(橋口要之助)とまあ以上のような経緯がございまして議員生活40周年の節目にこのような自叙伝を出す事になった次第でございます。
人生は旅のごとしと申しますがわが半生は順風満帆とは程遠い厳しい苦難の旅路でございました。
しかし苦労は人生の味わいとも申せましょう。
(橋口)幾多の苦難を乗り越えた時の達成感と優越感が今の私を支えて…。
(池永清美)俺撮ってどうすんだ。
あっち撮れバカが。
(林哲夫)署長の命令です。
真面目にやってるかどうかチェックしとけって。
ハァ…外に出てる時ぐらいのんびりさせろっつうんだあのババァ…。
今の録音されましたよ。
冗談ですよ。
お嬢様〜。
(土屋詩織)楽しみだわぁあなたの将来。
フフ。
(刺す音)あぁっ!
(子ども達の声)
(小西千香子)今日プールどうだった?めっちゃおもろかった!お前なんかプールで溺れかけたやないか!言うなよ!は〜い渡って!
(子ども)はい。
(子ども達)さようなら〜!さいなら。
気をつけて!俺んち来週ディズニーランド行くんだぜ!いやっほぅ!俺んとこなんか沖縄行くんだ!おい慶太。
お前どこにも連れてってもらえねぇんだろ。
(3人)や〜い。
おばちゃ〜ん!さようなら!さいなら!
(車の走行音)
(ブレーキの音)あっ…!
(大杉慶太)うぅ…。
坊や…!坊や…しっかりしぃ!
(池永佳子)何だろう?救急車…救急車…ええと…な…何番やったかいな…。
あぁ…お巡りさん!救急車呼んでくれはらへん!?どうかしましたか!?この子車にはねられてしもて…。
さっそくうちの署員達の教育に使わせていただこうと思っております。
おぉ本当かい?はい。
いや参ったな。
(2人)ハハハ…!
(携帯電話のバイブ音)あ署からです。
ちょっと失礼致します。
(今泉達志)橋口先生。
この度は出版おめでとうございます。
え〜と君は…。
若葉ネットワークの今泉と申します。
(橋口)あぁ…で菊間君は?間もなく着くはずです。
(今泉)それで先生菊間の出馬する次回の知事選の件ですが…。
もちろん。
全面的に応援させてもらうよ。
(藤原あきら)どう?ご指示どおりゴマもすっておきました。
ところで交通課の池永巡査から連絡があったの。
パトロール中ひき逃げにあった小学生を病院に搬送したそうよ。
ひき逃げ…?左足を骨折右手首にもヒビが入ってるって。
ひでぇな…。
うちが悪いんや。
何のためにあそこに立ってたかわからへんわ。
小西さんの責任じゃありませんよ。
小西さんの働きっぷりはみんながわかってます。
そんなふうに自分責める必要ありませんよ。
(戸の開く音)
(大杉昇一郎)慶太…!お父さんですか?慶太…。
たった今眠ったところです。
検査のために2〜3日入院する必要があるそうです。
あ…あの…。
あ河原町署の人達や。
この人が坊やを病院まで運んでくれはったんえ。
それでこちらが副署長さん。
池永といいます。
あ…それはどうも。
ひき逃げ犯必ず捕まえます。
あ…よろしくお願いします。
じゃあ俺はこれで。
すいませんが後を頼みます。
ちょっと待ってください!何か?もう帰っちゃうんですか!?それじゃあんまり慶太君…!佳子!差し出がましいようですけど息子さんが目を覚ますまでついててあげたらどうですか?事故のショックもあるでしょうし…。
大丈夫ですよ。
あいつ案外しっかりしてるから。
信じられない!あれでも父親なの!?
(シャッター音)
(警官)はい了解しました。
(梶原勇)署長がお見えです!
(一同)ご苦労様です!事件の概要報告。
はい。
被害者はこの部屋の住人土屋詩織38歳。
祇園のクラブ「夕顔」のママです。
(花村一彦)死亡推定時刻は正午から午後1時頃。
まだ4時間と経過してません。
凶器は鋭い刃物のようですが現場にはありません。
(上田聡)この事件極めて計画的な犯行と思われます。
(野沢健作)何を根拠に!?犯人は凶器の刃物をあらかじめ用意して被害者宅を訪れた。
強い殺意を感じさせます!あなたが言うと先入観にしか聞こえないわね。
ん〜フン!
