(むせび泣き)私がお婆ちゃんを殺したのよ。
私が大福餅なんて買ってこなければこんな事にならなかったのに。
(夜明日出男)大福餅!?はあ実は母が死んだのはお餅を喉につまらせまして…。
聡美のせいじゃない!ちゃんとしてなかった私がいけなかったの。
私のせいでお婆ちゃん…。
よさないか2人共!誰のせいでもないんだ。
大福餅で…。
幸せに縁のない母でした。
同居してこれから親孝行しようと思っていた矢先に…。
まさか!まさか…。
どうもすみませんでした。
いいえ。
ああまいった…。
ああいう客乗せるとこっちまで滅入っちゃう。
(物音)あらっ!?おいおい…冗談じゃないよ!すいません。
ついぼおーっとしてしまって。
・泥棒!誰か捕まえて!お願い!誰か!
(パトカーのサイレン)いやあこれは警視庁捜査一課七係夜明警部ではありませんか。
表彰状いらないから。
はあっ?ありがとうございました。
大丈夫ですか?幸せに縁のない母でした。
でもまさか。
まさか…。
(主人のむせび泣き)
(あゆみ)おかえんなさい。
おお何だあゆみ来てたのか?そんな言い方ないでしょ。
朝ごはんの支度して待っててあげたのに。
お父さんおしょうゆきれてる。
ああ塩。
塩じゃなくてしょうゆ。
いや塩。
清めの塩。
ああ。
ああそれでいいそれで。
はい。
はい。
お父さん何か汚らわしい事でもしたの?バカ!そんなんじゃないの。
予備校行ってるか?お母さんみたいな事言わないでよ。
そういう小言聞きたくないからここに来てるんじゃない。
あっそうそう。
神谷さんから速達きてるよ。
ええっ!?はい。
ああ…。
「去る三月二日午後十時三十分兄が永眠致しました」「葬儀を左記の日時で執り行いますので是非ご参列下さい」木村藍子…?
(神谷)夜明さん宛のはがきが警視庁に届いてたんでそちらへ郵送したんですよ。
そんな事は葉書見りゃあわかるんだよ。
それより木村藍子って誰なんだ?
(神谷)「ええっ?」俺はこの女性に心当たりがないんだ。
何言ってるんですか。
見も知らない人から葬式の案内が来るわけないじゃないですか。
ハクション!ひょっとして昔のコレだったりして!?うふふ…。
コレって何?ハクション!ああ東山。
それそれ…。
違うよ。
それだよそれ。
違う!あれあれ…。
ああそうそう。
東山がね夜明さんの昔の女じゃないかってうふふ…。
(東山)自分そういう事言ってないですよ!東山ですよ。
うふふ…。
発想が乏しいな。
(国代)心が貧しいんですよ。
何か言ったか?いいえ。
(神谷)「とにかくその方はお兄さんを亡くして悲しんでらっしゃるんです。
出席されたほうがいいですよ」だから俺この女性を知らないんだよ。
(電話の不通音)神谷。
もしもし…。
神谷。
ハムエッグ。
お葬式出るの?うーん…。
その人誰なの?さあ…。
木村藍子。
突然舞い込んだこの1通の案内状が事件の始まりだった
(読経)
(ノック)警察の者ですがちょっと開けていただけませんか?
(木村藍子)何でしょうか?お兄さん来てますよね?木村!
(木村哲夫)離せ!木村哲夫。
殺人の容疑で逮捕する。
(藍子)兄さん!兄さんは人殺しなんかじゃない!刑事さん!何かの間違いです!兄さんは人殺しなんかじゃない!刑事さん!最期までお見送りくださいましてありがとうございました。
いえ。
正直言って驚きました。
お便りいただいてもすぐにあなたとは気がつかなくて。
お兄さんがまさかこういうふうになるとは思ってもみませんでした。
兄は府中刑務所の中で獄死したんです。
病気ですか?肺気腫が悪化して心不全を併発したようです。
昔から肺が弱かったですからね。
刑務所に入らなければこんな事にはならなかったと思います。
ですから夜明さんにはぜひ葬儀には出席していただきたいと思いまして。
こんな格好ですいませんでした。
仕事中だったもんですから。
刑事はお辞めになったんですね。
ええ。
今タクシーに乗ってます。
どうしてお辞めになったんですか?捜査の都合で何度か会った女性の事を妙なふうに言われて週刊誌にまで書かれてそれで…。
じゃあではここで。
あっあのお店まで送っていただけませんか?お店?私今新宿で小さな店やってるんです。
じゃあ私これで。
この度はご愁傷さまでした。
無念だったと思います。
兄は人殺しの罪を着せられたまま獄死したんですから。
あなたのお気持ちはわかりますがお兄さんが人を殺したのは事実です。
兄は人殺しができるような人間じゃありません。
私を悲しませるような事をするはずがないんです。
失礼。
夜明さん。
あのお願いしたい事があるんですけど。
あのこのお店毎日夜中の2時にお店を閉めるんですけど深夜タクシーを拾うのが結構面倒でですからよかったらこれからは夜明さんに送っていただけないかと。
もちろん夜明さんのお仕事のある日だけで結構です。
私今横浜なんです。
はい…。
どうも。
何かわかった?木村哲夫が発病したのは半年前だそうだ。
焼き魚定食。
・はい。
焼き魚定食。
・はいよ。
刺身定食。
・はい。
あっ肉じゃがもうまそうだな。
肉じゃがもね。
自分も肉じゃが。
サバ味噌と天ぷら。
あと…。
おいおい…もういい…。
八王子の医療刑務所に移したもののその時すでに病気はかなり進んでたようで半年治療を続けたがダメだったらしい。
ハクション!何だ…生卵ちょうだい生卵。
・はい。
あの立ち会った刑務官の話によりますとそれはもう妹さんの悲しみようといったらなかったみたいです。
兄さん。
兄さん!兄さん…。
(号泣)そうか…。
しかしまあ驚いちゃいましたね。
あの木村哲夫が服役中に死ぬんですもんね。
それにしても木村の妹藍子さんなぜ夜明先輩をお葬式に呼んだんですかね?彼女は今でも木村の無実を信じてるんだよ。
夜明さんに恨み言のひとつも言いたくて?いや。
ですけどそれじゃ逆恨みもいいとこじゃないですか。
木村が殺しをやったのは間違いないんですから。
あのその6年前の事件ってどんな事件なんです。
ああそうか…。
あの頃東大ボーイはまだいなかったか?はい。
先輩知ってるんですか?何言ってんのお前!?俺が活躍した事件だろ。
のっけからピントずれてるよ。
ねえ先輩。
6年前大田区内のアパートで男の他殺死体が発見された。
被害者は志賀隆治36歳。
発見したのは志賀の愛人だった。
失礼ですけどお名前は?
