(文化財保存課長)ご存知のとおり京都は文化財の街です。
3年前梅閣寺から盗まれたこれも京都府指定の文化財です。
(池永清美)もちろん覚えてます。
犯人はうちの署で逮捕しました。
(課長)はい。
おかげで屏風は戻ったんですが盗まれた時に雨に濡れたりして修復に3年かかってしまいました。
(藤原あきら)その修復した屏風を梅閣寺に運ぶ事になりました。
あなたには警備責任者をしてもらいます。
自分がですか!?はい。
あのそういう事は警備会社に頼んだ方がいいんじゃないで…。
この屏風は京都府指定の文化財よ。
警備は京都府警がします。
いやあの…。
それも梅閣寺を管内に持つうちの署が。
警察にお願い出来ればこれほど心強い事はありません。
市役所の文化財保存課長さんもこうおっしゃってます。
それにこれはうちのイメージアップにも繋がります。
あ…そういえば聞きましたよ。
ほぅ。
梅閣寺の和尚さんから。
和尚からですか?はい。
何でも副署長さんとはかなりご縁が深いとか。
(足音)そんな縁が深いってわけじゃ…。
おぉ…危ねぇなおい!すいません。
じゃこれで失礼します。
はいどうぞ宜しくお願いします。
すいません。
(野沢健作)佐渡神社で若い男性の遺体が見つかりました。
あぁ…!びっくりした…。
あ!おいおいおい殺しか!?
(野沢)記者発表が必要になったらお話しします!痛っ!野沢…!今のあなたの仕事は貴重な文化財の警備!いいわね!?いや署長…!
(近藤時男)失礼致します!いや署長…ちょっと署長!あいてててて…!ん〜!痛ぇな…あっ!
(ぶつかる音)我慢我慢。
(パトカーのサイレン)
(花村一彦)ご苦労様です。
(花村)黒川裕之21歳。
学生です。
この近くにある面影寺の一人息子です。
お寺の息子が神社で…。
(上田聡)署長!階段の上に争ったような足跡が複数あります。
殺人の線が出たわね。
足跡から靴の種類を特定して。
はい!
(平松純平)これ…何だろう?石じゃないわ…何かの破片?
(平松)でもこんなのが入ってたら痛くて歩けないですよね。
つまり階段から落ちた時に靴の中に入ったって事ね。
(平松)何の絵だろうな…?それぞれを運搬担当警備担当として任命します。
(2人)はい。
(林哲夫)では梅閣寺へ打ち合わせに行って参ります。
貴重な文化財だからな。
くれぐれも慎重に頼むぞ。
はい。
変…。
変ですね…。
はい?妙ですね…。
何がですか?いつもならこの手の事にかこつけて副署長も外へ出て事件に首を突っ込み…。
またそんなもう…。
(池永佳子)顔を合わせたくないのよね?
(咳払い)梅閣寺の和尚に。
池永巡査。
昔やんちゃしてた頃散々お灸据えられたんですよ。
池永巡査!ほらいいから早く行って来い!はぁい!あぁそうですか。
ではこの際副署長もどうぞ。
久し振りにお灸を据えられてきてください。
らしくないですよそんな冗談。
むやみやたらと事件に首を突っ込まぬようこれでもか!とたっぷりお灸をいただいてきてください。
あお腹が痛くなってきました…。
副!署長!行ってきます!職務が忙しすぎてご挨拶に伺えませんでした。
申し訳ありませんでした。
(駿河勝己)ハハハ。
つまらん言い訳をするのは不良時代と変わっとらんねぇ。
すいません。
そんなお前が今ではなんと副署長か。
そんな大したもんじゃないんです。
世も末だな。
まぁまぁ和尚。
今日はこれの話をしに来たんですから。
はい。
ほぅ…。
この際本物は展示するのをやめるか。
え…?この屏風お寺の目玉なのに?代わりにデジタルコピーを展示しようって話だ。
あのデジタルコピーって意味わかってますか?年寄り扱いするな。
すいません。
あれだって今じゃデジタルコピーだ。
(2人)えっ!?へぇ〜よく出来てますね。
今のコピーって。
