花嫁のれん #37【お手本 出演:羽田美智子 野際陽子】 2014.02.25

(・
(音楽))
(駒子)ぱーっと大きく。
気持ちを前に出して。
あっ。
扇子はもうちょっとこう。
肘をね。
(奈緒子)はい。
(駒子)はい。
手先は。
そうですそうです。
はい。
(奈緒子)はい。

(駒子)今のところね。
「すえかけて」のところ。
(奈緒子)はい。
(駒子)はい。
・「すえかけて」
(奈緒子)どうもありがとうございました。
(駒子)はい。
奈緒子さん。
(奈緒子)はい。
(駒子)どうかしたんですか?
(奈緒子)えっ?
(駒子)何だかいつもとご様子が。
(奈緒子)あっいえ。
別に何も。
そうですか?それならいいんですけど。
女将襲名披露まであともう少し。
しっかり稽古に励んでくださいよ。
はい。
(瑠璃子)さすがの奈緒子さんも今回はこたえてるんじゃないかな。
(瑠璃子)奈緒子さんのおもてなしが通じないなんて。
(志乃)人それぞれ。
お客さまそれぞれや。
ほういうこともあるやろ。
(瑠璃子)うん。
そうだろうけど初めてじゃない?こんなに奈緒子さんが苦戦してるのは。
(志乃)うん。
(瑠璃子)今までも頑固なお客さまや人見知りのお客さまいろんなお客さまがいらっしゃって大変なときもあっただろうけどいつも奈緒子さんの笑顔と頑張りで何とか切り抜けてお客さまにもおもてなしの心が通じていたんでしょ?今回は何が違うんだろう?
(志乃)押しても駄目なら引いてみな。
えっ?ほういうことなんや。
・あっ。
電話や。
・もしもし。
神楽でございます。
あっ。
駒子先生。
(駒子)いつまでもやられっ放しの大女将ではないと思うておりましたがとうとうやり返されたんでございますのね。
やり返す?
(駒子)嫁の奈緒子さんをぎゅーっと懲らしめられたんでございましょう?奈緒子さんいつもと違うて今日の稽古ではしゅんとしておいででしたさかい。
ああ。
ほういうことでございますか。
女将襲名披露の着物の一件。
姑の大女将が新しい着物を作ることに反対なさってるにもかかわらず…。
(せき)・
(駒子)ぬけぬけと。
ほやさかいさぞここは厳しくご指導なさったんやろうと。
いえ。
ほのことではまだ指導いたしておりません。
えっ?ほれに仮に私が指導したとしてもほんなことで落ち込むような嫁ではございませんさかい。
では?駒子先生の踊りという芸事の修業に終わりがないように私ども旅館の女将のおもてなしの修業にも終わりがございません。
今奈緒子はもう一つのおもてなしの心を学んどるところでございます。
ハァー。
(今日子)何度目よ?そのため息。
こんなこと初めてなのよ。
もう何をどうすればいいか分かんないんだもの。
(今日子)でもおむすびは持っていってくれたんでしょ?うん。
それはね。
あのおむすびさえ食べてくれればまだどうにかなるような気はしてるんだけど。
(今日子)大丈夫。
きっと食べてくれるわよ。
だといいけど。
(今日子)もう。
(今日子)ホント弱気になっちゃって。
だって一番自信のあるところで駄目出しされてるんだもの。
私のおもてなしの何がいけないのかなって。
さあ。
この絵でも見て気分変えて。
うん?この絵見てるとね勇気が湧いてくるから。
元気が出るわよ。
うーん。
そうね。
少し元気が出てきたような。
でしょう?同じ絵描きでもこういう絵が描ける絵描きもいればおもてなしの心さえ通じない絵描きもいるんだから。
きっとねその人一生に1枚もこんな絵は描けないわよ。
(俊平)伊川正という名前と「絵かき」ということしか書いてないなんて。
はだしにげた履きということもちゃんと書いてもらわないと困るよな?増岡。
(増岡)はい。
ほうですが。
お世話されていたんは照子さん。
汚れた足を拭いていただくのは当然のことやとわざわざ書き込む必要もないと思われたんでは?
(俊平)それが拭かないから言ってんだ。
(俊平)手拭いまで用意して待ってるっていうのに。
ハァ。
まあ一度来るとしばらくはいるようだな。
けどよくそんな支払う金があるもんだ。
売れない絵描きのくせに。
あっ?
(俊平)うん?あっ。
絵描きじゃないか。
うーん。
(弘美)奈緒子さんならどんなお客さまでも大丈夫だと思ってたけどこんなこともあるのね。
(和代)知子さんは前にもあのお客さまのお世話をしたことがあるんでしょう?
(知子)うん。
少しだけね。
(亜希)何か特別なお世話でもあるの?
(知子)ううん。
全然。
他のお客さまよりも手がかからなかったな。
照子さんも特別なことしてるふうには見えなかったし。
(弘美)その照子さんなんだけどやっぱりここ辞めるみたいね。
今さお休み取って富山行ってるの娘さん家族と一緒に住む家を探すためみたいよ。
