ソロモン流【賢人:萩本欽一】 2014.03.09

住宅街にあるごく普通の一軒家。
現れたのは…。
おはようございます。
寒さが気になるようじゃダメだな。
相手は芸歴55年目の大御所。
何から聞けばいいのやら。
そこで思わず出たのが…。
うどんですか?全部。
会話の間一度も目を合わせてもらえません。
意外に気難し屋なのかも。
日本は高度経済成長期を迎え人々の暮らしは急速に豊かになっていきました。
世の中は夢や希望に溢れお父さんたちががむしゃらに頑張っていた時代。
そんななか現れたのがコント55号。
先生どうぞ!先生!舞台を縦横無尽に駆け回る体当たりの笑い。
それは世の中に更なるエネルギーを与えました。
そして70年代には…。
おいふつお!かわいい新入生がいっぱい入ってきたんだろ?うん。
でどうだ?先輩になった感想は。
先輩先輩って言われて胸張るのもちょっとしんどいねんで。
よっ先輩。
今年初めてのすき焼きね。
出演する番組を自ら企画し演出まで担当してきた萩本さん。
1週間で5本もの冠番組を持ちその視聴率を合わせるとなんと100%以上。
「視聴率100%男」と称されました。
ところが…。
テレビの世界から身を引いたのです。
だね。
そんな萩本さんが今日までやり続けてきたのがなんでこうなるのじゃねえだろ!それはなんでそうなるのって。
コント55号同様軽妙な動きで作る笑いはいわば萩本欽一の原点。
追っかけるときはお前走る。
しかし…。
昨年11月。
その舞台から去ることを決めました。
体力の限界。
コメディアンの集大成として萩本さんは最後の舞台に挑もうとしていました。
舞台は江戸時代の庶民の話。
出演の他作・演出もすべて萩本さんです。
出演者は…。
よろしくお願いいたします。
脇を固めるのはおなじみ欽ちゃんファミリーの面々。
そして。
今回はまさに55年の集大成。
その稽古場をのぞいてみると。
おめえにひと言いってやる。
何だよ?なんでもない。
なんだっての?あれ?芝居を見ていない?じっとアイデアを練っているのかと思えば…。
ところで。
自身の笑いの大御所とは思えないなんだかゆる〜い感じ。
しかし出演者たちは…。
出演者全員が持つ更に今回訪れたのは萩本さんの原点浅草。
今明かされる欽ちゃんの知られざる過去。
えっ!?萩本さんの奥様は踊り子ナンバーワン!?飛びますじゃないよ。
飛べるのか?っていうの。
飛びます飛びます。
そして唯一無二の相方坂上二郎さんとの永遠の別れ。
なかなか合わせてくれないその目の奥には私たちが知らない萩本さんの姿がありました。
昨年12月。
萩本さんのラストステージ。
総勢25名が出演する舞台の稽古がこの日から始まりました。
聞かねえよな。
とれねえよっていうのは…。
最初にやってきたのは俳優の野添義弘さん。
というより他には誰も呼ばれていません。
何も分かってないの?はい。
萩本さんが手渡したのは台本らしきもの。
実は野添さんこの時まで何の役かも知らされていませんでした。
しかも…。
オチを意味するオトシの文字が台本の随所に。
これはつまり…。
そうこれが萩本流の舞台の作り方。
例えば田中美佐子さん演じる10年前に里戻りだよ。
つまり萩本さんの舞台では重要なセリフを役者に考えさせるのです。
初日はこの稽古が延々これは役者泣かせの芝居のようです。
その後来る日も来る日も続く個別指導。
