トランスジェンダーズ 連載第三回 萩原にゃぶろー「にゃぶい」とは

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コラム

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2011-08-26 19:08:23

 萩原にゃぶろーはTwitterの超ヘビーユーザーとして知られる。2008年10月頃、「にゃぶい」という謎の流行語を生み出した張本人でもある。「にゃぶい」はGoogleで検索すると約1,050,000件。ニコニコ大百科やはてなキーワードにも登録されている。女装画像も時々UPする荻原にゃぶろーはどんな人物なのか、我々取材陣は夏休みに愛知県から上京して来た彼を捕捉して、プロのメイキャップ・アーティストに来てもらい、撮影のためのメイクをしながら話を訊いた。一体、「にゃぶい」とは何なのだろうか?



にゃぶろー:「にゃぶい」ってなんでしょうね。自分も知りたいです。「どういう意味なんですか?」って訊かれて、自分も知らないから「いや、僕もわからない」とかそんなのばかりで。女装する前から「にゃぶい」って言われていました。女装を始めるより前にTwitterを始めたんですよ。3年前くらいかな? コスプレはその前からやっていましたけど。友達にやらないか、って言われてそんなこんなで。Twitterも友達に誘われて始めました。ニコマスP(筆者注:アイドルマスターのMAD動画を作り、ニコニコ動画にUPする人達の総称)はやるやる言っていて、2009年の8月くらいから始めました。



物心ついた時に既にインターネットがあったので、ネットには自然に溶け込んでいますね。気づいたらPCを触っていたって感じです。
 Twitterで「ふぁぼ死」(筆者注:Twitterで12万tweetをお気に入りに入れるとアカウントが使えなくなる現象。現在はお気に入りが3200でリセットされるのでこの現象は起こらない)したのは2009年末から10年の始めにかけてですね。お気に入りに入れる基準は単に面白いから。結構「ふぁぼ死」した人いますよ。人数としては知っているだけで6人くらいですね。
昔はRSSリーダーに大量に突っ込んで読んでいたんですけど、今はTwitterで情報を集めている人が貼るURLを見たりするだけになって、情報を得るために掛かる時間は相当減りましたね。その道のスペシャリストをフォローするだけでどんどん情報が入ってくるんで。



スマートフォンを使い始めてもう6年くらいになるんですけど、最初はWILLCOMのW-ZERO3でした。1回、普通のPHSに戻って、またスマートフォンにして、また携帯にしたりして、色々やったりしていました。今はこの前買ったXperia acroを使っています。所詮「お財布ケータイ」がついているのを使ってもダメだろう、と思って期待していなかったんですけど、割と普通に使えてしまっています。
 女装画像UPを始めたのは2、3年前です。女装用の衣装は通販で買っています。秋葉原に行ったら、COSPAとかで小物を買ったりとか。秋葉原は酷い時は週に2回来ていましたね。オフ会とかで。
今日の衣装は『アイドルマスター』の如月千早のコスプレです。持っている衣装は大体がアニメとかゲームとか。最近やったのは『Angel Beats!』のコスプレですね。衣装はかなり持っています。リアルの友達と貸し借りをしたりしています。割と周囲にそういう人が多いんです。3、4人くらいいますね。友達が女装をやっていなかったら、やっていなかったと思います。だから、女装するのには抵抗がなかったですね。女装外出はしないですね。イベントとかくらい。メイクして撮影するのは今回が初めてです。メイク自体は人前に出ても恥ずかしくないくらいはしたことがありますけど、普段は自分の部屋で首から下を撮って終わり、って感じなんで。親にはコスプレしているのはバレていると思います。実家暮らしなんで。一人っ子ですし。
女装するようになったのは男の娘ブームの前ですね。今のように女装する人が増えるとは思わなかったんで、正直驚いています。僕の影響で女装するようになっちゃった人も結構いるんじゃないかな……。
 初めて付き合ったのは女の子で中学校の同級生なんですが、彼女も彼氏も両方いたことがありますよ。最近のことですね。今はいませんけど。どっちがいいとかはあまりないですね。自然体って感じです。彼氏は2つ上でTwitter繋がりでした。女装するようになってから出来ました。彼女も2つ上でしたね。彼女の方が後です。今はフリーです。お待ちしております。出来れば、割と今は彼女がいいかな。特にこういう人がって言うのはないです。「コスプレしていい」っていう人なら誰でもいいです。「やるな」って言われたら、辞めますけど。
 普段はバイトに行ったり、中型二輪免許を取得するために自動車学校に通ったりしています。Twitterの車載クラスタで仲の良い人達が多いんで。車載クラスタっていうのは車にカメラ積んで生放送をしたり、動画をUPする人達ですね。
将来については何も考えてないですね。まだ若いんで。



 メイクが終わり、撮影は上野の不忍池で行われた。メイクして外で撮影するのが初めてのにゃぶろーは撮影の間中、「やばい」「怖い」「面白い」と連呼していた。
萩原にゃぶろーを取材して見てわたしが驚いたのは、その屈託の無さだった。女装にも同性愛にも何の偏見も抵抗感も持っていない。情報が得やすくなっている若い世代はこんなにも軽やかな足取りで人生を歩んでいるのか、と思わざるを得なかった。恐らく彼のような若者がこの世界を変えていくのではないだろうか。


萩原にゃぶろープロフィール

年齢非公開。愛知県出身・在住。
趣味は音ゲーとTwitter。
身長172cm。血液型O型。
Twitter:http://twitter.com/#!/Wing_of_Blood

ライター:川本直

フリーライター。LGBT関連や文学関係の記事を中心に、映画レビュー、作家紹介記事を『新潮』、『映画秘宝』、『オトコノコ時代』、『ニューハーフ時代』、『バディ』、『スナイパーEVE』などに寄稿している。私淑する作家はゴア・ヴィダル。