(平松純平)おぉ。
ドンマイ。
え?逃げる車を見た?うん。
子どもはねた後すごいスピードで走って行ったで。
色とか形とか覚えてます?黒の…多分レベッカやと思うわ。
あと奈良ナンバーやったような。
ありがとうございます!
(千香子)婦警さん!小西さん!えらいこっちゃ。
さっき肝心な事言うの忘れてたわ!うち見たんよ。
見たって?顔や。
運転してた男の顔!若い男やったわ!茶色い毛をなんかこうツンツン立てた感じの…一瞬やったけどよう見えたわ!茶髪の…若者。
(市川奈津美)副署長。
はい。
第22回少年剣道大会の募集要項です。
はい。
(近藤時男)副署長…。
うわびっくりした〜!ちょっと…。
自分がひき逃げ事件の聞き込みをですか?若葉ネットワーク。
若者の雇用をサポートする団体です。
代表者は菊間貞雄。
菊間…?あテレビに出てる奴だ。
目撃された車と同じものを彼の事務所が所有している。
そして運転していたのは茶髪の青年だったそうよ。
ご存知のとおり菊間氏は度々メディアに登場する有名人であり府議会議員橋口要之助氏との結びつきも強い。
しかも彼次期知事選への出馬を表明している。
聞き込みには細心の注意を払い礼を尽くして行う必要があるわ。
わかりました。
署長の信頼に応えるべく全力で努力…。
信頼して頼んでるわけじゃないわ。
え?私には時間がないだけ。
く〜可愛くねぇ。
まぁどうぞお座りください。
ここ?
(咳払い)え〜副署長。
もう1つよろしいですか?えぇ。
道々くれぐれも走ったりなさらないように。
何すか?風の噂です。
河原町署の副署長は時折町中を私服で全力疾走しているとか。
お疲れ様です。
ハハハそりゃ他人の空似ですよ。
よくありますからねこの顔は。
人はどこかで必ず見ているものです。
うちのスタッフが運転していたとでも!?いやただ車種がこちらの車と合致したという事と運転者が茶髪の若者だったという目撃情報があるものですからね。
該当する方に心当たりがあるようですね。
(菊間貞雄)ええ1人。
念のためお話を伺わせてもらってもよろしいでしょうか?すいません。
どうぞどうぞ。
この事務所には結構若いスタッフもいらっしゃるんですか?あ相談者に若者が多いですから。
企業から使い捨てにされた個人同士を結びつけ雇用主に最低限の待遇を保障させる。
それがうちの仕事です。
はぁなるほど。
ひとごとってお顔ですね。
はい?恵まれた立場の人には永遠にひとごとなんでしょうから。
いえそんな…。
この国には今新たな貧困層が出現しています。
働いても働いても豊かさを手に入れられないいわゆるワーキングプアといわれる人々が。
はい。
生活の基盤を持たず行政のセーフティネットからももれた人間がもし生きるために犯罪を犯したとしてあなたはそれを糾弾できますか?糾弾っていいますか…。
労働問題と治安問題は直結してるんですよ。
もっと危機意識をお持ちになった方がよろしいんじゃ。
はぁごもっともです。
(足音)
(鳴沢俊二)申し訳ありませんでした!まさか…本当なのか!?事務所の車でコンビニに行こうとしてあの事故を…。
バレたら菊間さんの名前に傷がつく思うて…。
だからって逃げる奴があるか!