(鈴木和枝)鈴木和枝と申します。
志賀さんとはどういうご関係?以前付き合ってました。
以前?和枝は何かにつけ暴力を振るう志賀と別れたがっていた。
そんな彼女の相談に乗っていたのが…。
木村哲夫だ。
志賀と木村の関係は?昔同じ自動車整備工場で働いていた友達。
それからなもう一人徳山っていう親友がいてな…。
という事は和枝さんを巡って志賀と木村はもめてたって言うんですか?
(徳山康彦)ええまあ。
昨夜から木村が見つからないんですが木村の潜伏先どこか心当たりはありますか?さあ…。
ひょっとしたら妹のところかも。
妹さん?はい。
木村は幼い頃両親亡くしてたった一人妹がいるんです。
信子。
木村の妹の住所確かアドレス帳に書いてあったな。
持ってきて。
(信子)はい。
鈴木和枝と付き合うようになったお前は和枝の事で話をつけに志賀のアパートを訪ね口論のあげく志賀を刺し殺した。
どうなんだ?私が志賀を殺しました。
凶器どこへ捨てた?帰る途中多摩川に捨てました。
凶器が木村の自供した場所から発見された。
だったら無実も何もないじゃないですか。
三角関係のもつれで木村が志賀を殺した。
間違いないですよ。
こらっ!だからさっきから何べんも言ってるだろう。
俺が活躍した事件で誤認逮捕があると思うか!?ホントに活躍したんですか?夜明さんの背中にくっついてただけじゃないんですか?ただ木村が妹思いだった事は確かなんだよ。
その木村が事件を引き起こしたせいで藍子さんはそれまで勤めていた会社を辞め婚約者と別れるハメになった。
どうして木村は藍子さんの事を考えなかったのか?惚れた女の事で頭がいっぱいだったんだよ。
木村は兄である前に男だったって事だ。
ああいけない。
仕事に戻んなきゃ。
藍子さんに頼まれて今夜から彼女を自宅に送る事になった。
ええっ!?そんな事になっちゃったんですか?どうしてそんな申し出を引き受けるんです?逆恨みで嫌味ブツブツ言われるだけじゃないですか。
夜明さんはもう刑事じゃないんですよ。
木村は俺が逮捕した。
あの事件がなければ藍子さんにはまた違った人生があったかもしれない。
そう思ったら彼女が不憫でならないんだよ。
また来てくださいね。
ああ。
もう約束のキス。
うう〜ん。
明日も来ちゃう。
うん。
待ってる。
じゃあね。
しけた客。
今着替えてきますから。
はい。
あのお店いつから?2年前いろんなお店で働いてやっとお店を持てたけどこの不景気でこの先どうなる事やら。
今日のお葬式鈴木和枝さん見かけませんでしたけど通知は出したんでしょ?一応報せましたけど来る訳ないじゃないですか。
夜明さんはあんな女のために兄が人殺しをしたと今でも思ってらっしゃるんですか?どういう意味です?志賀さんを殺したかったのはむしろ和枝さんのほうじゃないかしら?私今でも兄を信じてます。
それじゃあこれからも送ってくださいね。
(藍子)〔志賀さんを殺したかったのはむしろ和枝さんのほうじゃないから?〕
(電話)はいはい…。
(電話)はいはい…。
(電話)はいはい…。
はい夜明です。
何だお前か。
あゆみ。
うんこっちに来てるよ。
うん。
来てるけど今いないよ。
予備校に決まってんだろ。
お母さん?あれっお前手どうした?切った?違うよ。
ダイエットテープ。
ダイエットテープ?指にねテープ巻くと痩せるんだって。
今流行ってんの。
あゆみちゃんと勉強してるよ。
いや浪人の身なんだからそれぐらいの自覚はあるさ。
うるさいなぁ。
俺が甘やかしたから大学落ちた?バカ言ってんじゃないよ。
お前がガミガミうるさいからやる気なくすんじゃないか。
うるさい!別れた後まで喧嘩吹っ掛けてくんな。
切るぞ。
だからお父さん好きなのよね。
ああガミガミ言われたんじゃ本気で勉強する気なんかなくすっていうの。
お前予備校は?今日はいいの。
今日の先生揃ってつまんないのよ。
つまんないってお前…浪人の身なんだぞ。
浪人とか予備校生とかそういう言い方やめてよ。
だって予備校生だろ?大学0年生だと思うと気が楽になるのよね。
バカ言ってんじゃないよ。
こんなバカな事やってないでほら早く本業に戻んなきゃ。
じゃあお父さんどうなの?本業忘れてまた刑事してるじゃない?してませんよ!ホントかなぁ?そんな事より勉強しなきゃ。
ほら来年受かってくんないとな養育費大変なんだからほら。
ええああ…。
暇だな。
(ラジオのアナウンサー)「はい今日も元気に古文の勉強を致しましょう」「テキストの72ページを開いてください」俺が勉強してどうすんの。
(広田)「1646夜明さん応答願います」1646どうぞ。
「木村藍子さんとおっしゃる方から今夜11時迎車お願いしますとの事です」11時?