美術品を持っている寺や神社では今普通にやってる事だ。
(勝己)美術品を劣化しないように保存する事と多くの人に見てもらう事には大きな矛盾がある。
そこで本物は温度湿度のしっかりした場所に保管し一般展示するのはよく出来たデジタルコピー。
これが今の世の中や。
(駿河瑞江)まぁ偉そうに。
そのおかげで裁判沙汰じゃないの。
どうもご無沙汰してます。
あの今裁判沙汰って言いました?おいおい寺の恥をおおっぴらにするなよ…。
いいえこの際だから聞いてもらいます。
こういうのってデジタル何とかいうので撮影した後そのデータをコピーして作るらしいの。
でもねそのデータはコピーした会社のものになるって言うのよ。
え…?このお寺の絵のデータなのに?本物の掛け軸はうちのものなのにコピーしたデータはうちのじゃないなんて変な話でしょう!なるほどね…。
あの絵は室町時代に描かれたもんだからとっくに著作権がないわけだ。
それをいい事に…このコピーを作った会社あの絵のデータで勝手に扇子を作って売っちゃったのよ。
え…?それが…これだ。
これをお寺に黙って?そうなの。
頭に来るでしょ。
データを勝手に使うなって言っとかなかったんですか?弁護士さんにも言われたのよ。
そういう事を出来なくする契約をしとくべきだったって。
まぁいいじゃないか。
これはこれでよう出来とる。
もうこの人こうなのよ。
確かに断りもなく商品にしたのは感心せんがまぁこの人はなぁうちの寺に一定の権利料を払うと言うてくれとる。
お金の問題じゃないでしょう!もちろん金の問題じゃない。
しかしなこういうもんでうちの寺が有名になるんならそれもいいじゃない。
(駿河義勝)何言ってんだよ!寺の物勝手に商品にされて喜んでたんじゃ…世話ないよ。
うるさい!寺を継ぐ気もないくせに余計な口出しするな!
(上田)署長。
階段の上にあった争った足跡なんですが靴の種類が特定出来ました。
うち1つはやはり被害者のものでした。
被害者は階段の上で誰かともみ合って落ちたんです。
殺人の線が濃くなってきたな。
これだけハイヒールね。
(上田)そのゲソ痕だけ遺体の周りにもありました。
被害者が殺されたとしたら容疑者は女…。
あとこれなんですが科捜研から鑑定結果が出ました。
やはり陶器に絵が描いてありました。
これなんですが…。
面影寺…?被害者の実家ですよ。
そこにこの『鼠御伽絵巻』があるのね?
(平松)その陶器の破片に面影寺の『鼠御伽絵巻』が…。
文化財級の絵巻だから商品にしたんでしょうかね?なぁこの商品って面影寺の許可取ってんのかね?え?でなきゃ出来ないんじゃないですか?いやさそれがそうでもねぇらしいんだよ。
ちょうどさっきな似たような話を別の寺で聞いたんで調べてみたんだ。
ほれ。
島の書いた記事だ。
(平松)あ…。
(上田)「文化財の保存という目的で文化財がコピーされている」「しかし法体制が不完全なため権利契約に不慣れな寺や神社では代々受け継いだ文化財のデータから商品が作られるという問題が起きている」それでとうとう裁判沙汰になったのがその梅閣寺だ。
で裁判の相手は勝手に掛け軸の絵を商品化したこの女社長。
(平松)古賀ゆたか気になります。
だろ?面影寺の息子が死んだ事件容疑者女かもしれないんですよ!もしもこれもこの女が勝手に商品にしたもんだとしたら…。
寺の息子ともめる動機になりますよね!?ピンポン。
はいレッツゴー!行きましょう!
(上田)これがコピーですか!?よく出来てますね。
(黒川道念)作ったのはこの会社です。
(平松)古賀ゆたか…。
それであの…息子の…裕之の亡骸は?はい。
明日の夕方にはお返し出来ると思います。
(泣き声)
(泣き声)大切な跡取りでした。
もっとも本人は継ぐ気がなかったようですが。
(黒川久美子)継いでくれたわよ裕之は!きっと継いでくれた!
