無事に定年を迎えたAさん65歳。
これまでの生活と比べて自由になる時間が増えたため生活のリズムが崩れ昼間から酒を飲む事が習慣になってしまいました。
家族は増えるお酒の量に不安を抱きながらもお酒が無くなるとまたAさんのために買ってきてしまいます。
日に日にAさんのお酒の量は増え今も毎日飲み続けています。
(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
昨日今日はこちら「抜け出そう!アルコール依存症」のシリーズをお伝えしております。
それでは早速今日も専門家にお話を伺います。
ご紹介致しましょう。
精神科医でアルコール依存症などの治療がご専門です。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
Aさんの例をまず見ましたがちょっと心配ですね。
最近増えている定年後のアルコール依存症の典型的な例だと思います。
体に常にアルコールを維持する飲み方を連続飲酒といいますがこれが見られるので恐らくアルコール依存症なんだと思います。
心配ですがもう一つ例を見ます。
Bさんの例です。
以前は夫の晩酌の付き合い程度にお酒を飲んでいたBさん47歳です。
夫の両親と同居するようになってからというものおしゅうとめさんとの関係がうまくいきません。
そのストレスからお酒の量が増え始めました。
当のおしゅうとめさんは酔っているBさんにお酒をやめるように言うのですがBさんは決してやめる事はありません。
最近ではお酒を飲まないと手の震えが現れるようになってきました。
Bさんも心配ですね。
どうでしょう?Bさんはこの手の震えですがこれは離脱症状だと思われます。
離脱症状もアルコール依存症の典型的な症状なんです。
依存症の可能性が極めて高いと思います。
周りのご家族の対応は難しそうですね。
難しいですね。
家族はすぐそばにいて大変な思いをされているんですがやはり適切に対応して頂きたいと思うんです。
この2つの家族の場合少し工夫が必要だったかもしれません。
という事で今回はこちらです。
アルコール依存症の治療とはどのようなものなのか。
また周囲の正しい対応というのはどうすればいいのかを伺ってまいります。
まず家族の対応から伺っていきたいと思いますがAさんの場合はどうだったんでしょうか?Aさんの場合は世話やき行動が見られます。
これはアルコール依存症の治療を遅らせてしまうんですがイネイブリングともいいます。
Aさんのケースではどこが世話やき行動なんでしょうか?Aさんの行動ではお酒を買ってくるのが世話やき行動です。
ご家族がお酒を買ってきましたね。
これはいくら本人が家族に頼んでもきっぱりと断るべきでした。
世話やき行動としてはほかにどんな代表的な事がありますか?例えば会社に欠勤の連絡をしてもらう。
それからアルコールでさまざまなトラブルを起こした時に本人に代わって謝罪する。
それからアルコールがらみで作った借金の肩代わりをする。
こういった世話やきを続けているとどんな問題が起きるんですか?世話やきを続けていますと本人が自分が起こした問題に直面しない訳です。
そうするといつまでも治療に結び付かなくなります。
問題の行動の気付きがない訳ですよね。
それではBさんですがBさんはおしゅうとめさんがやめたらと指摘したにもかかわらずやめませんでしたね。
まずしゅうとめと関係がうまくいかないという事がありましたがこれはご主人がしっかり役割を果たして頂いてこの辺りの修復ができているとよかったですね。
それからもう一つこのしゅうとめさんですが本人の問題を指摘するんですがいつも酔った時にやっているみたいなんです。
飲んでいる最中ですね。
やっぱりしらふの時を見つけて本人にその問題を指摘していく事が大事だと思います。
このケースおしゅうとめさんとの関係がうまくいっていないのにおしゅうとめさんにお説教されてもなかなか言う事を聞かない事は確かに想像ができますね。
ご主人の介入なども必要かなと思いますね。
ケースを2つ見ましたがどうやって治療につなげていけばよいのかという事ですね。
アルコール依存症の人は自分の問題を隠す傾向があります。
これは否認というふうにいいますがそのために自ら進んで病院を受診して治療する事は極めてまれな訳です。
ですから家族がその分しっかりと役割を果たして本人の受診につなげるようにした方がいいと思うんです。
その事をもう少しご説明頂きましょう。
どういう事でしょうか?もし仮に家族が本人に話をして本人が説得に応じて医療機関を受診するなら特に問題はないんですがそうでない場合にはやはり家族としてはアドバイスが必要です。
言う事を聞かない事がありますよね。
そういう場合にこの専門機関に相談する事がとても大事です。
一体どういう所が窓口になるんでしょうか?都道府県それから政令指定都市に必ずある精神保健福祉センターや保健所がまず相談を受けてくれます。
それからアルコール依存症の専門医療機関も相談に乗ってくれます。
それからお酒をやめて回復していこうと思っている方々が互いに励まし合いながら活動しているグループを自助グループといいますがこの自助グループも相談に乗ってくれると思います。
こういう所で専門的な治療をする医療機関を紹介してくれたりも…。
もちろんそうですね。
しかしこれは本人がなかなか嫌がるという事でなかなかつながらない事もありますが何かよい手がありますか?多くのアルコール依存症の人は肝臓障害とかさまざまな病気を持っていますよね。
かかりつけの医療機関があるはずなんです。
風邪をひいた時に診てもらうドクターとかね。
その先生に説得して頂いて紹介して頂くと結構言う事を聞いたりするんです。
家族が直接言うよりは…。
ですから家族が医療機関に行って先生にお願いするなんて事もできると思うんです。
