(雷鳴)
(矢部哲治)ああー!痛えなぁ。
何なんだお前は!
(時田慎吾)えっ!?いやだって今首つろうとしてたじゃないですか。
あっ痛っ。
首?バカタレが!蛍光灯取り替えてただけでしょうが…。
何で俺が首つらなきゃならんの!そりゃそうですよね。
時田!はい。
「夜の新宿裏通り」「肩を寄せあう通り雨」
(時田早苗)「誰を恨んで濡れるのか」
(王サン)「逢えばせつない別れがつらい」「しのび逢う恋なみだ恋」イエーイエー…!
(拍手)パフィーできる?パフィー。
(花田吟)パフィー…?カラオケ行こうやっぱり。
やっぱカラオケ行こうか。
いくら?ええーっと2000円ちょうどですね。
どうもありがとうございました。
ごちそうさん。
またどうぞ。
気をつけてね。
ありがとうございました。
はい。
ご祝儀!いらねぇよそんなものは。
気持ちよ気持ち!
(王)おおー!出てた出てた!今日のぽんたの卦。
大禍!大凶の卦。
(王)大いなる災いの前兆ね。
王サン縁起でもない事言わないでちょうだいよ。
どうせこいつの風水なんて当たりゃしませんよ。
(一同笑い)
(姫野桜子)大変!大変なのよー!ほら来た!災いそのもの!何言ってんのよあんた!あのさあそこで遠ちゃんが絡まれてんのよ!
(花田)また酔っ払ってんだ。
遠ちゃん最近酒癖悪いのよ。
そうなのよもう!ちょっとちょっとみんな早く来てよ!こらっ!戌年生まれっていうのはねこういう事…。
(遠藤二郎)平気平気!どうって事ないって…。
若い男2人とやり合うなんてさどうかしてるってもう…。
俺がいりゃあなぁぶちのめしてやったんだけどなぁ。
ホンマかいなそうかいな。
いなくてホントによかったわね。
でもケガがなくてよかったねぇ。
大丈夫よ!・
(赤ん坊の泣き声)今の何?猫赤ん坊?まさか…。
ごめんね。
シッシッ。
ほらシッ。
あらっ!あらあら!よしよし…。
ほら。
(桜子)お人形?ホンモノだよホンモノ!だって何でそんなのがいんのよここへ。
何でってわかんねぇよ。
捨て子に違いないね!
(桜子・花田)捨て子!?
(赤ん坊の泣き声)よしよし…。
ちょっと女将さんそんなにのん気にあやしてる場合じゃないでしょうが!警察に知らせたほうがいいよ!大丈夫よ。
子供を簡単に捨てる親なんていないわよ。
戻って来るって。
よしよし…。
これこの子のカバンじゃないの?えっ?
(桜子)おむつでしょほ乳ビン母子手帳…。
こりゃあ捨てたのは母親に間違いないね。
ちょっと!保険証書。
(赤ん坊の泣き声)
(桜子)「終身保険金額1000万災害割増特約1000万合計2000万」2000万!?保険金付きの捨て子かよ〜。
今日の気の流れを感じるなぁ。
まさかさ死ぬつもりで…?
(花田)とにかくこの辺り捜してみよう。
尋ね人は東にありよ!東ね!わかった!西に行こう。
早く…。
おっおっ…。
あらっ!あっ!いっいない!じゃあもう一度あっち。
王サンこっち!こっちで大丈夫か?ホントにもう…。
東のほうに行こうよ東のほうに…。
あれっ!?
(車のクラクション)
(車の急ブレーキの音)
(桜子)はっはっあんた大丈夫?はいお母さん。
よしよし…。
(赤ん坊の泣き声)
(佐藤直子)真理…ごめん。
ごめんね。
えっ!?今何て言ったの?真理ちゃんって言った?真理ちゃん!?真理ちゃん。
真理ちゃんなのよかったねお母さん帰ってきて。
(直子)ごめんなさい。
私何でこんな事を…。
泣かなくったっていいのよ。
誰も怒ってやしないんだから。
店終わってこの子連れて戻ろうとしたら全然泣き止まないし…。
もうどうしていいかわかんなくて。
そう…。
この子がいなかったらこんな思いしなくて済むのにって。
(赤ん坊の泣き声)ほらほらさっきから泣いてる。
おむつだよおむつおむつ。
(花田)おむつどこ?
(桜子)カバンに入ってる。
よしよし替わりのおむつあったね。
よしよし。
ちょっと王サンあのタオル取って。
はあはあ…。
それからねそれぬるま湯でねちょっと濡らしてね。
ぬるま湯…。
よしよしよしはいはいはい。
ちょっと待ってね。
これはこうだねこれはこうだね。
あらっこんなに赤くなっちゃって。
痛いよねぇ。
(直子)ちゃんと洗ってるんですけど。
えっ!?あんたゴシゴシゴシゴシ石鹸で洗ってんじゃないの?こういう時はねぬるま湯でいいの。
ぬるま湯。
あっ冷たい冷たい…。
これでいいんだ。
はい。
きれになった。
ねえ!赤ちゃんはね泣いて知らせる。
それしかできないんだから。
大変だけど頑張って育てなきゃダメよ。
いいわね。
しっかり育ててちょうだいよ。
よいしょ。
お母ちゃんとこいきましょう。
ほらよいしょ。
お母さん抱っこしてちょうだい。
はい抱けますか?はいうれしいうれしい。
よかったね。
はい。
家へ電話しなさいよ。
1人で帰れます。
大丈夫?旦那に迎えに来てもらったほうがいいよ。
この子と2人だけだから…。
親御さんは?私親はいません。
あっそう…。
何となくそんな気を感じたのよ。
また遊びにいらっしゃいよ。
ねえ!いや私もね亭主を病気で亡くして1人で息子を育てたのよ。
大変だったわよ。
不安だけどね頑張って!よくわかるよ。
はい。
袖振り合うも多生の縁っていうじゃないですか。
お金はないけどね情はあるのよこの人。
あるある情はね。
余ってる余ってる。
どうもありがとうございました。
真理ちゃんまたいらっしゃいね。
気をつけて。
カバンここに入れたら…。
はい。
はいすいません。
はい。
またね。
またね。
またね。
(ため息)さあ。
あっ!?遠ちゃんいないよ。
遠ちゃん?ホントだ。
ああああいた!あっ!何だ?へえ…。
ったくもうどこもかしこも古くなっちゃってもう…。
止まれこの野郎!この野郎えいっ!ただいま!あっおかえり。
ねえここ直して。
水がボトボトボトボト漏れちゃって。
ええっ?ああお客さんだお客さん。
お客さん?ああ佐藤直子っていう人。
佐藤直子…?突然で厚かましいとは思ったんですけど…。
いいのいいの。
さっここに寝かせて。
ここへさあさあさあ。
はい。
慎吾お茶!お茶ってブッ!わあ!どうやって淹れりゃいいんだ。
じゃあ今日一日真理ちゃんを預かればいいのね。
はい。
お願いできますか?お安いご用よ。
それぐらい。
すいません。
いえいえ。
頼める人いないし…。
これおむつとミルクです。
あっおむつ。
はいミルク。
はいそれから…。
あらっ!?
