銀の匙 Silver spoon 2014.03.26

お前何kg?えぇ〜何kgやと思う?
(車のエンジンをかける音)
(御影)いっちゃん?お疲れさま。
ううんどういたしまして。
あの子たちみんな酪農家に買われてった?うんそっかやっぱ厳しいね。
うちもね馬全部売ることになったよ。
じいちゃんが体力的にきついって。
いいとこに買われればいいな。
(御影)私さ家継がないで社会に出る。
うんでねいっちゃんさうちの家族がいいって言ったら御影牧場譲り受ける気ない?・
(駒場)御影さんが代々守ってきた牧場だろ。
つぶれた農家のガキがラッキーとばかりに乗り込むのは何か違う気がする。
それに俺は俺の牧場が欲しい。
(御影)うんそっかそうだよね。
ごめん聞かなかったことにして。

(吉野)ええ!?アキ大学目指すの?
(御影)うんそういうことになった。
(吉野)隣の畜産大?
(御影)第一希望はね。
馬術部で馬借りに行ったときいい感じだったし。
でもあそこ難しいんでしょ?
(御影)うんだから…。
(常盤)八軒!御影に勉強教えんだって?
(八軒)お…おう。
(常盤)何それ何それ!うまいことやったなこのどスケベ!エロハチ!
(八軒)黙れエロチキン!
(八軒)御影。
(御影)何?
(八軒)取りあえずこの間のテストの結果見せてもらっていいか?えっ?
(八軒)御影の苦手なとことか把握しときたいから。
(御影)笑わない?笑わねえって。
と…常盤より全然いいよ!
(御影)ごめんなさいごめんなさいごめんなさい〜!やっぱ日本史はBでやっといた方がいいよな。
受験できる大学も多いし。
日本史B…。
昔の人の名前覚えるの苦手なんだよね。
目が滑るっていうか…。
でも畜産作物あたりは点数取れてるじゃん。
ややこしい品種も書けてるし。
だって歴史上の人って同じような名前ばっかなんだもん。
平家は「盛」ばっかだし徳川は「家」ばっかだし。
家畜だって似たようなもんだろ!バークシャーとかハンプシャーとかヨークシャーとか。
「コンプリート!」《たぶん歴史に興味ないんだろうな》《無理やりたたき込んで勉強嫌いになんないでほしいし》《自分の得意分野に引きずりこんじゃえばいいんだよ》御影相馬野馬追って知ってる?知ってる知ってる!福島の。
武者姿で馬乗ったりするやつでしょ。
あれって相馬藩の先祖の平将門が始めてそこから1,000年以上歴史があるんだぞ。
へぇ!そんな長いんだ。
平将門。
《食い付いた!》んで将門のおじさんとこの子孫が平清盛。
清盛は1181年に死んじゃってそこのあたりから平家の負け戦が続くんだけどそんな中ですごかったのが清盛のライバル源頼朝の弟義経。
馬で断崖絶壁を駆け下りる奇襲かまして平家を蹴散らした!何それ!馬も義経の技術もすごい!これ一ノ谷の戦いな1184年。
うんうん。
《よーしいける意外とちょろいぞ御影!》
(大森)おーっす八軒いるか?何すか?先輩。
おおピザ窯のことで相談なんだけどよ本格的に学校行事としてピザ窯やろうって計画出てんだわ。
お前も企画委員会に入れや。
えっ委員会ですか…。
入るだろ?断らない男!あの…すいませんできません。
ああ!?お前絶対引き受けてくれると思って当てにしてたんだぞ。
すいません!今回ばかりはできません。
友達の勉強手伝うって約束しててそいつの将来懸かってるからそっち手抜きしたくないんです。
うーん…んじゃしゃあねえな。
友達との約束は大事にしろよ。
はい!悪かったな忙しいとこ声掛けちゃって…。
勉強教える友達って女子?はい。
2人で勉強?
(御影)はい。
死刑!《豚ど〜ん!》
(豚丼)《八軒さんこっちおいで》ああ…。
八軒君!
(御影)ごめんね。
何が?
(御影)何かいろんなことお世話になっちゃって。
時間取っちゃって悪いなって。
気にすんなって俺ほら勉強好きだし。
こんなことくらいしか手伝ってやれないし。
でもホント申し訳なくて。
ごめん。
何かこの前から謝ってばっかだな。
マジで気にすんなって。
好きでやってんだから。
うんごめん。
進路のことも親とのことも八軒君のおかげで一歩踏み出せたよ。
ありがとう。
ヘヘッ。
(栄)アキ部活行こう!