(和代)えっ。
じゃあそうなるとこのかぐらやにも新しい仲居頭が?ねえ。
知子さん。
打診はあったの?仲居頭への。
(亜希)そうそう。
それが聞きたかったの。
(弘美)ねーっ?
(知子)まだなんだけどさ。
でももしあったら受けてみるつもり。
だって照子さんの次は私が一番古株なわけでしょう?その気になったんだね。
(亜希)いいと思うわよ。
(俊平)今日こそは何が何でも。
(咲子)俊平さん。
あのう。
足跡で廊下が汚れれば私がすぐに拭きますから。
いいえ。
私にお任せください。
今日こそは是が非でも玄関で食い止めてみせますので。
(咲子)ですがお客さまにその気がないのに無理強いするのはどうかと。
(咲子)お客さまのご気分を害されては困ります。
それはおもてなしの心に反するのではないのでしょうか?はっ。
ああっ。
すいません。
生意気なこと言ってしまいました。
俊平さんはもう支配人になられたのに。
申し訳ありません。
(俊平)いえ。
(増岡)さすが咲子さん。
ボンチのことをいさめてくださるやとは。
(増岡)ボンチ?ああ。
まだ咲子さんのことが忘れられないんでございますか。
ハァ…。
(咲子)伊川さまそろそろお戻りになるころですね。
うん。
そうね。
あのおむすび食べてくださってたらいいんだけど。
(咲子)大丈夫ですよ。
奈緒子さんが心を込めて握ったんですから。
今日こそは食べてくださってます。
あっ。
伊川さま。
おかえりなさいませ。
(咲子)おかえりなさいませ。
(俊平)おかえりなさいませ。
ああ。
あのう。
伊川さま。
おむすびはお食べにならなかったんですか?
(増岡)うわー。
(俊平)お客さまに無理強いは禁物。
(増岡)はい。
ほのとおりでございます。
ほれで富山ではお嬢さんたちと楽しく過ごせたんやね?
(照子)はい。
孫の結衣もこうして初めて抱っこすることができました。
ほれで娘のゆかりが東京に戻る前にぜひ大女将に挨拶したいと言うてくれまして。
(ゆかり)母から聞きました。
30年前母が能登から一人でこの金沢へ来たときに大女将がこのかぐらやに雇ってくださったこと。
(ゆかり)それからずっと家族同様にしていただいていたことも。
それで私からも一言お礼が言いたくて。
ほんなお礼やなんて。
こちらこそ照子さんにはもう本当にお世話になったと思うとるんです。
あのう。
旅館のことだけやない。
この母屋のことも照子さんがおってくれたからこそ今まで何とかやってこられたんや。
ホントに照子さんには甘えっ放しやったね。
(照子)ほんなことありません。
私の方こそ大女将や神楽家の皆さんがいてくれたから身寄りのない独り身でも寂しいこともなくここまでやってこられたんです。
フフフ。
ほんでももう独りやない。
こうしてお嬢さんも。
(結衣の声)あららら…。
お孫さんもおるんやねぇ?ほれで同居の話はどうなったんや?
(照子)はい。
娘とも話し合うて春から富山で一緒に暮らすことに決めました。
ほうか。
よう決心したね。
大女将には言葉にならんくらいのご恩があるのにこんな勝手なことをしてホントに申し訳ありません。
何を言うがや。
私は照子さんには何より幸せになってもらいたい。
ほれにお嬢さんとの同居はうちの家族みんなが賛成しとるんや。
ありがとうございます。
ほんでも照子さんがおらんようになったらこのかぐらやも何や寂しいなるね。
大女将。
うん?いい子ちゃんやねぇ。
ねえ?結衣ちゃん。
(辰夫)どうしたんや?
(哲)板長。
(健太)それが今日もまた伊川さまがおむすびを残されて。
(辰夫)えーっ?
(哲)どうしてでしょうね?
(健太)おいしそうなんだけどな。
何がご不満で?
(辰夫)奈緒子さんは?
(哲)ああ。
伊川さまのお部屋に理由を教えていただきに。
ああ?・失礼します。
あのう。
伊川さま?伊川さま?
(伊川)帰る。
えっ?富山でいい家も見つかったんやね?
(照子)はい。
仮契約も済ませてきました。
ほうか。
よかったね。
(照子)ねえ?結衣ちゃん。
(瑠璃子)大女将。
えっ?あっ。
瑠璃子。
今ねあのう。
迎えに行こうと思うとったんや。
紹介しようと思て。
(瑠璃子)ああ。
それが…。
えっ?旅館の方でちょっと。
どうかしたんか?どうされました?
(瑠璃子)伊川さまが突然お帰りになるとおっしゃられて。
えっ?
(瑠璃子)何がご不満かも分からなくて。
せめてそれを教えていただきたいと奈緒子さんがお尋ねしているんですが。
ほうか。
分かりました。
えっ?大女将。
ここは私が。
どうか教えてください。
何がご不満なんでしょうか?教えていただければ今後きちんと改めておもてなしをさせていただきます。
伊川さま。
(咲子)照子さん?どうかお願いします。