(鈴の音)あらっこれママとおそろい?はい。
へえ…。
(鈴の音)あらいい音。
お守りなんですそれ。
お守り?元気になったみたいでよかった。
何かいい事あった?はい。
ああ!よかった。
女将さん。
うん?人生はやり直せますよね?やり直せますよ何度も…。
過去は過去。
前向いて歩かなきゃ!そうですよね。
でも私この子の父親愛した事後悔してません。
愛したから真理ちゃんを産んだんじゃないの。
はい。
さあ。
じゃあいってらっしゃい。
ねえ。
はい。
さあさよいしょ。
ママお出かけよ。
ねえ。
ああ…。
直った!じゃあこれお願いね。
えっ!?何これ?仕入れ。
飯食ったら警察戻んなきゃ。
ほらここに困った善良な市民がいるっていうのに。
ダーメ!じゃあ真理ちゃん面倒見てちょうだい。
ちょっちょっ…。
はいはい。
わかったわかったよ。
行きゃいいんだろ行きゃ。
…ったく。
市民の安全を守って助けるのが刑事の務めでしょ!?何言って…。
(舌打ち)いってらっしゃいいってらっしゃい。
(桜子)8時よ。
ちょっと遅すぎるんじゃないの直子さん。
夕方には戻るって言ったんだよね?何か事情があったんじゃないの。
男と逃げたんじゃないのかしら?あなたと一緒にしないの。
(花田)そうそうそう。
ねえあたしさ見ててあげようか?あなたが?こう見えてもさ心は女なんだから。
あら遠慮するわ。
何か訳のわかんない子になっちゃったら困っちゃうからね。
失礼しちゃうわね!大丈夫よね真理ちゃん。
ああ!怖くないよこれでも人間だよー!化け物じゃありませんよー!食べたりしないよ!帰るわ!ねえ真理ちゃんお化けちゃん帰りますよ。
カァー!わあ!爪が伸びている…。
やかましい!ああ痛い痛い!
(花田)やっぱり化け物だった!
(桜子)感じ悪い!
(鈴の音)
(子供達)いってきまーす!大体ね人がよすぎるんだよ母さんは。
(舌打ち)いくら大変そうだからってたいして知りもしない人の子をよく預かったりするよね。
もうガタガタガタガタうるさいね。
早く電話したら。
今してるとこ!
(電話の呼び出し音)いた?いない。
ホントいないよ。
やばいよこれ。
やばい?捨て子だったらどうすんだよ!?まさか二度も同じ事しないよ。
二度って!?前にもこの子捨てられたの?そうなのよ。
えっ!ったく!違うのよ。
店にちょこっとこう置いてあっただけなのよ。
目を剥いて怒んなくったっていいじゃないあんた…。
それでいつものおせっかいが始まったって訳だ。
はあ…。
(電話)直子さんだよ。
早く出て。
はい。
時…。
矢部さんはい。
矢部フランケン…。
えっ!?首つり。
首つり。
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)すいません。
すいません。
遅い!すいません。
若いくせに…。
俺なんかなぁ犯人を追って一里でも二里でも走ったもんだ。
はっこの人!
(矢部)何だ?顔見知りか?ええ。
おふくろの知り合いなんです。
何でだよ何でおふくろの知り合いなんだよ痛っ!えっ?あああの顔思い出すといつもこれだ。
たぬきなんだよたぬき!昔俺がいじめた同級生のたぬきに似てんだよ。
時田聞いてるのか!?
(矢部)「幸せになって下さい。
遠くからお祈りしています」。
自殺か…。
ええっ?
(佐藤茂)直子…。
妹さんに間違いないですね?
(茂)はい。
何でお前…。
・
(ドアの開閉音)どうぞお母さん。
(茂)寄るな!帰れよ。
あんたには関係ない。
(佐藤佳枝)ざまあないねぇ。
何やってたんだいお前は?守ってやるなんて言っときながら何で直子はこんな目に遭うんだい。
この野郎!この野郎!お兄さんやめなさい!こんなところでやめなさい!やめてください!どうなってんだこの親子?すっごい仲悪いですよね。
じゃあご遺体の引き取りはお母さんのほうに連絡するという事で…。
ちょっと待ってください!直子は僕が引き取ります。
あのしかしこういう場合親御さんに…。
誰が決めたんですかそんな事!好きにすればいいだろう。
ああ好きにするさ。
あんたの世話は受けない。
まあまあ落ち着いて。
ご遺族はあなた方2人しかいないんだから。
こいつは親でも何でもないんだ。
いいか。
あんたには絶対直子は渡さない!直子だって喜ぶ訳ないんだ。
ちょっと君!親に向かってそういう言い方はないでしょう。
矢部さん。
あっ!おっお母さんすいませんちょっとこの書類に署名してもらわないと困るんですが…。
(矢部)ねえお母さん!あのちょっといいですか。
はい。
あの直子さんのお子さんの事なんですけど…。
実はうちのおふくろがお預かりしてまして…。
ええっ!?直子さんが自殺…。
状況から見て多分ね…。
嘘!そんな事信じられない。
子供宛に書いたと思われる遺書もあったし…。
遺書…。
「幸せになって下さい。
遠くからお祈りしています」って。
捨て子するぐらい悩んでたんだよ。
だってあんたも聞いてたでしょ人生やり直せますよねって言ってたのに…。
生まれ変わってって事だったんじゃないの?気持ちわかるけどさぁ。
わかってない。
でも考えてみろよ。
直子さんには支えがいなかった訳だから子供を道連れにしなかっただけでもよかったと思わなきゃ。
じゃあこの子はどうなんのよ!養女に出すって。
ええっ!しょうがないだろうだって兄貴は独り者なんだし面倒みれないんだから…。
母親がいたんだろ!?息子と2人で協力すりゃいいじゃない。
絶対無理!あの2人すっごい仲悪いから。
でも直子さんの子よ。
知らないよそんなの…。
人の事なんだから他人が口挟む事じゃないでしょう。
だけど…。
ねえ真理ちゃんのお父さんには連絡取れないの?兄貴も相手誰だか知らないんだってさ。
ええっ…。
四面楚歌これこそ権の卦だね真理ちゃんかわいそう。
お母ちゃんも死んじゃって独りぼっちになっちゃった。
(真理の泣き声)
