黒柳徹子:『徹子の部屋クラシック』。
一人オペラっていうのやろうかなと思ってたぐらいのとこなので…。
黒:あの壮大な『マダム・バタフライ』を…。
黒:西本智実さん。
すごいですよ、皆さん。
バチカン。
キリスト教の大本山。
あそこで指揮をなさった方ですよ。
それで法王様のご用命により、あちらで指揮をなすって。
西本智実:今年も…。
黒:え?西:今年も決まりました。
黒:決まったの?あら、おめでとうございます!西:ありがとうございます。
黒:すごい!初めて聞いた。
何月?西:今年は10月の下旬ぐらいから音楽祭が始まりますので。
黒:それはすごいね。
でも、これから、ちょっと大変ですね。
西:そうですね。
黒:ずっと10月目指して、あの緊張が、またと思うと…。
西:はい。
黒:とにかく、それはともかく、これから『マダム・バタフライ』をやります。
小松靖アナウンサー:そうですね。
改めて徹子さん、その、『蝶々夫人』の解説付きの演奏と。
黒:あのね、これは西本さんのね、南座でおやりになったコンサートの時に…。
これ、コンサートスタイルっていうんですけど、全部のオペラをやらないで、歌手の人が、アリアっていうんですけど、ヒット曲だけ、ちょっと歌うっていうのがあったので。
私、客席にいたらね、そしたら西本さんが「ちょっと出てきて」って。
私、客席で見てたの。
西:ちょっと飛び入りで、徹子さんに「すいません、徹子さん来てください」って。
それで、オペラの解説をしていただいたんですけれど。
徹子さんがオペラ詳しいっていうのは、もちろん、私、知ってまして。
一緒に食事なんかさせていただいてる時に、いろんなオペラですね…。
『トスカ』から、『椿姫』から、『ボエーム』から、『バタフライ』もそうなんですけれども。
そういう話をしてまして、どうして、そんなに詳しいんですか?って伺ったわけです。
そうしましたら、オペラの演奏を勉強されたっていう風に伺って。
「徹子さん、ちょっと、ぜひ解説してください」って…。
黒:いきなりですよ。
私、ズボンはいてね、雪の降ってる時でね、ひどい格好してたんですけど。
ただね、口から出まかせってわけじゃないですけど、思いついた事を言ってるもんですから、何を言ったかが全然わかってないので、今日もわかりませんけど。
まあ、間違った事は言わないんですけど。
とにかく、あの壮大な『マダム・バタフライ』の1幕、2幕、3幕。
それを2人の歌手がいらしただけで、皆様がもう、『バタフライ』をご覧になったような、そんなような気分になっていただけるようにいたしますので。
オーケストラの皆さんも聞いていっていただくと、全幕やったような感じになるという風に思いますので、お楽しみにという事で大丈夫ですかね?小:楽しみになりました。
(会場の拍手)黒:『マダム・バタフライ』の、私はこれから解説をいたします。
前から、一人オペラっていうのやろうかなと思ってたぐらいのとこなので…。
『マダム・バタフライ』ってね、知ってますっていう方、いらっしゃると思うんですよ。
『ある晴れた日に』歌うんでしょって、そうそう。
ピンカートンってアメリカ人にだまされて、子どもも生まれて、それで結局捨てられた、長崎の女の人の話でしょぐらいに、皆さんは思ってらっしゃるかもしれませんけど。
そんな簡単なもんじゃないんです。
もっとね、う〜んと深いもので、それをまた、プッチーニという作曲家が、天才的な…。
他にもいろいろ、オペラ作ってらっしゃる方ですけど。
もうね、これほど…、気持ちを、感情をね、表現出来るかというぐらいの、いい音楽で表現なさいます。
中でも有名なのが、『ある晴れた日に』。
このアリアというものは、そのオペラの中のヒット曲ですね。
いかにヒット曲がいくつかあるかというので、その作曲家の値打ちも決まるんですけど。
蝶々さんというのは、ちゃんとした武家の家に生まれたんですけど、没落して、芸者さんになったんです。
