(テーマ音楽)皆さんの健康に役立つ確かな情報をお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
テーマはこちらです。
家で家族を介護している人の健康について考えていきます。
介護は長い期間に及びますし健康を害するって事も問題になりますよね。
介護をしている人が倒れてしまうというケースもあるんですよね。
こちらのグラフは家族の介護がどれくらいの期間に及ぶのかを調べたものです。
見てみますと3年から5年介護をしている人が最も多いんですが5年以上介護をしている人が全体の半数近くを占めて更に10年以上介護をしている人も2割近くに上っています。
家族の介護は非常に長期に及ぶ事が多いんです。
今日もこのテーマについて専門家をお迎えしております。
それでは分かりやすく伺ってまいりましょう。
ご紹介致します。
元名古屋大学医学部教授ケアラーサポート研究会代表の堀容子さんです。
家族を介護している人の健康問題や生活習慣病の予防などがご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
これぐらい長い時間介護をしますとさまざまな健康上の問題が出てくると思うんですがどういうものが出ましょうか?私どもの調査結果なんですが…。
この調査は数年前に実際にご家庭を訪問して集めたデータでして調査対象者は要介護3以上あるいは認知症の人を介護されている人女性160名を対象としたものです。
比較のための対象群としましては女性で年齢も同じにした160名を対象としております。
介護をしていない側の160名としている側の160名ですね。
その結果出てまいりましたのが…これらが大きな問題として挙がってまいりました。
それでは少し詳しくご説明頂きましょう。
抑うつ症状が出るというのはどういう事なんでしょうか?このグラフを見て頂きますと介護をしていない女性では抑うつがある人は31%でしたのが介護をされている人は48%と統計学的に意味のある差があるという事になりました。
明らかに介護をしている女性の方が抑うつ傾向が出やすいという事ですね。
この要因として…。
ストレスと気分の切り替えができないという事が原因として考えられました。
このストレスはほかにもいろいろな影響を及ぼしそうですね。
先ほど挙がりました問題でも抑うつは当然なんですが腰痛や首肩背中のこり高血圧などもストレスと強く関係しているといわれています。
やはり高血圧も関係してきてしまうんですね。
高血圧のデータを見せて頂きましょう。
介護をしていない女性は34%なのに対し介護をしている女性は46%とやはり統計学的に意味のある差を示しました。
原因としてはやはりストレスもありますが睡眠不足はどういう事なんですか?睡眠不足は要介護者さんの夜間のおトイレの介助とかあるいは介護をされている人は要介護者さんの隣で寝ている人が多いのでちょっとした身動きをされたりあるいは昼夜逆転して夜よく動かれる人の気配とかそういった事を感じて目を覚ましてしまう事が原因と考えられます。
非常にこま切れな睡眠になるという事ですね。
それが高血圧につながってしまうんですね?そうですね。
睡眠不足は血圧の上昇を起こしたりあるいはこま切れの睡眠が心血管疾患ですね心筋梗塞や脳卒中などを高めるという研究データなども報告されております。
できるだけまとまった睡眠がとれるようになんとか工夫しなければいけませんね。
それから食生活はどういう問題があるんですか?やはり介護で忙しいせいか自分の食習慣を丁寧に見直す事ができない人が多くて短時間に食べられるもの…。
ですから炭水化物に偏ってあと塩分の多いものがとられています。
これどういう工夫をしなきゃいけませんかね?あと野菜類や海藻類などでミネラルをとったりする事が必要かと思います。
介護する側の人が置かれている問題点こういった事はなかなか気付かれずに放置されている事が多いですか?そうですね。
やはり介護されている人はどうしても介護に夢中になってしまってご自分の健康を振り返る事ができませんのでご自分の健康に対して放置してしまう。
またご家族の方も介護しているからしかたがない。
例えば睡眠不足でも介護しているから我慢してねというような感じになりがちなのでどうしても見過ごされがちだと思います。
実際長く介護している人の悩みの声を紹介したいと思います。
堀さんの所に寄せられた50歳の女性の声です。
「10年間要介護4の姑の介護をしています。
最近自分の体がだるくてしかたがないので病院に行ったところ検査入院を勧められました。
ところが夫や息子からは『自分たちにはおばあちゃんの世話は無理だ』と言われてしまいました。
姑をショートステイに預けようとしましたが本人が大変嫌がったという事でできませんでした。
誰も私の事を心配してくれないと思うと情けなくて悲しくて…」という事ですが検査入院は諦めるしかなかったという事なんですね。
このケースではご家族の協力が…。
得られなかったという事なんです。
多いですか?こういう事は。
よく耳にします。
どうしても一人で介護を抱え込んでおりますとふだんからご家族の方が介護に関わらないという事が起こってきてしまいます。
そうすると急な事があった時に突然代わってと言われたご家族もどうしても戸惑ってしまって無理としか言いようがなくなってしまうという事が起こってどうしてもふだん頑張っているのにいざとなってもやってもらえないという現象が起こってしまいます。
そうしますと逆に介護をする人の周りの人身近な家族の人はどういった心掛けが必要になってきましょうか?やはり身近な人…ともかく介護している人の話を聞いて頂きたいと思います。
そうすると介護のどんな事に苦労しているか…。
例えばゆうべ1時間しか眠れなかったとか昼も介護のために昼寝もできなかったとかそういう現状が見えてきますとじゃあ自分だったら何ができるかという事を考える機会にもなると思いますので話を聞いて頂きたいと思います。