(鈴の音)真理ちゃんよしよし…。
泣かなくったっていいんだよ。
心配いらないからね。
ほら真理ちゃん真理ちゃん。
あっ…。
泣き止んだ。
私決めた。
その親子を説得する。
それまでこの子の面倒は私が見るわ。
ちょっと母さん!ミキちゃんミキちゃん。
着替えてから遊びにいきなさい。
はーい。
すいません。
はい。
こちらに佐藤茂さんが…。
はいおりますけど。
お仕事中で悪いんですけどちょっとお目にかかりたいんですが…。
はいどうぞ。
あなた。
(三浦昇)うん?佐藤さんにお客さんが…。
はあ。
時田といいます。
あの妹さんのお子さんの事で…。
私この工場をやってます三浦といいます。
茂から話聞いてますからどうぞ。
あっそうですかすいません。
・
(三浦)茂!茂!はい。
お客さん。
どうも初めまして時田といいます。
すいません。
ご面倒をおかけして。
いいえ。
いいんですよそんな事は…。
それよりも真理ちゃんよかったねおじちゃんに会えた。
ねえよかった。
はい。
すいません。
えっ?俺今油で汚いですから…。
いえ大丈夫ですよ。
できるだけ早く引き取りに行きますので…。
ねえ養女に出すって聞いたんですけども…。
はい。
そんつもりでいます。
ううん。
その事なんですけども考え直していただく訳にはいかないでしょうか?ねえ!いろいろ事情はおありでしょうけどもでも何とかお兄さんの手元において育てるって訳にはいかないでしょうか?ああよしよし。
ねえすみません。
他人の私がこんな口出ししちゃって…。
でももう1つ言いますよ。
あんたお母さんいるんでしょ!?ねえねえ!あいつには子供を育てるなんて事できませんよ。
ええっ!?あの女は孫がかわいいなんて思ってやしませんから。
まあそん…。
あんたお母さんに話した?真理ちゃんの事を…。
話してないんでしょ!?お母さんだって真理ちゃんの事話したらわかってくれますよ。
ねえ直子さんが遺した子よ!誰が親かわかんない子を産んでそのうえ自殺なんか…。
俺考え変える気ありませんから!そう…。
よしよしよし…。
すいません。
お世話になってながら…。
おせっかいなだけで…。
あいつねぇホントは直子ちゃんの事すごく心配してたんですよ。
でも母親の事になるとどうもね…。
何があったんですか?父親を病気で亡くしてすぐ母親に男ができたんだそうです。
へえそれで…。
(三浦)5年になりますか2人で家を出てから…。
その直子ちゃんも茂のもとを出て行ったんです。
茂に子供産むの反対されて…。
だからあいつ今日初めて見たんじゃないですかこの子を。
あいつもつらかったんだと思います。
許してやってください。
何で…。
こんにちは。
すいません。
(佳枝)ああ支払いだったら来月にしてくれない。
今月きついのよねぇ。
いえ違うんですけど。
(佳枝)じゃあ何?あの私直子さんの知り合いで…。
あっ…佐藤佳枝さんですね?そうだけど…。
この子真理ちゃん。
ほら。
直子さんの子供。
ほらかわいいでしょ!直子さんの子供の頃に似てません?何なの用は?あのこの子の面倒見ていただけないでしょうか?ええっ?茂さん一人で大変ですしお母さんとなら何とかやっていけるんじゃないかと思って…。
あいつに頼まれたの?いいえあの人は養女に出すって言ってるんですけど。
ああそれでいいじゃないの。
お母さん!関係ないわよ私には。
この子お孫さんじゃないんですか?この子が頼れるのはあなたと息子さんしかいないじゃありませんか!いい加減にしてよ!何なのよあんた?おでん屋のぽんた。
余計なお世話焼くんじゃないよ!お母さん!どうしたの?どうしたのあなた大丈夫ですか?大丈夫?
(咳込み)体大丈夫ですか?帰って。
帰ってよ。
お母さん。
帰って!お母さん…。
(嗚咽)あの私の連絡先ここ置いときますから…。
真理ちゃんの面倒は私が見ますから。
そいじゃ…。
真理ちゃん帰ろうか。
ねえ…。
かわいいですね。
ああそうですかありがとうございます。
かわいいってよかったねぇ。
(田村聡美)何?慎吾ちゃん結婚もしないで子供だけ作ったの?私の子!ええっ!?嘘よ!うふふもう…。
嘘に決まってるじゃない。
やあ〜だ。
ねえねえねえ保険調査したいんだけども…。
どうしたの?調査員の仕事しばらく休んでたくせに…。
大体ね腕があるのにもったいないのよ。
15年もやっててさ。
やらしてくれるわねこれ。
お願いします。
おおっ!持ち込みですか?はい持ち込みです。
保険金は1000万で災害特約が付いても2000万…。
これじゃそんなに調査料払えないわよ。
うんいいのそれは。
でどういう事件なの?実はね自殺って事になってるんだけどね。
私どうしても納得いかないのよ。
えっちょっと待ってね。
加入してまだ半年でしょ。
そうよ。
1年未満の自殺なら保険金はおりません。
だから自殺じゃないって言ってるじゃないの。
うちの会社はね不正な請求を調べるのが仕事なの。
そんな払わなくて済むものを何でわざわざ調査するのよ。
そんなの調査の必要なし。
却下!友達でしょ友達でしょねえねえ…。
ううんもう友達でも仕事は別!あっそう!いいわ。
勝手に調べて絶対払わなきゃなんないようにしてやるわ。
いいわいいわ。
さあ帰りましょ。
シッシッ…。
あらっ!しっしっしっこしちゃった。
しっこしちゃった。
抱いててちょうだい。
おしっこしちゃったわ。
イヤだ〜!あの私これ高いのよこの洋服。
ほら真理ちゃんたっぷりしなさいたっぷり…。
ずいぶん年代物の乳母車だねぇ。
慎吾の子供の時の…。
(3人)へえー!物持ちいいんだ女将さんってさ。
真理ちゃん心配いらないからね。
そうそうおいらもついてるよ。
微力ながら私もね。
真理ちゃんかわいいねぇ。
あらっ!また驚かしてお前。
真理ちゃんはねあんたみたいな不細工な男は嫌いなの。
目くそ鼻くそを笑うと…。
誰が目くそや…。
お静かに!