(平松)それであの…あの絵巻何か商品になさいましたか?例えば陶器で出来たものとか。
(道念)あの絵巻…?あぁそういえばそういう話もありました。
それはこの社長?はい。
確かTシャツか何かにしたいと言われて…。
でも私はそういうの反対ですから!断りました。
断った?断りました!断って正解でした。
何でも梅閣寺さんのところでは裁判になってしまったようだし。
あの被害者…いやご子息は古賀社長とは面識は?えぇありました。
裕之はあの絵巻を商品にしたいという社長の話に乗り気でしたから…。
だとするともめる動機はねぇな…。
いやいやいや…そう決めつけるのはまだ早ぇよ。
とにかく古賀社長が面影寺の絵巻を商品化したのかどうかそいつだけは確かめてきてくれ。
あぁ…もう切るぞ。
(近藤)うっ…。
これ以上話してると近藤課長にどやされちゃうからな。
おぅ。
セーフ。
(近藤)うっ。
(古賀ゆたか)確かに面影寺さんにはこの『鼠御伽絵巻』を商品化したい旨お話ししました。
残念ながらまだ実現してません。
断られましたから。
(上田)でも梅閣寺の時には勝手に商品化してますよね?この裁判中だから判決が出るまでその手の商品化は自粛してるんです。
(梶原勇)失礼しまーす。
あらあらあら…ご苦労様です。
古賀社長あなたにお訊きしたい事があるんです。
ガイシャ黒川裕之さんの携帯の通話履歴です。
最後の携帯の番号ご覧になってください。
あなたの携帯の番号ですね?えぇそれが?ガイシャの死亡推定時刻です。
つまりガイシャが最後に電話をした人物は古賀社長あなたなんですが。
そういえば…電話がありました。
何の電話ですか?別に…あぁこれの商品化についてでした。
商品化するなという苦情の電話ですね?違います。
彼はこの商品化に賛成してくれてました。
では社長これを見てください。
ご存知のようですね。
…知りません。
何ですか?被害者の靴の中に入っていた陶器の破片です。
調べた結果その絵が印刷されてました。
社長は先ほどそれは商品化していないとおっしゃいましたよね!?面影寺に確認しました。
この絵のデータを持っているのはこの絵巻のコピーを作ったおたくの会社だけです。
(笑い)…何がおかしいんです?今は一般の人でも絵のデータを商品に印刷するくらい簡単にやってのけますよ。
でもこの絵のデータを持ってるのはおたくだけで…。
面影寺にはこの絵巻が展示されています。
それをデジカメで撮れば十分なデータになるんです。
著作権の切れた芸術がコピーされていくのはもはや誰にも止められないんです。
だからこそきちんとした会社がコピーする権利を管理しコピーのたびに料金が引き落とされるようにする。
そこからオリジナルの所有者に定額をお支払いする。
そうすればオリジナルの保存にかかる費用もまかなえる。
私はそういうシステムを作ろうとしてるんです。
ほぅ…なかなかの論客じゃねぇか古賀ゆたか。
でもこの女絶対怪しいですよ!けどガイシャは商品化に賛成してたんだろ?えぇ。
だとするとあの社長と争う動機がありません。
つまり親父と息子じゃ意見が違ってたわけだ。
被害者が梅閣寺の息子だったら問題なかったんだけどな…。
あっちの和尚はこの手の話に乗り気だったんですから。
「そんな時代もあったねと」
(勝己)あ〜昔の不良坊主が今坊主に酒ご馳走してくれてる。
うっす…。
あ〜坊主やってて一番嬉しい瞬間だ。
ほら飲め…な…。
危ない危ない…あ〜!もう大丈夫ですか?しっかりしてくださいよ。
確かに飲めとは言ったけどほら歳考えてくんないと…。
ほらほら…。
年寄り扱いするな!すいません!すいませんすいません…。
こう見えてもなぁ…。
はい。
毎晩のように酒飲んで鍛えてんだ…道念和尚と2人で。
道念和尚って…あの面影寺の?かわいそうになぁ…大切な跡取りあんなはかなく…。
和尚…面影寺の道念和尚と親しいんですか!?あぁ…道念も私と一緒だ。
息子が寺を継ぐと言うてくれなんだ…。
寝たよ…。
(鈴木豊)いつもこんな調子?さぁ…。
息子さんとねうまくいってねぇらしいんだよ。
(瑞江)あいたいた。
あれ!?どうしてここへ?いつも居場所言ってきますから。
あぁ…あのすいませんこんなにしちゃいました。
いつもの事ですからすいませんねぇ。
親父…帰るぞ。
迎えに来てくれたよ。
親父…。
頑張ってよいしょ…。
しっかりしろ親父。
コラ〜。
寺では住職と呼べ〜!