で、15歳の時に長崎で、芸者さんでいて、それで、アメリカのピンカートンという海軍の士官のところに、まあ、お嫁さんにいったという事になって。
そこで一応、結婚式みたいのをするんですけど、あとになってみると、それは本当の結婚式じゃなかったっていう事がわかるんですけど。
でも、まあ、とってもいい男の人だったので、その人と結婚するっていう事になって。
丘の中腹にね、ピンカートンが、いいお家を買ってくれて、そこにスズキというお手伝いさんと住む事になって。
それで、1年後に子どもが生まれるんですけど、その前にピンカートンは国に帰ってしまう。
帰る時にね、「コマドリが巣を作る頃に帰ってくるから」って言ったんですね。
子どもも生まれちゃってね、金髪の青い目の子どもが生まれてるし。
もう3年も経って、その子、3歳になりました。
なのに、ピンカートン、帰ってこない。
そうすると、『ある晴れた日に』というのは、ある晴れた日に、彼が帰ってきたんじゃないんです。
ある晴れた日に、彼はこんな風に帰ってくるんだから、みんな、泣かないで待ちましょうと、彼女が、みんなを元気づける歌なんです。
だから、心が晴れるような日の、向こうね、水平線と船の煙。
それがどんどんどんどん、近づいてきて、港の方に入ってくると、真っ白い船体を現す。
アブラハム・リンカーンという、それは彼が乗っているはずの船。
それが近づいてきて、祝砲を鳴らして、どんどんどんどん、近づいてくる。
みんな、その港の方に行くけど、私は行かないのって。
今、私、これ、『ある晴れた日に』を説明してるんですよ。
それで、私は行かないの。
そんなところ行って、もしピンカートンさんを見ちゃったら、うれしくて死んじゃうかもしれないから、私はね、行かないの。
だから、私は丘の上でそっとね、彼が来るのを待ってる。
そうすると、夕暮れになって、人が、だんだんいなくなった頃、どこを探してもいないから、ピンカートンが、「蝶々さん!」って言って、丘の上を上がって、私を探しにくる。
でも、私はそれでも、まだね、隠れていて、それで、しばらくしてから彼を驚かせて、それで私が「ここにいます」って言ったら、「蝶々さん!」って言って、私を抱いてくれる。
そんな風に帰ってくるんだから、みんな、泣かないで待ちましょうっていうのが、この『ある晴れた日に』なんです。
もう、これだけだって随分、可哀想でしょ?それでは歌っていただきましょう。
どうぞ、『ある晴れた日に』です。
(会場の拍手)黒:みんな普通、今みたいに歌うでしょ。
でも私、いろいろコンサートでやった時に、これ長崎弁で歌ったら、どんな事になるんだと思ってね。
もともと長崎の人なんで、長崎で歌った方が感じが出るんじゃないかと思って、長崎弁でちょっと歌ってみたんですよ。
「よか天気で晴れとった日に」「海んあっちん方から」「煙ば見とっとよ船ば入ってく…」ちょっと、音が悪いですけど。
「今、あん人がうちんがたに来んね」「こげなよか事があってよかろかばってん」こういう風になるんですけど。
まあ、そうやって待っていたある日、祝砲が鳴って、白い船体が見えて、どうもアブラハム・リンカーンが入ってきたらしいっていう事がわかるんですね。
とうとう帰ってきたっていうので、ものすごく喜んで、じゃあ、あの方、お帰りになるわねって。
それを聞いて、もう本当に…。
今、おわかりのように、あんなに泣いてたんですから、もう喜んで。
これから…、花の二重唱っていうんですけど、お庭にある花を全部、スズキと、それから、3歳になった息子と、それから、蝶々さんと、3人でお花を摘んでね、そして、あの方をね、お待ちしましょうって。
もう本当に幸せの絶頂のようになって、そのお花を、こうやってまいていくんですけど。
その美しい、花の二重唱、これから聞いていただきます。
黒:あなたの本当のお母さんはね、こういう顔だったのよ。
私の顔を見て、よく覚えててちょうだい。
黒:とうとう彼が姿を現すんですけど、その時に、アメリカ人の奥さんを連れてきてるの。
