(アナウンサー)皇軍伝統の精神を真骨頂にまで発揮した我が精鋭は今や後方における戦略的根拠の設定も完了し所期の目的を達しました。
ニューギニア島のブナ付近に挺進せる部隊は1月下旬。
ソロモン諸島ガダルカナル島に作戦中の部隊は2月上旬…。
(トラ)
勢いよく始まった太平洋戦争でしたが…
(ラジオ)「極めて整斉確実にガダルカナル島より戦略的転進を完了しました。
ソロモン群島ならびに…」。
(桜子)転進…。
(室井)物は言いようだね。
日本は勢力を盛り返した連合軍の前に敗戦に次ぐ敗戦…にもかかわらず戦果を偽り続けもはや後には引けない悪循環に陥りました。
そして…国民生活もそれにつれて悪循環に。
食品日用品衣料品はほぼ全て配給制に移行し…
店頭で自由に買える物はほとんど無くなりました
主婦たちは今日は米。
明日は野菜。
あさっては油と日々さまざまな配給の列に2時間も3時間も並ばねばならなくなりました。
それは大変な時間と労力の負担で隣組単位での共同購入という形をとる人たちが増えました。
持ち回りで並ぶのです
(みね)もう〜まだかいな。
そんな中め以子は…
あの人やでのっぽの。
あの人なんや!ごちそうさん!え〜子どもらにおやつあげはる人かいな。
このご時世に子どもにおやつを配る「ごちそうさん」としてちょっとばかり尊敬され図に乗っておりました
・「突然偶然それとも必然?」・「始まりは気付かぬうちに」・「予報通りいかない模様」・「そんな時こそ微笑みを」・「ポツリポツリと町の色変わってゆけば」・「傘はなくとも雨空に唄うよ」・「どんな君でもアイシテイル」・「顔を上げてごらん光が照らす」・「涙の河も海へと帰る」・「誰の心も雨のち晴レルヤ」こんにちは〜!あ〜さぶいなあ。
(め以子)あっおおきに。
(多江)はい。
(伸世)ちょっとこのカブラ葉っぱばっかりやがな。
はあ?目方は同じでっせ。
せやけどこんなん不公平や。
この人のカブラころころしてはりますがな。
(房子)何を言うてんの。
大根はあんたの方が太いやないの。
大根…。
失礼な。
ほな私のと換えます?葉っぱの方が栄養あるともいいますし。
そうなん?どうもそうらしいですよ。
せやけど腹の足しにはならんし。
ほなどうぞ。
えっえ…ええの?ホンマ?ごちそうさん。
ああほな私はこれで。
あっ…おおきに。
ちょっと…。
さすがごちそうさんやな。
(時子)近所の子にもおやつやってんねやろ?今時分ようやりはるよな。
何あんたら。
ごちそうさん遅い!おなかすいて死にそうや!もうやかましな。
おばちゃんにはおばちゃんの生活があるんや。
どうでもええから今日何?ごちそうさん。
何やろなあ?早う!おなかすいたごちそうさん。
はいはいはい。
何やろな?
(静)ああ〜さぶさぶ。
今日何?またカブラかいな。
この間もちゃうかった?配られるもんは選べませんからね。
・
(戸が開く音)
(活男)お母ちゃん小池さん来はった。
あっはいはいはいはい。
(小池)そこまでせんでも。
壁に耳あり障子に目ありですから。
密告されるといけませんからさっ早う。
配給だけでは生活できなかった庶民はいろんな手だてを講じておりました。
家族の数を水増し申請して配給を受けたり農家などへ買い出しに行ったり。
このように闇屋を利用する者もおりました。
多かれ少なかれみんなやってる事でしたが不正には違いなく警察への密告を恐れお互いひた隠しにするのが常でございました
このお米いくらですか?
(川久保)またお米の闇値が上がったんですか?公定価格の6倍や。
お砂糖なんて20倍やて。
(川久保)20倍…。
まあ背ぇに腹は代えられんからな。
市場の人らに直接言うて都合してもらうとかでけへんのですか?う〜ん私もお客の一人やし向こうからしたら切りがなくなる思たら言いにくうて。
(悠太郎)お金大丈夫ですか?まあ何とかギリギリやれてます。
(泰介)ごめんな。
4月から高校の金…。
何言うてんの。
それよりふ久あんたやあんた。
あんた来年師範学校卒業やろ。
どうするつもりなん?
(ふ久)人に教えるん面倒くさい。
うちでゴロゴロしてたかて勤労奉仕に駆り出されるだけやんか。
希子ちゃんほれ言うたって。
(希子)あ…仕事するんも向き不向きがありますし。
ほなわし中学やめよか?今はコックの修業なんてどこ行ってもでけへんて何べん言うたら…。
なあ何で東京のおじいちゃんとこ行ったらあかんの?今はあっちもそれどころじゃないねんて。
馬介さんとこ手伝うんで我慢しといて。
(ハト時計の音)
(ドアが開く音)馬介さん。
今日の日替わりは?