(栄)おお何それ?
(御影)英単語帳。
空いてる時間に少しでも覚えようと思って。
懐かしい中学んときやったわ。
マジで大学受験するつもりなんだね。
(御影)うん何から何まで八軒君に頼るわけにいかないから。
自分でできることは少しでも自分で頑張らなきゃ。
愛だねえ。
(御影)ななな…何よ栄ちゃんそっそんなんじゃないよ!えっあんたら付き合ってんじゃないの?そこまでいっといて決定打なし?バカなの?
(御影)どうせバカよ頭悪いのよ…。
(依田)えっお前ら付き合ってんじゃないの!?
(依田)仲良く2人で勉強してるからてっきり…。
うっす。
こういうの何つうの?リア充
(仮)?ササッ!フフ〜ン!ビュ〜ン!御影絶好調じゃん。
超楽しそうですね。
(中島)勉強の息抜きを馬でしているのでしょう。
(中島)文と武どちらにも好影響を与えると良いですね。
(依田)しかし馬から入る歴史か変わった教え方してんな。
そんな虫食いで覚えて大丈夫なのか?虫食いから隙間埋めてって歴史が全部埋まればいいんです。
人類の歴史は馬と共にあり!近代まではこれでいけるんですが…。
敵は鉄の馬か。
(依田)休憩!そもそも農業高校から国立受験って厳しいよな。
普通教科がぞんざい過ぎるもんこの学校。
(木野)なあ。
そうだお前の兄貴東大受かってんだろ。
勉強法とか聞いてみればいいじゃん。
う〜兄貴には頼りたくない…。
(木野)んな意地は豚に食わせとけ!
(円山)御影のためだろこのリア充
(仮)!馬ふんの付いたブーツはやめろ!あと豚に失礼なこと言うな!で…でも俺兄貴の携帯番号知らないし。
私知ってますよ。
夏に農場にバイトに来てたので連絡先を聞いておきました。
くっ…ううっ!
(慎吾)おお誰かと思ったら勇吾かどうした?
(慎吾)大学受かるための勉強?ああんなこと言ったな俺。
その…。
教えてくんねえかな友達が受験するんで。
何の沈黙だよ!
(慎吾)いや。
頼りにしてくれてうれしいなーと思って。
俺はな兄貴に物頼むの嫌…!
(慎吾)当てになるか分からんけどノートとか『虎の巻』とかそっくり取ってある。
実家のどっかにあるから捜して持ってけ。
ええ!?兄貴取ってきてくれよ!
(慎吾)自分で取りに行け。
俺親父の顔見たくねえから。
おいちょっと!
(慎吾)じゃあな。
(通話の切れる音)うっ。
(不通音)実家…。
ハァ〜。
八軒君そんなに実家帰るの嫌なの?
(常盤)ちゃっちゃと行ってちゃっちゃと帰ってくりゃいいべや。
そのちゃっちゃがしんどいんだよ。
うざ。
あ〜。
これから札幌まで電車で3時間。
その間に胃がむしばまれること確実だ。
八軒君。
はい?マイナス思考はチーズに感染します。
出ていきなさい。
(吉野)えっ初耳。
八軒君無理しなくても…。
いや!あの家には兄貴のお宝が眠っているのだ。
虎穴に入らずんば虎児を得ず!