また仕事をしている人が介護をしていくための制度があるようですね。
そうですね。
働いている人に対して育児・介護休業法というものがございます。
法律ですね。
そうです。
これは…この93日間というのは1年間にという意味ですか?これは1人の要介護者さんに対してという事です。
という事は介護は10年にも及ぶという人がいらっしゃるという事を考えればこの日数はどうですか?ちょっと少なすぎるのではないかと思っております。
更なる整備が必要かと思われますがそれにしてもこの制度が現状ですがこれはよく利用されていますか?いろいろな調査結果を読みますとほとんど取得されていないという事が出ております。
なぜでしょうね?やはりその調査結果によりますと周囲の目が気になるとかあとは職場が忙しいのに職場の人に申し訳ないというような意見が聞かれているという事です。
十分に利用していくようにしないといけませんね。
あとは介護するご本人が身近で相談できる窓口はどういう事が考えられるのでしょうか?まずは一番身近なのが地域・自治体関係ですとケアマネージャーさんにまず相談されるとよろしいかと思います。
そのほかには地域包括支援センターが地域の窓口になっておりますしあと自治体の窓口などもございます。
また家族会なども各地域にございますのでそういった所にも相談されるとよろしいと思います。
覚えましょうねケアマネージャーは身近にいます。
地域包括支援センターも各地域にございますね。
更に介護している人を支えていこうというNPOの活動もあります。
そんな活動の様子を取材しました。
介護おしゃべりサロン。
愛知県春日井市のNPOが毎週開いている情報交換の場です。
家族を介護している人が楽しく話をしたり悩みを相談できるよう3年前に始まりました
参加者は血圧を測定してもらう事もできます。
この男性は8年前から認知症の妻を介護しています
まあ徐々に下がります。
ちょっと高すぎるね。
実はこの男性2年前ここで血圧を測った事がきっかけで病院に行きました
ある日突然血圧計を測られたらその時220あったんですよ。
それでねもう背中を押されて2年ぐらい前かな市民病院に初めて行きましてそれで投薬を受けるようになって現在は…今朝はちょっと高かったんだけども現在は一応薬をのんでいる関係で糖尿も血圧も普通で…。
このNPOは地域で受けられる介護サービスなどの情報も提供しています
介護に関係する介護者にとって役に立つ情報という事で施設の情報だったりバリアフリーの旅行だったり訪問歯科だとか介護者がちょっとでも手助けになればいいかなというような情報を集めています。
3年前から参加しているこの女性。
義理の母など3人の介護を8年間続けてきましたがある時周りの人から心ない言葉を投げかけられたと言います
「お母さんが認知症になったのはあなたのせいでしょ」とワ〜ッと言われた時もあるんですよね。
「そうなのかな」っていう何か…追いやられる。
でもここに来ると「何言ってるのそうじゃないよ」って言ってくれるから自分だけじゃないんだっていう気持ちがちょっと楽になりますね。
あとやっぱり話ができる。
聞いてくれる。
介護をしている人が交流する場をご紹介しましたがこういう場があるのはどういう意義がありますか?まずは悩みを相談できる場所になりますしストレスを発散できる場所にもなります。
更には自分を認めてもらえる場所にもなりますので非常に重要だと思います。
このような場を地域でどんどん作って頂けたらと思っています。
こういう所身近ではどこにあるのかという事を知りたいと思いますがどんな所で探せるでしょうか?まず地域包括支援センターや各自治体の窓口あるいは認知症の人と家族の会に相談されるとよいと思います。
この会は認知症の人を持つ家族が主な対象となっております。
そういった所に相談するという事ですね。
さあ今日いろいろお話をして頂きましたが介護をする側の人たちが置かれている現状を踏まえてこれからどういうふうな事を考えていかなければいけないかその視点はどういう事でしょう?家族を介護している人の健康問題は本人の努力だけでは解決できません。
従って家族地域職場のサポートや法律を上手に使うといった事が必要になります。
また介護者さん自身も一人で抱え込まず日頃からほかの家族に積極的に介護に関わってもらうようにして協力を求め巻き込むようにする事が大切だと思います。
またご本人そして家族を含めて地域や社会に介護のサポートを求めていく事が必要かなと思っております。
声を上げる事ですよね。
助けが必要だという事ですね。
また介護保険の制度にどんなサービスがあるのかという事もしっかり勉強するといいですね。
どうもお話ありがとうございました。
明日はご覧のテーマでお送りします。
明日も是非ご覧下さい。
2014/02/25(火) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「家族を介護する人の健康」[解][字]
家族の介護は長期に及ぶため介護する人の多くが高血圧、抑うつ、腰痛など健康上の問題を抱えている。家族みんなが介護に関わり、地域包括支援センターや家族会に相談する。
詳細情報
番組内容
家族の介護は長期に及ぶことが多い。そのため、家族を介護する人の多くは高血圧、抑うつ、腰痛、首、肩、背中のこりなど、健康上の問題を抱えている。主な原因は長期にわたる介護のストレス、睡眠不足などだ。誰か一人に介護を任せるのではなく、家族みんなが介護に関わることが大切。介護の悩みを一人で抱え込まず、地域包括支援センターや家族会などに相談することも有効だ。家族を介護する人を支えるNPOの活動も紹介する。
出演者
【講師】元名古屋大学医学部教授…堀容子,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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