(義勝)寺じゃねぇよ!
(義勝)帰るぞ早く!今からでも仏教系の大学に…。
なんだよ!済んだ話だろ!だったら早く本山に修行に行けや!やめ…やめろよこんなとこで!早く行くぞ!ほら!そんなにうちの寺継ぐのが嫌なのか!?おいくらで?あ…俺が誘いましたんで。
(勝己)お前の親が住職だって事からは逃げられんのだ!
(義勝)わかったから…!大変ですね。
息子さんはお寺の仕事が嫌なんですかねぇ?昔はそうだったけど今はきっと違うと思う。
…って言うと?伝統は大切にすべきだって義勝そう言ってくれたの。
息子さんがですか?掛け軸の絵を勝手に扇子にしたあの女社長を訴えるって私が言った時に義勝そう言って賛成してくれて。
でも和尚は結構乗り気なんでしょ?
(ため息)まぁそんな主人の気持ちもわかるんだけど…。
どういう事ですか?義勝は昔から随分と父親に反発したから。
寺を継ぎたくないって…。
だから主人思っちゃったのよ。
うちにある美術品が世の中に広まって寺が有名になったら義勝も継ぐ気になってくれるんじゃないかなって。
なるほど…。
ただいまー。
(2人)おかえり〜。
イエ〜イ。
ストップ!はるかなぁ…何隠したんだよ!?
(池永はるか)ちょっ…ちょっとちょっと…!習特学院高校…?
(はるか)返して…返して!ちょっと…!あれ…!?何だお前これ東京の高校じゃねぇかよ!なんでお前こんなもん見てんだ?はるか。
この際だからちゃんと言った方がいいと思うよ。
あら…?なんだ?まぁ座れ。
座れっつーの。
話してみ。
今の高校辞めてここに編入したい。
あぁ〜!?ヒック。
酔ってない時に話したかった…。
酔いなんか覚めたよ。
なんでだ?理由を言え。
理由だよ!今の高校が嫌になった理由だ!別に嫌になったわけじゃないよ!じゃあなんでだよ!?お兄ちゃん…。
あぁ!?こういう事はね静かに話すの。
私の事誰も知らないところに行きたい。
どうして?私が警官の娘だって…副署長の娘だってそういうの誰も知らないところに行きたいの!お前…まだいじめられたりしてんのか?してないよ!じゃあなんで!?空気が変なの。
空気が変?なんだそりゃお前。
そんなもんが転校の理由になるか!環境変えたいの!許さん!絶対に許さん!だから話したくなかったの。
待ちなさい。
お父さんこの前も言ったよな?これからも俺は父親として正しいと思った事をやってくからな。
どんなにお前が嫌がってもおまえの事を怒鳴るし怒ったりもする。
もう一度言うぞ。
親としてお前のために言うんだ。
逃げたってなぁ…おい!どこへ逃げたってお前が警察官の娘だっていう現実からは逃げられないんだよ!親の心子知らずだ…。
子の心親知らずかもよ〜。
何ぃ!?
