ガイアの夜明け【若き職人の新たなる挑戦!】 2014.03.25

「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
平日の朝10時半から人だかりが…。
皆その店の開店を待っていました。
デンマークから上陸した雑貨店です。
北欧ならではのデザイン性もさることながらほとんどが数百円という価格で若い世代をつかんでいました。
そこに登場したコート姿の男性。
雑貨店の大繁盛に目を丸くする2人。
実はデパートの関係者です。
東京池袋。
西武百貨店。
70年の歴史です。
インテリアフロアを担当する部長が先ほどの指田さん。
雑貨食器の売り場では日本各地の伝統工芸品を中心に確かな商品を扱っています。
まそれだけに値は張ります。
客の大半は年配の方。
百貨店自体客の半数が50代以上と若者離れが進んでいました。
指田さんはひとつの戦略をもって各地に出かけました。
伝統工芸の産地と組んで若者向けの雑貨を生み出そうというのです。
そのニーズに応えたのは若き職人でした。
今日本各地で若き職人たちがこれまでにないものづくりに挑んでいます。
その挑戦が新しい伝統となることを信じて。
伝統の有田焼。
若きデザイナーと職人がタッグを組み斬新な雑貨を作る。
がベテランは…。
はぁ?はぁ?世界の工芸品に戦いを挑むニッポンの職人技。
京都の伝統工芸の若旦那たちが職人集団を結成した。
その技が世界で光る。
今日はですね日本全国の伝統工芸品を集めた施設があるということでこちら青山のほうにやってきました。
このビルですね。
こんなとこにあったんですね。
伝統工芸青山スクエアと書いてあります。
ちょっと行ってみましょう。
着物。
そして茶道具とか多いんですかね。
すごいなぁ。
江戸切子なんてよく聞きますね。
うわうわ…。
カットするのが大変だっていうことでしょこれ。
こういう急須なんて最近は…。
愛知だそうですけど。
逆に今見るとなんか新鮮ですよね。
常滑焼。
ざっと見ただけでもかなりこの伝統工芸品…。
数に驚いたんですけども…。
ええ。
これは日本全国に何種類くらいあるんですか?そうですね。
現在218種類。
こうでなければ伝統工芸品じゃないという決まりはあるんですか?そうですねはい。
いくつか条件があるんですけれども…。
手づくり…。
そこですね。
手づくりなわけですね。
職人さんが一つずつ作っていると…。
なるほど。
今でも徐々に…だんだんそういう職人さんも減りつつあるんですか?そうですね。
ライフスタイルが変わってきたとかそういうことが大きいんですかね。
そこがいちばん大きいと思います。
先ほど急須を手にとっておられましたけれどもやはり今お茶というとペットボトルからというのが一般的になってますので。
そうか〜。
ペットボトル…そうですね確かに。
《日本の伝統工芸を守るために今どんな取り組みが始まっているのだろうか》池袋。
なぜか東口にあるのが西武百貨店です。
その部長は思い悩んでいました。
この売り場で扱う全国の伝統工芸品に指田さんは危機感を感じています。
指田さんはファッションインテリアなどさまざまな分野の担当者を呼んでひとつのプランを明かしました。
百貨店が扱ってきた伝統工芸品の技術。
それを若者でも手が届く値段の雑貨にいかそうという提案です。
提案はすぐさま行動に…。
失礼します。
訪ねたのは若きデザイナー…。
さまざまな企業と組んでヒット商品を生み出す今注目の人物です。
このトップクリエーターと伝統工芸の世界とを指田さんは結び付けようとしていたのです。
日本の磁器発祥の地です。
指田さんがやってきました。
その歴史260年。
源右衛門窯。
職人たちの手わざが生み出す伝統の焼き物。
源右衛門は柿右衛門今右衛門とともに有田の三右衛門と謳われる名門窯。
美しいブルーと緻密な柄が特色です。
どうも。
お世話になります。
ありがとうございます。
源右衛門と西武百貨店は30年来のつきあい。
これまでは伝統工芸品だけを扱ってきました。
しかし今回はまったく新しい試み。
早速新しいデザインを提示します。
源右衛門の定番はこの梅小紋。
それに対しデザイナーのプランは梅は使いますがサイズも並び方もまちまち。
若い世代を取り込むためのポップな図柄です。
