(め以子)あ…いらっしゃいませ。
(室井)どうも。
…誰?
(泰介)へえ〜室井さんそんな格好つけてんの。
「どうも」…やって。
(静)すけべえがほとばしっとるであれ。
何やってるんですかもう。
いつの間にかぴた〜って横座っとる。
女の人の方は…。
まんざらでもないみたいやわ。
今日は蔵座敷が連れ込みになる日ぃかもしれん。
かなんな〜。
泰介。
あんた何やってんのもう。
いや…。
室井さんやったらのぞいてもええんちゃうかなて。
いい訳ないやろう。
ちょっと…。
お母さん…。
はっ!・「突然偶然それとも必然?」・「始まりは気付かぬうちに」・「予報通りいかない模様」・「そんな時こそ微笑みを」・「ポツリポツリと町の色変わってゆけば」・「傘はなくとも雨空に唄うよ」・「どんな君でもアイシテイル」・「顔を上げてごらん光が照らす」・「涙の河も海へと帰る」・「誰の心も雨のち晴レルヤ」雪のようだね。
(戸が開く音)失礼します。
あ…御飯来たかな。
御飯はまだなんですけど…。
奥様がお着きです。
おく君?そんな知り合いいないけどね〜。
(桜子)お久しぶり室井さん。
えっ?まあ仲良し?蚊!蚊がね。
(路代)あの先生?うん?あっ…。
うんもういいから。
えっ?うんいいから。
もういいから。
ごめんね。
うんうんはいはいは〜いは〜いまたねごめんね。
はいはいはい。
は〜いは〜い。
は〜いどうもどうも。
は〜い。
は〜いどうもどうも。
はいお世話さま。
失礼しま〜す。
追い出す事なかったのに。
何しに来たのよ!興味あるじゃない?自分の旦那がどんな相手と交際してるのか。
悪趣味だよ。
のぞきなんて。
ハッ!誰が言ってんの?楽しかった?文通。
関係ないでしょ。
もう僕たち別れてるよね。
そういう解釈でいいよね?楽しかった?…はい楽しかったです。
あの…彼女は僕の文学を理解してくれてまして。
ディケンズだとか西鶴だとか。
そうなんだよ。
その感性がすばらしいんだよ。
「涙でその字が流れても」も読んでて。
そうそう。
発禁になったやつまでどうにか手に入れて読んでくれて。
「阿呆の佛」はまさに集大成!…え?えっ?ちょっとえっ?ちょっと待って。
えっ?ひょっとして…僕が文通してたのって…。
あっ!ひどい事するなあ。
ねえちょっとかわいそうですよね。
あんさんはどないな関係の…?あっ私民子のめいです。
民ちゃんの?
(路代)はい。
ちょっとアルバイトしてって頼まれて。
桜子さんの手紙も清書して受け取りもしてたんです。
「『塩と砂糖』の話が出ましたが路代さんあなたは砂糖のような人だ」。
やめて!「全てを甘くま〜るく包み込む。
白状しよう。
僕はあなたの事を思わない日はない」。
ごめんなさい!「思えばずっとしょっぱい女房に支配されていました」。
ごめんなさい!「偉そうで気まぐれで」。
いや嘘!それ嘘だから!「あまつさえ戦争中に僕を放り出すような女だ。
ひどくない?普通そんな事する?しないよねえ」。
(室井)ごめんなさい…。
ひどいでしょう!いきなり文体が変わって。
雑。
室井さんは大作家になったんだからこんな手紙書いちゃ駄目よ。
書簡集って出るのよ死後。
あの作家がふだんどんな事を考えてたのか書いてたのかってみんな読むんだから。
この文体の混乱はない。
桜子ちゃん?でも手紙に書いてた事はホント。
「阿呆の佛」はホントに面白い。
バカバカしくてくだらなくて猥雑で。
でも根底に焼け跡を生き抜く人たちへの愛がある。
命への愛がある。
ねえ…「阿呆の佛」を書かせるために僕の事追い出したの?室井さんを走らせるには過酷な状況が必要だから。
どうしても読んでみたかったの。