(広田)ご指名だなんてすごいじゃないですか夜明さん。
タクシーの運転手もサービスがよければ名前を覚えていただける。
まあ指名を取れるようになって一人前って事ですね。
でどんな方なんですか?知り合いで〜す。
(広田)「知り合い?どんな?」プライバシーで〜す。
プライバシー!?まさか夜明さんあんたその方を無料でお送りしてるんじゃないんでしょうね?「夜明さんそれはいけませんよ。
公私混同。
職権乱用」「夜明さん夜明さん!夜明さーん!!」できる事ならそうしたいで〜す。
お店もういいんですか?今日は何だか体がだるくって。
お客さんもあんまりいらっしゃらないし今日は早く閉める事にしたんです。
ああそうですか。
あのこの前おっしゃってた事なんですが6年前志賀さんを殺したかったのはお兄さんよりむしろ和枝さんじゃないかって…。
あれ何か根拠でもあるんですか?和枝さんが志賀さんを殺したっていう…。
いいえ。
和枝さんやお兄さんの友達だった徳山さんとその後お会いになった事は?あっそこで停めていただけます?ちょっとコンビニで買い物したいもんですから。
ああはい。
すいません。
すぐ戻りますから。
はい。
ありがとうございます。
どうも。
あの…私がこんな事言うのは何なんですが私にできる事があったら何でもおっしゃってください。
お兄さん亡くされてお力落とされてるのはわかります。
でもあなたにはその悲しみから立ち直ってほしいんです。
あの…。
はい。
私今から夜食作って食べるんですけどよかったらご一緒にいかがですか?あっいやお疲れでしょうから。
独りでいる事が疲れるんです。
おいしかったです。
ごちそうさまでした。
今コーヒー淹れますから。
いやもう私これで。
鈴木和枝さんの事ですけど…。
はい。
事件の後私何度かお会いした事があります。
私がお店を転々としていた頃和枝さんが青山で宝石店を経営している事を知ったんです。
宝石店?私嫌味を言わずにいられませんでした。
だって和枝さん刑務所の兄のところに一度も面会に来ないんですもの。
自分だけ立派なお店に納まっていい気なもんだわ。
その和枝さんのお店で徳山さんを何度か見かけた事があります。
徳山さんとはお話しませんでしたけど。
そうですか。
お砂糖はいくつ?ああ自分でやります。
この6年…私世間を恨んで生きてきました。
周りがみんな敵に思えて…。
だから立ち直ってほしいってさっき夜明さんの言葉うれしかった。
私これで。
夜明さん。
私…本当は寂しいんです。
明日から送ってくださらなくて結構です。
(藍子)〔私…本当は寂しいんです〕
(消防車のサイレン)夜明さん。
くれぐれもプライベートは困りますからね。
冗談通じない人だなぁ。
それにもう終わったの。
ともかくねあなた最近売り上げ落ちてるんだな。
しっかり仕事してもらわないと困っちゃうんですよ。
はいはい。
そのさこの「はい」を二度続けて言うのは「いいえ」って事でしょう。
もううるさいなぁ…。
・先輩!記事!記事…。
あっこれだ。
この焼死体の身元わかったんですよ。
誰だと思います?誰?徳山康彦。
6年前木村の事件の時に証言したあの徳山なんですよ。
徳山が死んだ…。
(2人)はい。
それも放火による殺しです。
木村が死んで何日も経たないうちに徳山が殺される。
これ何だかちょっとタイミングがよすぎるような気がしませんか?神谷も気になるらしくて…。
それで今から伊豆に行くんだ?はい。
その前に先輩にお知らせしようと思いまして。
係長今からこのお客さん乗っけて伊豆に行ってきます。
伊豆!?長距離ですね。
朝っぱらからすごいじゃないですか。
頑張って。
いや先輩!今回自分達車で来てますから。
ああいいよ。
ここ置いといて。
いや置いといてって…。
いやホントですよ。
ほらキーも。
ああ係長はい。
えっ!?はいはい。
(矢田)あっどうもご苦労さんです。
私静岡県警捜査一課の矢田といいます。
現場はその別荘です。
居間から出火して建物全体に延焼する事は防げたんですが…。
さあどうぞ。
この別荘の持ち主はどなたですか?東京の不動産会社の社長さんで郷田宗助氏の持ち物です。
その徳山さんと郷田さんの関係は?ええ…そこがどうもよくわからないんですよ。
郷田氏に問い合わせてみたところ徳山という男に心当たりはないと言うんです。
それで被害者の状態は?ええあっすいません。
このソファの前でうつ伏せになって倒れてました。
で火元は?囲炉裏です。
燃え方が一番強かった事から犯人が火をつけたのはこのあたりだと思われます。
いや…囲炉裏が火元だと放火じゃなく失火の可能性も…。
いえこれは放火による殺人です。
このテーブルの上に飲みかけのワインがありましてね。
そのワインからかなり強い睡眠薬が検出されたんです。
すると犯人は徳山さんにワインを飲ませ眠らせた後火をつけた。
そうです。
遺体の気管に煤が付着してましたし火災以前に殺されていたとは考えられません。
放火による殺し。
これは間違いないんです。
で遺留品はなし…?
(矢田)あっ遺体のそばにこんな物が落ちていました。
イヤリング…。
真珠?
(国代)だったら犯人は女?
(矢田)可能性はあります。
(藍子)〔和枝さんのお店で徳山さんを何度か見かけた事があります〕これこちらで売られたものですか?ええ。
当店のオリジナルデザインですから。
恐れ入ります。
この人ここに来た事ありますよね?徳山さんっていうんですが…。
はい何度か…。
オーナーの昔からのお知り合いとかで…。
おはようございます。
おはよう。
私を覚えてますか?6年前…。
覚えてます。
今は刑事じゃないんですけど今回の事件で…。
今回の?伊豆の別荘で徳山さんが焼死した事件です。
ああ…それならニュースで知って驚きました。
徳山さんこの店にはどういったご用件で?あっやっぱり宝石を買いに?いいえたまに世間話をしにです。
世間話?あっあの話全然関係ないんですけど宝石どういったのがお好みなんですか?やっぱりこういった真珠とか…。
ええ。
パールは好きですわ。
どんな服装にも合いますし。
日頃もっぱら私は真珠を。
でもやっぱりあれですよね?そういう時はこのお店の商品を。
もちろんですわ。
私が身に付ける事が一番のパブリシティーになりますから。
きれいでしょ?話変わりますけど木村哲夫さんのお葬式出席されなかったんですね。
それに刑務所も面会に行かれなかったとか…。
藍子さんからお聞きになったんですか?ええ。
藍子さん何度かこのお店見えたんでしょ?二度と来てほしくないわ。
来ては嫌味ばっかり言って。
逆恨みもいいとこよ。
面会に行かなかったから何だというんです?6年前あの事件のせいで私はそれまで勤めていた銀行をクビになりました。
このお店を持つまでどれだけ苦労したか…。
私だって被害者なんです。
私には今の生活があります。
木村さんとの事はとっくの昔に終わった事なんです。
まあ藍子さんのところはともかく徳山さんとの交流はずっと続いてた訳ですよね?失礼なんですけど一昨日10日の夜午後11時半頃どちらへいらっしゃいました?主人がどうして伊豆へ行ったのか私にはわかりません。
湯ヶ島の別荘で人と会う。
徳山さんそう言って出かけたんですか?そうです。
会った人に心当たりは…?いいえ。
郷田宗助という名前聞いた事ありませんか?さあ…?そうですか…。
火災のあった湯ヶ島から天城峠にかけて中伊豆のあの一帯はお宅の会社が別荘地用にと開発されてたんですよね?
