NHKスペシャル「どう使われる 3.3兆円〜検証 復興計画〜」 2014.03.09

復興に向けた工事が進む被災地。
今新しいまちづくりが本格化しています。
国の予算3兆3,000億円が投入される巨大プロジェクトです。
津波が町をのみ込んだ東日本大震災。
広大な土地がそのままでは住めない場所になるというかつてない災害でした。
そこからどう再生するのか。
各市町村が掲げたのが復興計画です。
新たに生まれる町は300以上に上ります。
しかし深刻な事態が明らかになってきました。
NHKが調査したところ新しい町の完成を待ち切れず住民が次々と町を離れていたのです。
5年後に完成予定のある町の未来図。
家を建てる可能性があるのは4割。
110億円かけて整備しても空き地が目立つ町になる事が判明しました。
計画の見直しに動き出した自治体。
しかしさまざまな壁が立ちはだかっています。
掲げた理想と震災3年の現実。
復興計画をこのまま進めていくのか。
あるべき復興への道を探ります。
東日本大震災から間もなく3年。
津波で甚大な被害を受けた被災地では全く新しい町をゼロからつくるという壮大なプロジェクトが進められています。
それは二度と津波の犠牲を出さないという思いで各自治体が作った復興計画に基づいています。
ご覧の岩手宮城の沿岸部では合わせて306か所で新しい町の建設が進められています。
市街地は地盤をかさ上げして再建。
海沿いの集落は高台に移転。
そして人々の命を守るため築かれる総延長400kmに及ぶ防潮堤。
総工費は少なくとも3兆3,000億円余り。
ほぼ全額が国の復興予算。
つまり私たちの税金で賄われます。
ところが被災地では今住民の流出が相次ぎ各市町村が描いていますこうした町の将来の姿にならないのではないかというおそれが生じてきているのです。
復興計画に問題はないのか。
計画をこのまま進めていっていいのか。
仮に見直すとすればどのような形で復興につなげていくのか。
今日は考えていきたいと思います。
まずご覧頂きますのはNHKの独自調査で明らかになった被災地の現実です。
被災地の中で最も多い3,700人以上の犠牲者が出た宮城県石巻市です。
全壊した住宅はおよそ2万棟に上ります。
震災から3年。
復興計画で描かれた町の将来像が大きく揺らいでいます。
こっちでいい?そっちでいいです。
被災した自宅の土地を市に売り払い地元を離れる住民が相次いでいるのです。
そうですよね。
思い出のある所を…。
はい。
震災の9か月後に発表された石巻市の復興基本計画です。
140ページにわたりどんな町に再生するのか具体策が記されています。
基本理念の第一に掲げているのは災害から市民の命を守る事です。
この計画に基づき市内57地区で新たなまちづくりを進めています。
赤色はその場所。
水色は浸水したエリアを示しています。
半島部では46の地区で沿岸から高台に住居を移します。
山を切り崩して住宅地を造成。
総事業費は950億円です。
一方中心部では防潮堤などで津波を防ぎ元の場所に町をつくる事業を進めています。
11か所で区画整理を行うなど総事業費は3,400億円に上ります。
その一つが中心市街地の近くにあります。
沿岸に位置し被害が大きかった門脇地区です。
港近くの町として江戸時代から栄え震災前は1,200人余りが暮らしていました。
市は区画整理を行い道路や宅地を整備します。
海側の道路は3.5mの高さに土が盛られ津波を防ぐ機能を兼ね備えます。
一部のエリアを3mかさ上げ。
道路は避難しやすいように幅を広げます。
1,010人が住むとされ宅地は280戸分整備します。
更に比較的安い家賃で暮らせる災害公営住宅を建設します。
110億円以上に上る事業費のほぼ全てを国が負担します。
5年後までの完成を目指す大規模なプロジェクトです。
石巻市が復興計画の策定に入ったのは震災から2か月後。
避難所暮らしを強いられた被災者は一刻も早い住まいの再建を求めていました。
市は住民の意向を把握するためアンケートを行いました。
1万人に聞いた結果多くの人がもともと住んでいた地域に住みたいと回答しました。
市はその声を踏まえ門脇地区などでは元の場所に町を再建する事にしたのです。
震災から3年。
なぜ住民たちの意向が変わったのか。
