あしたをつかめ〜しごともくらしも〜「塩職人」 2014.02.10

おっさん…。
(笑い声)「あしたをつかめ」。
今回の仕事場は冬でも蒸し暑い。
いつも…そしてノーメーク。
丹念に海水を混ぜ続け光り輝く結晶を作り出す。
そんな彼女の正体は?塩職人小松美和子です。

(テーマ音楽)あしたをつかめ。
大切なのは君の時間。
まずは仕事。
もちろんプライベート。
できれば自分磨き。
太平洋に面した…ここに塩を作る工房がある。
小松美和子さんは一人前の職人を目指し4年前からこの工房で働いている。
木箱に入っているのは海水。
毎日混ぜることで塩の結晶が均等になるようにしている。
木箱の隅などヘラが届きにくい場所は手でかき混ぜる。
塩の作り方に教科書やマニュアルはない。
師匠の動きを観察しながら自分なりのやり方を見つけていくのがこの仕事の流儀だ。
自分でとにかく…こちらが小松さんの師匠…塩二郎さんは究極の塩作りを目指し5年前に工房を立ち上げた。
塩二郎さんの塩は高知県の特産品として全国各地の物産展などでも紹介されている。
一番の特徴はこちら!料理人からの多様なニーズに合わせ色みや大きさが異なる塩を50種類以上も作り出すことができるのだ。
こちらは結晶の大きさが1センチもある塩。
お客さんの前で砕いて料理に振りかけたい。
…という要望から作られた。
一方こちらは0.01ミリ。
粉砂糖のような塩を作ってほしいとの依頼だった。
そしてゆずを加えて香りをつけた塩。
なんとフランスのレストランからじきじきにオーダーがあったそうだ。
味の要といわれる塩。
多くのレストランはその品質にこだわることで他の店との差別化を図ろうとしている。
こちらに塩が置いてあります。
これはフランスのゲラント。
でこれも同じくフランスの。
こちらはイタリアのお塩なんです。
そしてこちらが小松さんの師匠の塩。
1ミリほどの結晶に整え2時間ほど燻製したものだ。
これはサーモンの上にちょこちょこっと。
独自の香ばしさに加え少し大きめの結晶はしっかりとした食感も味わえる。
小松さんの師匠の塩は日本だけではなくヨーロッパの高級レストランでも使われている。
年間の売り上げはおよそ1千万円だそうだ。
師匠ならではの塩作り。
しかしその技は自分の経験と勘を頼りに磨いていくしかないという。
小松さんの工房では長い時は…どのように作られるのか見てみよう。
まずは塩作りの原料となる海水をくみ上げる。
もちろん場所にもこだわりがある。
施設の中には布が張り巡らされている。
更にその海水をハウスの中の木箱に移す。
火は一切使わず3か月近くかけて…こうして時間をかけることでミネラル成分がバランスよく結晶していくそうだ。
この工房では更に結晶するスピードを遅くするためにハウス内の湿度を高めに設定している。
ミネラル成分がよりじっくりと結晶することで奥深い味の塩ができるそうだ。
師匠によると…この段階で塩の混ぜ方を調整することで結晶の形や大きさを変化させることもできるそうだ。
こちらはハウスに入れてから3か月目の塩。
結晶も大きくうまみものってきた。
味のバラツキができないよう細心の注意を払って混ぜていく。
で真ん中に丸くやるようにしています。
海水が塩の結晶に育つまで小松さんはひたすらかき混ぜ続ける。
う〜ん…これは根気が必要だ!しかも締め切ったハウスの中は太陽の熱で冬場でも40℃を超える時がある。
そんな中での作業にはちょっとした悩みもあるそうだ。
そういうのはちょっと…。
しょうがないなとは思うんですけど…汗かいたりだとかあとは…決して甘くない塩作りの現場。
小松さんどうしてそこまで打ち込めるのだろう?やっぱり…実は小松さんこの仕事に出会う前に2つの仕事を経験している。
ブライダルの専門学校を卒業後香川県内のホテルに就職。
しかし接客がうまくいかずつらい日々が続いた。
体調崩しちゃって…故郷の高知に帰って新たに勤めたのは地元の土産物店。
ここでも接客がうまくいかずストレスを感じていた。
そんな時出前販売で店を訪れた塩二郎さんに出会い塩作りという仕事を知った。
これまでの仕事と違い辞めたいと思ったことは一度もないそうだ。
でもやっぱ…仕事は月曜〜金曜の朝9時から夕方6時まで。
この仕事に就いてからは土日も自主的に塩の様子を見に行っている。