更に注文が…。
若者に手の届く源右衛門。
とにかくやってみることに…。
どうもこんにちは。
失礼します。
おじゃまします。
よろしくお願いします。
西武そごうでございます。
よろしくお願いいたします。
この世界ではまだまだ若手の38歳。
しかし絵付け職人としての腕は確かで現在ではデザインも担当しています。
横田さんに新しいデザインを見てもらいました。
梅は梅ですが横田さんがこれまで描いてきたものとはまったく違います。
もちろん手仕事で仕上げなければ源右衛門とは呼べません。
源右衛門では通常梅の模様をどのように制作するのでしょう?まず梅の輪郭を染料で描きます。
続いて梅だけを白く残すように一筆一筆慎重に周りを塗りつぶしていきます。
1枚仕上げるのにおよそ50分。
源右衛門では手間に応じて値段が決まります。
そのため手間の多いこの皿は…。
この値段では今回は話になりません。
横田さんは早速仕事に取りかかりました。
値段を抑える秘策はあるのでしょうか?ここで横田さんが取り出したのは…墨です。
墨を使い先ほどのように梅の輪郭を描くと思いきや…。
横田さんは緻密な筆遣いで本来白く残す花びらを塗りつぶしてしまいました。
大きな梅も同様です。
果たして黒い梅の図が出来てしまいました。
続いて梅の絵を無視して全体を染料で塗っていきます。
ここまで20分。
作業時間は大幅に短縮されましたが皿は…真っ黒です。
これを900℃の窯で焼きました。
すると…。
青地に白梅が浮かび上がっていました。
これは昔ながらの墨弾きという技法。
墨で描いた部分には染料が染み込まず焼き上げると…。
墨は蒸発し図柄だけが白く抜けるのです。
これで作業時間が短縮でき値段を抑えられました。
この日西武百貨店に新デザインの源右衛門その第1弾が並びます。
源右衛門伝統の青と梅が手の届く雑貨になりました。
あ〜これが難しいやつだったんですよね。
これでやるとね。
指田さんも納得の出来栄えです。
懸案の値段は5,250円。
墨弾きでなければ倍はするそうです。
他にも茶碗や湯のみを揃えました。
名門の風合いを残しつつ誕生した手の届く値段の雑貨。
有田焼にとっても新たな1ページです。
お若いお客さんです。
やはりデザインが受けています。
発売以降売れ行きは好調で客層も30代が10%も増えました。
この結果を受け第2弾の制作が早速始まりました。
しかしそのあまりに斬新なデザインにベテラン工場長は…。
中に突起物を…。
はあ?百貨店が伝統工芸の職人と進める雑貨作り。
新しい試みにのった有田焼の名門源右衛門窯。
デザイナーの佐藤オオキさんが訪ねてきました。
迎えるは源右衛門の…。
今日は第2弾の打ち合わせです。
佐藤さんは樹脂で作ったサンプルを持参していました。
生えてるんですはい生えました。
カップの中になぜか突起物。
その先端には源右衛門伝統の梅ではなくクローバー柄です。
なるほど。
中身を飲んでいると四つ葉のクローバーが浮かび上がってくるイメージ。
更にスプーンがなくても混ぜやすいという機能性も。
しかし作るとなると頭が痛い。
難しいのは絵付けだけではありません。
実際に焼き物を作る工場へ向かいました。
工場長はベテランです。
はぁ!?はぁ?ベテラン工場長にはインパクトが強すぎたかもしれません。
大丈夫でしょうか。
工房では試作品のカップに突起をつけるところでした。
うまく出来たようです。
工場長も今回の企画に有田焼の未来を見ていました。
やると決めれば仕事は完璧です。
いよいよ横田さんの出番です。
突起物の先端に柄を描くなど経験がありません。
クローバーも源右衛門にはなかった柄です。
第2弾の湯のみ。
今後試作を重ね商品化を目指します。
源右衛門の他にも若き職人が手がけた斬新な商品が次々集まっていました。
これは石器をイメージしたナイフやフォーク。
磨き職人の作です。
こちらは漆塗りをカラフルに使った器。
伝統工芸の古めかしさや堅苦しさが上手に姿を変えています。
西武池袋本店にこうした雑貨を集めた…。
京都の若き職人たちが世界を驚かせようとしていました。
親父。
うん?今の時代こんな古いデザインじゃ誰も買ってくれないんじゃないかな。
何言ってんだよ職人ってのはいいものちゃんと作り続けてりゃいいんだよ。