いったいなぜ全体で稽古をしないのでしょうか。
もしかするとその事ができない人かもしれないし何から何までまったく予想のつかない演出。
芸歴55年最後の舞台。
そのカウントダウンが始まりました。
時代を切り開く賢者の鍵を回せば人生の謎が解き明かされるだろう。
進むべき輝く未来へ
「欽どこ」や「欽ドン!」など出演番組が驚異的な視聴率をたたき出し視聴率100%男と呼ばれた萩本欽一さん。
子供からお年寄りまで日本中を笑いで包む国民的なコメディアン。
果たしてその笑いはどのようにして作られるのか。
今宵は笑いに人生を捧げた男の最後の舞台に迫ります。
それでは始めましょう。
賢人の生き方には明日のヒントがきっとあります。
この日萩本さんが訪れたのは浅草。
朝からあいにくの雨なので…。
萩本さんにとってコメディアンは見られてなんぼ。
そんな彼を育てたのがここ浅草。
萩本さんがコメディアンとして第一歩を踏み出した町です。
最後の舞台を前にふらりと歩いてみたくなりました。
すごいね。
これ何年…40〜50年経ってるんじゃない?かつて通った定食屋さんです。
このお店の女将カコちゃん。
萩本さんとは同じ年。
当時のことをよく知る数少ない一人です。
ここに来たら…。
やっぱり食べたくなるのがアジフライ定食。
55年前もそうでした。
俺浅草にいた10年間最高の高い物が僕の中ではアジフライ。
それ以上高い物食ったことない。
駆け出し時代の唯一のごちそう。
今でも忘れられない下積みの味。
その懐かしい通りの先に決して忘れられない場所がありました。
ここはそんな若い人が働いてんの。
お笑いやダンス芝居など大衆娯楽を上演し渥美清さんやビートたけしさんなど数多くのスターを輩出してきました。
萩本さんもこの劇場で修業時代を過ごした1人です。
この舞台から始まった55年という笑いにかけた人生。
1941年東京台東区で6人兄弟の3男として誕生。
幼い頃父親が事業に失敗し貧しい生活を強いられます。
早く稼ぎたいと18歳のときコメディアンを目指し師匠である東八郎さんのもとで修業の日々を送ります。
この舞台でリズムアドリブ間来る日も来る日も練習し体に刻み込んでいったのです。
しかしなかなか芽が出ず生活はじり貧状態。
当時を物語る萩本さんのこんな噂が今も劇場に残っています。
ここ?ここ?
(スタッフ)はい。
それはちょうど僕があの…。
なんと電車賃のない萩本さんを助けていたのは同じ劇場の踊り子だった今の奥様だったのです。
しかし当時の彼女はナンバー1の踊り子。
お金を渡す姿を人に見られまいと。
こうして奥様に支えられながら萩本さんはコメディアンとして腕を磨いていくのです。
そんな萩本さんテレビ局に住んでいたってほんと?相当テレビがおもしろかったんだと思いますね。
ええいいですよ。
ええずっと考えてました。
だからあの萩本さんの最後の舞台。
この日から役者たちが集まって通し稽古がようやく始まりました。
いやいや拾っていただいた旦那のおかげです。
今回のストーリーは江戸時代を舞台にとある商人の嫁入りを巡り繰り広げられる人情コメディー。
笑いの見せ場のひとつが主人公の的場さんに対して山口さんと風見さんが因縁をつけるというシーン。
会話はいたってシンプル。
それを言い回しや動きで笑いに変える重要な場面です。
萩本さん更なるアドリブを要求します。
旦那に話が!出てけっつってんだろ!
