どこかで耳にしたあのクラシックをあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?今日の名曲はこちら。
(「愛の喜び」)喜びに沸き立つようなバイオリンの名曲。
ウィーン生まれのバイオリニストクライスラーが地元で親しまれている音楽「ウィンナワルツ」を取り入れて作りました。
ウィーンの華やかさと気品に満ちたこの曲は世界的なヒットとなりました。
曲の中にあふれるウィーンの薫りの秘密を作曲家の美濃さんが解き明かします。
女性のドレスがふわっとなったのが収まるまでの間隔とも言われてるんですよ。
天才の名をほしいままにしたクライスラーでしたが作曲家としては奇妙な事をしていました。
彼は何を目指していたのでしょうか?クライスラーの人物像から見つめます。
「ららら♪クラシック」今日はクライスラーの「愛の喜び」をご紹介します。
ウィーンの舞踏会を感じさせるような華やかなワルツの曲ですよね。
それでは本日のお客様をご紹介しましょう。
女優の紺野まひるさんです。
よろしくお願いします。
紺野さんは宝塚ご出身という事なんですけれどもその紺野さんが今クラシックについてお知りになりたいというのはどういう理由から?ちっちゃいころからピアノとクラシックバレエをやっていてクラシックを聴く機会は何度もあったんですけど赤ちゃんが生まれて大きくなった時に「これはどういう曲なの?」って聞かれた時に何も答えられない親になっているなと思ったのでせっかくだから深く知りたいなと。
ちなみにね今日ご紹介する曲はピアノとバイオリンの小品なんですが。
私ピアノと弦の合奏が大好きで「ええ〜!ぴったり私に!」と思ってしまいました。
「愛の喜び」はですね作曲者は天才バイオリニストと言われたクライスラーという人なんですね。
という事でここでクライスラーの生い立ちについてザッとご紹介したいと思います。
ウィーンに生まれたフリッツ・クライスラーは音楽好きの父親からバイオリンの手ほどきを受けて…そしてその後フランス政府の奨学金を得て…翌年からアメリカでデビューしてその後は人にバイオリンを学ぶ事はなかったという事なんです。
まさに本当に20世紀の前半を代表するバイオリニストクライスラーなんですがなんと…僕が生まれたのが1960年なので2年重なってますね。
もしかしたら小さい頃に見られたかも。
でもこの番組で今まで紹介したいろんな音楽家がいるんですがその中では僕たちの世代に一番近いモダンな音楽家なんですね。
それでは今日も名曲をひもとく3つのキーワードを見ていきましょう。
最初のキーワードはこちらです。
20世紀前半世界中を魅了したバイオリニストフリッツ・クライスラーは実は日本にも来ているんです。
大正12年に来日したクライスラーは東京や京都などで演奏会を開催。
東京の帝国劇場では特等席が15円。
当時国家公務員の初任給のに相当する高価なものでしたが各地の公演はどの会場でも満員の大盛況でした。
クライスラーの演奏が残されています。
その甘い音色を聴いてみましょう。
クライスラーは音楽の都ウィーンで生まれ活躍しました。
この街には地元の人々の誇りでもある音楽「ウィンナワルツ」があります。
ウィンナワルツといえばこの曲。
ウィンナワルツは街なかのカフェや道端など身近な場所でも聴く事ができる親しみやすい音楽で今もなおウィーンの人たちから愛され続けています。
舞踏会などで使われる音楽としてウィーンの作曲家たちによって確立されたウィンナワルツ。
独特の3拍子を刻み優雅で上品でありながら官能的なのが特徴です。
ウィーンでこのワルツを耳にしながら育ったクライスラーは自分が目指す音楽について次のように語っています。
クライスラーって人は…ウィーン風ワルツはウィーンに住んでる人たちみんなの心のよりどころであり愛するものなんですがクライスラーはそのワルツに乗せて自分のバイオリンを使って…クライスラーはウィンナワルツの特徴を取り入れた数々の曲を書きました。
それらの作品の中でも特に人気が高かったのが彼が35歳の時に出版された「愛の喜び」。
軽やかで心地よいこの曲は当時の先端技術SP盤レコードによりヨーロッパのみならず世界中で愛される曲となったのです。
ウィーン風ワルツを愛した天才バイオリニストどうご覧になりました?軽やかな曲を作りたい。