(3人)シィー!目くそ鼻くそ…。
ああ〜あおとなしくしてよー。
何?ノースモーキング!あらー!静かに飲むか…。
(飲み物をすする音)
(王)うるさいよ。
もうねドアが開いてたもんですからね入ったらもうね血だらけになって仰向けに倒れてここらへんすごかったですよねもう…。
はいはい。
ガイシャは大西洋三48歳。
エンパイヤ不動産の元社長です。
(矢部)元?半年ほど前に倒産したらしくて…。
(矢部)凶器は?部屋にあった包丁です。
台所にあったうちの1つがなくなってますから間違いないですね。
これからも指紋が出ました。
物盗りの線は?会社が倒産しちゃったんだし金目の物はありませんでしょう。
それに借金の取り立てもあったぐらいですから。
となると怨恨か…。
死後どれぐらい経ってんだ?4〜5日です。
時田!いや鑑識が言ってるんですよ。
何ですかねこれ?鈴。
見りゃあわかりますよ。
いい音すんだろ。
(鈴の音)
(矢部のいびき)・矢部さん。
(いびき)矢部さん!うん…。
矢部さん!大西洋三の殺害犯に佐藤直子の可能性が出てきました。
何だと?あの自殺した女か?凶器に付いてた指紋が佐藤直子のと一致したうえにこの大西が握っていた鈴。
これは佐藤直子のバッグに付いていた物なんです。
という事は佐藤直子は大西洋三を殺害した後その事を苦にして自殺したという事か?まぁ状況的にはそうなりますね。
やっぱりなぁ…。
はっ?言っただろう?あれはただの自殺とは思えないって。
この道20年の勘が冴え渡ってきたな…。
はあ…。
時田!はい。
佐藤直子と大西洋三この2人の関係を徹底的に洗う。
殺害動機ですね。
そのとおり!お前もツーと言えばカーと言うようになってきたじゃないか。
ははは…。
調子いいなまったく。
何だと?いえ…。
あの2人は男と女の関係だな?つまりだ直子の子供の父親は大西って事だ。
それにしては随分歳が離れすぎてませんか?バカだねぇバカ!愛人関係に決まってるだろう。
えっ?会社倒産するような男が愛人作りますかね?だからもめるんだろう。
金の切れ目が縁の切れ目。
子供まで作って捨てられたりしたら相手に憎しみが湧く。
そしてその憎しみがいつか殺意に変わる。
冴えてきたなぁ…。
ずっと言ってろ。
大西洋三?ええ。
直子さんから聞いた事ないですか?この人なんですけど。
ご存知なんですか?いえ。
この人と直子が何か?えっ…ああいや参考のために訊いただけです。
ただそれだけですから。
あっ!あの真理ちゃん元気してますから心配ないですよ。
あっそうだ。
真理ちゃんの父親の事誰だかわかりました?いいえ。
何かわかったんですか?いえ…全然。
お忙しいところお邪魔しました。
ねぇもう1本いいでしょ?いい加減にしなよ。
いいじゃないの。
ねっもう1本だけ。
ダメー!ええー。
もう1本!ダメー!よしもう1本いこう!・
(ドアの開く音)いらっしゃーい。
あなた達…。
何だよ。
はあ…。
ママ俺ね帰るわ。
ちょっと…ねぇちょっと!すいませんね。
何よ…。
これじゃ足んないじゃないの。
直子さんの事でちょっとお伺いしたいんですが。
知らないわよ。
直子の事なんて。
大西洋三っていうんですがご存知ありませんか?エンパイヤ不動産の経営者だったんですけど。
聞いた事ないわね。
亡くなったご主人の知り合いとか。
この男が何かしたの?あっいやいや…。
ご存知なければ結構なんですが。
行こうか。
ねぇねぇねぇ飲んでかない?ねっサービスするからさ。
まだ仕事中ですから。
いいじゃないの。
私あんたみたいのタイプなの。
ねぇいいでしょう?おいおいおいどうする?何とか言えよ。
(佳枝)飲んでらっしゃいよ。
勤務中ですから。
(佳枝)また来てね。
(咳払い)まいったなおい…。
こんな時間からあんな酔っ払って。
あれじゃ子供にも愛想尽かされるわな。
矢部さん。
えっ?何か気になりませんか?何が?何がって…。
茂と佳枝の態度がおかしかったと思いませんか?そうか?そうか?って矢部さん自慢の第6感は何も感じなかったんですか?うん!?それはお前…ちょっとは臭うさ…。
臭う?うん…。
「ワッショイ!ワッショイ!ワッショイ!ワッショイ!」「ソレソレソレお祭りだ」シッシッ!ちょっとそろそろ静かにしてくれない?真理ちゃん眠りそうなんだから。
ごめんね女将さん。
今日随分ご機嫌だね。
遠ちゃんさ今日給料日なんだって。
あっ給料日か。
その気持ちわかるわ。
お金がそばにあるとさ妙に落ち着くのね。
そうそうそう。
冷蔵庫のチルド室に入れたりしてな。
何で知ってんの?お前もか!?見たな?あっいらっしゃい。
(王)いらっしゃい。
ちょっとすいませんね。
(桜子)ななな何?何よちょっと!おいしそうだなこれ。
今日は何の日でしたっけ?遠藤さん。
はい…。
わかってますよね?ええ…。
ならどうして来ないんですか?うちに。
あっ!借りたものは返す。
じゃあまた来月よろしくお願いします。
ちょいと待ちな!ちょっと…返してくださいよ。
こんな取り立てやっていいと思ってんの?おたくには関係ない事だ。
いいんです女将さん。
何言ってんだよあんた。
全部持ってかれたら生活できないじゃないか!大丈夫ですから。
随分威勢がいい方ですね。
生活費を脅かす取り立ては法律で禁じられてるよ。
ほら!何〜!?うちの息子刑事!ちょっと…それ以上近づくと逮捕されるわよ!じゃあ今度またご自宅のほうにお伺いしますから。
今日はどうもありがとうございました。
失礼します。
遠ちゃん…あんな奴から金借りてんの?工場潰れたんです。
(桜子)嘘っ!?
(花田)いつだよ?半年前不渡り出しちゃって…。
(王)倒産したんだね〜。
何で言わないのよもう!水臭い本当に。
遠ちゃん…。
飲み直そっ。
今日は私のおごり。
おごりだ!遠ちゃんだけだよ!
(桜子)あら?