そう言ってるうちに仲間もどんどん廃業してるじゃないか。
だから海外に売り出そうと思うんだ。
海外?外国人がうちの物買ってくれんのか。
いやだから海外でも受けるようにデザインをもうちょっと変えようと思うんだよ。
なんかこうもっと…何て言うんだろうな。
もっとこう…モダンな感じにさ。
お前デザインなんかやったことないだろ。
いやそれはこれから考えるよ。
それにどうやって海外に売るんだ。
当てあんのか?いやだからそれもこれから考えるよ。
今のままではいけないと思っていてもどうすればいいのかわからない。
それが今多くの伝統工芸の現場が抱えている悩みです。
しかしそれを克服しようとする若手職人たちがいました。
宇治茶で知られる町です。
茶どころにはいい窯があります。
創業は古く江戸の初めにはすでに茶器を作っていました。
ここに若き職人がいます。
若手ながらその筋では今注目の陶芸家です。
しかし陶器の市場は年々縮小する一方。
朝日焼の売り上げも…。
趣ある佇まいを見せる一軒の町屋。
松林さんです。
2階では何やら集まりが。
皆危機感の中で家業を継いだ京都伝統工芸の後継者たちでした。
ほとんどが30代。
2年前に結成した英語で前に進むという意味と先祖への御恩2つをかけました。
リーダーの将来を悩んでいたそれぞれ扱うものは違いますがチームで海外を攻めようというのが主な目的です。
リーダー細尾さんの実家。
主に着物の帯を織ってきましたが5年前に実家に戻った細尾さんが新しい事業を始めていました。
独自開発した大型織機で織っているのは帯ではなくその生地は高級ホテルやブティックの壁紙として。
更にファッションの世界でも使われるなど世界中で注目されています。
細尾さんの取り組みをきっかけにGOONに興味を抱いたのが茶筒の開化堂では…。
筒を加工する技術を活かしウォーターピッチャーを製作。
針金で編んだ豆腐すくいで知られる技術を活かして世界を相手にしたものづくりがすでに始まっていました。
数人しか働いてないとても小さな工房。
その技術をグローバルに広げていくことに非常に興味を持ったんです。
お疲れさまです。
この年明け初めての会合で松林さんにも思わぬチャンスが巡ってきます。
ニューヨークのギャラリーに細尾の常設コーナーが出来たので他のメンバーもそこでアピールしようという提案です。
松林さんも参加することになりました。
工房ではニューヨーク向けの新製品作りが進んでいました。
デンマークのトーマスさんから届いたのはティーポットのデザインでした。
これまで伝統の茶器を作ってきた朝日焼にとって初めての挑戦。
しかも詳細な設計図まで。
朝日焼の茶器に設計図などありませんでした。
今回の挑戦にはベテランの工房長にも一緒に取り組んでもらうことにしました。
ポットのメインカラーはサクラをイメージしたピンク。
これも今までの茶器では扱ってこなかった色です。
早速色付けの作業へ。
焼くと色が出ます。
この上薬に何秒浸けるかによって色合いが違ってきます。
勘がすべての世界。
デンマークのデザインと宇治・朝日焼が合体したティーポット。
さぁどうでしょうか?しかし思わぬ問題が…。
使ってみて初めてわかりました。
水切りが悪くたれてしまいます。
やっぱりこのかわいらしさとか…。
職人としては機能性も譲れない。
しかし世界で戦うためのデザイン。
いじっていいものなのか?松林さんこれまで経験のない壁にぶつかりました。
宇治の窯元で16代目の若き職人は悩んでいました。
デザインどおり作ったものの水切りが悪くたれてしまうのです。
ニューヨーク行きまで1カ月を切ったころ。
若手職人チームGOONのリーダー細尾さんが訪ねてきました。
こんにちは。
こんにちはいらっしゃいませ。
メンバーどうし互いの工房を訪ねたり頻繁に交流があります。
そこで松林さん悩みをぶつけてみました。
松林さん視界が開けました。
とんでもない生地。
気になります。
数千万円を投じて導入した新しい織機。
ニューヨークで発表する生地をベテランの職人さんと開発してきました。
世界初の生地だそうです。
トーマスさんのデザインは柄が透けるようにとのリクエストでした。
ところが透けるにとどまらず裏から見ると透けないようにアレンジ。
