いています。
あっこの上で。
確かによくトイレで着替えたりする事ありますけどここがすごい難しいんですよね。
下に付かへんように。
これがあったら確かに着替えられますね。
(水を流す音)そして使ったあとは…。
いや〜!いいですねやっぱり。
(スタッフ)ありがとうございました。
失礼いたします。
ありがとうございます。
はい。
あれっ。
そのつどお掃除スタッフが入ります。
もうすぐに掃除してくれるんですね。
はい。
へぇ〜!あっトイレットペーパーも三角に。
はい。
へぇ〜!なるほど。
最後流して終わりです。
ありがとうございます。
失礼いたします。
へぇ〜!あっ常に誰かが使ったらすぐにきれいに。
はい。
へぇ〜!この有料トイレ。
利用者は当初の予想の2倍ほどに上ります。
有料トイレを見てきましたが100円ってなかなか高いんじゃないかなと思ったんですけどこれは100円の価値はあるなと思ったんですよ。
でも僕山とか行ったり公園とかでトイレ行きたいなって思ってもあまりの汚さに我慢しようかなと思ったことが何回もあるんです。
そういう時ってこのトイレって機能してないもう無意味なものになってしまってるじゃないですか。
それ100円払って用を足せるならこれはこれでいいんじゃないかなとすごい思ったんですよね。
重要なのはなんでもかんでも課金したらよくないと言うかもしれないがその価値がわかって使うのが重要でよく「タダほど高いものはない」というじゃないですか。
タダで使ったらろくでもないんですよ。
もう有料大好きになっちゃったでしょ?アハハハッ。
となると今後今からクルマを持とうと思う人はいろいろと今まで自分が思ってたガソリン代とか以外の駐車場とか以外のコストも…。
まあ払ってくださいと。
ハハハッ。
払ってそれでも乗りたいんだったら乗ればいい。
僕はどっちかというと今回いろいろお話を聞いてあといろいろクルマを体験して乗りたいなと思ってるんです。
時間あります?わかんないですけど。
1回乗ってみます。
はいお願いします。
「外部費用はすでにアナタの車に乗り込んでいる」。
2014/02/11(火) 23:30〜23:55
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「クルマなしでは生きられない!?」(後編)[字]

車がもたらす交通事故や環境汚染は社会に悪影響を及ぼすものとして、経済学では外部費用と言う。今最も深刻な外部費用が「渋滞」だ。どうすれば減らせるのだろうか。

詳細情報
番組内容
日本国内で、1年間に渋滞がもたらす損失は、ある経済学者の分析によると11兆円に及ぶという。渋滞は世界各国にとっても深刻な問題。さまざまな取り組みが始まっている。ロンドンやシンガポールでは、混雑時に市内に乗り入れる車には課金されるシステムが稼動している。一方、車が走るためには道路がなくてはならない。日本国内、縦横にめぐらされた道路をこれからどう維持していけばよいのか。ドイツの例を参考に考える。
出演者
【講師】日本大学教授…浅田義久,【出演】又吉直樹,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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