(笑い声)次々と繰り出されるアドリブ。
稽古場に笑いが起こります。
しかし…。
状況に合わせて芝居を変え笑いを誘う。
ようやく全体が固まりかけてきたと思いきや。
(笑い声)なんとOKも出さなければ稽古も途中でストップなぜ?この萩本流の演出に出演者たちは。
なぜそれほどまでに萩本さんはアドリブにこだわるのでしょうか?その理由が浅草にありました。
ここはかつて坂上二郎さんとよく通ったという喫茶店。
あのエネルギッシュな笑いを作り出すために言い争うことも多かったのでは?なんとコント55号にあったのは設定だけ。
あとはアドリブで行われていたのです。
やっほやっほやっほ〜!あっこりゃどうもお客様私が正式な山彦屋でございまして。
キミが山彦屋?珍しい商売だね。
時たまもぐりでああいう営業してる方がいらっしゃるんですがああいうのはあてにならない山彦屋でございます。
ああそうなの。
私の場合はお客様にサービスでございますから山彦のきれいな山彦をお聞かせしたりするんでございますよ。
やっほ〜!やっほ〜!やっほ〜!やっほ〜!どうもこの山彦俺の後ろから聞こえてくるんだよな。
どうも気がつきませんで。
俺がこっち行ったらこっちから言ってくんなきゃ。
さようでございますよ。
やっほ〜!やっほ〜!やっほ〜!やっほ〜!山彦ちょっと遅れすぎだな。
どうもすみません。
やっほ〜やっほ〜!やっほ〜!萩本さんが唯一認めたアドリブの天才・坂上二郎。
その2人には知られざる物語がありました。
国民的スターとなった結成時に決めたあるルールが。
もうひとつは笑いを求めるからこそ2人はドライな関係を貫きました。
日本中から今日…。
その後萩本さんは司会業など一人の活動が増え坂上さんもまた歌手俳優と別々の道へ。
しかし坂上さんは病に倒れます。
一命をとりとめたもののそんな坂上さんに相方は言いました。
なんと病にふす坂上さんを自らの舞台にキャスティングしたのです。
相変わらずの無謀な相方のアドリブ。
坂上さんは応戦しました。
萩本さんとの約束どおり坂上さんは舞台に帰ってきました。
そして。
再びコント55号の時間が動き始めたのです。
(拍手)浅草の芝居小屋から出発し日本中を笑わせた2人。
進んだ道は違えど互いの思いは一緒でした。
こっち来たらぶつかるだろ!僕が向こう行ったらキミもこう行かなきゃダメだよ!
(2人)さぁいらっしゃい!さぁって言ったら向こう行くの。
再び舞台に立った坂上さんは萩本さんにぽつりとこう言いました。
俺本番なかったらさ…ちょっとよせよ。
しかしその二度目の脳梗塞で倒れた坂上さんは帰らぬ人となりました。
コント55号は解散することなくその幕を閉じたのです。
そして今自身の手でもうひとつの幕を引こうとしていました。
今回を最後に舞台を降りるという決断。
今回?ええ。
萩本さんの最後の舞台それはまさにコント55号の集大成。
映画ね『ジョーズ』以来見てないものですから。
同じく劇団を主宰する三宅裕司さんとの対談では思わずこんな本音がもれました。
なるほど。
そこに見えたのはコメディアンとしてのプライド。
その舞台稽古が大詰めを迎えるなか一人苦しんでいる出演者がいました。
以来欽ちゃんファミリーの一員としていくつもの舞台に参加してきました。
何やらかしたの?茶碗でも割ったんじゃないだろうね?アドリブの稽古が続きます。
ダメだしの連続。
やればやるほど頭が真っ白。
それでも萩本さん容赦しません。
とうとう稽古場を出て行ってしまいました。
(スタッフ)ゆっくり休んでください。
はいお疲れさまです。
初日まであとわずか。
その足取りは重くなるばかり。
これまで萩本さんは多くの素人を人気タレントへと育て上げてきました。
私は育ちがいいんです。
毎日母親の作った弁当持参というアリバイがあるんです。
しかしなぜ今回はしのさんを育てようと決めたのでしょうか?なるほど。
今回最後の舞台だからこそ萩本さんは初めてはしのさんのために笑いを用意したのです。
例えばこのシーン。
はしのさんが演じるハマが…。
動きの滑稽さで笑いを誘います。
ところが…。
見るに見かねて萩本さんついに自ら立ち上がりました。
注目するのは手の動き。
体を安定させれば手の動きだけでこれほどコミカルに。
かといって動かせばいいというものではない。
音楽と同じ。
音楽になんないでしょ。
ジャカジャカ…。
自分なら…。
萩本さんが教えるのは浅草時代に身につけたリズム。
そうそうこういうとこでタメ作ってピッて。
ちょっと乱暴ぽくてもいい。
今倒れろ。
何回かやったほうがいい。
あってこうなんか。
同じところに倒れてもすぐ段取りが見える。
