きょうの健康 急増する痛風「尿酸値を下げる治療」 2014.02.11

(テーマ音楽)皆さんの健康作りに役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
昨日からこちら…痛風は私たちの体の中にある尿酸という物質が深く関係しているんですよね。
こちら見てみましょう。
血液中の尿酸の値が7mg/dLを超えますと高尿酸血症という事で痛風になりやすくなるんです。
そうしますと尿酸値は7mg/dLより下を維持する事が大事なんですよね。
でもこの尿酸値はただ下げればいい訳でもないようなんです。
こちらをご覧下さい。
これまで痛風発作を起こした事がないというAさん35歳です。
健康診断を受けたところ尿酸値が9.5mg/dLと高いと診断されたので病院へ行ったところ尿酸値を下げる薬を処方されました。
Aさんは薬を処方どおりしっかりのみましたがなんと翌日痛風発作が起こってしまったんです。
この結果はなかなか納得いきませんね。
痛い思いをした事はなかったんですよね?「お薬のみなさい」と言われてのんだら痛くなったってこれおかしいですよね。
どこかに変なとこがあったんですかね?という事で今日のテーマはこちらです。
尿酸値を下げる治療について詳しくお伝えしていきます。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく伺ってまいります。
お迎え致しましたのは…特に痛風の診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
まずは何よりもこのAさん納得のいかない事ですがお薬を言われるとおりにのんだら痛くなったってこれ合点がいきませんね。
そうですね。
必ずしも全員がお薬を始めた事で痛風発作が起こる訳ではございませんがこのようなケースもあるんです。
その理由は後ほどご説明致します。
では後ほど伺いますがそれでは尿酸値を下げる治療について今日は詳しく伺っていく訳ですがそもそも尿酸値はなぜ上がってくるのかその辺り久田さんからご説明致しましょう。
こちらご覧下さい。
この尿酸というのは実はプリン体から作られているんです。
プリン体は細胞の中に含まれていて古くなった細胞が体の新陳代謝で分解されると放出されます。
このプリン体は肝臓で分解されて尿酸となるんです。
体の中には常に一定量の尿酸が蓄えられています。
それをプールで例えてみますと通常は作られる量と体の外に出ていく量がバランスを保っているのでプールの中の量は常に一定に保たれているんです。
しかし何らかの原因によって尿酸が過剰に作られてしまったりもしくは体から出ていく量が減ってしまったりとこのバランスが崩れますと尿酸プールがあふれて血液中の尿酸の量が増えてしまいます。
この増え過ぎたという状態が高尿酸血症なんです。
Aさんも高尿酸血症の治療としてお薬をのんだら痛くなっちゃった。
この疑問に是非お答え頂きたいのですがどういう事でしょう?これは尿酸値が薬によって急激に下げられた事が原因です。
どういう事ですか?尿酸は血液に溶けにくい物質です。
増え過ぎますと関節の中で溶けきれなくなってしまいます。
そのような尿酸は結晶となって沈着してまいります。
こういう結晶なんですね。
この結晶が長い年月をかけてどんどんたまっていきます。
それで痛風発作というものはこの結晶が塊から剥がれ落ちた時に…。
剥がれ落ちる?そうですね。
そういう時に起こるといわれています。
剥がれ落ちた尿酸は体にとって外敵だという事でそれを排除しようと白血球がやって来てこれを除こうという機構が働きます。
その時に白血球から出てくる炎症性の物質が赤みや腫れ激しい痛みを起こしてきます。
ですのでお薬の開始時には尿酸の結晶が落ちやすくなるのでAさんのようなケースも生じます。
Aさんはお薬をのんだから剥がれ落ちるという事が起きたんだろうと。
それで発作が起きたと考えればいい訳ですね。
ではAさんはどうしたらよかったのかという疑問はまだ残る訳ですが高尿酸血症の治療はどういうふうに行われるのか教えて頂きましょう。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインというものが作られていますがこれによりますと高尿酸血症状態がありますとまず尿酸の高さに関係なく生活指導が行われます。
とにかく生活指導は肝心と…。
それを行ってまだまだ高い状態が続くような時にお薬が使われる事になりますがその時に一つは尿酸値が8mg/dL以上。
この時には尿路結石だとか腎臓病とか高血圧心臓病などこのような合併症があれば8mg/dL以上で使っていく事がございますしまたこういう合併症がない場合でも9mg/dLを超えている状態ではお薬も使ってもいいとなっております。
Aさんの値は9.5mg/dLでしたからこのラインより上になります。
だからお薬が使われたんですか?ただガイドラインもあくまで目安でありますので尿酸値は日々変動しているものです。
例えば別の日にもう一回測ってみれば8.5mg/dLくらいだったかもしれません。
まず薬をすぐ出すという事ではなく生活指導を行ってしばらく様子を見てから薬を開始する事を考えたり致します。
またその開始時にはお薬は少ない量から始めるのが原則であります。
少量から始めて…。
たとえ少量のお薬で始めても治療開始後は痛風発作が起こる事もありますのでAさんのようなケースもある事は理解しておいた方がよろしいと思います。
ではこの大切な生活指導ですが具体的にはどんな事を指導していくんでしょうか?食事療法と飲酒の制限それから適度な運動が推奨の中心になるかと思います。
また肥満を合併しているような高尿酸血症では体重が減る事だけで尿酸値が改善される事もございますので適正摂取エネルギーを守って肥満を改善していく事が大切な事になります。
