クローズアップ現代「舛添新知事に問う 東京の“未来像”」 2014.02.10

首都・東京の未来像を新たなリーダーに問います。
きのう行われた東京都知事選挙。
選ばれたのは舛添要一さんでした。
舛添さんが選挙戦で強く訴えてきたのが社会保障の充実です。
これまで成長を続けてきた巨大都市・東京。
しかし2020年をピークに人口が減少を始めると見込まれています。
かつてないスピードと規模で進む少子高齢化への対応は差し迫った課題です。
これからの東京の姿をどう描いていくのか。
今夜は舛添新知事に聞きます。
こんばんは。
「クローズアップ現代」です。
日本の政治、経済の中心13兆円の予算を持つ首都・東京の新しいリーダーに選ばれた舛添要一さん。
戦後まもなく70年になりますが8人目の都知事です。
2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市として注目される首都ですが折しも、その2020年に東京の人口は減り始めこのままでは、その後、日本では前例がないスピードと規模で少子高齢化が進むと見られています。
ご覧のように、6年後1336万人でピークを迎える人口。
その後、加速度的に減り続ける見込みです。
2045年には100万人減少。
高齢化率は35%の予想です。
一方、東京の出生率は最新のデータで全国最低の1.09。
数字だけ見ると最も産み育てにくい自治体といえるかもしれません。
急増する高齢者への備え。
活力ある未来に向けて待ったなしの少子高齢化対策。
GDP・国内総生産の2割を占める巨大都市がこれから向き合うことになる大きな変化にどんなかじ取りを考えているのか。
今夜は舛添新知事に聞きます。
16人の候補者が競った選挙戦。
こちらが、その選挙結果です。
まず初めに有権者が何を重視して舛添さんを選んだのかご覧いただきましょう。
東京都知事選挙に圧勝した舛添要一さん。
元厚生労働大臣の知名度に加え自民、公明両党の支援を受けたことで終始優位に選挙戦を展開しました。
東京選出の衆議院議員で安倍総理大臣の側近萩生田光一さんです。
舛添陣営で選挙戦略を練るキーマンです。
細川元総理が立候補を表明した当初は厳しい選挙戦になることを覚悟したといいます。
舛添さんは厚生労働大臣を経験した実績を生かし社会保障の政策を掲げて支持を訴えました。
母親を介護したみずからの経験を伝え福祉の舛添をアピール。
しかし陣営では社会保障の充実を訴えることがどこまで有権者に浸透しているか計りかねていました。
そのため、最後まで組織の引き締めに力を入れ確実に支持を広げていきました。
勝つぞー!
今回の東京都知事選挙。
元総理の細川さんと小泉さんが協力して臨んだことに大きな注目が集まりました。
打ち出したのが脱原発でした。
しかし、細川さんに立候補を促した元参議院議員の円より子さんはその訴えが有権者に十分浸透していないと感じていました。
同じく脱原発を訴えた日本弁護士連合会の元会長の宇都宮健児さんです。
共産党と社民党の推薦を受けた宇都宮さん。
教育や子育てなども訴え無党派層にも支持拡大を目指しました。
一方、防災対策に重点を置いたのが航空自衛隊の元航空幕僚長田母神俊雄さんです。
掲げたのは公共事業です。
社会保障、エネルギー政策景気・雇用、防災対策。
各候補が主張を繰り広げる中で無党派層の支持も得て舛添さんが圧勝した背景には何があったのか。
東京郊外の東久留米市に住む石井さん夫婦です。
夫は糖尿病で妻は高血圧です。
症状が悪化したときのことを考えると十分な医療や介護が受けられるか心配だといいます。
一方、一つの政策だけでなく幅広い政策で判断したいという有権者もいました。
世田谷区に住む里岡さん夫婦です。
子どもは、まもなく1歳。
夫婦共働きのため子育て支援にも関心があります。
NHKの出口調査では舛添さんに投票した人が重視したのは景気・雇用や医療・福祉でした。
ばんざーい!
舛添さんは自民、公明両党の支持層のほか無党派層などからも一定の支持を集め、圧勝しました。
スタジオには、東京都知事に選ばれました舛添要一さんです。
戦後8人目の知事。
お2人を除いては、2期、3期、4期と、長期にわたって知事を務められてきた方々が多いんですけれども、もちろん舛添さんがこれからどうなるのか分かりませんけれども、ずっと成長を続けてきた東京が、人口減少に向けた転換点を向かえる、それに備えなくてはいけない、そこをいわば託されたわけですけれども、長期ビジョンが問われる中で、一番のご自分の使命はなんだと考えてらっしゃいますか?