(御影)私にできることがあったら言ってね。
何でもするから。
(御影)ほらうちの家族会議のとき八軒君勇気くれたでしょ。
八軒君が元気出るなら何でもするよ。
み…御影!はい!お前がやるべきは勉強だ。
これはあしたの分のテキスト俺が留守の間やっといて。
はい!頑張ろう!オー!「何でもする」とか何でもって何…おおお…!八軒キモい!・
(カーテンを開ける音)
(別府)おはよう。
悪い起こした?・
(カーテンを開ける音)
(西川)早えなもう出るのか?始発で行って用事済ませて即効帰ってくる。
(西川)ホントに実家が嫌なんだな。
滅入るわ…あっ。
土産サンキューな。
(別府・西川)ああ。
おはよう。
(別府)何だよこんな早くに。
何これ?自家製ヨーグルト。
札幌の実家に帰るんだろ?ストレスの胃にも優しいぞ。
常盤。
俺にも作り方教えてくれよ。
(常盤)超簡単だぞ。
農場から牛乳もらってきて市販のヨーグルトちょこっと混ぜて風呂に数時間放置すりゃ完成。
(3人)へぇ〜。
ここの風呂入る人数多いから何時間も40度ぐらいに保たれてるべ。
ヨーグルト作るのにちょうどいいんだよ。
(3人)へぇ…。
男風呂ヨーグルト…。
いらねえ!何でだよ!密閉してあるし外側洗えば問題ないだろ!そういう問題じゃなくてだな。
これ女子風呂で作ったら一部の人間に高く売れんじゃね?
(3人)お前天才だな!《土産何入れてくれたんだろ》《臭っ!何で発酵食品ばっかなんだよ!》《ぐほっ男風呂ヨーグルト…》あっ。
御影みんなに反対されるかもしれないけど俺は何があっても味方してやる。
そのためにここに来た!
(御影)父さん母さんじいちゃんばあちゃんひいばあちゃんおじさん。
私御影牧場は継げません。
(御影のおじ)えっ。
私には夢があります!
(御影の母)えっうち継がないって何さ。
ごめん言ったとおり御影牧場を受け継ぐつもりないの。
(御影の祖母)いやだって…。
後継ぐからエゾノー行ったんでしょ。
あっお前まさか街の高校行って悪い遊び覚えたんかい!
(御影の母)ちょっと八軒君!あんたアキに何かしたんでないの?そうじゃなくて!高校出たら馬を扱う職業に就きたいから家は継がない!
(御影の母)急にそんな…。
アキは後継ぐもんだと思ってたんだよ。
急じゃないです。
御影はたぶんずっと言えなかっただけでそれなりに信号出してたと思います。
ずっと自分を抑えて無理してきたと思います。
馬のことだとホントに楽しそうに話してくれるんです。
もっと御影のこと見てやってくれませんか。
(御影の父)当事者じゃないのに分かったようなこと言えないんじゃなかったのか?バイト。
はいすいません出過ぎたことを。
(御影の父)アキ言いたいことあるのに人に言わせてるのはずるいんでねえのか?自分の言葉で言え。
うちの仕事が嫌いなわけじゃないんだよ。
むしろ尊敬してるし。
でもそれ以上に馬の仕事がしたい。
いっちゃんを見てて色々考えさせられたの。
もう自分の気持ちに嘘をつけないって。
私は馬の仕事がしたい。
できればばんえい競馬の裏方で働きたい!高校出たらおじさんの所で働かせてくれませんか?は!?駄目だ駄目だ!卒業してすぐばんえいの厩舎勤めとか駄目だ!何で!
(御影のおじ)体力いるしでかい馬相手だからケガするときも半端ねえぞ。
男の世界だぞ。
(御影)女性厩務員だっているでしょ。
(御影のおじ)いるけど…。
ばんえい競馬は運営厳しいんだぞ。
万が一お取りつぶしになったらあっちゅう間に無職だぞ!家継げば何も苦労しないのに。
いや借金あるから苦労はするわ。
(御影のおじ)あっまさかばんえいに就職できなかったら家継ぐなんて軽い気持ちじゃねえべな。
ばんえいが駄目でも何か馬の仕事に就きたいの!兄貴…。
現実問題としてどうだべ?もちろん厩務員の空きがあったらの話で。
と…父ちゃん!?うーん…う〜ん!ばんえいに本気で勤めたいなら条件がある。
大学に行くこと。
知ってのとおりばんえい競馬は毎年ぎりぎりの運営だ。
根強いファンのおかげで保ってはいるが先は不安だらけだ。
御影家の大事な一人娘を預かったとしてもばんえいに何かあったときに責任が持てん。
大学出とけば他の馬の仕事に就くときも選択肢が増える。
でも大学行くのお金掛かるしただでさえお金がないって話してるのに!
(御影の父)金の話じゃなくて!お前の将来の話だ。
でも私そんなに頭よくないし。
(御影の母)そうよ父ちゃんこの子の成績知ってる?