(郷田宗助)そうです。
よりによって私の別荘に火がつけられるだなんて本当にとんだ災難でしたよ。
別荘の鍵は郷田さんがお持ちですか?ええ。
あとは管理事務所にスペアキーがね。
でも事務所の鍵が盗まれた形跡はないんですよ。
刑事さんあんたまさか私が犯人だとおっしゃるんじゃないでしょうな。
そんな見も知らない徳山って男をどうして私が!?いやそういうつもりはないんですよ。
バカ!失礼な…。
ただ郷田さんのところから鍵を盗み合鍵を作る事ができる人物心当たりがあれば…。
バカな!私の身内の仕業だと言うんですか?私は忙しいんだ!お引き取りください。
伊豆から戻って青山の宝石屋に行って蒲田のレストラン行って乃木坂の不動産会社回って走り回ってああくたびれた。
はいこれ。
これお釣り。
東山も国代も持ち合わせがないって言うからさ。
悪いね。
あいつらは?聞き込みに回ってる。
帰ってきたらクビだ。
どうぞ!それで夜明さんはどう思うんです?どう思うって?徳山を殺した犯人ですよ。
ありがとうございます。
こっちはそっちの売り上げに協力したんだ。
そっちもこっちの捜査に協力していいだろう?まあ今のところ一番怪しいのは和枝だな。
そうかな…。
臭うんだな…。
木村が病死した途端なぜか徳山が殺された。
逆恨みほど怖いものはないと言うし…。
お前何考えてるの?徳山は6年前の事件で木村に不利な証言をした人物です。
兄を亡くした悲しみのあまり木村藍子が徳山を…。
バカじゃないの!?可能性がないとは言えないでしょう。
臭うんですよ…。
(岡本真一)どうかしました?えっどうして?いや何だかいつもとちょっと違うから。
あっ…そんな事ないです。
・
(ドアベル)・
(神谷)あのすいません。
はい。
木村さんですよね。
ちょっとお訊きしたい事が…。
あっはい。
どうぞ。
(朝食を作る音)ああ〜うん…!あゆみ新聞取ってー。
ああ…タクシー会社に尋ねて…。
鍵開いてました。
夜明さんよく眠ってらっしゃったから。
すいません勝手に上がりこんで。
あっいえ。
この間のお詫びにと思って。
お一人で食事をされるのは寂しいだろうなって。
あっお嬢さんがいらしたんですよね。
ああはい。
あゆみさんておっしゃるんですか。
ああはい…。
私お味噌汁作ったらすぐ帰りますからどうぞ。
ああわざわざ料理作ってくれたんですか?それだけじゃありませんけど…。
あの…昨日お店のほうに刑事さんがいらして10日の夜私がどこにいたか尋ねるんです。
神谷のバカ…!あのそれで11時半なら私夜明さんという方のタクシーに乗ってました。
そう答えました。
もちろんです。
あのどうして私が徳山さんの事でアリバイを訊かれなければならないんでしょうか?その事を訊きたくて…。
あの…警察にも変わった奴がおりまして詰まってるのに臭う臭うって…。
(電話)あっすいません。
ちょっと…。
はい夜明です。
あっ東山?何か進展あった?はい。
大ありです。
和枝の店の近くの喫茶店で和枝と徳山が激しく言い争ってるんです。
はい。
従業員…従業員の話ですと徳山が和枝に金を無心していたようですね。
金を…?「はい」それだけじゃありません。
伊豆で目撃者が現れたんです。
事件があったあの夜湯ヶ島の現場近くのバス停で和枝に似た女性が目撃されているんです。
湯ヶ島で目撃者?「はい」「これから和枝を出頭させます」わかった。
決まりだな。
何か…?ああいえさっきおっしゃった事何の心配もありませんから。
どうぞ。
ただいま!あああのほらお葬式の時の…。
木村藍子です。
あっ娘のあゆみです。
こんにちは。
こんにちは。
私帰ります。
いや…。
すいません。
ああいえ。
それじゃあ…。
ああ…。
信じらんない。
娘が来てるのに女の人を家に上げるなんて。
お母さんに言ってやる。
離婚してるんだから女の人を上げようが男の人を上げようがオカマ上げようが関係ないだろ。
おいよせよせ。
よせってよせ!おいおい…。
よせって!ああ…!せっかく作ってくれたのに…。
お父さん気をつけたほうがいいわよ。
気をつけるって何を?あの人怖い人だわ。
何が怖いの?わかるの!あの人こんにちはって言いながら目は笑ってなかった。
バカ言うんじゃないよ。
湯ヶ島へ行ったんだね?行きました。
でもそれは妙な手紙を受け取って…。
手紙?昔の事で話があるから湯ヶ島のバス停まで来い。
来なければ一生後悔する事になるぞ。
そう書かれてあって…。
その手紙は?捨てました。
あなたと徳山さんがもめてたのわかってるんですけどね。
ですからそれは徳山さんレストランの経営が苦しいらしくて昔のよしみでお金を貸してほしいって言うんです。
私は断りました。
それだけの事なんです。
これあんたのだろ?違います。
いい加減に吐いたらどうなんだ!?郷田が和枝のパトロン?はい。
ですからそんなに大事な人の別荘に火をつける訳がない。
和枝はそう言うんですよ。
でもパトロンなら和枝は鍵を手に入れる事ができます。
決まりっすね。
自白も時間の問題か…。
警部どうかされたんですか?できすぎてるよな〜。
はっ?あるのは状況証拠だけ。
決め手がない。
それに…。
それに何ですか?臭うんだよ俺は。
うっ…。
強力です。
バカ!別の女が臭うって言ってんだよ!カンパーイ!ああ…おお〜!おお〜!かなわねえなママには。
ありがとう。
ごちそうさま。
いやいや…。
先生飲んでる?ええ。
あの今度もう一度家に遊びに来てくれないかな?勉もあなたの事すごく気に入ったみたいで「今度あの人いつ来るの?」って…。