(鳴沢)すいません!申し訳ありませんでした!運転してた鳴沢俊二は菊間氏の事務所のスタッフでした。
業務上過失傷害で書類送検します。
一件落着ね。
はっ。
菊間さん小学生のお見舞いに行くとおっしゃってるんですって?ええ鳴沢に代わって謝罪したいそうです。
評判どおりの人格者ね。
橋口議員が入れ込むだけの事はあるわ。
その時はあなたも立ち会うのよ。
(ノック)失礼します。
署長全員揃いました。
始めましょう。
捜査会議ですか?例の祇園のママの。
何にでも突っ込みたがるその首制服の中に引っ込めといて。
あ痛っ…。
(舌打ち)
(ため息)我慢我慢。
(梶原)ガイシャの土屋詩織ですがゆすりまがいの事をしていたようです。
大企業の重役などを相手に自分との愛人関係をバラすと言っては金をせびっていたとか。
凶器については?現場のキッチンから包丁が1本紛失しているのがわかりました。
つまり…。
ホシが持ち込んだものではなくガイシャの台所のものだった。
…恐らく。
先入観が捜査の邪魔になるいい例だなぁ。
引き続き被害者の周辺を徹底的に洗って。
(一同)はい!あなた達は目撃者探しを。
それ以外の事は何もしないで。
余計な推理もしなくて結構。
俺刑事に向いてない気がしてきた…。
自分探しより目撃者探しだ!慶太君のお父さんも来るって言ってたのになぁ…。
連絡取れねぇのか?うん。
こっちからかけても全然繋がらないの!子どもが事故に遭ったらさぁ普通そばについててやるもんなんじゃないの!?あぁ…。
おご到着だ。
(戸の開く音)慶太君いらしたわよ。
大杉慶太くんです。
慶太君すまなかったね。
君をはねたのは僕のところで働いている男だったんだ。
本当に何と言って謝ればいいか…。
(菊間)どうか一日も早く良くなって欲しい。
ほら慶太君キレイなお花だねぇ。
いらない…。
え?どうして?花よりマンガの方が良かったかな?何だか変だったよねぇ慶太君。
うん…でもまぁ人見知りの強いガキってのもいるからな。
どうも引っかかるのよねぇ…。
あの事故の事で何か見落としてるかも!何かって何だよ?それがわかんないから困ってんでしょ!あ〜もうなんかもやもやして来た!あたしもう一度現場見てくる!マズいよ!解決した事件蒸し返すような事したら署長が!大丈夫!お兄ちゃんに唆されたって言うから。
これこれ!あ…おい!俺の作った弁当どうすんだよ!?ったくいい性格してるぜ本当に…。
あっちにも困った性格の奴が1人…。
どうしたの?あの若作りの中年は。
昨日から落ち込んでるんですよ。
殺しの推理が大ハズレしたって。
ハン!しかも佳子ちゃん俺がこんなに落ち込んでんのに気付いてさえくれない…。
おいその佳子と間接キスして元気出せ!手柄取って挽回しようぜ。
例の車の事がヒントになるかもしれないだろ。
例の車って何だ?目撃情報ですよ。
殺しのあったマンションの前に黒のレベッカが停まっていたっていう…。
事件当日にか?いいか?土屋詩織が殺されたマンションからひき逃げ事件の現場までその距離わずか2キロだ。
それがどうかしたって言うんですか?ひき逃げを起こした車は黒のレベッカだったそうだ。
鳴沢はあの日コンビニに行くために車を出したって言ってんだけどよ〜く考えてみりゃわざわざコンビニに車ってのも変な話だろ。
池さんもしかして…!ちょ…ちょっと待ってください。
(平松)土屋詩織を殺したのは鳴沢で逃走中にひき逃げを起こしたっていうんですか!?可能性はゼロじゃねぇ。
聞き込みのついでに鳴沢とガイシャに接点があったかどうか調べてみてくれ。
(2人)はい!車がこの道を走ってきた。
で慶太君が事故に遭ったのがここ。
小西千香子はあの時この辺りに立ってた。
あっ…!
(足音)いやぁ…。
学校でこちらだって伺ったものですから。
ひき逃げの犯人捕まったんやてなぁ。
良かったなぁ。
小西さんどうして嘘なんかついたんですか?え…?あなた本当は事故なんて見てなかった。
そうでしょう?な…何や突然…。
事故当時あなたはいつもどおり校門の前で旗を持って立ってたはずです。
だけど慶太君が車にはねられた場所は校門から十数メートル離れた場所にあった。
そしてひき逃げをした車は校門とは逆方向へ走り去っていきました。
つまりあなたからはどうやったって車を運転していた人物の顔を見る事は不可能なんです。
教えてください!どうして嘘の証言なんかしたんですか!?何十年も子ども達の安全を見守ってきたあなたがどうして…?勘違いや。
勘違い?うち嘘なんかついてへんで!ただの勘違いや!ほんま悪かったなぁ。
すいません。
あ…。
変だよ…彼女も慶太君も。
何かおかしい。
うん…。
あたしもう一度病院見てくる!平野家…?ねぇ慶太君。
何かお姉ちゃんに隠してる事あるんじゃない?