(照子)失礼いたします。
照子さん?
(照子)伊川さま。
いかがなさいました?あのう。
私が伊川さまのお気に召さないことをしたんだと思います。
それでお帰りになると。
ほうですか。
ほんなら伊川さまのお気の済むように。
お帰りになるなり何なりと。
えっ?さあお好きなように。
(照子)咲子さん。
お履物のご用意を。
(咲子)はい。
あー。
ちょっと。
ちょっちょっ…。
お待ちを。
待って。
待って。
待って。
待ってください。
伊川さま。
どうぞ。
(俊平)伊川さま。
お帰りならご精算を。
ちょちょちょっ…。
あ…あのう。
お金!
(照子)伊川さまはすぐにお戻りになられます。
(俊平)はい?
(照子)ほの前に手拭いの用意をしてきます。
(俊平)ちょっ…。
戻られるってどうして分かるんですか?ホントにいいんですか?もう一度照子さんに会うていかんでも。
(瑠璃子)私呼んできます。
(ゆかり)ホントにいいんです。
(瑠璃子)あっ。
けれど…。
(ゆかり)母はこのかぐらやの仲居の仕事がホントに好きなんだなっていうことがよく分かりましたから。
さっきのあんなに生き生きとした母の顔。
この仕事に生きがいを持ってるんだなって。
(増岡)いけません。
ボンチ。
警察に電話などとは。
(俊平)2泊3日の代金を払わないで出ていったんだぞ。
ほうやとしてもここは照子さんの言葉を信じてお客さまがお戻りになるのをお待ちする方が。
(俊平)戻ってくるわけないだろ。
早く警察に届けないと。
ボンチ!ほんなことをしたら咲子さんのおっしゃっとったおもてなしの心に反するんでは?はっ。
そうだった。
増岡。
(増岡)はい。
ボンチ。

(知子)照子さん。
辞めるんじゃなかったの?
(弘美)それより伊川さまよ。
(和代)帰るとおっしゃって出ていかれたのよ。
(亜希)ホントにお戻りになるのかな?照子さん?伊川さまは戻られます。
お客さまが戻られました。
おかえりなさいませ。
(一同)おかえりなさいませ。
頭の中では絵のことだけを考えておられるんです。
ほれを邪魔せんように手拭いを置くだけでいいんです。
戻ってきた。
(増岡)お足も拭かれとります。