みんなに親しまれる曲を。
ほんとにそのとおりの曲の…。
「愛の喜び」が軽やかでそのものの曲が表れてるなと思いました今。
なかなか芸術の世界って割と重くて暗くて重厚なものが評価されるんですけれどこうして見るとクライスラーみたいな軽やかな天才っていうのもいいですね。
紺野さんはウィーンについてはどう思われます?音楽の街っていうイメージが一番ですね。
音楽家がいたり。
街自体も。
美濃さんはもうウィーンは好きですもんね。
そうですね。
ほんとに音楽にあふれてますしあとホイリゲとかワイン酒場があったりとかあとカフェ文化とかなんかこう日常をとても楽しんでる人たち。
おしゃべりしながら飲んだりワイワイとしてる印象がありますね。
なんかでもおしゃれで楽しそうですね。
さあでは突然ですけれどもここで「ららら♪クイズ」。
天才バイオリニストクライスラーは音楽家として非常にユニークな面がありました。
この中でクライスラーが実際にやった事はどれでしょうか?私はやはり音楽院を10歳で1番で卒業したやっぱり天才だと思うので3番。
いつだってぶっつけ本番。
答えは123全部正解。
えっ!?え〜!そうなんですよね〜。
各地の演奏旅行で名声を獲得した後に…お勉強もできたんですね。
そうなんです。
さあそしてこちらなんですけれども奥様のハリエットと撮った軍服姿のクライスラーなんですね。
彼は二十歳の時に陸軍に入って毎年軍事訓練を受けていました。
第一次世界大戦では最前線に配置されて負傷して除隊したんですね。
大尉まで昇進した。
そして紺野さんが選ばれた「練習せずにぶっつけ本番」。
これも確かに正解という事で大の練習嫌いで一日中楽器を触らないなんていう事はよくあってそのために奥様のハリエットが時計で練習時間を計って最低30分はやるようにと監視したりしていた事もあった。
でも30分でいいんだ。
やっぱり天才なんです。
そうなんですよね。
でもいろいろと意外な面が見えてきました。
びっくりしました。
さあでは続いて「ららら♪クイズ」第2問。
クライスラーは作曲家としてはちょっと奇妙な事をする人でした。
それはどれでしょう?でも1番はありそうですよね。
「楽譜は自分で書かない」。
例えば口で伝えるから書いてとかっていうような。
では1番。
残念です!正解は2番。
なぜ?なぜでしょうね。
偉大なバイオリニストだったクライスラーですが作曲家としては奇妙な事をする人でした。
曲が出来て一安心のクライスラーが取り出したのは音楽事典。
熱心に勉強…と思いきや見ているのは作曲家の名前だけ。
古い時代の作曲家の名前を調べていたのです。
そして出来上がった曲の楽譜にはなんと自分の名前ではなく事典にあった名前を署名。
この曲は「昔の作曲家の作品」という事にしちゃったのです。
そして自分の名前は編曲者としてひっそりと載せるにとどめました。
(「愛の喜び」)今では彼の代表作となっている「愛の喜び」も初演された頃は昔の作曲家の作品として紹介されていたのです。
例えばクライスラーが35歳の時に出演したある演奏会。
プログラムにはクライスラーの作品と並んでランナーという昔の作曲家の作品2曲が載りました。
しかし本当は3曲ともクライスラーの曲だったのです。
すると当時の著名な批評家がクライスラーに対し思いがけない非難の声をあげました。
この言葉にカチーンときたクライスラーは真相を告白。
クライスラーはなぜ偽ったのか。
彼自身は次のような言葉を残しています。
程なくクライスラーは「愛の喜び」を自分自身の作品として出版しましたがなお多くの曲を違う作曲者の名前で演奏し続けました。
時は流れクライスラー60歳の時世間をあっと言わせる事件が起こります。
彼の新たな楽譜の出版を機に真実が公表されたのです。
海を越えアメリカヨーロッパを巻き込む大騒ぎとなりました。
「問題は彼のした事がもたらす倫理的な面だ」。
「まあまあ…。
クライスラーにしゃれたかつぎ方をされた事を認めようではないか」。
いやいや…騒々しい論争ですなぁ。
クライスラーが名前を偽った原因は当時の音楽家を取り巻く状況にもあったといいます。
当時…クライスラーはやっぱり時々残念に思う事があったんでしょうね。
