きょうの健康 胃と食道の病気 最新情報「機能性ディスペプシア」 2014.03.10

(テーマ音楽)正しい健康情報を分かりやすくお伝えする「きょうの健康」です。
今週お伝えするのはこちら…4日間ご覧のような胃や食道に起こる病気を1つずつ取り上げていきますが今日のテーマはこちら。
このディスペプシアなんですがこちらをご覧下さい。
ディスペプシアというのは胃の痛み胃もたれまた食べてもすぐおなかがいっぱいになる早期満腹感などみぞおちを中心とする症状の事をいうんです。
今日お伝えする機能性ディスペプシアという病気は2013年から健康保険で治療ができるようになった病気なんです。
また今年は診断治療のためのガイドラインも出来ています。
では今日お話を聞く方をご紹介します。
今日お話を聞くのは…内科医で特に胃や食道など上部の消化管の診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
機能性ディスペプシアという病気は新しい病気になるんですか?そうですね。
ディスペプシアというのはみぞおちを中心とする症状の事をいうんですが潰瘍とかがんとかさまざまな病気がディスペプシアの原因になるんです。
ところが明らかな病気が見つからないのにこのディスペプシア症状が出る人がいてその人たちが「異常ないよ」とかあるいは「慢性胃炎だよ」というふうに言われたんです。
ところが慢性胃炎というのはもともと胃の炎症がある人です。
そのような人たちは必ずしも炎症がない場合もあるのでちょっとおかしいなという事になりました。
調べていくとそのような人々が胃の働きあるいは胃の機能が異常で症状が出ている事が分かってきたので機能性ディスペプシアと呼ばれるようになってきました。
この機能性ディスペプシアの人は多いんですか?人間ドックの人を調べると大体10人に1人ぐらいは機能性ディスペプシアに当てはまると。
実際には日本人の5人に1人ぐらいは機能性ディスペプシアの患者さんにあたるのではないかと考えられています。
食べ過ぎた時などに一時的に胃もたれを起こすという場合もあると思うんですがそれは機能性ディスペプシアには…。
誰でも胃の調子が悪くなる事はありますのでたまに起こるだけあるいはこの場合には食べ過ぎという事がはっきりしているのですぐに機能性ディスペプシアという診断名がつく事はありません。
ただどれぐらいになったらこの病気なのかという事をはっきりさせるために診断基準がガイドラインでは設けられています。
その診断基準ですが…。
診断基準は胃もたれあるいはすぐおなかがいっぱいになってしまうという早期満腹感あるいは胃の痛み。
これらが大体1週間に2〜3回以上継続して慢性的に起こる場合機能性ディスペプシアの診断をつけようという事になっています。
そしてこの機能性ディスペプシアは胃潰瘍とかがんとかそのほかの病気があるといけませんので胃の内視鏡をしてほかの症状がない事を確かめる事になっています。
その機能性ディスペプシアですが何がきっかけで起こるんでしょうか?久田さん。
ではよくある例で見ていきましょう。
こちら。
35歳の会社員女性Aさんの例です。
Aさんは周囲への気配りができ仕事上のミスも少ないなどきちょうめんな性格です。
そんなAさん1年前に管理職に抜てきされると残業が増えて睡眠時間は減りストレスからか布団に入っても熟睡できない日が増えました。
するとそのころから食事をするとすぐおなかがいっぱいになるようになりました。
数か月たっても状況は変わらず胃の不快感から仕事もはかどらなくなり受診したところ機能性ディスペプシアと診断されました。
Aさんせっかく昇進してよかったんですけど調子悪いみたいですね。
食事をするとおなかがすぐいっぱいになるという事なんですがAさんの場合は職場の環境が変わったという事がやはり影響しているんですか?そうでしょうね。
機能性ディスペプシアの患者さんはきちょうめんな人だとかあるいは周りに気を遣う人が非常になりやすいといわれています。
またストレスがきっかけでこういう症状が出ると考えられています。
ストレスのほかにピロリ菌ですとかあるいは食事あるいは生活のリズムが乱れるとかあるいは胃酸。
このような要因などが働いて機能性ディスペプシアの症状が起こるのではないかといわれています。
こういった事がありますと具体的には胃にはどんな異常が出てくるのでしょうか?このような要因が胃の運動機能異常とか胃の内臓知覚過敏などを起こすと考えられています。
では1つずつ伺っていこうと思います。
まずこの運動機能の異常ですね。
これはどういう事になりますか?これは胃の図ですが食事は入ってから胃から出ていくんですね。
胃が運動しているので入ってから出ていくという運動がスムーズに行われると。
ただ胃の運動が悪くなると排出が遅くなって胃の中に食事が残っているので胃もたれを感じると考えられています。
ただ最近はこのほかにも運動の異常が見つかっているんです。
ほかにあるっていう事ですか?はい。
実は食事が入ってくると胃が膨らむという事が分かります。
特に胃の上の方が膨らむ事が分かってきています。
この胃の膨らみが悪いと…。
食べても膨らんでいかないという事になると食べてもすぐにおなかがいっぱいになるという症状が出てくると考えられています。
これが運動機能の異常という事ですね。
もう一つ内臓知覚過敏というのがあるんですがこれはどういう事ですか?歯茎に知覚過敏というのはよく聞かれると思うんですが胃にも知覚過敏というのがあるんです。
普通は…例えば胃酸ですが胃酸が胃の中にあると。
我々はあまり感じないんですが機能性ディスペプシアの人では胃酸が非常に多いという訳ではなくても胃酸に対して反応して症状が出る事があります。
つまり胃酸の刺激に敏感だというのが一つこの知覚過敏なんですね。
先ほどのAさんの場合ストレスが原因という事もありましたが胃の調子が悪いってなるとこれ自体がまたストレスにつながっていくっていう事もありますよね?そうですね。