(勝己)お前の親が住職だって事からは逃げられんのだ!はいご苦労さん。
ありがとうございます。
道路使用の申請書です。
はい。
はいご苦労さん。
ありがとうございました。
休暇届です。
お願いします。
どちらへ!?うわびっくりした…!ちょっと取調室の様子を…。
いけません。
どうぞ決済を続けてください。
任意同行か逮捕かせめてそれだけ…。
いけません。
(ため息)任意同行ですよ。
ひらさん…!現場にあったゲソ痕と同じハイヒール持ってたもんで…。
はい?それで任意同行か…。
自白しなきゃすぐ帰れちまうな。
副署長!わかってますよ。
我慢我慢…。
その前にマスコミの対応を。
(指を鳴らす音)島…?
(島英明)で…?あの女社長の逮捕いつ正式発表するんすか?こっちはそれより早く記事にしたいんで。
まだ任意同行だ。
参考人の段階だからな。
駆け引きはやめましょうよ。
何?面影寺の和尚に取材して聞いたんですよ。
あの女社長と取っ組み合い寸前になるまでもめてたって。
(ゆたか)何度も言いますがデータの所有権はうちにあります。
本来はそれをどんな商品にしようがうちの自由です。
元々はうちの寺の絵巻じゃないか!
(ゆたか)あの絵の著作権はすでに消滅してるんです。
ご住職はあの絵巻の所有権しか主張出来ないはずです。
だからって伝統ある美術品をコピーして勝手に商品にするのは許さん!断る!自由なコピーを問題にする事自体ナンセンスです。
コピーはコピーだ!伝統を守り続けてきた想いまではコピー出来ん!著作権が切れた芸術は誰もが自由に活用出来る公共の財産のはずです。
ご住職の主張は作家の著作権は長年所有してきた人のものだって言ってるのと同じですよ!?その公共の財産を使ってあんたは金儲けしたいだけだ!あ〜らご住職だってこの絵を見にきてる人から拝観料を取ってるじゃないですか。
何を…!?減らず口…!
(黒川裕之)親父親父…!そりゃもめるわけだ。
あの女を容疑者とする物証を持ってるんですよね。
何の話かな。
でなきゃあの女の出勤時間を狙って任意同行するはずがない。
たとえ持ってたとしても俺んとこには回ってこねぇよ。
例えばもみ合った現場に容疑者のゲソ痕があったとか。
嘘がつけないとこ昔から変わってませんねぇ。
じゃあ…。
お前なんでこんなもん持ってんだよ!?何か絵が描いてあるようですが。
勝手に持ち出した証拠物件なんか記事にしたら承知しねぇぞ!そんなつまらん話をしてんじゃないんですよ。
あぁ?いくら芸術オンチのあんたでもこれが何の絵なのかもうとっくに知ってんですよね?これはあの女が作った商品。
だとすればこれが何の破片なのかあの女なら知ってる!そういう話をしてるんです。
古賀社長に事件当夜のアリバイはありませんでした。
これについては?知らないの一点張りで。
殺人についても否認しています。
社長が被害者を殺す動機はないのよね…。
えぇ。
ガイシャとは利害が一致してました。
任意だしいつまでも拘束出来ないわね。
よっ…。
(近藤)どちらへ?いやいや…ちょっと古賀社長にお話が…。
副署長。
これ今までの未解決事件の資料なんですけれど大分痛んできてるのでデジタル化して保存出来ないかどうか相談してきます。
ねぇ…デジタルデジタル。
確かにデジタル化すれば文字は劣化しませんもんね。
はい。
永遠に美しいままです。
まさに京都のためにあるような会社ですね。
そう自負しています。
1200年の歴史を持つ京都には知的財産がふんだんにありますから。
そうそうそうそう。
その知的財産といえばですよ例えばこれなんかもそうなんでしょうね。
という事はこの絵巻をコピーした…これも知的財産って事になるんですかね?何ですか?突然こんなもの出してきて…。
いえ単純にびっくりしてんですよ。
こんなに大切な知的財産も今は簡単に商品に出来るんですね。
えぇ簡単に出来ます。
それこそ個人にだって。
いやでもいくらデジタルカメラにデータを入手したとしてもですよ素人にこんなにキレイに印刷出来ないでしょう。
今は写真をTシャツに印刷する機械だって売ってます。
でもこれ陶器ですよ?たとえ陶器で出来たマグカップでもデータを印刷するのは簡単なんです!マグカップ!?えこの破片マグカップだったんですか!?でもどうしてわかったんです?別に…マグカップだって特定して言ったわけじゃありません。