(王)あーれー。
こんにちは。
こんにちは。
・
(桜子)女将さーん!大変!大変なのよ!シーッ!ああごめんごめん。
見て。
こんな小さくてかわいい。
そんなのん気な事言ってる場合じゃないのよ。
ちょっとちょっと…。
これ見てこれ見て。
いい?「大西洋三さん殺害の容疑者は先月発見された自殺女性である可能性」…。
ねえこれってさ真理ちゃんのお母さんの事じゃない?直子さん?うん。
名前書いてないけどさ絶対そうよ。
ううんまさか。
大西と直子がつながりました。
そうだろ?言ったとおりだろ?大西は直子の母親の愛人だったんです。
ああそう…。
母親のほうだったの…。
残念でしたね。
・
(警官)ちょっと待ってください。
ちょっと君!刑事さん直子が人を殺したってどういう事なんですか!お兄さん落ち着いてください。
何で直子が…。
証拠があるんですよ。
証拠!?決定的なのは凶器に付いていた直子さんの指紋です。
それに現場に残っていた鈴。
これは直子さんのバッグに付いていた物なんです。
遺書もありましたし警察としては殺人を苦にして自殺したんではと。
でも直子には大西を殺す理由が!大西が子供の父親だとも考えられます。
そんな事は絶対ない。
直子があんな男と…。
母親の愛人だからですか?わかってるんですよ。
困るんですよね。
そういうの親子で隠されると。
実は昨日大西の事をお母さんに訊きに行ったんです。
するとあなたと同じように知らないと言われた。
なぜ?なぜ隠す必要があったんですか?妹さんはあなたに隠れてお母さんに会いに行ってたんじゃないんですか?そこで大西と再会して男と女の関係になった。
・
(ドアの開く音)直子はここに来てたのか?来た事なんかないわよ。
本当の事言えよ。
嘘ついたってしょうがないだろ。
あんた警察に大西の事隠してたんだって?まだあの男と続いてたからじゃないのか?ふっ…別れたわよ。
じゃあどうして直子と大西がこんな事になったんだ!わからないわよそんな事は!警察は子供の父親を大西だと思ってる。
そんなバカな…。
何であの人が?そうやってあんたいつもあの男をかばうんだ。
あの時だって。
直子が自分からあいつに近づく事は絶対ない。
またあんたが直子を巻き込んでこんな目に!お前は直子の事なんて何にもわかってやしないんだよ。
だからお前のとこから出てったんじゃないか直子は。
何…!人を責める事しかできない奴と一緒に暮らせる訳はないだろう。
うっ…ぐっ…。
(咳込み)帰って…!帰って…早く帰って!帰んなさい。
帰んなさいよ!大西が真理ちゃんの父親?そんな訳ないでしょ〜。
ホントバカみたい!母親のとこを飛び出た原因がその男なんだろ?うん。
そいつと今さらくっ付くなんてなあ!そのうえ子供まで産むなんてあり得ないね!
(桜子)女がね命削って子供産むっていうのはね愛の結晶だからなのよ!うん!そうか。
よっぽどほれた相手だからこそ産むって事だな!ほれた相手をさ殺すなんて考えられないじゃない。
うん!つまり父親は別にいるって事よー。
(一同)うんうん。
・
(足音)いらっしゃい!はい…。
みんな。
ありがとうね〜みんな!ありがとう。
あっあはは!どうも。
はいはいごちそうさん!はいまたね〜!何?何?お前ちょっと重くなったな!何よ〜!へへっどうもありがとう!酒ください。
あら。
随分酔ってるみたいじゃないの?いいから酒!はい。
わかりました。
おっと…はいどうぞ。
はあ…。
・
(真理の声)
(真理の声)直子は何でこの子を産んだんですかね…。
愛しちゃったのよ!真理ちゃんのお父さんを。
愛した?うん。
自分勝手なだけじゃないか。
名前も言えないような男と付き合ってその揚げ句捨てられたのに!子供まで産んで…。
女はね愛した人の子供を産みたいと思うもんなのよ。
知らねぇ間に女になんかなっちまいやがって。
女になんかってあなた随分な言い方じゃないのそれは。
女なんて男に媚売って人生踏み外してろくなもんじゃねぇ!それお母さんの事言ってるの?お母さんだって大変だったのよ。
女手一つで子供2人も育てて…。
支えが欲しいと思ったっていいじゃないの。
私だって欲しかったわ。
主人が亡くなった時がっくりきちゃってね。
だからって男にすがりましたか?うん。
いい人がいたらね再婚したかもしれない。
嘘だ。
あんたはしない。
何で?私だって幸せになりたいもの。
それって悪い事?茂さん。
頑張ってばかりいたら息切れちゃうよ。
だから力を少し抜いて。
ねっ。
ふっ…俺は嫌だ!逃げたらおしまいなんだよ。
あの女と同じになっちまう。
大丈夫?あっちょっと…。
・
(足音)ねえ相当恨んでるわね。
お母さんの事を。
三つ子の魂百までってね。
あれじゃあさ二度と「お母さん」なんて言わねんだろうなぁ。
寂しいよなぁ。
あっ…茂ですか?いいえ。
今日は三浦さんにお話があって。
ああ…。
母親ですか。
無理じゃないかなぁ。
茂はね母親の事絶対許さないと思いますよ。
茂のおふくろさんはね…。
・
(茂)俺が話します。
親父が死んでまだ3年だった。
(茂)いつの間にかあの女が大西を引っ張り込んできたんだ。
あっ…すいません。
ありがとう。
(茂)俺は別れてほしかった。
俺も直子も働きだしたし何とか生活もできるようになってたから。
でもあの女は別れようとはしなかった。
あの女が大西とさえ別れていれば…!・
(ドアの開く音)嫌っきゃっ…!
(茂)何してんだよ!おい!何なんだよ!待てよ!何なんだよ!茂!やめなさい!茂!茂!
(頬を打つ音)
(茂)あいつは平然としてやがった。
何もなかったみたいに。
あの女は大西を責めもしないで!結局あいつは男を取ったんだ。
だから俺は直子を連れて家を出た。
茂さん…。
俺はあいつを許さない。
でもねお母さんの体の具合が…。
あの女の体がどうなろうと俺には関係ないんです。
何って事…。
こんにちは。
こんにちは!佳枝さん。
佳…佳枝さん?うっ…くっ…。
佳枝さん?うっ…。
大丈夫?佳枝さん!
(苦しげな息遣い)佳枝さん。
またあんたなの。
やっぱり病院行ったほうがいいわ!放っといて。
ダメ。
放っといてよ。
佳枝さん…佳枝さん。
大した事ないんだから。
帰ってくれない?うん…。
私出かけるんだから。
(鈴の音)あら。
(鈴の音)お守り。
直子さんそう言ってました。
だから何だっていうの。
真理ちゃんも同じ鈴持ってるんですよ。
ふふっ…。
私はね一人で生きていくだけで精一杯なんだから情にほだそうったって無駄よ。
もう一度切れた糸を結び直してみない?切れた糸を…?茂さんとあなたの絆。
ふふっあはは…!私は切れたままのほうが楽でいいの。
お帰りいただけません?出かけるんですから。
帰ってください。
でも…。
帰って!病院行ったほうがいいから!ねっ?
(直子)お母さんとおそろいなの?えっ?あっそうよ。
ほら。
いい音でしょ。
(鈴の音)お母さんの笑い声に似てる。
そう?うふふ…。
(鈴の音)ほらねころころころって!
(佳枝)うふふふ!