(戸の開く音)お父さん!よぉ慶太。
顔色いいじゃん。
ほら着替え。
ありがとう。
遅かったですね。
菊間さんが来る時に立ち会うっておっしゃってたのに。
いやそうしたかったんですけどねいろいろ忙しくて。
じゃ慶太このお姉ちゃんの言う事をちゃんと聞くんだぞ。
うん…。
ん。
まさかもうお帰りになるおつもりですか?それよりちょっといいかな?金…出るんだよね?はい!?いやここの治療費。
菊間って人の事務所が出してくれるって聞いたけど。
えぇそのはずですけど。
あ〜そっか。
なら良かった。
そんな事よりもう少し慶太君のそばにいてあげてください!昨日だって結局…。
あぁごめんごめん俺忙しいもんで。
大杉さん!それでも…父親ですか?気分悪いのよねぇ!ひき逃げ事件はスッキリしないし…!あの父親の態度はムカツクし〜!ハハそういう時はなぁ俺の絶品料理でも食って頭切り替えろ。
(ため息)
(池永はるか)あ〜あたしはレモンかけない主義なのに!バァ〜カ唐揚げにはレモンって神代の昔から決まってんだよ〜!
(藤原拓海)自分の流儀を他人に押し付けるのは人として未熟な証拠。
藤原ジュニアお前ちょっと偉そうなんじゃねぇか?すいません。
うちの父親の口癖なんです。
カ〜ッ!セレブ様は言う事が違うね!人として未熟ねぇ〜。
当たってるかも!アハハ!未熟って言うより単に子ども?何ぃ!?幼稚とも言うね〜!
(3人)アハハ…!…頭来た!ん?
(拓海)おじさん?止めるな!俺のガラスのハートは今パリンと音を立てて割れた。
1人寂しく飲んでくる!スネちゃダメでちゅよ〜だ!おちょくるな!捜すなよ!追憶で飲んでる俺を絶対捜すなよ!子どもだ…完璧に子どもだ。
「彼の車に乗って」「真夏の夜を」
(鈴木豊)あ池ちゃん!買い物行ってくるから後はよろしく。
買い物?うん。
タダ酒しちまうぞ!
(鈴木)飲んで飲んでどんどんどんどん。
フフ。
百癒はカウンターの上!ハァ〜嫌な奴に会っちまったぜ…。
とことんツイてねぇな今日は。
またマスターいじめてたんだろ。
(島英明)嬉しいご挨拶ですねぇ。
取り引きする気が失せそうだ。
取り引き?菊間貞雄。
聞き込みに行ったんじゃ?もう嗅ぎつけたのかよ…。
まったくいい鼻してるぜ。
調べてんでしょ?祇園のママ殺しとの繋がりを。
なんでそう思うんだ?殺された土屋詩織って女時々面白い情報を持ってましてね。
何かと重宝していたんですが。
なるほどね。
彼女の店の常連客に府議会議員の橋口要之助がいたのご存知ですか?ママ今日はいい男連れてきたぞ。
(詩織)わぁ〜嬉しい!さぁご案内して。
は〜い。
おぉ…。
(詩織)さどうぞ。
(島の声)菊間も土屋詩織も驚いた顔してましたよ。
あの2人は元々知り合いだったって事か!?それを調べんのはあんたの仕事でしょう。
何度言ったらわかんだよ。
捜査の情報は俺の耳には入ってこねぇの。
その割に河原町署に自首をする犯人は多い。
何の話かな…?ギブアンドテイク。
お忘れなく。
おい…勘定は?え?「え?」じゃねぇだろうが。
おい…!やっぱりおじさん迎えに行った方がいいんじゃない?そうだね。
ヤケ酒飲まれても後が面倒だしね。
フフ。
しゃあない行くか。
何かあたしお邪魔虫だし。
は?まぁ2人きりになりたいのはわかるけど一線越えないでね〜!フン。
ちょっと待ってくださいよ…。
ハァ…本当大人って深読みする。
(工事の音)
(倒れる音)おぅおぅ何しとんねん!もたもたせんとはよせいよ!