うん…悪いけど…。
俺真剣なんだ。
これからの事考えてくれないかな?先生には私よりふさわしい人がいるわ。
藍子さん…。
(ノック)夜明さん新聞見ました?どう思います?どうって?徳山に続いて今度は鈴木和枝。
6年前の木村の事件に関わった人物が立て続けに殺されてるんです。
藍子さんが殺ったって言いたいの?こうなった以上そうとしか考えられません。
逆恨みで人を殺したりするか?先輩その事なんですけど自分一生懸命考えてみたんですよ。
もし逆恨みではなかったとしたら…。
何?6年前の事件志賀を殺ったのが木村じゃなくて実は和枝だったら…。
じゃあ何か?木村は和枝をかばって自供したっていうのか?それはどうだかわかりません。
でももしそうだとして徳山がその事実を知っていたとしたら徳山はその秘密をネタに和枝をゆする事ができます。
なるほど…。
そしてそのすべての事実を藍子さんが知ってしまったら…。
バカ言ってんじゃないよ。
いやあり得る。
それなら2人に復讐を考えたとしても不思議はない。
お前ら何か大事な事忘れてないか!?大事な事?伊豆の別荘で徳山が殺されたその時間藍子さんは俺の車の中にいた。
新宿から横浜に向かう車の中にいた彼女がどうやって伊豆へ行く事ができるんだ?どうして湯ヶ島の別荘に火をつける事ができるの!?そうだ…藍子さんにはれっきとしたアリバイが…。
そんな事よりあの人は人を殺すような事ができる人じゃないの!いや俺は東山の推理にのるね。
どうして?それも藍子の計画のうちだったとしたらどうなります?何?夜明さんは藍子のアリバイ作りに利用されてるんじゃないんですか?先輩!6年前木村を取り調べたのは俺なんだよ!あの自供は人をかばったような自供じゃない。
あいつ涙を流してた。
人を殺した事を心から悔やんでた。
間違いなく木村が志賀を殺したんだよ!はいそうなんですけどただ今回の2つの事件と6年前の事件どうしても関わり合いがあるように思えてしょうがないんですよ!乗れよ。
関わり合いがあるかないか調べよう。
この間も言ったが俺もあの事件に引っ掛かりがない訳じゃない。
あの妹思いの木村がどうして藍子さんを悲しませるような罪を犯したのか。
何か見落としているところがあるのかもしれない。
乗れって言ってんだろ!はい。
ただこれだけは言っておくぞ!俺がこの事件を調べるのは彼女を信じてるからだ。
よく覚えとけよな!女を信じるなんてバカですよ夜明さん。
木村がここで働いてたのはもう15年も前になるかな。
藍子ちゃんっていう兄貴思いの妹がいてね…。
まだ高校生の頃だ。
藍子ちゃん学校帰りに遊びに来ては木村が車を修理する姿を見てた。
ああその頃志賀さんや徳山さんも一緒だったんですか?木村はあいつらと付き合ったのが間違いだったんだ。
辞める時は3人一緒?ああ。
その後は?さあね…。
志賀は蒲田駅前の丸菱銀行。
あそこの女子行員と付き合っててヒモみたいな暮らししてたし徳山は何でも親から金を出してもらったとかで何年か後に近所にレストランを開いたって話だけど。
あの…木村さん志賀さん徳山さんその女子行員の鈴木和枝さん。
この関係は?私はね木村が別の職場を辞めたと聞いては引き取った。
あいつだけは精一杯面倒見たつもりなんです。
なのに木村はそんな私の気持ちを裏切った。
あんなくだらない連中といつまでも付き合ってそのうえ人殺しをするだなんて…。
藍子ちゃんいつか木村さんの事こう言ってたわ。
兄さんは借金してまで私を大学に入れてくれた。
自分にとってはこの世で2人っきりのかけがえのない家族なんだって。
家族…?ええ…。
木村さんもあれは事件が起きるひと月ほど前だったかしら。
私が2人のアパートを訪ねた時…。
(藍子)うわぁおいしそう!いつもすいません。
おばさん藍子に婚約者できたんだって。
えっ!?ホント?どんな人?この人この人。
同じ会社の安原さんっていうんだって。
あらいい男。
今度兄さんに会ってほしいな。
何言ってるんだよ。
ダメだよ。
俺みたいな兄貴がいるなんてわかったら婚約潰れちゃうよ。
何言ってんの!俺は藍子にだけは幸せになってほしいんだよ。
それだけが俺の願いだ。
木村さん自分が一緒に住んでいたんじゃ藍子ちゃんに迷惑かかるって藍子ちゃんが止めるのも聞かずに別のアパートに引っ越しちゃって。
そんないいとこもあったんですよ。
ですから木村さんが人殺しをした時は信じられませんでした。
やっぱりそういう男だったのかって情けなく思ったものです。
先輩話蒸し返すようで悪いんですけど木村は本当に志賀の事殺ったんでしょうか?自分も納得いきません。
三角関係のもつれといっても刑務所に一度も面会に来ないような和枝のために…。
いや問題は動機だよ。
木村はなぜ志賀を殺したのか。
あるいは殺さなければならなかったのか。
(携帯電話)あっ!はい東山!あっわかりましたか?はい。
ええそんなに…。
わざわざどうもすいません。
どうも失礼します。
交通課の鑑識からです。
和枝をひいた車現場に落ちていた塗装痕から車種がわかりました。
ただその車種の持ち主都内だけでも800人近くいるらしくて…。
そんなに。
はい。
じゃあ自分達いったん本庁へ戻ります。
失礼します。
(国代)失礼します。
近くに来たもんですから…。
ケーキ買ってきました。
よかったら食べてください。
ああすいません。
お茶も出さないで…。
いいえ。
もうお店に出る時間ですし私はこれで。
あゆみちゃんお邪魔してごめんなさいね。
それじゃあ。
はあ…。
2人っきりの家族か…。
あゆみー!