(鈴の音)それじゃあよろしくお願いします。
ありがとうございました。
すいません。
あの佐藤直子の部屋はこちらでしょうか?はい。
何か?母親ですが…。
はあ…。
あの…今の方はどなたでしょうか?お兄さんの会社の社長さんです。
茂の?三浦さんっておっしゃったかしら。
いい方でね〜。
今日も残りの家賃を持って来てくださって。
お入りになります?ええ。
それじゃあ帰られる時声かけてください。
隣の家ですから。
はいどうも。
・
(車のエンジン音)何?大西は父親じゃないの?はい。
どういう事?直子は5年前大西にレイプされかけたんです。
そんな男と関係を持つとは…。
すると…不倫のもつれによる殺害はないって事か。
ええ。
また振り出しに戻りましたね。
いや。
これでかえって動機が絞り込めた。
怨恨だ。
怨恨?鈍いな〜!お前も。
まさかそのレイプを恨んでやったと?そうだよ。
そうだよって…。
ちょっと強引じゃないですか?心配するな。
俺の勘を信じろ。
当たりもしないくせに。
バッカじゃないの!あのフランケンオヤジ〜。
(桜子)ホントよ〜。
そう言うなよ。
俺の上司なんだから。
ごめんね?
(桜子)でもさ証拠がある以上直子さんの疑いは消えないんでしょ?うん。
真犯人でも見つかれば別だけどね。
その証拠っていうのが引っかかんのよね〜。
そろい過ぎてる。
うん。
指紋の付いた凶器に現場に残された鈴。
普通さ凶器隠すか捨てるかするでしょう?うんうん。
いやでも実際結構ね逃げるだけで精一杯って事あるからね。
うん…遺書もあるっていうのもなぁ。
何か無理矢理直子さんに疑いが向くように向くように仕向けてるような気がすんのよね。
ダメだからね。
ちょっと…変に動き回ったりしないでよ!あっ?わかってんの?わかってるわよ〜。
1回言やぁわかるんだから。
あんたそういうところ似てきたんじゃないの?あのフランケンオヤジに。
ほらっ。
イーッ!油断も隙もあったもんじゃないよ。
まったく。
帰ろう。
あっ2000円いただきますよ。
えっ!?2000円。
あっこの間あの…おむつと。
はっ?ミルク…。
1600円だからはい。
400円で2000円ね。
ったくもう。
ほんじゃあね。
ごちそうさま。
ああっ!しっかりしてるんだからね。
本当にもう。
でどうする?もちろん真犯人を捜すのよ。
まずはね大西の身辺調べなきゃ。
うんうん。
そっそれから?うん?うん?あれ?いやいやちょっとこれ忘れたから。
あっそうなの。
(3人)「君の行く道は果てしなく遠い」はははっ!タタタタン!大西さんのご家族?そう兄弟なの。
腹違いのね。
へえ〜。
いやあのずっと会ってなかったもんですから知らなかったんですよ。
殺された事。
じゃあ荷物引き取ってくださいよ。
このまま放って置かれても困るんですから。
ゴミとかもさ何か家の中に溜め込んでるみたいでさ困んのよね〜。
今にでもすぐ片付けてよ。
いや今日はちょっと…。
何言ってんの。
ダメよ逃げようったって。
逃げるって…また改めて今度来ますから。
取り立て屋にも連絡してもう来ないように言ってくださいね。
取り立て屋…。
これ見ればわかるでしょ〜。
お兄さん借金あってまあ大変だったんだから!朝から晩までしょっちゅう来てああでもないこうでもないって。
あの兄はいくらほど借りてたんでしょうか?たぶんウン千万円はあったんじゃない?金利払うだけで精一杯だって言ってたから。
ああ…あのどこで借りてたかわかります?ここに書いてあるでしょ!ここに!ほら早く!あっどうも!
(社員)あっいらっしゃいませ。
あっあのですね大西洋三の家族のものなんですけど。
少々お待ちください。
あの男遠ちゃんの給料取りに来た男よ!ああ…!行こ。
お待たせしました。
さあどうぞ。
どうぞ。
(森晴彦)大西さんのご兄弟で?あっ…はい。
ああ。
いや私この会社の責任者で森と申します。
どうぞよろしく。
あっ。
まあお掛けください。
それで?あっあの…。
兄はいかほどお借り…。
ああ。
代わりに返していただけるんですか。
えっいえいえ!あの借金残されても困るんでそれで…ねえ?うん…。
1億円です。
えっ!?ウン千万じゃなくて?私共も商売ですからね。
利子をいただきませんと。
お高いお利子で。
よそで貸してもらえない方にとっては救いの神というところじゃないでしょうか。
どうもお疲れさまでした。
遠ちゃん?王サン?てめぇらたぬきのおでん屋の!わあっ!こんにゃろー!キャー!トリャー!早く早く!
(言い争う声)あいつらさきっと来るわよ!いきなりこうブスッブスッブスッ…!何回もブスって言うんじゃないわよ。
ほら座って。
だって女将さん…。
男でしょあんた。
女よ!まったくもう…。
(王)座れ!ほらもう。
はいおしまい。
すいません。
でもさ遠ちゃんもタチが悪いところで借りたわよね。
銀行はもう貸してくれないし。
他に貸してくれるところなくって。
(王)いくら借りたの?300万。
それだけ?利子も入れると1000万。
何それ!利子のほうが多いじゃない。
もうどうしたらいいのか。
息子の勤め先にまで取り立てに来るんです。
あら…そう。
(王)おお…。
(桜子)追っかけてきてない?今んとこ大丈夫みたいだ。
(桜子)あっそう。
(桜子)帰るの?送ってやって。
(花田)ああ…。
吟さん。
女将さん。
うん?ありがとう。
(王)えっ遠ちゃん遠ちゃん!元気出せよ!元気!気をつけて。
(ため息)1000…1000万…。
あら。
何で送っていかないのよ。
だっだってお前1人になりたいんだってよ。
俺明日行ってみるわ。
遠ちゃんち。
うん。
お願いね。
何なんでしょうね。
何かあったみたいね。
何でしょう?ねえ…。
どうしたのかしらね。
どうかしたんですか?ええ。
ここのご主人自殺したらしいんですよ。
えっ!?・無理です!1000万まとめて返済するなんて!いやぁですからこの保険金で払ってくれればそれでいいんですよ。
半月もすれば全額下りるんだし。
それで借金はなくなるんですよ。
鬼!貸した時には仏と言われたんですがね。
あんた達が殺したんだ!冗談じゃない。
遠藤さんは自分で死を選んだんですよ。
追い詰めたのはあんた達じゃないですか!いいですか?奥さん。
借りたものは返す。
それが世の中の常識じゃあないんですか?ええっ!?遠ちゃんが自殺?森ファイナンスの奴らもう取り立てに来てますよ。
まるで自殺するの待ってたみたいに。
どういう事?それ。
借用書突きつけて保険金で借金返せって。
ええ…!?森んとこは生命保険を担保に金貸してたんですよ!はあ…そう。
吟ちゃんありがとありがと。
あのもう少し森の事調べて。
ねっ。
お願いします。
ありがとう。
生命保険が担保か…。
はいこれ。
大西洋三の保険金資料。
ねえそれって真理ちゃんのお母さんが殺したっていう人?殺してません!…生命に5000万。
城北生命にも5000万。
合計1億。
10年満期の掛け捨て定期保険だし保険料も高くはないわ。
別に問題ないんじゃない。
でも加入したのは両方とも5か月前よ。
気になる?うん。
その頃大西の会社倒産してたのよ?そんな時に保険に入るかしら?変よねぇ。
変よ。
(桜子)女将さん行ってきました。
ご苦労さまでした。
胸出して…。
はい。
お通夜?そう。
何かつらいわ。
お金のためにさ命落とすなんてさ。
(花田)森ファイナンスの奴ら他にも同じように生命保険を担保に金貸して自殺に追い込んでるみたいっすよ。
捕まらなきゃ何やってもいいのかね!大西の保険もそれに関係あるの?大西保険入ってたの?