(昇一郎)すいません!ハァハァハァ…。
(昇一郎)慶太が生まれたのは俺がまだハタチの時でねいわゆる「できちゃった結婚」ってやつ。
最近じゃ「授かり婚」って言うらしいですけど。
ハハ女房は授かったなんて思っちゃいなかったな。
さっさと別の男作ってガキ置いて出てっちまいやがった。
それから1人で慶太君を?当時は工務店に勤めてた。
日当1万。
切り詰めれば息子と2人なんとか生活できた。
だけど仕事中にケガしてさ。
1か月休んだら速攻クビだよ。
じゃあ今は…。
昼間は自動車工場に勤めてる。
車の塗装ムラをヤスリで磨く仕事。
まぁ3か月契約だけどね。
3か月?60秒に1台ずつ黒のレベッカが流れてくる。
あいつをはねたのと同じ車なんか磨きたくないのにさ…。
情けないよな…。
息子が入院してるってのについててさえやれない。
だけど今はできるだけ金貯めてあいつの将来に備えてやりたいからさ。
…じゃ。
あの!ごめんなさい!さっき病院で…。
ちょっと嬉しかったよ。
…え?俺のことを大杉さんって名前で呼んでくれたろ。
職場じゃ一日名前呼ばれない事もザラだからさ。
ハハ。
大杉さん!お願いがあります。
(昇一郎)お前事故の事で何か隠してないか?父ちゃんに言ってみろ。
な?車運転してたのあのおじさんだよ。
誰だ?おじさんって。
もしかして…お花持ってきてくれたおじさんの事?慶太君をはねた車菊間さんが運転してたの?そんな大事な事どうして…!?言えなかったんだよな。
知らない人に囲まれて心細かったんだよな。
ごめんな。
ごめんな慶太。
(慶太)お父さん…。
菊間が…!?うん。
慶太君が話してくれた。
それに菊間は携帯をかけながら運転してたって。
携帯を。
こんにちは。
小西さん。
あんたに会いに来たんちゃうで。
交通安全の講習や。
しっかり勉強しな…。
ちょっといいですか?慶太君が教えてくれましたよ。
運転していた人物の正体を。
あなたが嘘の証言をしたのは菊間貞雄に頼まれたからじゃないんですか?一体どんな取り引きをしたんですか?何の話かさっぱりわからへん。
ごく身近な大人があの事故について何かを隠してるって知ったら慶太君はめちゃめちゃ傷つくでしょうね。
自分は…あなたにはそんな嘘をつき通せるはずがないと思ってます。
ずっと子どもを守り続けてきた人ですからね。
キレイ事やなぁ。
はい?その制服がキレイ事言わせてんのやろな!
(上田)池さん!おぅ。
調べましたよ。
被害者と菊間を結ぶ接点。
サンキュ。
これが被害者の土屋詩織の経歴。
でこれが菊間の経歴です。
2人は高校の同級生でした。
その当時に何かがあったんじゃないか?2人の間に。
えぇ被害者の土屋詩織が後々菊間を脅すネタになる何かが。
ちょっと見せてみろ。
はい。
「菊間貞雄昭和45年生まれ」「生後すぐに両親が離婚」「小学校4年の時母が病死。
その後親戚の養子となり名字が…」池さん?もしかして…。
子どもの言う事よ。
鵜呑みにはできないわ。
でも調べる必要はあります!
(ノック)おぅ…!署長菊間と土屋詩織は高校の同級生でした。
何ですって?動機はまだわかりませんけれどももし何らかの理由で菊間が土屋詩織を殺害しその逃走中にあの事故を起こしたって考えればすべての辻褄が合います。
(ため息)ちょっと待ってください!黙殺するんですか?1人の子どもの訴えを。
見損なわないで。
橋口議員の出版パーティーではうちの署員がビデオカメラを回していた。
そうよね。
回してました。
菊間貞雄と橋口議員の繋がりは強い。
あのパーティーに来ていてもおかしくないわ。
なるほど。
そのビデオにもし菊間が写ってたとしたら…。
時間によっては立派なアリバイになる。
あっ…こいつ。
こいつ確か菊間んとこの事務所の奴ですよ。
確かめたいのは菊間本人がいるかどうかよ。
わかってますよ…。
ストップ!どうしたの?いいからちょっと巻き戻せ。
はいそっからでいい。
いいですか?ここを見ててください。
はいストップ!佳子時間は何時だ?12時35分。
そういう事です!どこ行くの?今ので慶太君の証言は立証されたでしょう!菊間引っ張ります!それはあなたの仕事ではありません。
署長…!失礼致します。
副署長決済が山ほど待っております。
よろしくどうぞ。
ちょっと待ってください。
席に戻りなさい。
よろしくどうぞ!