塩に愛着が湧いてからは毎日塩の顔が見たいんだって。
プライベートの時間は夜だけ。
太陽が沈んでいる間は塩が変化しないからだそうだ。
小松さんの部屋をのぞいてみると…。
一人前の職人を目指して今は塩に関する本を片っ端から読みあさっている。
オンもオフも塩のことで頭がいっぱい。
そんな娘を両親はどう見ているんだろう?大丈夫大丈夫。
まあそういう仕事もありかなと思って。
何回かハウスにお邪魔したことがあるんですけど…家賃と食費3万5千円を一緒に暮らす両親に渡している。
今は塩と向き合う毎日なので遊びや化粧に使うお金はほとんどない。
そして月に12万円の貯金。
将来のひとり暮らしに向けての準備なんだそう。
この仕事を始めて4年。
塩作りの作業の8割は身につけた小松さん。
でもまだやったことのない仕事があるという。
それはハウス内の湿度の管理。
塩の出来栄えを大きく左右する最も大切な仕事だ。
これまで湿度の管理は師匠の塩二郎さんが1人で行ってきた。
塩二郎さんの工房では塩が快適に過ごせるように…しかし夜から朝にかけて雨が降ったり…ただし塩は湿度や温度の急激な変化に弱いのでハウスの中と外の湿度や温度がさほど変わらない時に窓を開けなければならない。
窓の開け閉めですよね。
小松さんは湿度の管理を師匠に頼っている限りは一人前の職人にはなれないと考えている。
塩二郎さんがいるから…。
1月はじめ小松さんは初めて湿度の管理に挑戦することになった。
塩の状態を見るためにいつもより2時間半早い出勤だ。
おはよう。
早いね。
師匠の塩二郎さんはこの日も何もアドバイスをせず小松さんの判断を見守ることにした。
小松さんまず夜の間に塩の様子に大きな変化がなかったか結晶の具合をじっと観察する。
塩がしま模様になっているのを発見。
これは結晶の成長具合が遅れているサインだ。
もちろん師匠は何も言わない。
湿度は67%と問題のない値だ。
この日は雨。
窓を開けて冷たい外気を入れると結晶に悪影響を与えてしまうと小松さんは考えた。
窓は開けないことにした。
空気と雰囲気ですかね…。
午前10時塩を混ぜる時間がやってきた。
小松さん窓を閉めたまま作業を始めた。
塩を混ぜながら成長具合を再び確認することにした。
一部の塩は依然として悪い状態のままだ。
ハウス内の湿度に大きな変化はない。
このままの状態が続けば一部の塩は商品としての価値が失われてしまう可能性がある。
外は雨がやみ気温は朝に比べて上がり始めている。
小松さん窓を半分開けることにした。
何となくです。
何となく…。
しかし小松さんの判断は間違っていたようだ。
だからあれが正解かって言ったら…あれは正解じゃないんですけども…師匠によると成長具合が遅れている一部の塩にとっては良い判断だった。
しかしそれ以外の塩は湿度が下がり成長スピードが早くなってしまい味がのらなくなってしまう。
小松さんは一部の塩にとらわれて判断を誤ってしまったのだ。
小松さんには何も言わずに師匠は成長具合が遅れている塩に海水を加えた。
今回の場合窓を開けずに…一人前になるにはこうした失敗を一つ一つ乗り越えていくしかない。
小松さんこれからもこの仕事続けていけそう?とにかく…2014/02/10(月) 23:30〜23:55
NHKEテレ1大阪
あしたをつかめ〜しごともくらしも〜「塩職人」[字]

小松美和子さんは高知県の塩職人の弟子。アルバイトをきっかけに塩作りに魅せられた。海水を混ぜる手の感覚だけで50種の塩を作る技を修行中。職人を目指す若者の姿を追う

詳細情報
番組内容
小松美和子さんはブライダルの仕事がしたいと、香川県の専門学校を卒業後、ホテルに就職。しかし、希望の部署につけない、人と上手に話せないことに悩み、仕事を辞めた。職を変えて3回目、アルバイトで出会った塩作りは、初めて仕事に手応えと成果を感じることができたという。仕事は毎日、海水を手で混ぜるという一見単純な作業だが、極めると50種類もの塩を作り出せる。塩職人の世界に打ち込む若者の姿を見つめる。
出演者
【出演】小松美和子,【語り】Mummy−D

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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