転換点の中で、1つはやっぱり直下型地震が、30年以内に7割の確率でやって来る、で、皆さん、東日本大震災、目の当たりにしてきてますから、あれと同じのが首都で起こったら、どうするんだろうと、そういうことからももう、残された時間は非常に少ないんで準備をしないといけない、それから社会保障の分野では、先ほどご説明あったように、人口減少していく、高齢化はどんどん進んでいく。
例えば2020年の人口減少ありますけれども、私どもは2025年問題というのをいってて、私はちょうど最近65になりまして、団塊の世代、これが一気に、いわゆる後期高齢者というカテゴリーに入ると、そりゃ医療費だけでも大変なものがあると思います。
そういうことに対して、今から備えていかないと、とてもじゃないけど東京、そして日本全体が活力を失っていくと、そういうことなんで、私の課題っていうのは、限られた時間の中で、どれだけ準備をするか、備えあれば憂いなしということで、個々の政策はいろいろ持ってますけれども、全体的に言うとそういう感じです。
だからなんかその、東京五輪は明るい話題ですけれども、将来に向けて、高度経済成長時代のようにどんどん発展していって、所得倍増なんてことではなくて、むしろいろんな困った要因をいかに、それを素直に認めたうえで、しかしなお、住みやすい東京にするっていうことが一番の課題だと思っています。
ですからどのような長期ビジョンをお持ちになっているのか、選挙戦での演説等を聞かせていただいて、やはり繰り返し繰り返しおっしゃっていて、今のVTRにもありましたけれども、世界一の福祉、大都市といったことばをおっしゃっているんですけれども、この世界一の福祉って言われたときに、どんなイメージを持つべきなのか。
例えばね、保険証、健康保険証一枚で、どこにでも病院に行かれる、そして現役は3割負担ですけど、そういう安い医療費で、これだけのすばらしい、世界最高水準の医療・サービスが提供されているわけですよ。
こういうことをどこまで続けられていくのか。
で、福祉、世界一の福祉というのはそういうことであるし、例えばお隣の中国、韓国も少子化、一人っ子政策、同じ問題が起こっている。
だけど介護保険をきちんとやって、それがもう10年たって、一定程度の成果を生んでるのが日本なんですね。
ですから、今あるものを、恐らくなんにもしなければ、財政破綻が来て続けられなくなる。
だから非常に明るい長期ビジョンというか、どーんと成長する長期ビジョンじゃなくて、きちんと今あるいい制度を、破綻しないように守りながら、そういう中でっていう非常にそういう、夢も希望もないじゃないかっていう感じが。
国の、どちらかというと仕事かなと、都としての世界一の福祉っていうイメージは、どういうビジョンですか?
その中で、国と当然連動しないといけません。
社会保障、厚生労働大臣でやりましたから、その中で国には財政的な負担が省庁の縄張りとか、いろんな問題がある。
東京都は幸いなことに交付税頂いていません。
自分でやって、国に頼らないでやれる財政能力はあります。
だから、それから私は特区、国家戦略特区に東京を指定して、あらゆる規制緩和をやっていく。
だから先ほどの…保育所とか、認可保育所、国は認可保育所、これだけの条件整わないと、保育所、保育園だめですよって、認証っていうのは、むしろ緩和した形で、だから、お子さん預けたい女性、若いカップルにとって、もう後5年たったら、そのお子さん、小学校はいりますよってときに5年待てません。
じゃあ100%、国が指定、決めた基準を満たさないとだめなのかと、8割でいいじゃないかと、そこから入っていきましょうと、そういうところからやっていって、もう本当に都民のニーズ、今、子ども預けてもらいたい、今、年老いた介護したい親を特養に入れてもらいたい、それがかなえるようにするということは、例えば女性の立場に立ってみれば、保育所がないから仕事辞める、親の介護で仕事辞めるということがなくなります。
そうすると、女性が経済活動をもっとできるように、それが活力につながる、そういう国全体の問題に先行してますから、それに対する先行的な解決策をやっていくと。
世界一のイメージといいますと、何かこうデンマークとか、スウェーデンとか、消費税が25%かかって、本当に手厚い大きな政府的な、世界一の福祉なのかなというイメージもあったんですが、そうではないということですね。
すでに高福祉高負担、低福祉低負担ですから、恐らく東京都民が一番高負担ができる、金持ちなんです。
したがってそれだけ高福祉になりうる。
だけど皆さん、25%、消費税払って、しかし、北欧諸国もやりますかといったら、人口規模も違いますし、1300万人なんて人口規模は例えばスウェーデン850万しかありませんから、東京都のほうが大きいんです。