(あゆみ)何?お前さ俺お母さんと別れた事恨んでないか?どうしたの?急に。
いや何となく謝りたくなってさ。
何となくで謝んないでよね。
やーね。
恨んでなんかないわよ。
私ねお父さん達が別れた後こう思うようにしてるの。
私は他の子と違って幸せだって。
だって私には帰る家が2つもあるんだもん。
ねえあの藍子さんって人何か事件に関係あるの?どうして?あの人さっきお父さん達が表で話してるのじっと聞いてたから。
それにあのお葬式の案内が来てからだもん。
お父さんがまた考え込むようになったの。
彼女は事件とは関係ない。
(電話)はい七係。
何?車が見つかった!?和枝をひいた車に間違いないんだな?持ち主は?郷田宗助…?郷田…!?盗まれたんです。
盗難届けも出してある。
いつですか?3日前。
本当ですよ。
別荘といい車といい冗談じゃない!念のためその時どちらにいらっしゃいました?事故は夜中に起きたんだろう?そんな時間にアリバイも何もない!はい。
アリバイないって。
それで?はい。
念のため郷田の周辺を洗ってみたんですけどあんまり評判よくないですねあの会社。
どういう事?ゴルフ場の開発や都市計画に便乗して羽振りはかなりいいんですがただ賄賂をばらまいてるという噂があって…。
先輩こういう事は考えられないですか?徳山が和枝をゆすってたのは和枝のパトロンである郷田つまり郷田不動産に絡んでのネタだった…。
和枝が徳山を殺し郷田が和枝を殺した…。
そうです。
あり得るな…。
神谷は何て言ってんの?あっいえ…。
あのオヤジはダメです。
相変わらず藍子さんにこだわってますから。
まだそんな事言ってんの?例の伊豆の別荘の図面やら時刻表を眺めて…。
(神谷)このソファの下に徳山が倒れて死んでいた…。
囲炉裏がここにあって家具と大型テレビにファクス…。
いい別荘だなぁ…。
沼津インターまで車で飛ばしても1時間。
発火時間は11時30分。
その時刻藍子は横浜へ向かうタクシーに乗っていたか…。
う〜ん…。
しかし藍子が徳山と和枝を恨んでたって事はあり得るんだ。
復讐って事は十分…。
はいごちそうさま。
はいお先。
お疲れさまです。
どうもお疲れさまです。
(携帯電話)あっ何だよ食事中に…。
はいもしもし。
神谷だよ。
(神谷)「どうしてお前は上司の俺を呼び捨てにするんだ!」あっいえいえ。
あの紙を…。
ちょっと紙…。
すいません紙2〜3枚くれますか?はい。
「夜明さん出して。
そこにいるんだろう?」いえもうお帰りになられましたけどどうかしたんですか?藍子は兄の無実を信じ徳山と和枝を殺したとしたら藍子が恨んでいる人物はもう1人いる。
兄を逮捕した夜明日出夫だ。
くれぐれも注意するようにそう言っといてくれ。
はい了解しました。
はあ…。
何ですって?独り言。
(車のクラクション)何だよやってんじゃないのよ。
ああ…。
どうしたの?閉店の看板なんか出しちゃって。
あっ…ごめんなさい最近体調がよくなくて。
えっ?じゃあダメなのか?すいませんけど…。
チェッ。
何だよもうせっかく来たのになぁ。
まっいいか。
ごめんなさーい。
じゃあねまたね。
はいはい。
また。
(あゆみ)お父さん。
あっ事故だよ事故。
夜明さんここまでされてまだ藍子をかばうんですか?かばうって何?あゆみ!そんな奴にお茶なんか出さなくていいぞ!ダメよそんな事言っちゃ。
せっかくお見舞いに来てくださったのに。
な〜にがお見舞いだよ。
今時お見舞いにバナナ持ってくる奴なんかいるか!あれ?バナナをバカにしてほしくないなぁ。
昔はバナナと言えば病気した時しか食べられなかったもんです!どんなに時代が変わろうと病気した時はバナナです!な〜にをムキになってるのか…イッ…イテテテ…。
先輩ホント大丈夫ですか?ダメだよ〜だから寝てんだろ…。
あれ?郷田どうした?こんなとこへ来てないで郷田の聞き込み行けよ!はい。
ほら。
はっ?朝飯まだだろ?いや朝飯からバナナ…俺サルじゃないんですから。
おい…。
僕は結構です。
お前達までバナナをバカにするのか!早く行けって。
(東山・国代)はい。
じゃんけんぽい!よし。
あっ…ちょっと…。
そりゃ夜明さんの気持ちはわかりますよ。
6年前の事件木村がシロだったとしたらこれは冤罪だ。
あなたはそうは思いたくない。
だから藍子を犯人にしたくない。
アリバイ崩せたのか?藍子さんの仕業だって言うんだったらアリバイ崩してから言ってくれ。
そのアリバイなんですけど本当なのかなぁ…?何…!?夜明さんはアリバイのカラクリに気づきながらそれでも藍子をかばってるんじゃないんですか?自分が逮捕し獄死させた男の妹だ。
同情するのはわかります。
情に弱いのは夜明さんの昔っからの悪い癖ですから。
神谷!いい加減にしろよ!イテッ…。
私は夜明さんを心配して言ってるんです!夜明さんも狙われたんですよ?ブレーキに細工するなんて事が藍子さんにできる訳ないだろ!藍子ちゃん学校帰りに遊びに来ては木村が車を修理する姿を見てた。
どうかしたんですか?何でもない。
帰れよ。
お父さん!出かける。
外しちゃダメよ!大丈夫だよどうって事ないんだから。
出かける。
ちょっ…お父さんダメだって!お父さん!ちょっと…。
安原さんですか?