ところでひとつ気になることが。
肝心のご自身の稽古をまだ一度もやっていないようですけど。
なんと稽古をするのは3日前。
本当に幕が開くのでしょうか?欽ちゃん最後の明治座公演。
その開幕を前に船越さんが激励に訪れました。
ようこそ明治座へ。
どうも。
今日はよろしくお願いいたします。
船越でございます。
じゃあお席に。
特別に客席でお話をうかがいます。
何番でございますかってこう入ってくるんです。
萩本さんが明治座にこだわって舞台を続けてきた理由。
そこにはこの劇場でしか味わえないという秘密が。
いちばん最初ですね明治座。
そうですねはい。
はいはいはいはい。
そうですね。
なるほど。
そうです。
なるほど。
これは見逃せないですね。
てめえなんて…。
おめえなに言ってんだこの野郎。
いよいよ萩本欽一ラスト公演開幕です。
いよいよ公演初日。
最後のステージを観ようと欽ちゃんファンが続々と集まります。
その頃楽屋では…。
さあもうすぐ開演。
緊張感高まる舞台裏にははしのさんの姿もありました。
さあさあさあ!始まるよ!えぇですからあの…。
的場さん演じる主人公が田中美佐子さん演じる出戻り女性と偽の夫婦を演じ5か月過ごすコメディー。
よいしょっと。
ええ?ほらあぁいい。
俺はちょっと散歩してくるからよ。
ちなみに萩本さんは田中さんの付き人役。
さぁ萩本さんの出番です。
最初のひと言しとめたようです。
てめえ何でおめえら!おめえ何言ってんだこの野郎。
ちょっと待てよ。
(2人)誰のだって言ってんだよ。
行くよちょっと…あ〜ぱぱぱ。
相撲取りなんだよ。
(笑い声)客席の声をも笑いに変える。
ところが1歩舞台袖に戻ると…。
酸素ボンベに頼らなければならないほど息が上がっていました。
悲しいけれどこれが萩本欽一72歳の現実。
満身創痍で挑む萩本欽一最後の舞台。
そんな萩本さんにつきっきりで稽古をつけてもらったはしのさん。
見せ場が迫っていました。
的場さんを誘惑するシーンです。
失礼いたします。
おお。
おい。
(笑い声)浩二郎さん。
え?お前何やってんだよ。
おいおい!おいおいおい!おハマおハマ!おハマやめろ!リズムアドリブ間今の自分を出し切ります。
これですか?閉幕後萩本さんからこんな言葉が…。
誰もいないとこで…。
俺えみやると思った。
やっただろう。
はい。
あとはみんなお前らちゃんとやれよ。
ご苦労さま。
ありがとうございました。
小さな浅草の舞台から55年。
萩本さんは言います。
仕事でも日常生活でも笑いがあれば何でもうまくいく。
自分が笑顔でいればしぜんと人が寄ってきて夢の道を開いてくれるんだそうです。
笑顔を絶やさない人生。
見習いたいですね。
それではまた次回。
『ソロモン流』で輝きを放つのは果たして。
2014/03/09(日) 21:54〜22:48
テレビ大阪1
ソロモン流【賢人:萩本欽一】[字][デ]

テレビ番組の司会は勿論、劇団の舞台演出、チャリティーマラソンでの最年長ランナー、社会人野球のクラブチーム設立など、精力的な72歳、“欽ちゃん”こと萩本欽一に密着。

詳細情報
番組内容
故・坂上二郎と結成したお笑いコンビ「コント55号」。それまでにはなかった“新しい笑い”を次々と取り入れ国民的人気者に。その後、ゴールデンタイムでは芸人初となる冠番組『欽ちゃんのドンとやってみよう!』がスタート。この当時、出演・演出していた何本もの番組が軒並み高視聴率を連発、お茶の間を席巻した。そんな欽ちゃんが、今年3月からの公演で舞台を引退すると発表。その真相とは…?欽ちゃんの素顔、お楽しみに。
出演者
【案内人】
船越英一郎
【ナレーション】
魚住りえ
【賢人】
萩本欽一(コメディアン・演出家)
次回の賢人
演歌歌手・神野美伽
ソロモン流とは
様々なジャンルで強烈なこだわりを持ち輝きを放つ、今、最も注目される旬の人物の仕事や生活に密着。その個性的なライフスタイルや人生哲学を紹介する人間ドキュメンタリー。
音楽
エンディング曲
「GRACELAND〜ソロモン流のテーマ」
溝口肇
ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/solomon/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
バラエティ – お笑い・コメディ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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