陶器だって言うから…例えばの話です。
古賀社長…あなたの会社の取引先でマグカップを作っているところに当たればすぐにわかる事ですよ。
このマグカップはあなたの会社で作った商品ですね?あぁ…。
商品じゃないわ。
サンプルよ。
サンプル…?1つだけサンプルを作って彼に渡しておいたのよ。
彼っていうのは…亡くなった裕之さんですか?これでお父さんを説得してみてって。
お父さんを説得?商品化の話住職とは決裂したけど息子さんは乗り気だったから。
それなのに…あの夜突然…。
気が変わった…?どういう事ですか?あの絵巻の商品化の件僕も反対に回ります。
そんな…理由を説明してください。
先日父とあなたが言い争ってたのを見てやっとわかったんです。
いくら伝統をコピーしても伝統を守り続けてきた想いまではコピー出来ないって。
(ゆたか)何言ってるの?だから…預かったマグカップ返したいんですけど。
今そちらの会社へ向かってます。
ま…待って!ちゃんと話しましょう。
今どこにいるの?その近くに神社があるでしょ?待ってて。
すぐ行くから。
あぁっ…!古賀社長…。
芸術作品をコピーするたびに料金を発生させるシステムを考案中なんだそうですね。
そのシステムをネットに通せば世界中が日本の美術品を検索して見られるようになるわ。
料金を支払えばそのコピーだって買う事が出来る。
そうすれば日本は芸術を発信する国になれるのよ。
でも京都1200年の伝統ってただ見るだけじゃなくて心で感じるもんなんじゃないでしょうか?それって世界のどっかからネットで見るだけでも感じられたりしますかね?そんな面倒で敷居の高い事言ってるからいつまで経ってもダメなのよ…。
(島)なかなかいい議論でしたよ。
(拍手)おかげで面白い記事が書けそうだ。
お前なぁ署内での取材なんか許可した覚えねぇぞ。
せっかく来たんで免許の更新をしていたんです。
フン…。
優良ドライバーでよかった〜。
警察で更新が出来るから。
その上警察発表前に犯人がスクープ出来た。
彼女はまだ被疑者だ。
容疑者として書けよ。
はいはい。
ただしうちのような三流雑誌に容疑者と犯人の区別がつくような読者がいればいいですけどねぇ。
もう1つ言っておくぞ。
容疑者が犯人になるとは限らない。
あの…。
(市川奈津美)はい何か?連絡もらった黒川です。
面影寺の道念です!
(足音)警務課長の近藤と申します。
今連絡があったとおっしゃいましたが。
はい!刑事課長って人から息子を殺した犯人を逮捕したって。
犯人ではなく被疑者と言ったのではありませんか?被疑者?いや…そんな事私にはわからないよ!ともかく犯人は誰なんですか!?
(近藤)申し訳ありません。
(近藤)今夜記者発表の予定です。
大変申し訳…。
私がお話致します。
副署長…!ご遺族の方がテレビで初めて知るなんてあんまりです。
恐らく刑事課長もそう思ったんであらかじめご連絡したんだと思います。
(道念)裕之はこの女の商品化の話に賛成だったはずなのに…。
心変わりしたんだそうです。
心変わり…?社長ともめているご住職の姿を見て。
ご住職の姿が息子さんの心を動かしたんですよ。
じゃあ…そのせいで裕之は…。
バチが当たった…。
バチ?毎晩のように…梅閣寺の和尚と酒を酌み交してました。
そうみたいですね。
最後に飲んだ夜梅閣寺の和尚が言ったんです。
うちの寺が有名になるなら掛け軸を商品にしてもいいという和尚に代々受け継いだ伝統を安売りするな!そんな生意気な事を息子の義勝君に言われたって。
(瑞江)伝統は大切にすべきだって義勝そう言ってくれたの。
それを聞いた時私は羨ましかった。
私と同じ考えだ。
義勝君がうちの子だったらって…。
そう思ってしまった。
まさか裕之もそう思ってたなんてそんな事に全然気が付かないで…。
伝統を簡単にコピーしたらいかんバチが当たる!そんな事裕之に言い続けてしまった。
バチが当たったのは私だ!いくら伝統をコピーしても伝統を守り続けてきた想いまではコピー出来ない。
裕之君そう言ったそうです。
子どもは成長するんですね。
いつか伝統を重んじる大人に…。
(机を叩く音)
(はるか)何お父さんと同じ事言ってんのよ!?はるかやめなって。
何かもめてんのか?おかえり。
若いのに年寄りみたいな事言ってんじゃねぇよ!