(安原孝志)はい。
私6年前木村藍子さんのお兄さんの事件を担当した夜明っていいます。
今事情がございましてその当時の事件をもう一度洗いなおしてるんですが…。
刑事さんですか…私に何か…?あのこんな事お訊きするのはなんなんですがあなた当時木村藍子さんと婚約なさってましたよね?ええ…。
藍子さんからお兄さんの事で何か話聞かれた事ありますか?事件の事ですか?いえどんな事でもいいんです。
そう言われても…。
藍子さんのお兄さんとは一度も会ってませんし…。
まさかあんな事件を起こすだなんて本当に驚きました。
まあ僕にすれば結婚する前で助かりましたけど。
・
(安原の娘)パパ!残念ですがお話しする事はもう何もありません。
これから家族と所用で出かけますので。
お役に立てませんで…失礼します。
1つだけ妙な事がありました。
妙な事?ええ…。
事件が起きる少し前僕のところに確か志賀さんという方が訪ねてきたんです。
志賀さんが何の用で?さあ。
それがさっぱりわからなくて…。
藍子さんの事で話があると言っておきながら黙って古い新聞差し出すだけなんです。
いつの新聞です?さあいつだったかなぁ…。
何か覚えてないですかね?昭和50何年かの日付は確か…。
あっ北の海が久しぶりに優勝した2〜3日後の事でした。
北の海北の海…よし。
北の海…北の海…。
これだ。
1月…25日。
丸菱銀行蒲田支店。
昭和57年。
ああ東山?大至急調べてもらいたい事がある。
・
(ドアベル)
(バーテンダー)いらっしゃいませ。
ママは?今タバコを買いに外へ。
あっそうですか。
水割り薄いの。
はい。
かしこまりました。
あのどうかなさいました?あっ軽いむち打ちに。
ああ〜それはいけませんね。
ちょっと私診てみましょうか?はっ?いや〜あの私練馬で病院を開業してるんですけども…。
こういう者です。
お医者さんですか。
はい。
専門は外科なんですけども整骨のほうも少々。
結構です。
大丈夫ですから。
そうですか。
いらっしゃいませ。
はい。
じゃあ私これで。
ありがとうございました。
あの…今度の日曜日の伊豆行きの件なんだけどもどうしてもダメかな?もし別荘が味気ないっていうんだったらどっか近くの温泉でも行ってもいいし。
勉も君に会いたがってるんだ。
はいわかりました。
ホント?ありがとう。
それじゃあまた連絡する。
(藍子)うん。
今日はお仕事じゃないんですか?ええ。
鈴木和枝さんが亡くなったのご存知ですよね?ええ新聞で。
実は私も昨夜交通事故に遭いまして。
まっ軽い怪我ですんだんですが…。
そうですか…。
6年前の事件私なりにもう一度調べなおしてみました。
何とはなくですが真相がわかったような気がしてます。
遅いです。
今さら兄の無実が証明されても。
違う。
お兄さんが志賀を殺したのは事実です。
夜明さんは何もわかってらっしゃらない。
私和枝さんと徳山さんが話してるのをこの耳で聞いたんです。
聞いた?先月兄の病気が悪化したのを伝えようと思って和枝さんのお店を訪ねたんです。
その時…。
(和枝)もう来ないで。
なあ頼むよ和枝。
店の景気が悪くてさ借金で首回らないんだ。
少しでいいんだ。
なっ?昔のよしみでさ。
ああっ!しつこいわねぇ。
何度来てもないものはないのよ。
ああそう。
昔の事ばらそうか?そんな事したらあんたも…!俺はいいんだよ。
俺はつぶれたも同然だ。
(徳山)忘れるな。
志賀殺したのは俺達だ。
徳山はそんな事を…。
それでも兄がやったっていうんですか?あなたは間違って兄を逮捕したの。
いいえ。
志賀を殺してないんならお兄さんどうして自供したんです。
徳山と和枝をかばう理由は何もないはずだ。
それはわからないわ。
でも徳山さんがそう言った以上2人が犯人である事は間違いないじゃないですか!兄は…濡れ衣を着せられたまま死んだの。
夜明さん…あなたにも最愛の肉親を失う事がどんなに苦しい事かわかってもらいたいもんだわ。
じゃあ徳山と和枝を殺したのはあなたですか?まさか。
脅かされてたんだから徳山を殺したのは和枝さんじゃないんですか。
そして和枝さんは事故だったんでしょ…。
私が殺せるはずないのは夜明さんあなたがよくご存知のはず。
帰ってください。
帰って!!《郷田と知り合いなら別荘の鍵も車の鍵も藍子さんは手に入れる事ができる》私…本当は寂しいんです。
お父さん。
また考え事?うんいや…。
お母さんから電話あった。
明日日曜日には帰ってきなさいって。
そっか…。
また来るから。
うん。
あっすいません。
横浜駅まで。
横浜。
はい。
は〜い!《あの夜伊豆で火災が起きた11時30分頃藍子さんは俺の車に乗っていた》
(携帯電話)はいもしもし?ああどうも。
ええ。
あっ書類なら先ほどコピーしてファクスで送りましたけど。
はい?写りが悪い?わかりました。
じゃあ至急送りなおします。
はいすいません。
失礼します。
まいったな…。
あっ運転手さんこのへんにコンビニないですかね?コンビニですか?ええファクス送りたいんですよ。
ファクスコンビニから送れるんですか?ええ。
なああゆみちゃんに何の用があるんだろう?何ですかね?
(車のクラクション)
(広田)「941夜明さん応答願います」941夜明どうぞ。
「先輩大変です!」東山?神谷に命令されて藍子さん尾行してたんですけどあゆみちゃん車に乗せてどっか行っちゃいました!何!?「何か嫌な予感がするんですけど」わかった!すいません。
急用できたもんで降りてもらえますか?ちょっと待ってよ!長距離の客をあんた乗車拒否するっていうの?ああすいません。
料金結構ですから。
すいませんお願いします。
お願いします。
(藍子)〔あなたにも最愛の肉親を失う事がどんなに苦しい事かわかってもらいたいもんだわ〕あゆみ…あゆみあゆみ待ってろ!あっ名刺!名刺名刺…。
先生は西伊豆の戸田温泉に行かれました。
何でも高足蟹とかいうおいしい蟹が名物だそうでそれを食べに行くんだって勉お坊ちゃまも大喜びで。
藍子さんも一緒に行かれたんですか?いいえ!藍子さんは急用ができたらしくて戸田温泉には直接行かれるそうです。
先生確か伊豆に別荘をお持ちでしたよね?あっはい!あの中伊豆の天城に。
天城…それひょっとして郷田不動産?そうです。
ありがとうございます。
先輩!藍子の車緊急手配したんですがまだ見つかってません。
それから例の調べるように言われてた件先輩の思ってたとおりでした。
「徳山と和枝やっぱり藍子が殺ったんでしょうか?」アリバイのカラクリがわかった。
「カラクリってなんですか!?」説明してる暇はない!あゆみが危ない!!あゆみちゃんが危ない…。
先輩!どこ走ってるんですか?