でね、ピンカートンは、それほど、マダム・バタフライという蝶々さんが、自分の事を待っていると思わなかったのね。
のんきな顔して、どうしてるかなぐらい思って、その奥さん連れて、そこへ来るんです。
ところがそこに、アメリカの領事が「大変だ」って。
蝶々さんね、ずっと待ってたって。
それで、それ聞いて、そうすると、そのアメリカ人の奥さんがすごいんです。
「わかりました。
その子は私が養子にしましょう」。
「アメリカへ連れて帰って、私が教育をしましょう」。
「私が育てますから」。
旦那さんのピンカートンにね、「そうしましょう」って言うの。
で、その事を領事が、しょうがなく蝶々さんに伝えるんですね。
蝶々さんは、その前に、なんか、旦那になるとかいう人も出てくるし、お金持ちも出てくるし、いろんな人が出てきたのを全部断って、ただ一人、ピンカートンを待ってたのに、そんな、奥さんも連れてきて、子どもも連れていくっていうんだけど、考えてみれば、あの青い目をした金髪の子を長崎で、ここへ置いといても、食べていくお金ももうないんだし。
じゃあ、もう渡すしかないなと思った時に、お父さんからもらった小刀の事を思い出すんですね。
もし、誇りを失った時には、命を絶った方がいいと。
その刀で自殺をしろと。
お父さんに、そう言われた事を思い出して、自分はそうしようと、そこで蝶々さんは決めるわけですね。
これからの歌がそうなんですけど、『かわいい坊や』っていう。
この歌はね、金髪でね、青い目のお前を、海を越えて、アメリカに私がやるのは、どんなにつらいかわからないと。
だけど、お前、お願いだからね、私が、お前を捨てただなんて絶対に思わないで。
私は、あなたを本当に愛してたのよ。
だけど、私はあなたをね、あの人たちに渡さなきゃいけないから、どうぞ、お願いだから私の顔を覚えていて。
絶対にね、私があなたを捨てたなんていう風に思わないで。
天使のような可愛い坊や、本当にお願いですから、舞い降りてきたような可愛い坊や、お願い、泣かないでね。
私の事を忘れないで。
私の顔を覚えててちょうだい。
(会場の拍手)黒:もう、汗、すごい。
プッチーニっていう人は、やっぱり、すごいですね。
西:すごいですね。
プッチーニが人生の後半ぐらいには、もう映画が、もちろん生まれてまして。
彼も映画音楽にね、ちょうど着手する辺りだったんですけどね。
映画の作品を作ったら、また、それはそれですばらしい名曲を作られたと思います。
黒:それにしても、ピンカートンは、遊びのつもりではなかったんですよ。
人形のように可愛いって思ったんですよ。
お人形のように可愛いって思ったんだけど、そういう、自分の奥さんになる、アメリカ人の人のようには思ってなかったっていうところがね。
だけど、蝶々さんは旦那様だと思って、みんなが「蝶々さん」って言うと「私の事をピンカートン夫人と呼んでください」って言うぐらい、ずっと、それを信じて3年間待ってたっていう事なんで。
本当に、そこのところがプッチーニは随分ね…。
日本の大使館の、日本人の奥さんに随分、話を聞いたり。
今の日本の「タタタタタタン」とか、ああいう…。
西:『越後獅子』とか。
黒:『越後獅子』とか…。
西:『さくらさくら』も出てきます。
『豊年節』とか…。
黒:プッチーニは日本に来てないんだけど、それだけの、いろんな事をあの中に入れ込んで。
でも、それにしても、さっきおっしゃったように、また、バチカンからお話があったっていう事は…。
そんな、二度もなんていう事は普通ないですよね?西:そうですね。
一応、ホストオーケストラとしてはウィーン・フィルが毎年行っておりますけれども、あとはないです。
黒:でも、行った時、聞いたんだけど、私の知ってる、イタリア語をよくわかる人が立ってたら、あなたがこうやって、終わってね、タッタッタッて歩いてきたらね、「随分、可愛い男の子だね」って言ってたって。
向こうの人は、きっと指揮者っていうのには、男も女もないんでしょうね、きっと。