(菊間)一日も早く良くなって欲しい。
(千香子)嘘なんかついてへんで!ただの勘違いや!もし生きるために犯罪を犯したとしてあなたはそれを糾弾できますか?その制服がキレイ事言わせてんのやろな!俺の我慢もここまでだ…!トイレはキレイに使いましょ。
あ…。
あ…。
お疲れ様です。
また全力疾走ですか?副署長。
すいませんねぇ突然呼び出したりして。
(菊間)いや僕に協力できる事なら何でも。
ここがあなたの母校だそうですね。
あの…現場検証に立ち会って欲しいというのは…。
そうでも言わなきゃ出てきてくれないだろうと思いましてね。
は?本当はあなたに聞きたい事があるんです。
土屋詩織さんについてです。
土屋詩織…誰です?先日殺された祇園のクラブのママです。
あなたの高校時代の同級生でもある。
あなたは何らかの理由で土屋詩織さんを殺害して車で逃走中に大杉慶太君をはねてしまった。
違いますか?何をバカな…。
慶太君が車を運転しているあなたを見ていました。
見間違いだ。
そうでしょうか?あの日自分は橋口議員の出版パーティーに出席していました。
これがそのときの映像です。
ここを見てください。
この人です。
これあなたの事務所の今泉さんですよね?もうすぐ彼の携帯に電話がかかってきます。
しかし電話は彼が出た途端切れてしまいました。
時刻は12時35分。
慶太君がはねられた時刻に完全に一致しています。
菊間さんこの電話をかけたのはあなたです。
あなたは土屋詩織さんを殺害し車で逃走中に携帯電話をかけそれが原因で事故を起こしてしまったんです。
(ブレーキの音)
(慶太のうめき声)通話記録を調べれば一目瞭然です。
たとえ電話をかけたのが僕だったとしても僕が車を運転していた証拠にはならない。
まして殺人の証拠にはならない。
確かに。
しかし証言する人物が出てきたとしたらどうでしょう。
証言?はい。
嘘の目撃情報を警察に提供するように頼まれたと…証言する人物が現れたとしたら?そんな人物は現れない。
失礼します。
平野貞雄君。
それが小学校4年生までのあなたの名前でしたよね。
でも4年生の時にお母さんが亡くなって親戚に引き取られたためあなたの名字は菊間に変わった。
その頃からあなた方は知り合いだったんじゃないんですか?あなたとひき逃げの証言をした小西千香子さんとです。
小西さんが手を合わせていたお墓…。
あれはてっきり小西家のお墓だと思ってました。
でもお墓には平野家と書いてありました。
あそこに眠っているのはあなたのお母さんだったんです。
副署長さん。
肉親を亡くした事は?ありますよ。
それは…金があれば助かった命でしたか?…はい?僕の母はね自分の病気に気付いていながら医者にかかろうとはしなかった。
金がかかるからですよ。
別れた親父の借金を返しながら女手ひとつで僕を育てて自分は健康保険にも入っていなかった。
仕事先で倒れて病院に担ぎこまれた時にはもう手遅れでした…。
母が死んで僕はこの世の中に対して心を閉ざしました。
母ちゃん…。
(菊間の声)あの人に会ったのはそんな時でした。
(千香子)そんな事したらあかん。
そんな事したらお墓の中の人が泣かはるえ。
こうして…ちゃあんとお参りせんと。
な?ウフフ。
あぁよいしょ。
息子の墓なんや。
生まれてすぐ死んでしもた。
あの頃うちにもっとお金があったらなぁ…助かったかも知れへんけど。
さいならおばちゃん!気ぃつけてな。
さいなら。
ハハ。
あ貞雄君。
あんたしっかり勉強しなあかんで。
スネてる暇なんかあらへん。
しっかり勉強してほんの少しでええさかい世の中変えてや。
頼むえ!