(藤原拓海)はるかちゃん…!
(はるか)うるさい!どうした?ジュニア。
すいません僕が余計な事を…。
いいのいいの。
拓海は悪くないんだから。
(拓海)失礼します。
おい…おい…!?ごめんね拓海!何だよ?はるかとケンカでもしたのかあいつは。
(ため息)痛っ!お兄ちゃんのせいだからね!ハァ!?なんで俺のせいなんだよ。
拓海言ってくれたの。
はるかに。
うん?お父さんはよかれと思って注意してくれたんだって。
拓海がか!?拓海ー!それではるかヘソ曲げちゃってさ。
一番同情して欲しい人に父親と同じ事言われたから反発しちゃったのよ。
ハァ?罰として今夜は皿洗いお兄ちゃんだからねぇ〜!父親と同じ事言われたから反発しちゃったのよ。
(瑞江)伝統は大事にすべきだって義勝そう言ってくれたの。
(裕之)いくら伝統をコピーしても伝統を守り続けてきた想いまではコピー出来ないって。
(道念)伝統を簡単にコピーしたらいかん!バチが当たる!そんな事を裕之に言い続けてしまった…!
(道念)子どもは成長するんですね。
いつか伝統を重んじる大人に。
(島)例えばもみ合った現場に容疑者のゲソ痕があったとか。
(平松)ありました!おぅ。
彼の持っていた靴にこれと同じ…!やっぱりそうか…。
(上田)池さん!古賀社長が送検されます!何ぃ!?署長!古賀社長の書類送検待ってもらえませんか!?何度言わせるの!?あなたの口出しする事じゃありません!しかしですね…!2度も任意同行した上での逮捕です。
これで送検出来ないではうちの署はいい笑い者になってしまいます!今送検したらそれこそ笑い者になるぞ!口出し無用!出て行きなさい!署長…!出て行きなさい!《俺の我慢もここまでだ!》
(近藤)副!署長ー!
(近藤)「俺のがまんもここまでだ」黒川裕之君が死亡した神社に残されてた足跡の1つだ。
裕之君と争ったような形で残ってた。
これと同じ靴を持ってるそうだね。
いたんだろう?あの夜あの神社に裕之君と一緒に!わ…私と一緒だった!義勝はその夜私と一緒だった。
和尚!大体義勝の靴の跡がその夜付いたってわかるのか?清美!お前一体どういう…。
親父もういい。
義勝はあの神社によく行くんだ。
靴の跡ぐらいじゃ…!もういい!義勝君…伝統は大切にするべきだってお母さんにそう言ったそうだね。
君は見てしまったんだ。
あの夜…この絵が印刷された商品を。
裕之君が持って来たマグカップを!何の話だ…?彼がこの商品化を断りに行ったちょうどその時に!断りに行った?そうだ。
断ったんだよ!いくら伝統をコピーしても伝統を守り続けてきた想いまではコピー出来ない。
そう言ってね。
そんな…!同じだったんだよ!君と…裕之君の想いは同じだったんだ!なのに…僕は…裕之を殺してしまった…!あぁ…。
裕之とは…ほとんど毎晩のように会ってました。
(義勝の声)そんな時裕之が言ったんです。
自分の寺の文化財を商品にするって話があるって。
あいつはそれで寺を自分なりに盛り上げたいって言ってて…。
反対したけどでもあいつの気持ちもわかるんです。
自分なりに寺を継ぐきっかけが欲しい…。
そんなあいつの気持ちも。
でもそれでよくケンカになって…。
何だよお前んとこだってこんなふうに商品にしてるじゃないかよ。
だから俺はそういうの嫌なんだ!バカ。
これで寺が少しでも有名になったらそれでいいだろ!?…親父と同じ事言うな。
(川に落ちる音)
(義勝の声)そんな時神社に入っていくあいつを見かけて…。
裕之!お前何してんだよ?こっちのセリフだよ。
お前こそ神社で何してんだよ。
お前それ…!お前…この絵はお前んとこの大事な絵巻だろ!?あぁ…だから…。
なんて事したんだよ!?こんな事で怒るなよ。
俺はこれ…。
こんな事!?お前自分の寺の伝統をこんな簡単にコピーすんなよ!バチが当たるぞ!なんだよ…お前んとこだってやってんじゃねぇか!あれは勝手にやられたんだ!だから今裁判して…!うるさい!いいから早く返せ…!なんだよ…!お前放せよ!