(御影の父)ああこいつがバカなのは知ってる。
(御影の母)ゆるゆるの推薦でエゾノー入れたので万々歳なのに。
《冷静にバカにされてるけど言い返せない!》
(御影の曽祖母)アキ。
(御影)あっ。
(御影の曽祖母)好きなことやりたいなら好きなことについてきちんと勉強しな。
(御影の曽祖母)お前馬に育ててもらったべ?半端な気持ちで挑んでは馬に失礼だぞ。
(御影の祖父)大学行くならどこだべ。
馬…大型動物について学べて…。
(御影)なるべく学費の安い所!じゃ公立か。
馬のことを学べて公立?まず思い付くのは大蝦夷畜産大学か。
だな。
あそこアキの頭で入れると思うかい?
(御影の父)うむ…。
(御影)ああ〜!
(御影の祖母)家継がないでさらに大学落ちたらどうすんのさ。
つうかこのままじゃ落ちるの確実っしょ。
(御影の母)そうよこのご時世にすぐ仕事見つかるか分かんないわよ。
(御影の祖母)無謀じゃないかね畜大は。
(御影のおじ)女の子一人大した学歴なし仕事もなしで苦労するのが目に見えてるべさ。
(御影の母)そんなことんなったらどうすんの。
それなら…あの俺責任取ります。
御影に自分のやりたいことやってくれってたきつけたの俺なんです。
だから責任取ります。
それって…。
(御影の祖母)つまり…。
アキを嫁に…?
(御影の父)許さ〜ん!!えええ〜!ちょちょちょ…そういう意味と違う!御影が大学に入れるよう俺が勉強見ます。
それじゃ駄目ですか?それでも御影の夢許してくれませんか?でも八軒君だって自分の勉強とか進路あるでしょ。
いや俺はほらまだ何やるか全然決めてないし。
それに人にかみ砕いて教えることによってよりいっそう勉強への理解が深まるっつうか。
どうする?兄貴。
(御影の父)ああ。
アキうち継ぐなら俺が仕事やらこの業界の渡り方やら教えてやれるけど社会に出るなら何も教えられん。
俺は農業のことしか知らん男だから。
俺にできるのは学費を捻出してやることだけだ。
お前の夢が本気ならやってみろ。
夢がかなうにしろかなわないにしろお前の本気を支えてくれる友達を裏切るようなまねだけはするな。
母さん…ばあちゃん。
ごめん…。
ありがとう。
(御影)《進路のことも親とのことも八軒君のおかげで一歩踏み出せたよ》《ありがとう》
(御影の母)父ちゃん。
(御影の父)あん?いつからアキの気持ちに気付いてたの?夏に八軒がバイトに来てたとき俺が退院してきた日。
河原でアキが八軒にこぼしてたのを聞いた。
そう。
アキはエゾノーで本音言える友達見つけたんだね。
親父。
(御影の祖父)こいつらよ売ったら全部で幾らになるべな。
借金幾らか返せてアキの大学の足しになればいいな。
十勝地方にはけさも霜注意報が出ています。
本格的な冬が来ますね。
凍結にご注意ください。
2014/03/26(水) 01:59〜02:29
関西テレビ1
銀の匙 Silver spoon[字]

自分が本当にやりたいことに目を向けた御影は、家を継がず社会に出る道を探し始める。彼女を全力でバックアップする事にした八軒は、とある理由で実家へ向かう。

詳細情報
番組内容
「寮があるから。」という志望動機で、大蝦夷農業高等学校(エゾノー)に入学した八軒勇吾。札幌の進学校での厳しい学力競争に敗れ、ある意味、逃げるようにエゾノーに入学した彼は、広大な自然と動物に囲まれたここで、全く別の厳しさに直面することに。一般家庭で育った八軒にとって、エゾノーで行われる実習や部活は、初めて経験することばかりで、悪戦苦闘の毎日。また、自分とは違い、将来の夢や目的を明確に持つ他の同級生
番組内容2
たちは、彼に進学校にいた頃とは違った焦りを感じさせる。それでも、課題を一つ一つこなし、同級生たちとの絆を深め、少しずつ精神的にも肉体的にも成長していく八軒。汗と涙と土にまみれた青春が、今日も続いていく。
出演者
八軒勇吾: 木村良平 
御影アキ: 三宅麻理恵 
駒場一郎: 櫻井トオル 
稲田多摩子: 高垣彩陽 
相川進之介: 島