(岡本勉)おばちゃん遅いね〜。
お父さん。
うん…。
・
(ドアの開く音)
(藍子)遅れてごめんなさい。
いえ。
こんにちは!こんにちは。
すいません。
ここ宛てにファクスお願いできますか?はいかしこまりました。
お願いします。
少々お待ちくださいませ。
(ファクス)あゆみ!
(あゆみ)お父さん!
(せき)どこ行こうか?近くに岬があるみたいだからそこ行こうか!うん!兄は私にとってかけがえのない…。
あなたに…私の気持ちがわかりますか?たった1人の家族を失った私の気持ちが!あなたに復讐したかった。
あなたから最愛のものを奪ってやりたい!私と同じ思いを味わわせたかった!志賀を殺したのは…。
まだ兄が犯人だって言うんですか!和枝さんのために人殺しをしたって。
違う。
あなたのためです。
あなたを守るためお兄さん志賀を殺した。
昭和57年1月26日付けの新聞を志賀はあなたの当時の婚約者安原さんに見せてます。
その事は知ってますね?これで木村がなぜ志賀を殺したのか動機がわかりました。
その新聞には銀行強盗の記事が載ってました。
昭和57年1月丸菱銀行蒲田支店の現金輸送車が襲われ現金8千万が盗まれた事件です。
強盗は3人組。
犯人はまだ捕まってない。
ただ現場に1つ指紋が残されてました。
先日その指紋と徳山の指紋を照合鑑定依頼したところ両者は合致しました。
強盗は3人組だった。
徳山志賀そして木村。
いや正確に言うと4人組です。
当時丸菱銀行蒲田支店に勤務してた鈴木和枝が情報を提供した。
まさか…。
どうして兄がそんな事をしなきゃならないんです?昭和57年…あなたにとってどんな年でした?私が大学に入学した年です。
お兄さんあなたどうしても大学に入れたかった。
あの入学金借金なんかじゃないんです。
事件の載った新聞をあなたの婚約者に見せたという事は志賀はあなたのお兄さんを間違いなく脅迫してた。
強盗は一度っきりのはずだった。
ところが6年前1人大金を使い果たした志賀がもう一度やろうと持ちかけた。
誰しもみんな断った。
分け前を元に徳山はレストランを始め和枝は青山で宝石店を始めようとした矢先だ。
危ない橋を二度と渡るつもりはない。
すると志賀は2人を脅しにかかった。
徳山は脅してきた志賀を何とかしたかった。
和枝も志賀と別れたかった。
そこで2人は手を組んだ。
あなたのお兄さんに志賀を殺させる方法を考えたんです。
図書館で新聞記事を調べた帰り徳山の奥さんに会って当時の事をもう一度詳しく聞いてきました。
(志賀隆治)木村がやるんだったらお前達もう一度一緒にやるってんだな?ああ…。
ただな木村が何と言うか。
なあ?それはいくらでも手はあるんじゃないの?2人の仕向けたとおりに志賀は動き木村はあなたの幸せを守るために志賀を殺した。
はあ…私が徳山さんから聞いた言葉はそういう意味だったんですか。
「志賀を殺したのは俺達だ」まさしくそのとおりです。
木村は志賀殺しの本当の動機をしゃべる事はできなかった。
過去の強盗の話を持ち出せばあなたをもっと嫌な思いさせる事になる。
6年前木村自供しながら泣いてました。
本当に申し訳ない事をしたと思ってます。
ダメな男です自分は…。
妹に…悲しい思いばっかさせて…。
(嗚咽)すいません…。
木村はあなたのために過ちを犯しました。
あなたの幸せを願って。
徳山と和枝を殺したのはあなたですね?あの時…。
忘れるな。
志賀殺したのは俺達だ。
なっ。
(藍子)私は復讐を決意しました。
兄さん!
(藍子)徳山を殺しその罪を和枝に着せる方法を考えました。
あの日私は湯ヶ島の別荘に徳山を呼び出しました。
和枝さんからお聞きしましたけど徳山さん不景気でお店のほうが苦しいとか。
徳山さんには昔兄が随分お世話になりましたし私にできる事があればと思いまして。
(藍子)手紙で和枝を湯ヶ島のバス停に呼び出したのも私です。
そして私は…。
(藍子)すいません。
すぐ戻りますから。
はい。
睡眠薬は岡本先生から手に入れた。
別荘の鍵は郷田さんから。
パトロンである郷田の別荘を使えば和枝に容疑が向くと思ったんです。
車の鍵も…。
和枝を犯人にするつもりがもくろみどおりいかなかった。
それで…。
そうです。
(藍子)殺すしかないと思いました。
もうこれ以上お話しする事はありませんね。
夜明さんの車のブレーキに仕掛けをしたのも私です。
兄が死んでからは…。
この道を選ぶしかなかったんです。
ごめんなさい。
静岡県警まで送っていただけますか?あなた…自分の人生もっと大切にするべきだった。
私の人生は6年前に終わったんです。
兄が刑務所に入ったあの時から。
いやそれは違う。
あなた寂しいっておっしゃいましたよね?今からでも遅くない。
あなた幸せになるべきなんです。
お兄さんのためにも。
違いますか?先輩…。
送ってやれ。
はい。
・
(勉)おばちゃーん!!・
(走り寄る音)今度また遊んでくれるよね?私も待ってます。
よしっ帰ろう。
あっバス停向こう。
乗せてよ〜。
うん?ああいいよ。
ありがとう欲しかったの〜!あっそうそう!私をあんな危ない目に遭わせるなんて許せないってお母さんカンカンになって怒ってた。
えっしゃべったの?当然じゃない。
それで?私がもし来年も大学に落ちたらバツとしてお父さんに予備校代全部払わせるって。
冗談じゃないよ。
あゆみ〜。
ご心配なく。
来年は必ず受かってみせます。
ホント大丈夫か?大丈夫よ!1つ上のランクの私立に絶対入ってやるんだから!ねえねえ…!来年さ国立にしない?ダメ!当分すねをかじってご迷惑かけますけどよろしくお願いします。
わかりましたわかりました…!お父さん娘のために一生懸命頑張りまーす!お願いしま〜す!うふっ!2014/02/10(月) 13:55〜15:46
ABCテレビ1
タクシードライバーの推理日誌7[再][字]
「真夜中の殺人招待状!夢を捨てた女の危険な誘惑…」
詳細情報
◇出演者
渡瀬恒彦、美保純、平田満、西岡徳馬 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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