それから尿酸値が高い人はより多くの危険を抱えているという事も言えるものですからこういう事をやっていく事で長い目で見れば心筋梗塞や脳梗塞などといった予防にもつながると思います。
いわゆる生活習慣病を改善していくためにも大事な柱ですよね。
それでは今度は薬について伺ってまいります。
尿酸値を下げる薬はどんなものがあるんでしょうか?まずはできにくくするお薬というものがございます。
それにはアロプリノール…長い事使われてきたお薬ですし最近フェブキソスタットというお薬とトピロキソスタットという2種類のお薬が使われるようになってまいりました。
それぞれどんな特徴があるんですか?アロプリノールは腎臓から排せつされますので腎機能が悪い人では副作用が起こりやすい事が知られております。
しかしこの2つの新薬の方は腎臓が悪い人でも使いやすいといわれております。
できにくくするタイプのお薬を教えて頂きました。
ほかには?もう一つは尿酸を出しやすくするお薬がございましてベンズブロマロンプロベネシドが代表です。
ではここでもう一人の症例をご紹介しましょう。
こちらです。
今度はBさんです。
痛風発作の経験があります。
50歳です。
治療は行っていたんですが痛風が起こらなくなったので薬を勝手に中断していました。
しかしつい先日足の親指に前回の痛風発作と同じような痛みが出始めたので慌てて余っていた尿酸を下げる薬をのみました。
すると逆に足の指の痛みと腫れがひどくなってしまったという事なんです。
痛くなりましたね。
このケースはAさんと同じ事ですか?薬をのんだら悪化しましたね。
どうなんでしょう?尿酸値を急激に変化させた事は確かにそのとおりですがそれだけではございません。
まず痛風発作の時に使う痛みをとるお薬と尿酸値を下げるお薬は全く異なるものであります。
痛風発作の最中に尿酸値を下げるお薬を使い始めますと痛風発作が悪化したり長引いたりする事が多いです。
ですのでガイドラインでも痛風発作中に尿酸値を下げる薬は開始しない方がいいとされております。
痛風発作が治まって2週間以上たってからこれらのお薬は使用する事になっております。
Bさんは途中でお薬をやめておられましたね。
この点はいかがでしょうか?やめてはいけないんですね。
症状が治まったらすぐ尿酸値を下げる薬をやめてしまう患者さんがいるんですがその結果尿酸値が元の値に戻ってしまいます。
ですので尿酸値が下がっても薬をのみ続けて下がった尿酸値をきちんと維持していく事が大切です。
値が下がったからもうやめてもいいんだとは考えてはいけない訳ですね?いけないです。
薬をのみ続けていくという事ですね。
副作用も気になりますがどうなんでしょうか?アロプリノールは割とアレルギーが起こりやすいといわれていて皮膚に発疹が出たりします。
それからベンズブロマロンというお薬もまれではありますが肝臓障害を起こしたりするお薬といわれております。
ただこれらも比較的短期間にのみ始めてから起こりますので…。
起こるとすればのみ始めて短期間のうちに起こる。
ですからそれで起こらなかったら長い事使っていても安全であると考えられます。
いずれにせよ長くのむお薬ですから体にちょっと変な事を感じたら必ず主治医に告げなきゃいけませんね。
次は痛みをとる薬の方ですね。
これを教えて頂きましょう。
痛風発作の激痛の原因は関節の急性炎症です。
ですのでその時には非ステロイド性の抗炎症薬NSAIDsと申しますがこれを使用致します。
ただNSAIDsは腎臓に対して悪影響を及ぼすお薬でもありますので腎臓が悪い人ではNSAIDsが使えない事がございます。
そういう時にはステロイド薬を使う場合があります。
このNSAIDsいわゆる消炎鎮痛薬としてよく使われるお薬ですがこれを使う時の注意点はございますか?これは今の腎障害だけでなく胃の障害も起こしやすいお薬です。
ですからダラダラと長く使うものではなくて痛風の発作の時に短期間にパッと使って少し多めに使って治まればすぐやめるという注意も必要です。
ダラダラと漫然とのみ続ける薬ではないという事が注意ですね。
そして発作の進行を抑える薬がございます。
これは?コルヒチンというお薬がございます。
痛風の発作を起こした人ではその始まりに初期症状として個人差がございますがいろいろな事を感じます。
これが起これば痛風発作に至るであろうというような事を知る事ができる訳です。
そういう時にコルヒチンを1錠のみますと大きな発作に至らずに済む事ができるという事で発作の初期症状を知っておく事も大事な事かもしれません。
今日のお話ありがとうございました。
明日はご覧のテーマです。
明日も是非ご覧下さい。
2日間ありがとうございました。
2014/02/11(火) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 急増する痛風「尿酸値を下げる治療」[解][字]

尿酸を減らすための最新治療を伝える。尿酸値が7を超えている高尿酸血症の人にはまず生活指導。薬による治療は尿酸値が8以上で腎臓病・高血圧などの合併症がある場合。

詳細情報
番組内容
痛風の原因物質である尿酸を減らすための最新治療を伝える。尿酸値が7を超える高尿酸血症の人には、まず生活指導が行われる。食事療法・飲酒制限・適度な運動の3つが中心。薬による治療は尿酸値が8以上で、かつ腎臓病・尿路結石・高血圧・心臓病などがある場合。薬には、尿酸をできにくくする薬と尿酸を出しやすくする薬の2種類がある。これらは長く飲み続ける必要がある。また発作時の痛みをとる薬もある。
出演者
【講師】帝京大学教授…藤森新,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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