(照子)ほんなら伊川さまのお部屋にお運びします。
はい。
ああ。
ご苦労さま。
どういうことなんでしょう?うん?奈緒子さんには帰るとおっしゃった伊川さまが照子さんが待っていると戻ってこられるなんて。
うん。
ちょっといいか?うん?はい。
伊川さまのおむすびのことやが前に照子さんがどんなものを握っとったか気になってな。
ああ。
(健太)一度頂いたことがあるんですけどコンカイワシが具に入っていました。
コンカイワシってイワシのぬか漬けですよね。
(辰夫)うん。
昔はイワシは大量に水揚げされたさかいどの家庭にもあった庶民的な食べ物や。
照子さんらしいおむすびや。
奈緒子さんのおもてなしと今照子さんが伊川さまにしているおもてなしとどう違うのかそろそろ教えてやった方がいいんやないか?大女将。
フフッ。
私が教えるまでもないですやろ。
(辰夫)はあ?奈緒子さんなら照子さんのおもてなしを見とったら気付くはずです。

(照子)失礼いたします。
あっ。

(照子)はい。
どうぞ。
次のお料理とビールをお願いします。
はい。
大女将?奈緒子さん。
分かりましたか?照子さんの究極のおもてなしが。
えっ?
(弘美)伊川さま戻ってこられたのはよかったけどお世話の方大丈夫かしら?奈緒子さん苦戦してるわね。
(弘美)ねえ?大丈夫よ。
今は照子さんが付いてるから。
けど奈緒子さんのおもてなしと照子さんのおもてなしの何が違うのかな?伊川さまのお部屋のお造りお願いします。
(哲)はい。
ただ今。
あのう。
私にも伊川さまのお部屋お手伝いさせてください。
ああ。
ありがとう。
じゃあビールお願いします。
あっ。
はい。
(哲)お願いします。
はい。
・失礼します。
次のお料理を。
あっ。
はい。

(咲子)奈緒子さん。
何が違うんでしょうか?照子さんのおもてなしは。
私には当たり前のおもてなしのようにも見えますが。
むしろいつもより手をかけていないようにも。
それなんです。
えっ?照子さんはお客さまのあるがままを受け入れてお世話してるんです。
あれが大女将がおっしゃった究極のおもてなし。
2014/02/25(火) 13:30〜14:00
関西テレビ1
花嫁のれん #37[字][デ]【お手本 出演:羽田美智子 野際陽子】

照子(烏丸せつこ)の代わりに奈緒子(羽田美智子)が担当になった風変りな客は、なかなか心を開こうとしない。自信喪失する奈緒子だが志乃(野際陽子)にはある思惑が…。

詳細情報
番組内容
相変わらず、心を開いてもらえない伊川(増本庄一郎)へのもてなし方が分からず、奈緒子(羽田美智子)は途方に暮れる。今度こそはと気持ちを込めてにぎったおにぎりも食べてもらえず、さすがの奈緒子も自信を喪失する。
 ついに、伊川が帰ると言い出す。何が至らないのか教えて欲しいと思う奈緒子だが、そこに照子(烏丸せつこ)が現れる。伊川が帰るのを止めようとしない照子。
番組内容2
ところが伊川が旅館から去ると、照子は「あの方は必ず帰ってきます」と確信に満ちた表情で話す。
 今回の騒動を静観してきた志乃(野際陽子)だが、伊川へのおもてなしには、奈緒子が女将としてさらに成長するために大切なことが秘められていると思っていた。志乃の思惑を未だ知らない奈緒子は、照子と一緒に伊川の帰りを待つが…。
出演者
神楽奈緒子:羽田美智子
神楽志乃:野際陽子
松本咲子:田中こなつ
柿沼俊平:鈴之助
藤沢瑠璃子:里久鳴祐果
神楽翔太:草川拓弥
神楽 幸:木村真那月
 ・
神楽宗佑:津田寛治
谷本照子:烏丸せつこ
神楽辰夫:山本 圭 ほか
スタッフ
原作・脚本:小松江里子
演出:村田忍
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
伊藤一尋(テレパック)
沼田通嗣(テレパック)
東田陽介(テレパック)
音楽:富貴晴美
主題歌:Do As Infinity「風花便り」(avex trax)
エンディングテーマ:SOLIDEMO「Next to you」(avex trax)
制作著作:テレパック
制作:東海テレビ
ご案内
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【公式サイトURL】http://tokai−tv.com/hanayome3/、昼ドラ公式ツイッターアカウント@hirudoraTokaitv、LINEアカウント@hirudora、YouTube東海テレビ公式チャンネルも好評配信中!

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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