(裕之)返せこの…あっ!
(裕之)うわっ!
(マグカップの割れる音)裕之!伝統を簡単にコピーするな。
バチが当たる。
これは道念和尚の口癖だったそうだ。
え?裕之君はこの言葉の意味をやっと理解出来たとこだったんだよ。
ところが君に父親と全く同じセリフを言われてつい…思わず反発してしまったんだ。
想いは…同じだったんだよ。
和尚。
あなたも同じだったはずです。
ただ義勝君にこの寺を継いでもらいたい一心でここを有名にしたかった。
そのためには伝統をコピーする事もよしとしてしまっただけだったんですよね?子どもはいつの間にか成長してるもんなのかもしれませんね…。
親の知らないところで親の心を理解出来る大人に。
まもなく送検担当の検事が来ます。
いらっしゃったらすぐにお茶を署長室に。
はい。
僕が…裕之を殺しました。
すぐに刑事課へ連絡。
はい!いろいろと不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。
いえ身から出た錆ですから。
お気を付けて。
もう一度考えてみます。
もう一度?京都の伝統だけでなくそれを守ってきた心もコピー出来るかどうか。
心をコピーですか。
ハハハ…。
あなたらしいや。
フフッ。
失礼します。
(警官)ご苦労様です。
危なかった。
島!あの女社長を犯人ヅラで書くとこでしたよ。
どうして書かなかったんだ?「容疑者が必ず犯人になるわけじゃない」その言葉が少〜し気になりましてね。
フン。
助かりましたよ。
お前のために言ったんじゃねぇや。
今回の見出し…。
「試される京の文化財保存伝統の心まで複製出来るか」ってのはどうですかね?さぁな。
お前に言わせると俺は芸術オンチらしいからな。
チャオ。
ご馳走様。
お〜いちょっと待て。
シットダウンプリーズ。
この間の話の続きしようぜ。
あ〜!もうそれいいから。
何だよ?いいって。
やめたんだって。
説得されて。
説得?佳子にか?説得じゃなくて…告白かなぁ〜!告白?あそうそう。
拓海がね一緒にいたいから転校するなって。
拓海が!?まぁ確かに遠距離恋愛は厳しいからね。
遠距離恋愛…!?はるかお前受け入れたって事か!?おい!愛の力は偉大だねぇ〜!愛!?許さんぞお父さんは!はるか戻って来い!戻って来い!2014/02/24(月) 15:55〜16:50
ABCテレビ1
その男、副署長2[再][字]
「文化財が招く殺意!!京の古寺が落ちた罠」
詳細情報
◇番組内容
船越英一郎主演▽本格派“副署長”ミステリー第2弾。捜査を禁じられた所轄署の副署長・池永清美。彼が制服を脱ぎ捨てたとき、難事件は解決する!
◇出演者
船越英一郎、田中美里、本田博太郎、萬田久子 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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