(菊間)僕にはやるべき事がある。
それを邪魔しないでください!やるべき事の前だったら何をしても許されるんですか!?人を殺しても子どもをケガさせて逃げても許されるんですか!?子どもをはねたのは鳴沢だ。
えぇ小西さんもそう証言しています。
あなたに頼まれてね!僕は頼んでない!だとしたら彼女は自分で言い出したんだ!あなたの罪を隠蔽するために。
もしかしたら彼女は母親が子どもを守るようにあなたを守ろうとしてるのかもしれません。
でもそんなのは本当の愛情じゃない!罪を庇ってやるのは愛情とは違います。
あなたも本当はとっくにそれに気付いてるはずです。
小西さん…真実を話してください。
もう時間がないんです。
彼を自首扱いできるのは今しかないんです!うちこの男を庇ったりしてへん。
小西さん!?嘘の証言もしてへん。
言うたやろ。
ただの勘違いやて。
じゃあ帰らせていただきます。
(千香子)せやけど…もしうちが誰かのために嘘の証言してたとしたらそれは…庇いたいからとは限らへん。
どういう意味ですか?ただ…待ちたいだけかもしれへんやろ。
待つ?人間…勇気出すには時間がかかるもんや。
うちは待ちたいんや。
坊やが勇気を出して自分のした事と向き合うのを待ちたい。
自分から償う決心するのを待ちたいんや。
そのためやったらしばらくの間嘘つきになってもええと思ってる。
それであなた自身が罪に問われたとしてもですか?かまへん。
坊やは今赤信号で立ち止まってるだけなんや。
いつか信号が青になったらきっと自分の足で歩き出すわ。
うちはなぁ坊やのお母さんの代わりにそれを見届けるんや。
そう決めたんや。
菊間さん…どうやら負けたみたいですね。
あなたも俺も。
これほどの深い愛情に気付かない人間に世の中が変えられるはずがない。
俺はそう思います。
本当は世の中なんかじゃなかった。
え?一番変えたかったのは…自分の過去でした。
これっぽっち?もう俺の前に現れないでくれ。
どうしてよ?ハタチの頃みたいに仲良くしましょうよ。
まあなたの経歴ではその頃イギリスに留学してた事になってるけど。
フフそうそう。
うちのお店に『週刊タイムズ』の記者がよく来るの。
府知事候補の学歴詐称。
獲物としては申し分ないわよねぇ。
楽しみだわぁあなたの将来。
(刺す音)あぁっ!
(菊間の声)その後パーティーに向かう途中で今泉に連絡しようとしてあの事故を…。
鳴沢には300万を渡して身代わりに。
そして…。
もうええよ。
貞雄君もうええ。
副署長さんおおきに。
どうしたんですか?突然。
あんたがこの子の信号青に変えてくれた。
おおきに。
でも…もう行き止まりだ。
信号を渡っても…僕にはもう行き止まりしかない。
そうだ。
行き止まりだ。
お兄ちゃん…!でも罪を償って償い終えたらあなたの前にまた道が現れる。
その道には信号なんかありゃしねぇ。
立ち止まるか引き返すかそれとも前へ進むか。
決めるのはあなた自身だ。
少なくてもあなたには味方がいる。
貞雄君…!貞雄君…!警察1人で行けるな?
(ため息)大丈夫だよおばちゃん。
うん。
おばちゃんありがとう!ありがとう。
慶太君のお父さんこの秋から工務店で働くんだって。
本当かよ!正社員として雇ってもらえたみたい。
ハハハ。
そうか安心したぜ。
副署長。
これはこれは署長。
どうも気になるのよね。
はい?菊間貞雄は小西千香子に説得されて出頭してきた。
だけど…裏に誰かの気配を感じるのよね。
まさか…気のせいですよ。
お疲れなんじゃありませんか?肩でもおもみ致しましょうか?キャーちょっとセクハラ!セクハラって…。
逮捕するわよ!まぁまぁそう遠慮なさらずに。
ゴールドフィンガーで昇天させてあげちゃおうかな!気持ち悪い!やめて…もう!フィンガーテクニックをもっと味わってみてちょんまげ!2014/02/25(火) 15:55〜16:50
ABCテレビ1
その男、副署長2[再][字]
「京都殺人交差点…偽りの目撃証言の罠!!」
詳細情報
◇番組内容
船越英一郎主演▽本格派“副署長”ミステリー第2弾。捜査を禁じられた所轄署の副署長・池永清美。彼が制服を脱ぎ捨てたとき、難事件は解決する!
◇出演者
船越英一郎、田中美里、本田博太郎、萬田久子 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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