(花田)じゃあ大西もあいつらに?自殺なんかじゃない…殺されたんだから。
そうだよ。
自殺に追い込むのがあいつらの手口なんだから。
でも今の時点では契約してまだ5か月。
自殺じゃあ保険金は下りないわよ。
(花田)だったら殺さなきゃダメだって事か。
(桜子)いやでもね1年待って自殺に追い込めばそのほうが安全でしょ?きっと待てない理由があったのよ。
何?その理由って。
さあ…。
さあって…。
それがわかれば苦労しないわよ…。
でも遠ちゃんもあんな奴らのために命を代償に金なんて返す事なかったのにねぇ!そうよ。
ねえ。
自己破産でも何でもすりゃよかったのよ。
自己破産?そうすりゃ借金チャラだしな。
うん死ぬより全然いいよ!わかった!それだ。
母さんが言ったとおり大西は自己破産宣告してたよ。
あらやっぱり!だから森は急いで殺す必要があったんだ。
裁判所が決定を下せば森が貸した1億は戻ってこなくなるからね。
・
(ドアの閉まる音)ねえねえビッグニュースよ!森ファイナンスが債権者として大西の保険金請求してきたわよ。
飛んで火に入る…。
夏の虫!イテッ!…んだよ。
蚊よ。
蚊。
私が大西を殺したんですか?ええ。
保険金を手に入れるため大西を殺しその罪を逃れようと佐藤直子を犯人に仕立て上げた。
冗談じゃないですよ。
大西の1億の保険請求を起こしましたね?当然でしょう。
私あの人にお金を貸していたんですから。
刑事さん借りた金は返す。
当たり前の事じゃないんでしょうかねぇ。
破産宣告されちゃ返してもらえなくなるところだったんじゃないですか?ぷっ。
はは…。
森さんあなたは保険金を担保に大西に金を貸してた。
だが破産宣告されたんで煮詰まった。
そんな事は知りませんね。
(咳込み)保険に入ったのが5か月前。
このま…。
このままだと1年以内に免責決定日を迎え自殺させても保険金は手に入らない。
だが殺人だと保険金は全額手に入る。
そこであなたは考えた。
佐藤直子を犯人に仕立て上げ大西を殺す計画を立てたんじゃないですか!違いますか!?なるほど。
筋は通ってますね。
では見せてもらいましょうか。
私がやったって証拠。
えっ?まさかないって事はないでしょうねぇ?これだけ犯人呼ばわりしといて。
第一ね私その佐藤…何ておっしゃいましたっけ?直子さん。
ああ直子さん。
知らないんですよ私。
ご存知…ないでしょうねぇ。
時田ちょっちょっと…。
はい。
はい。
時田今のお前の勇み足だよ。
いくら状況証拠がそろったって物証がなきゃあいつずーっとシラを切り通すよ。
どうしたの?女将さん。
考え込んじゃって。
うん?うん…。
どうもすっきりしないのよね。
何が?何であいつらが大西殺しの犯人に直子さんを選んだかって。
ああ…だから大西から直子さんとの過去の話を聞いてそれを利用しようとしたんじゃないかしらねぇ。
大西がそんな話するかしら?しないか。
そうか…。
だから大西以外に森と直子さんをつなぐ何かがあるんじゃないかなぁと思うんだけど。
ありがとうございました。
どうもありがとう。
「微熱あり。
ミルク戻す」「眠れないのか泣いてばかりいます」「寝汗もひどいし心配です」「焦りは禁物大丈夫。
誰でも最初は新米ママです」はあ…うん…。
「三浦昇様」…?「幸せになって下さい」?「遠くからお祈りしています。
直子」遺書もあったし。
「幸せになって下さい。
遠くからお祈りしています」って。
遺書じゃなかった。
遺書じゃなかった…。
あら…これ。
(真理の声)あっごめんなさい。
お店まだなんですよ。
あの今ね女将さんも留守にして…。
ちょっと…何か?ちょっといや…ちょっと待って。
何すんの?あっ危ない危ないっ。
ああ真理ちゃんのおばあちゃん?すいません。
あの三浦さんは?社長ならさっき出かけましたけど。
どこへですか?さあ女の人から電話があってどこへ行ったかまでは…。
女の人?・社長がどうかしたんですか?うん?
(携帯電話)あっ。
はい私。
えっ…?佳枝さんが?真理ちゃんに会いに来た?うんそう。
今来てたのよ。
何か言ってた?ううん何も。
でもね様子変だった。
ひまわりの花束持ってさぁ。
ひまわり?直子が好きな花だ。
はっ?真理ちゃんの事頼んだよ。
いいわね?茂さん行こう。
どこへですか?いいから急いで。
行こう。
行こう早く!
(ため息)
(携帯電話)もしもし?かあ…母さん!えっ!?あっあのちょっと失礼します。
あっ慎吾?今すぐ来てくれない?何言ってんだよ!こっちは森が黙秘しちゃって大変なんだから!三浦が全部吐いたってそう言やいいんだよ。
三浦!?とにかくね直子さんが殺された現場。
そこへすぐ来て。
いいね?どうなってんだ…?おいいい加減にしろよ。
容疑者の前で母さんなんて言わないでくれよ。
すごく恥ずかしかった…。
あっちょっと俺出かけてきます。
どうすんだ?こっち。
三浦がすべてゲロした。
そう言えばいいですから。
おい!三浦がゲロしたって…。
(佳枝)ごめんなさいね。
わがまま言ってこんなところまでついてきてもらって。
いえ。
あの子も最後にあなたに会いたいだろうと思って。
うわぁーっ!何するんだ!ここで嘘はつけないはずよ。
あんた森とつながってたんだ!あんたが直子に何をしたかすべて言うのよ。
(ため息)そろそろ帰してもらえませんかね?