室井さんが焼け跡で描く物語を。
ひどいよ。
ごめんね。
ひどいよ桜子ちゃん。
もう…もうもう。
大好きだよ!泣く事ないがな。
よかったなって。
元のさや納まって。
東京戻って民ちゃんに会ってね。
それでめいごさん紹介してもらったのよ。
女優志望だからいい勉強にもなるかもって。
そうだったんだ。
め以子の事はさっき室井さんから聞いた。
何て?いろんな事が宙ぶらりんなままだって。
かっちゃんを殺したんは何やかんや言うて行かしてしもた私やと思ってる。
私が変わらなあかんて思ってるんやけどね。
かっちゃんの事考えたらやっぱりかわいそな気ぃがして。
私だけは許したらあかんような気ぃがして。
出口が見つからんのよ。
室井さんにお布団ええの?うん。
後でもっかい行くわ。
そうか。
お母さん僕らには話されへんのかな。
本音いうか。
アメリカの事か?まあ近すぎるいうんはあるかな。
あの子が本音をぶつけたらどう言葉選んだかて泰ちゃんも希子ちゃんも責める事になってしまうやろし。
まあ当分はこんなあんばいでいくしかないやろな。
何や孤独やなお母さん。
周りに人おっても一人なんやな。
当たり前やんかそんな事。
人はみんな一人や。
それぞれ勝手がちゃう。
理屈もちゃう。
せやからこそ腹の底から一つになれる瞬間いうんはごっつうありがたいんやって分かるんやで。
(倉田)こんにちは。
こんにちは。
(倉田)若ゴボウもうてんけどなちょっと何かしてくれへんかな。
ああきれいですね。
(倉田)せやろう?あっ倉田さん。
えっ?お姉さんて会うてはります?うん。
ちょくちょく手紙でやり取りしたりはしてるけどな。
何ぞあるんか?どないしてはるかな思て。
近頃昔のお姉さんの気持ち分かるようになってきてまあ…少しなんですけど。
いらっしゃいませ。
ソービューティフル。
サンキュー。
ウッドユーライク?アイハブアカップオブコーヒー。
ミートゥー。
サートゥンリー。
(源太)何や花が咲いたようやな。
(馬介)ホンマになあ。
どないしたんや?腹の底から一つになれる瞬間てどんなもんかな?
(諸岡)西門。
はい。
(川久保)泰介君。
何ですか?僕はね平和主義者やけどこれは闘わなあかんと思うんや。
断固闘うべきや。
えっえっちょっと待って下さい。
何と闘うんですか?GHQや。
生字幕放送でお伝えします2014/03/25(火) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 ごちそうさん(146)「とんだごちそう」[解][字][デ]
ファンだという路代(逢沢りな)にべたべたする室井(山中崇)。が桜子(前田亜季)の突然の登場に動揺する。啓司(茂山逸平)らが激高して泰介(菅田将暉)を訪ねてくる。
詳細情報
番組内容
蔵座敷に来た室井(山中崇)のファン・路代(逢沢りな)は、美しい女性だった。べたべたする室井の前に桜子(前田亜季)が現れ、室井はろうばいする。すべては桜子の策略で、驚くような意図があった。め以子(杏)は、桜子との再会を喜び、前に進めずにいる思いを打ち明け、静(宮崎美子)と泰介(菅田将暉)は、め以子の孤独を思いやる。そんなとき、啓司(茂山逸平)と諸岡(中山義紘)が激昂して泰介を訪ねてくる。
出演者
【出演】杏,宮崎美子,和田正人,菅田将暉,茂山逸平,前田亜季,山中崇,中村靖日,綾田俊樹,中山義紘,逢沢りな
原作・脚本
【作】森下佳子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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