だからそういうことを考えたときに、それは都民に問わないといけない、25%でも、ここまでやりますかと、私はそうじゃなくて何もかも税金でやる、何もかも政府に頼る、都政に、東京都知事にいきなり頼るんじゃなくて、自分たちでなんかやれないかと。
自助をまずやる、共助、コミュニティー、そして最後は公助という形を描いてます。
さらにお話伺う前に、ちょっとこちらのVTRご覧いただきたいんですけれども、人口が減少し始める2020年の転換に向けて、社会保障の分野で何が求められているのか取材しました。
オリンピックとパラリンピックが開催される2020年。
しかし、その年をピークに東京の人口は減少していくと見られています。
巨大都市が大きな転機を迎えるのです。
まず課題となるのが高齢者が急速に増えることへの対策です。
比較的要介護度が高い高齢者が利用する特別養護老人ホーム。
東京・杉並区にあるこの施設。
受け入れられるのは145人です。
オープンした5年前から満室が続き入所を希望しても入れない待機高齢者は増え続ける一方です。
都内全体では待機高齢者は現在およそ4万人と見られています。
今後は介護を受けられない高齢者が、さらに増えていくと指摘されています。
もう一つの課題は少子化です。
一人の女性が一生のうちに出産する人数。
その指標が東京都では低下傾向が続きおととしは全国で最も低い1.09となりました。
背景には所得の減少や育児環境が整っていないことなどが挙げられています。
深刻な少子高齢化の現実。
専門家は社会保障の充実が欠かせないとする一方で財源の問題に直面するといいます。
舛添新知事は財源を確保しつつ社会保障の独自策をどう打ち出すのか。
その手腕が問われます。
まずその高齢者が急増していく中で、どう対応するか。
先ほどのVTRの前のお話では、まずは自助だと、そして最後に公助という考えをおっしゃって、地域、コミュニティーの絆を使って包括的なケアが大事だということも、選挙戦の中でおっしゃっているんですけれども、非常に1人で暮らしてらっしゃる高齢者も多いし、地域の絆が非常にぜい弱だといわれている東京において、描いていらっしゃる地域の包括的なケアというのは、現実的だと思われますか?
例えばね、団地と呼ばれてる集合住宅ありますね。
これは多摩ニュータウン見て、分かりますけど、ニュータウンがオールドタウンになってる。
今これ、再生事業やってます。
5、6階建てが20階、30階の超高層になる形で計画立ててますから、スペースが非常に余るんです。
そうすると1、2階分をショッピングモールとか何かにするんじゃなくて、必ず特養、保育所を置いていく。
これで相当孤独死とかいうこともなくなっていく可能性があります。
それからもう一つは、都が持っている土地がありますから、これを非常に安い値段で提供する。
そりゃね、若干不便な所であったって、東京から杉並より伊豆半島に特養を作るよりははるかに都内ですから、…、そういうことをやっていくしかない。
もちろん、地域コミュニティーの助け合いということもあります。
それから4月から消費税上がりますから、これはあくまで社会保障のためだと、さらに2%上げると、だから国全体の財源、当然地方に配分されますから、それも使いながら、それともう一つは、今幸いアベノミクスで経済上がってますから、東京はもっと景気よくすれば税収も増えていくんで、やっぱり最後は景気よくして、雇用をしっかり確保してってことにいっちゃうんですけども。
かつて、著書の中で、攻めの福祉投資ということを書いてらっしゃいますけれども、公共事業に投資するよりも、やっぱり福祉に投資という、そういった考え方には今もお変わりないですか?
ですから保育所とか、特養を作るってことによって、今から景気よくなって、人不足、女性が働ける状況になれば、男1人よりも2人で働いたほうが、はるかにGDP倍になりますから、ただ問題は、それあくまで、社会保障という中で循環しているだけですから、ニューマネーがどこから来るかと、ニューマネーは、やはり輸出したりとか、例えば医療技術の輸出もあります。
やっぱり外からお金を稼いでくる、それを上手に循環させて、むだな公共事業ではなくて、みんなせっぱ詰まってる、保育とか介護とかに使っていくと、好循環になるって、そういう姿を描いてます。
1.09というこの出生率。
全国平均が1.41ですから、東京都の場合は、相当低い。
これは本当に若い男女にしますと、大変住みにくい街であるということになるわけですけれども、その保育所だけ建ててもなかなか女性が、安心してあるいは男性も、産み育てるということができないと思うんですけども、今や片働き世代よりも共働き世代のほうが増えて、ただその女性の6割近くが非正規という不安定で、そして賃金も低い働き方をしている。
この女性がもう少し潜在力を高めていけるような働き方っていうのを、都として、どういうふうに対応していきますか?