それから会社に勤めている場合に産業医の先生が説得してそれに応じて専門医療機関を受診するケースもあります。
治療はどういった所で治療する事になるんでしょうか?それはアルコール依存症の専門医療機関ここで治療すべきです。
治療の大ざっぱな流れをご説明頂きますがまずどういう事になりますか?普通は入院治療と通院治療と両方ありますが入院してその後通院してフォローアップしていくのが一般的だと思います。
治療の目標はもちろん断酒な訳ですが…。
目標は断酒?これですね。
この言葉は「お酒を断つ」完全にやめるという事ですね。
そうです。
そうおっしゃいますが量を減らしていって適切な量にしていくという事ではいけないんでしょうか?残念ながらアルコール依存症はそもそも飲酒のコントロールができない病気な訳でそれが難しいと。
それからもう一つ長い間お酒をやめていても飲み始めるとすぐに元のひどい状態に戻ってしまう特性があるんです。
ですから断酒を続けるしかない訳です。
それでは治療の流れは具体的にどういうふうになりますか?まず入院します。
初めの1週間から3週間ぐらいですが肝臓の病気とか糖尿病とかさまざまな病気がある訳です。
そういう身体面の治療をすると。
それから場合によっては離脱症状が現れるかもしれない。
あるいは既に現れているかもしれない。
そういう場合に治療する。
この離脱症状の治療には普通抗不安薬を使います。
この時期を解毒期と呼びます。
体の問題の治療が進み離脱症状の対処もできるようになったと。
次の段階はどういう事になるでしょう?次の段階はリハビリ期と呼ばれていますがこれは非常に大事な時期です。
本人が断酒を決意して継続していこうという事をスタートする時期です。
そのためには心理社会的な治療をやります。
まずアルコール依存症とかアルコールの害について本人に教育していきます。
それからアルコール依存症とかその治療に関して本人の間違った考え方があったらその部分を修正していく認知行動療法があります。
それから個人や集団でカウンセリングをする事ももちろんします。
それから先ほどお話しした自助グループに入院中に参加して頂く事もとても大事です。
情報の共有ができますよね。
それから家族はアルコール依存症の理解が十分でなかったり対応のしかたがよく分からなかったりするのでそういうふうな家族に対するプログラムも大事だと思います。
それからこの時期に補助的に薬物を使い始める事もします。
こういった治療の流れがうまくいって退院になりますと退院後はどういう事になるんでしょうか?退院後はもちろん断酒を継続してなければいけないんですがその時にとても大事な治療の柱として3つがよくいわれます。
外来治療の三本柱と呼ばれます。
この3つができると断酒を継続できる確率は非常に高いと思います。
薬を使うとありますがどんなお薬なのか今日は実物をご用意頂きましたので見せて頂きながらご説明を頂きましょう。
どうやら種類があるようですね。
こちらが抗酒薬と呼ばれるものです。
水薬と粉薬と2種類あります。
これは2013年から使えるようになったアカンプロサートという薬です。
こういった薬を使う訳ですがどういう働きで効くんですか?お酒が全く飲めない人がいますよね。
下戸と呼ばれる人が。
ああいう人と同じような体質をこの薬で作ろうという事です。
このお薬をのんでいるとお酒を受け付けなくなる感じですかね。
こういったお薬は副作用の注意はどうですか?抗酒薬で一番気を付けなければいけない副作用は肝臓障害だと思います。
ですから肝機能をモニターしながら使っていく事が大事だと思います。
アカンプロサートの方はあまり副作用は大きなものはないんですが一番頻度が高いのは下痢だと思います。
こうした薬を使ってよい結果が出ますとそれでよいという事になるんでしょうか?薬物はあくまでも補助でして一番大事なのはやはり本人がお酒をやめていこうという決意をしてそれを周りが支援していく事だと思います。
お薬に頼るだけでは不完全なんですね。
今日もさまざまなポイントがございました。
それではまとめです。
アルコール依存症は治療により回復が可能な病気です。
しかしアルコール依存症の多くの方々は自分の病気を隠す事があります。
そこでなかなか受診につながらないと。
家族はやっぱりとても大きな役割を果たさなければいけないという事です。
もし本人がなかなか受診しない場合には専門機関に相談して頂くといいと思います。
いいアドバイスを頂けると思います。
どうもお話ありがとうございました。
2014/03/25(火) 13:40〜13:55
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 抜け出そう!アルコール依存症「治療と周囲の対応」[解][字]
アルコール依存症では「自分には問題が無い」と考える傾向があり、病院に行くことはまれ。受診につなげるために周囲や家族はどうするべきか?具体的な対処法を紹介する。
詳細情報
番組内容
アルコール依存症は、飲酒を自分からコントロールできなくなる病気。周囲や家族はどのような病気か正しく知り、本人に適切な対応をとることが治療の第一歩につながる。治療は、専門の医療機関で行われる。しかし、患者本人は自分の問題を隠そうとする傾向があり、自ら病院に行くことはまれ。受診につなげるため、周囲や家族はどうするべきか? 具体的な対処、治療法を紹介する。
出演者
【講師】国立病院機構久里浜医療センター院長…樋口進,【キャスター】濱中博久
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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