(咳払い)みっ三浦がすべてゲロした…。
ゲロだよゲロ!さあすべて白状してもらおうか。
この車は…!急いで。
・
(三浦)やめてくれー!佳枝さん…佳枝さん!佳枝さん!来ないで!そんなバカな事やめて!私が直子にしてやれるのはこれくらいの事しかないのよ。
茂!何とかしてくれ!お前のおふくろさん何か勘違いしてるんだよ。
とぼけないでよ!あなたは真理ちゃんの父親!これが証拠よ!「三浦昇様。
私はこれから先真理と2人で生きていく事に決めました」
(直子)「あなたとの事は思い出の中に閉じ込めて新しい人生に向き合う事にしたんです」「でもあなたを愛した事を後悔はしていません」「二度とお会いする事はないと思います」「幸せになってください」「遠くからお祈りしています。
直子」直子さんは最後まであなたを愛してたのよ。
だから真理ちゃんを産んだんじゃないの!三浦…!違うんだよ茂。
違うんだよ…。
(佳枝)来るんじゃない!茂それ以上近づかないで。
こいつはね怖かったのよ。
真っ直ぐなあの子の気持ちを受け止めるやさしさなんかこれっぽっちも持ってやしなかった。
あの子はね真理を抱いてじっとあんたの事を見てたのよ。
(佳枝)幸せそうな顔をして…。
あんたの事死ぬほど好きだって事すぐわかった。
何も望まずただ見てるだけ。
(三浦)見てるだけ?誰がそんな事信じられるか!あいつはな…あいつはずっと…ずーっとうちの家族を監視してたんだ。
(三浦)いつか家族の前に現れてすべて無茶苦茶にするに違いなかったんだ…。
だから直子が邪魔になったんだな?言うのよ!すべて!三浦!あの日の前俺は直子に会った。
電話で呼び出されて…。
子供の認知を迫られると思ったんだ。
よお元気だったか?何だよお前の子か?うん?触らないで!どうした?直子!直子からレイプの話は聞いていてすぐそれが大西だとわかった。
大西の保険金の事はどうして知ったの?あんたも金を借りてたのか?森って奴に。
会社のために仕方なかったんだよ。
そんな時森に会ったらあいつ大西に自己破産されて困ってるって…。
借金の2000万チャラにしろだと?大西の保険金1億欲しいんでしょ?自殺じゃ金にならないんだったら殺すしかないんじゃないんですか?殺す…?お前がやってくれるのか?とんでもない。
疑われずに済む方法があるんです。
他に犯人がいればいいんですよ。
うっ…。
み…三浦さん…。
自分の借金のために直子を!
(三浦)だってしょうがないじゃないか!俺だっていつ借金のために殺されるかわからないんだよ!許せない!直子をそこまで裏切るなんて!殺したのは俺じゃない!
(佳枝)同じ事よ!ずっとそばにいてやればよかった。
私のせいで…私が弱い母親だったばかりに直子をこんな目に…。
死んじゃダメ!生きるのよ。
私はもう十分生きたわ。
未練なんかないの。
嘘!この鈴…これあなたのでしょ?直子さんの部屋に置いてあったわ。
何で置いて行ったの?生きて生きて生き抜いて!守ってやって真理ちゃんを!茂さんだってあなたの事わかってるのよ。
あなたの体の事を。
私はねただ自分のくだらない人生を終わらせたいだけなのよ。
こいつを道連れにして…。
来るんじゃない。
来ないでほしいの。
(咳込み)うわぁーっ!ああー!うわーっ!茂…!やめて…!
(茂)うわーっ!はあ…。
・警察だ!やめろ!あら?もう遅いんだよ。
(パトカーのサイレン)・
(矢部)時田!ちょっと来い。
ちょっと来い!えっ?えっ?お願いします。
佳枝さん…。
(鈴の音)茂さんとあなたの切れた糸…結ばったわね。
前よりもっともっと強く。
(鈴の音)聞こえてる?直子さん!じゃあね。
(パトカーのサイレン)母さーん!やった…!またお前のおふくろか。
捜査かき回しやがって…。
すいません。
はい…。
俺だってな直子さんが犯人じゃない事ぐらいとうの昔にわかってんのよ。
えっ?わざとでしょうがわざと!相手に油断させる。
それをお前のおふくろが…。
時田!はい。
若いんだよ青いんだよ!捜査をなめるんじゃないの!イテッ…。
ご苦労さまです。
大丈夫ですか?うわっちょっと…上向かない。
下向いてください。
ねえ大丈夫?タンコブできちゃってますよ。
血は?血は?血は出てません。
今のところ。
真理ちゃんいなくなっちゃったね…。
戻るべきところに戻ったんだから。
お母さんもきっと不起訴になるだろうし。
そうね…。
強い味方が2人もできたんだもんね。
寂しいんじゃないの?別に。
ふ〜ん。
・
(桜子)こんばんは〜。
あらあらいらっしゃい。
あれ?親子水入らず?私達邪魔かしら?何言ってんのよ。
もう家で嫌っていうほど顔見てるからいいわよ!そうよね。
あ〜あ。
あの子いなくなって何か寂しくなっちゃったね。
何か背中が寒いね。
私は胸なのよ。
女の喜びをさ教えてくれたから。
まさかお乳なんかあげたんじゃないでしょうね?えっ?もう…。
嫌だもう…。
あの子の将来に暗雲が立ち込めたね。
失礼ね!恐ろしい暗雲…。
お疲れさまー!こんばんは。
はいこれ調査料。
お酒?こんなんでごまかす気?直子さんの保険金も下りたんだしこれでもいいほうなんじゃないの?あらケチー!女将さん…。
はいよ。
ああ…私も何だか子供欲しくなっちゃったな…。
まさか…!その歳で!?産むつもり?孫が欲しいって言ってんだよ。
私は。
(一同)ああ〜!そりゃ当分無理よ。
悪かったですね。
こんな姑がいたら嫁が来ないって事よ。
あら!随分じゃなーい!じゃあ賭けようか。
慎吾ちゃんが年内に結婚できるかどうか。
無理だと思う人!
(一同)はーい!ひどい…。
2014/03/25(火) 13:55〜15:46
ABCテレビ1
女調査員・おでん屋“ぽんた”探偵局2[再][字]
「捨てられた赤ん坊に保険金が!?レイプ?自殺か殺人か!?親子鈴に秘められた謎」
詳細情報
◇出演者
浜木綿子、薬丸裕英、樫山文江、山下規介 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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