色も金銀黒に増やしました。
一方朝日焼では…。
ティーポットの問題点を改善していました。
水切りをよくするためトーマスさんと相談のうえデザインをアレンジ。
これまでより口の角度を少し上げました。
更に…。
水口の厚さを薄くします。
これで液だれはないはずです。
こんなもんか。
ニューヨーク行きまであと10日。
最後の試作品が窯を出ました。
水の切れはどうでしょう?それで行きましょうか。
はい。
そこに現れたのは褒めてはくれましたが…。
朝日焼の未来の伝統です。
ティーポットは4万5000円で打って出ます。
松林さんたちがやってきたのはアートの発信地ソーホー地区です。
アトリエ・クーベ。
デザイナーやバイヤーが買い付けをしていくギャラリーです。
世界の一流工芸品が並びます。
こんだけまとめて置いてもらえるとすごいかたまり感ありますね。
世界の逸品に並んでGOONのメンバーのさまざまな作品がディスプレ−されていました。
あぁいいっすね。
メインの棚にはあのピンクの苦心作が。
上の段にはフランスを代表する陶磁器セーブル。
世界的にその名を知られるブランドです。
下の段にはルイ15世が愛したガラス食器サンルイ。
世界的工芸品と肩を並べての勝負です。
松林さんにプレッシャーがかかります。
3月ニューヨークのギャラリー。
一流工芸品の新作を目当てにバイヤーやデザイナーが集まっていました。
若き職人の会GOONの出品作が評価されるときです。
細尾さん早速あれを披露します。
(2人)ワオ。
あの生地です。
狙いどおり驚いています。
さくら色のポットにも目をとめる女性が。
2人の男性が棚を見つめていました。
朝日焼の松林さんすかさずアピールします。
英語は得意ではありませんが一生懸命自分の言葉で伝えました。
すると…。
なんとフランスセーブルの社員でした。
自分たちの棚を見ていたところさくら色のポットに目がとまったといいます。
私たちも伝統的な製品も作っていますしモダンなものも作っています。
今後一緒にプロジェクトをやってみたいと思いました。
松林さんの朝日焼に新たなステージが生まれそうです。
それから一週間。
GOONのメンバーが勢揃いしています。
今回の成果を受け次は5月に大きなイベントを仕掛けることになりました。
日本の若き職人たち。
可能性は無限大です。
伝統を受け継ぐということは単に昔ながらのものを守り続けるだけではなく時代に合わせて変化させることが大切だと今回わかりました。
若い世代が挑む世界にも通用する新たなものづくり。
それはこれからの日本の伝統産業にとっても重要なことなのではないでしょうか。
2014/03/25(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【若き職人の新たなる挑戦!】[字]

若手職人が百貨店と手を組み、驚きの逸品を生み出す!▽有田焼が斬新な人気雑貨に変身!▽世界が驚く!京都の若旦那衆が創る伝統工芸品とは?

詳細情報
番組内容
寂れる一方のニッポンの伝統工芸。そんな中、過去のしがらみにとらわれない若手職人の力が新たな境地を開こうとしている。百貨店と組んで、若い世代にも受ける新たな製品を生み出そうとする職人たち。さらに家業を継いだ若旦那たちがチームを組んで世界を攻める動きなど、これまでにないやり方で挑む彼らたちの姿を通して、ニッポンの伝統産業の生きる道を探る。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】古谷一行
音楽
【音楽】新井誠志
【テーマ曲】オープニング曲「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)/エンディング曲「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

◆公式Twitter

https://twitter.com/gaia_no_yoake

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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