西:名前もね、私、前橋さんと同じ、サンクトペテルブルクに留学しましてね。
そのあと、サンクトペテルブルクの劇場と、モスクワのオーケストラに勤めましたけども。
名前が、ニシモトとかトモミとかっていうのは、これは男性名詞ですね。
黒:あ、男性名詞なの。
西:徹子さんはテツコだから、中性名詞なんですね。
黒:私、中性?西:リカさんとかね、こういう名前は女性名詞…。
これは、なかなかわからないです。
服装とか職業によって。
特に、ディリジォールっていう…。
指揮者っていうのはディリジォールっていうんですけど、ディリジォーラとか、普通は変化するんですが、特にしないです。
黒:ないのね、それが。
だもんだから、あなたの事を見た時、多分…。
大概、それで、ほら、指揮者は男っていう頭が、みんなの中にあるんでしょ、イタリア人も。
だから、あなたがこういう風に歩いてらしたら、「う〜ん、可愛い男の子だね」って。
なんかね、「男の子にしちゃ可愛いね」とか、いろんな事を、みんなが言ってたっていうからね。
西:女の子にしたらどうなんでしょうね。
そこ聞いてみたかったんですけど…。
小:いつまでも聞いていたいなと思ったんですけれども、ことによると、この会場の延長料金を徹子さんに請求しなければいけなくなってしまうので、そろそろ、お時間の方で。
でも本当に、西本さん、すばらしいお話、ありがとうございました。
黒:本当にね、すばらしい指揮でした。
『徹子の部屋のテーマ』黒:『徹子の部屋』は、お昼12時。
ナレーション:今年で39年目に突入。
延べ1万人ものゲストをお迎えした、『徹子の部屋』が…。
ナ:記念すべき最初のお客様は、俳優、水谷豊さん。
その他、豪華ゲストが続々登場。
お昼12時の顔、『徹子の部屋』をお楽しみに!黒:『徹子の部屋』お引っ越しまで、あと7日。
黒:最後、フィナーレは、さっきまで、お出になった方、全部に出ていただいて、それぞれの分野で加わっていただく事になっております。
どうぞ皆様、こちらにいらして。
蝶々夫人もいらしていただいて。
小:どうぞ、拍手でお迎えください。
黒:前橋さんもいらしていただいて。
レ・フレールも来ました。
それで、後ろが東京フィルハーモニー交響楽団の、みんなで、一体何をするのだろうとお思いでしょ?皆様。
じゃあ、ちょっとやってみます?これが今日のフィナーレです。
小:お願いいたします。
2014/03/25(火) 13:20〜13:55
ABCテレビ1
徹子の部屋[字]
〜黒柳のオペラ面白解説〜昨日に引き続き『徹子の部屋クラシック』の模様をお送りします♪黒柳さんがオペラの名曲を独自の視点で解説。世界的指揮者・西本智実さんも登場!
詳細情報
◇番組内容
大盛況だったコンサート『徹子の部屋クラシック』2日目は、黒柳さんによる人気オペラのオモシロ解説!世界的指揮者の西本智実さんと、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏によるプッチーニの名作「蝶々夫人」。このオペラの名曲を、黒柳さんが独自の視点で解説する。
◇番組内容2
元々は西本さんのコンサートに黒柳さんが飛び入りで解説を加えたのがきっかけというこの企画、これを聴けば、蝶々夫人の全てがわかるというが!?また、番組のテーマ曲を西本さん指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏にレ・フレール、前橋汀子さんも加わった超豪華クラシックバージョンでおくる。
◇おしらせ
☆『徹子の部屋』番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/
4月1日(火)から、テレビ朝日のお昼が変わります!12時からは『徹子の部屋』。黒柳徹子さんが“お昼の顔”として登場です!
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