それは、私は厚生労働大臣の時代も、ワークライフバランスということを常に主張してきてて、つまり家庭と両立しましょうと。
なんで夜中の10時まで、さんさんと役所に光りつけて、電気つけて会議やってんだと。
だって、9時から5時の間に仕事するんでしょ、なんでこんな効率の悪いしかたするんだと。
私はですから、都知事になっても、仕事終わったらさっさと帰って家庭があるなら、うちでごはん食べなさいって、そんな光熱費使ってまでやるべきじゃない。
土日はきちんと休みなさいと、それでできないなら、あなたたちの仕事の効率が悪い。
しかし、それだけ努力してもできないなら、それは仕事量が多すぎる。
あまりにも役所はむだが多いってことは、考えないといけないです。
ほかの先進国は、きちっと時間を守りながら、仕事をして単位時間当たりの労働率は最悪だと思いますよ、日本は。
だから女性が、みんな帰れれば普通の保育所でいいんです、なんで認証保育所を駅前において、13時間も14時間もそこで保育して、かわいそうに子どもが朝7時から9時まで預けられないといけない。
それは本当に会議だけのために、じっと局長がいたり、課長も残る、課長もいたら係長もいる。
そういう。
長時間労働するような、そういう中間管理職の方々に対しては厳しい査定をするとか、そういったところまで踏み込まれるんですか?
能力はないと思います。
私はだからもう厚労大臣のときに率先して早く帰ってました。
自分のうちでごはん食べるべきだと。
だって土日、子どもがね、前から運動会って決まってるのに、きょう、パパ来れないっていう、こういうことをやめないと、先進国っていうのは、ワークとライフの、仕事と生活のバランスを取るっていうことなんで、これは徹底してやりたいと。
ですから。
一方で、都は15%という、15.2%という管理職、女性管理職比率は自治体でトップなんですけれども、国の目標は2020年まで30%、それを目指されますか?
だからそういうことができるためには、保育の環境とかやらないといけない。
そのときにね、役人とか政治家の立場じゃだめで、まさに子育てしている女性が何を求めているのか。
例えばね、私は職場に保育所を置くっていうのは、あまり賛成しないんです。
私ならば、自分の通ってる駅に置く。
そうすると駅に置けば、だって満員電車に連れていきますか?赤ちゃんを。
だから私は各鉄道会社に頼んで、それをやってくれとすでにお願いしてそれをやりたいと思います。
…にもよりけりだと思うんですけれども。
通勤無理です、子ども連れていくのは、満員電車じゃかわいそう。
働く時間がいろいろあるかと思います、いろいろ職場があるかと思うんですけれども、ただやっぱり、気になるのは特養も建てなければいけない、保育所も建てなければいけない、こちらが26年度の都の暫定予算になってますけれども、今、大体福祉と保険には15%の予算が充てられる見込みなんですけれども、これからこれ、増やしていかなければいけないとお考えですか?
基本的には国の全体の政策があります。
だから、全体の4分の1ぐらいがもう厚生労働省関係に充てられている。
例えば年金なんてのは、これ全部国ですから、しかしその中で、都としてうわずみできるものが何かっていうのをしっかり考えていく。
それと特別区、例えば23区あります。
ここはここで現場がやってもらわないと。
だから、都知事の仕事というのは、区と国とのちょうつがいみたいなその間のハブをやる役割だと思ってますので、それはしっかりと気配り、目配りをしたいと思っています。
国に一歩先駆けてということもおっしゃってますけれども、最後にどういうリーダー像を描かれますか?美濃部さんとか、石原さんとか、いろいろ国に対じされた方や、国に先んじてとかありましたけれども。
ばんきこうろんに決すべし。
そして、できるだけ少ないコストで、できるだけ大きな成果を上げる。
ただ単に争いやればいいわけじゃありません。
2014/02/10(月) 19:30〜19:58
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代「舛添新知事に問う 東京の“未来像”」[字]

東京都知事選挙。当選したのは舛添要一氏。有権者は何を託したのか。少子高齢化が急速に進み2020年をピークに人口が減少する都の未来像をどう描くのか。新都知事に迫る

詳細情報
番組内容
【ゲスト】東京都新知事…舛添要一,【キャスター】国谷裕子
出演者
【ゲスト】東京都新知事…舛添要一,【キャスター】国谷裕子

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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