(ため息)なしか。
(馬介)どないかせんとな。
ただいま〜。
(桜子)お帰り。
(活男)うわうまそう!これどないしたんですか?
(室井)時局物の軍国歌謡を作ってねそれで少しもらえたんだけど。
文女ちゃ〜ん!
(文女)うん?へえ〜ええリンゴやんか。
そ…それ出してええ?
(室井)えっ?いや買うから。
言い値で買うから。
え〜?でもそんなにいっぱいないし。
いいですよ。
出しちゃいましょうよ。
えっ?食べられない時にいろんな人に助けてもらってきたでしょ?食べさせてもらったでしょ?別にここのお客さんには食べさせてもらった…。
イテッ!出せるいう事でええんかな?ええと思うよ。
(みね)里芋で作ったん?これ。
うん。
配給の里芋と残ってたおうどんで。
う〜んこのモチモチ感がええわこれどうやって作るん?ふかした里芋と軟らか〜くゆでたおうどんを一緒に潰して混ぜたんです。
(一同)へえ〜。
なああれ誰?ああ〜婦人会の本部の偉い人違う?松島さん。
時々婦人雑誌に出てはるよな。
(一同)ああ〜。
高山さん大阪支部長狙ってはるからね。
(一同)ああ〜。
天満支部では近頃金属の供出と国債の購入に力を入れておりまして。
(松島)「ごちそうさん」いう人は?
(多江)えっ?「ごちそうさん」いう人がいはるんやろ?はい。
ちょっと西門さん。
あっはい。
こちら婦人会の副会長の松島さん。
初めまして。
そうなんや。
あなたでしたか。
お会いしたかったんよ。
お母ちゃん雑誌出るん?婦人会の座談会載せるんやて。
それで「ごちそうさん」呼ばれてる人いう事で料理の始末とか献立の事とか話してくれへんかって。
ええなあちい姉ちゃんは。
うん?「ごちそうさん」てええ生き方ですよね。
え?
(希子)身の回りの人に御飯振る舞ってみんなが幸せになって。
ホンマにええ生き方ですよね。
どんな時代でもそれはもう絶対にええ事やもん。
希子ちゃん?あんたかて立派な仕事してるやんか。
そうや。
あんな立派なお仕事誰もができる事とちゃうやんか。
ええ。
・
(戸が開く音)・西門さん!はい?な…何ですか?
(情報局役人)この家は違法な闇物資を購入してるんとちゃうかという通報があった。
これより立ち入り検査を行う。
あっちょ…ちょっと待って下さい。
うちは何も…。
何やこの米は!あ…配給米です。
配給は玄米のはずやろ!自分らでついてるんです。
みんなおなかが弱くて玄米だとくだしてしまって。
お国のために働けなくなりますから!どけ!な…何ですか?うちは何も…。
米はどこや!おい!蔵開けろ。
えっ…。
蔵開けろ言うとるんや。
米は…あそこです。
どう見ても配給米やないな。
当時没収された物資は公定価格で買い上げられる決まりとなっておりました。
つまり大損
あんたいくらで買うたん?けど通報て…。
誰にやられたんでしょうね。
単に目立ってもうたんとちゃう?子どもにおやつやったりしてそんな余裕あるおかしいて思われたとか。
かもしれんなあ。
・
(戸が開く音)・ただいま戻りました。
・
(川久保)ただいま戻りました。
お帰り。
お帰りなさい。
何やあったんですか?お父さん地下室造って。
えっ?絶対見つからんような地下室造って。
生字幕放送でお伝えします2014/02/11(火) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 ごちそうさん(110)「貧すればうどんす」[解][字][デ]
食糧事情が厳しい中子どもたちにふるまうことで「ごちそうさん」と呼ばれ続けているめ以子(杏)。戦時下の放送局に勤める希子(高畑充希)はめ以子をうらやましく思う。
詳細情報
番組内容
昭和18年。戦争のために生活は苦しくなる。め以子(杏)は、何時間も配給の列に並ぶ一方で、身の回りのひとに菓子などをふるまい、「ごちそうさん」と呼ばれ、誇りに思っている。だが、食糧が手に入らず、ひそかに闇屋を利用している。め以子が「ごちそうさん」であることが、婦人会の副会長の耳に入る。戦時下の放送局の仕事に悩む希子(高畑充希)は、め以子をうらやましがる。そんな折、西門家に闇物資があるという通報が…。
出演者
【出演】杏,東出昌大,宮崎美子,高畑充希,菅田将暉,松浦雅,西畑大吾,茂山逸平,前田亜季,山中崇,中村靖日,【語り】吉行和子
原作・脚本
【作】森下佳子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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