彼は自分の作った作品を正当に先入観なく聴いてもらって認めてもらいたかったんじゃないかなと思います。
クライスラーってとっても楽しい人で陽気な性格でしたのでしょっちゅういろいろなイタズラもするような人でしたからほんのイタズラ心で過去の作曲家の名前を語ったんだと思います。
まさかこんなに大勢の人がそれを真に受けてこんなに長い事信じてしまうなんて本人が一番びっくりしてたんじゃないかなと思います。
紺野さんクライスラーは日本でも実は作曲者を偽っていたんですよね。
びっくりしました。
驚きましたよね。
さあこちらなんですけれどもこれは大正12年1923年にクライスラーが来日した時帝国劇場で行った演奏会のパンフレットを複製したものなんですけれども…。
かわいらしいですね。
そして中を開けるとこの中に曲目や作曲者…プログラムですね。
その曲目の中身を大きくしたものこちらパネルでご用意したんですがクライスラーの作品「ラプレシューズ」。
邦題は「上」貴婦人の事ですね。
現在は「才たけた貴婦人」という名のこの曲。
ルイ・クープラン作曲クライスラー編曲というふうに書いてありますが実際この曲はクライスラーの作品なんですよね。
そして隣の曲ですね。
邦題は「変奏曲」なんですけれどもこれがタルティーニ作曲クライスラー編曲となっているんですけれどもこれは実際クライスラーの作品。
仮にこういう昔の有名な作曲家の名前で作品だっていうふうに言われたらよく聴こえたりすると思います?でもやっぱり興味は惹いてしまいますね。
でも「シメシメ…」と思っていたかもしれないですね。
作家の世界にはそういう方いらっしゃるんですか?僕今やってました。
今ライトノベル書いてるんですけどそれは別のペンネームで書いてます。
そうなんですか!なぜですか?でも確かにそういうのは面白いかもしれないですね。
そう。
美濃さんだって別のペンネームだったら…。
やってみたいと思ってるんです。
いつか自分で作詞作曲した時は「大空まつげうぶげ」みたいなそういう名前で出したらいいなみたいな。
漫才コンビみたいな。
そういうのちょっと考えたりしてますけどね。
さあクライスラーを非難した批評家たちなんですけれども「偽の楽譜をつかまされた人たちが作曲家や出版社に損害賠償を要求する結果は興味深い」と言っていたんですが逆に名前を偽った楽譜を記念に欲しいといって注文が殺到したそうなんですよ。
だからこういう効果というかクライスラーのチャーミングさをファンは受け止めたというような感じでしょうか。
批評家が考えているより圧倒的にクライスラーの人気があったって事じゃないですかね。
そうですね。
ですから音楽で人々を楽しませて自分も楽しんだっていうクライスラーは遊び心とかユーモアもある人だったんですね。
紺野さんこういうクライスラーみたいな男性どう思います?恋人にするのも夫にするのもいつか私もだまされてしまうんじゃないかなと思うと怖いのでちょっと距離を置きそうなタイプですね。
えっそうですか?すてきだなとは思うんですけれど。
いやここはいきましょうよ。
(笑い声)クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!質問に答えてくれるのは…番組ではクラシックにまつわるあなたの疑問・質問をお待ちしていま〜す!今日の名曲は…天才バイオリニストクライスラーがウィーンの人たちに親しまれている音楽ウィンナワルツを取り入れて作りました。
しかしクライスラーは当初これを含むいくつもの曲を昔の作曲家の作品として紹介していました。
後にこれらがクライスラーの作品である事が公表されると行動の是非を巡って…そして作曲家の美濃さんが解き明かす最後のキーワードは…。
さあこの「愛の喜び」なんですけれどもウィーンの薫りが満載の曲なんですね。
ここからのコーナーはバイオリニストの奥村愛さんにもお手伝い頂いて進めていきたいと思います。
(一同)よろしくお願いします。
奥村さんにとってはこの曲どんな存在というか…。
すごい華やかでやっぱり知ってる人が多いっていう意味では演奏する機会は多いんですけど実は結構弾きにくいんですよ。
音程が取りにくいというか。
でも弾けば弾くほどだんだん好きなってきたので最近はやっぱり取り上げる事は多いですね。