ストレスが運動機能異常を起こす。
そして内臓知覚過敏を起こす。
そして症状を起こしてそれがまたストレスになるというこの悪循環を形成する事が非常に問題です。
この悪循環で症状が悪くなっていくという事です。
症状が長引くと精神的あるいは肉体的にもつらいだけじゃなくて仕事に身が入らないとかそういう事で社会的にも影響を及ぼす事になりますので早めに治療を受ける事が大事だと思います。
どこかで断ち切らないといけないという事なんですがでは機能性ディスペプシアと診断された時なんですがどういう治療になりますか?先ほどのAさんの例で見ていきましょう。
Aさんは胃の運動機能に異常があったため胃の運動機能を改善する薬を使う事になりました。
ところが薬を服用して4週間たつものの症状はまだ残っていました。
そこでAさんの場合職場のストレスが大きな原因という事が分かっていましたので精神的な治療として抗不安薬も服用する事になりました。
すると4週間後にはほぼ症状がなくなりその後はストレスをためないように注意した事で薬も必要なくなったという事なんです。
Aさんの場合最終的には抗不安薬で治療を行ったという事なんですがまずはやはり胃の運動機能を改善するお薬ですよね。
この胃の薬というと具体的にはどういったものを使っていくんですか?治療薬にはいくつかの種類があるんですが大きくですね最初は運動機能改善薬あるいは胃酸分泌抑制薬で治療するのが一般的です。
これは第一選択になるんですが運動機能改善薬としては2013年の6月に機能性ディスペプシアの治療薬としてアコチアミドという薬が世界で初めて使用できるようになりました。
この薬は胃の排出をよくして症状をとろうという薬です。
そして知覚過敏がある場合には胃酸に対して非常に感じやすいので症状が出てしまうという事で胃酸分泌抑制剤を使う事が一般的です。
これらで症状がとれない時には漢方薬。
六君子湯という漢方薬は非常に研究されて効き目もある程度あるんですが…。
あるいは抗不安薬。
これらの薬が使われます。
初期治療で効くか効かないか判断するのは約4週間という事でこれであまり効果がない場合には次の治療に移る事がいわれています。
Aさんの場合もそうでしたが薬の治療というのも一つ大事なんですがやはりトータルで見るとストレスに対しての対処も必要になってくるという事ですかね。
実は薬だけじゃなくて医療機関を受診してお医者さんに話を聞いて頂くというだけでかなり楽になる人もいますしあるいはがんとか潰瘍とかを除外するために受ける胃カメラですね。
胃の内視鏡検査で何も異常がないと分かるだけで症状がすっかりなくなる人が3割ぐらいいるといわれています。
非常にストレスをとるという…あるいは不安をなくす事は大事なんです。
だいぶ患者さんも話すと雰囲気が変わりますか?だいぶ変わってきますね。
ストレスが関係している事を知る事も大切な事ですね。
そしてこの機能性ディスペプシアを悪化させる要因としていろいろありましたがこのピロリ菌についてはどう対処していけばいいんでしょうか?ピロリ菌が見つかった場合には是非とも除菌をお勧めします。
というのはピロリ菌が機能性ディスペプシアの原因でない場合もあるんですが除菌する事によって将来的に起こってくるかもしれない胃潰瘍とかあるいは胃がんのリスクを下げるという意味でも是非除菌された方がいいと思います。
これは保険適用になっているんですね?2013年の3月からピロリ菌胃炎というのが保険適用になっておりますので健康保険で受ける事ができます。
そして食事や生活習慣なども関係しているという事ですがこれはどうしていけばいいですか?結構食事とか生活習慣が関係しているんです。
我々は機能性ディスペプシアの患者さんとそうでない人と比べた事があるんですが機能性ディスペプシアの患者さんでは食生活が乱れている…。
特に朝食をとらないとか運動が少ない睡眠が少ないなどの傾向があったという事が分かります。
こういう事を直していく事が症状の改善にもつながると思います。
では今日のまとめをお願いします。
機能性ディスペプシアはストレスと密接に関係しています。
そして特徴的な症状が胃もたれと胃の痛みです。
そして適切な治療をすれば治ります。
ですから慢性的にこの症状が続いている人は是非とも医療機関を受診して治療を受けて頂きたいと思います。
胃が痛いというとそれ自体が悪いというのが胃の病気かと思っていたらそうじゃない原因がたくさんあるんですね。
ストレスが関係しているんですね。
しかも悪循環で悪化するので早めに診断という事ですね。
三輪さん今日はどうもありがとうございました。
明日も是非ご覧下さい。
2014/03/10(月) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 胃と食道の病気 最新情報「機能性ディスペプシア」[解][字]

胃もたれ、早期満腹感、胃痛といった症状があるのに、内視鏡検査では異常がない機能性ディスペプシア。放置すると著しく生活の質が低下することがあるため、早期治療を。

詳細情報
番組内容
胃もたれ、早期満腹感、胃痛など、みぞおちを中心とする症状が長く続いたら、機能性ディスペプシアの可能性が。内視鏡検査をしても炎症がみられないため、これまで適切な病名がつけられなかったが、つらい症状で悩む人が多いことから、新たに病名として認められた。的確な診断と治療のためにガイドラインが作られている。また、新しい機能性ディスペプシア治療薬も世界に先がけて2013年6月から日本で使用できるようになった。
出演者
【講師】兵庫医科大学教授…三輪洋人,【キャスター】久田直子,古賀一

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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