非常にウィーンらしさみたいなものっていうのは曲の中から感じますか?社交界的な感じはしますよね。
華やかに始まって途中ワルツ感が出てて。
どういうところがウィーンらしいかというとウィンナワルツを取り入れているんですね。
ウィンナワルツの特徴はリズムなんですけれどもワルツっていうとね3拍子。
ブンチャッチャブンチャッチャ…というのが普通ですね。
これが均等なワルツのリズムなんですけれどもウィンナワルツは2拍目を少し早めに先取りして3拍目までの間をちょっとためた感じになるんですね。
ちょっと弾いてみると…。
大げさにやるとこういう感じ。
ズジャッジャズジャッジャ…っていうこういうリズムの中で作品がどんどん進んでいくんですね。
この曲では実際にどんなふうになっているのか「愛の喜び」の一部を弾いてみたいと思います。
このリズムは舞踏のステップを反映したもので2拍目と3拍目のこの間のためっていうのは一説によると女性のドレスがふわっとなったのが収まるまでの間隔とも言われてるんですよ。
ああ〜!ちょっと想像できますでも今。
回ったあとのふわっとした感じですよね。
もうそれだけでおしゃれなリズム感ですね。
ではもう一つ「愛の喜び」には注目すべき点があるんですがワルツというと男女の踊りなんですけれどもそんな2人の関係性を感じさせる部分をご紹介したいと思います。
こんなメロディーが出てきます。
これが曲の中でバイオリンとピアノによってこんなふうになるんですね。
ほんとに男女が楽しく会話してるように聴こえましたね。
しかもなんかやけにうれしそうですよね。
うれしそう!楽しい事話してる感じですね。
ヒソヒソしながらもイチャイチャしてる感じですか?そうですね。
小鳥がさえずり合っているような。
もうね〜こんな曲を聴きながら踊ってるんだ。
ウィーンの人羨ましいですね。
すてきです。
(拍手)すてきでした。
今まである一組のカップルの24時間を愛のささやきをこうやってる曲かと思ってたんですけど今日改めて聴いたら小学生からもうおじいちゃんおばあちゃんまでのいろんなカップルが会話してるように聴こえました。
へぇ〜!大人な感想ですね。
ほんとですね。
いや僕はねすごいなと思いました。
先ほど奥村さんがおっしゃったじゃないですか最初の入りのところ重音でとても音程が取りにくくて難しい。
でもそういう超絶技巧みたいなものを全部楽しみとか華やかさに使ってしまっている。
なんか重苦しくならないんですよね。
いつもこの番組で扱う作曲家って割と重くて暗くて人生大変だって人が多いんですけど今回のクライスラーはほんとになんか明るく爽やかでクリスピーという珍しい音楽家ですよね。
衣良さんすっかり魅了されてますねクライスラーに。
あのね僕ねこういうふうに生きたいなと思うんですよ。
是非これからでも…。
そうなんですけどでも実はなかなかね…今から医学部行くにも大変ですしね。
そんな事言わないでトライしてみては…?「ららら♪クラシック」人生を彩る一曲があなたとの出会いを待っています。
2014/02/10(月) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「仮装?奇想?名演奏!〜クライスラーの“愛の喜び”〜」[字][再]
ウィーンのワルツの様式を取り入れたこの曲は、世界的なヒットとなった。しかしクライスラーは、奇妙なことをする“習慣”があった。作曲者の人物像や曲の魅力に迫る。
詳細情報
番組内容
20世紀前半を代表する天才バイオリニスト、クライスラーは、ワルツをこよなく愛し、故郷のウィンナー・ワルツの様式を取り入れた「愛の喜び」を作曲。各地で行ったリサイタルだけでなく、当時の先端技術だったSP盤レコードに録音されたことなどにより、この曲は世界的なヒットとなった。しかし彼は、作曲家としては奇妙なことをする“習慣”があった。クライスラーの人物像を見つめながら、この曲の魅力をひも解いていく。
出演者
【ゲスト】紺野まひる,【出演】バイオリニスト…奥村愛,作曲家・ピアニスト…加藤昌則,【司会】石田衣良,加羽沢美濃
ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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