私たちは門脇地区で暮らしていた住民を訪ね調査しました。
自分のうちそっちです。
あっちだあっちだ。
調査で出会った武川さん一家です。
ここですね。
この場所での再建を願っていました。
しかし復興に向けた工事は始まらず近くにあった小学校の再建も決まらないままでした。
安心して子育てができる環境は当分整いそうにない。
武川さんは次第に戻りたい気持ちが薄れ土地を手放す事にしました。
町の姿はどうなるのか。
私たちは町内会などの協力も得て地権者の情報を集め元の住所を参考に予測しました。
計画されていた280戸分の宅地のうち土地を売らず家が建つ可能性があるのは167戸。
6割に満たない事が分かりました。
更に土地を売らない人の中にも実際には住まない人がいる事が分かってきました。
中野純子さんは長年暮らした門脇に愛着があると土地を手放していません。
しかしそこに家を建てる事はないと言います。
再建費用は原則個人負担。
高齢でローンを組むのが難しく資金を用意できないからです。
中野さんは内陸にある公営住宅への入居を申し込んでいます。
取材の結果中野さんのように土地を売らないものの家は建てないという世帯が50戸確認できました。
その分を更に差し引くと町が完成した時に建つ可能性がある家は117戸。
全体の4割にとどまる事が分かりました。
「戻る」と答えた人に取材するとこの町の姿が更に浮かび上がってきました。
半数以上が60歳以上。
一方30代以下は3/3に満たない事も分かりました。
将来戻る事が決まっているか…。
住民の暮らしはどうなるのか。
震災前にあったスーパーや診療所などに門脇で再建する予定があるか聞きました。
今後戻るかどうかという事についてはどのような…?その結果主な施設で再建を決めた所はほとんどありませんでした。
スーパーなどは商業的に成り立つ人口を見通せない事を理由に挙げています。
人が離れ店も離れる悪循環が起きているのです。
被災地のまちづくりは国と自治体が連携して進めています。
震災直後から国の担当者が自治体に出向き意見を交わしてきました。
国は計画の方針を決めるのは市町村だとしてサポートに徹してきたと言います。
今日はお世話になります。
よろしくお願い致します。
まちづくりの事業を管轄する…国が市町村を財政面で支援する制度があります。
復興交付金です。
区画整理や高台移転など各省庁から用意された40種類の事業メニューでまちづくりを支えます。
期間は震災直後の平成23年度から平成27年度まで。
5年間とされています。
国は事業ごとに交付金を用意。
市町村の負担を軽くするためほぼ100%補助します。
市町村はこれらの事業を念頭に復興計画を策定します。
計画を進めるにはそのつどどの事業を使うのか申請し必要な費用を受け取る仕組みです。
この制度を使い新たなまちづくりに取り組んでいる石巻市。
現時点で想定どおりの人口が見込めなくても門脇地区の計画は見直さずそのまま進める方針です。
仮に見直せば住民の合意を一から取り直す必要があり町の完成が更に遅れるおそれがあるからです。
門脇地区ではいずれ人口が戻るとしてこの先も計画どおりインフラの整備を進める事にしています。
道路にかかる費用は20億円以上。
宅地の整備に必要なかさ上げに7億円余り。
上下水道の整備には16億円かかります。
門脇のような事業を行う地区で土地を手放す人は石巻市全体で52%に上ります。
人口流出は多くの被災地で共通した課題です。
宮城岩手全体では39%になる事が分かりました。
安全な町をつくり住民に再び暮らしてもらう事を目指す復興計画。
現実とのずれが広がってきています。
ご覧頂きましたようにこのままではあまり人の住まない住宅地が各地に出来てしまうというそういうおそれさえ感じてしまいます。
こうした事態をどう考えればいいのか。
今日はスタジオには2人のゲストの方お迎えしております。
まず元岩手県知事で総務大臣も務めた増田寛也さん。
そして東北学を提唱して国の復興構想会議のメンバーも務められた赤坂憲雄さん。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
1年目2年目と被災地で取材をすると確かに住民の方の意見がどうも変わってきているような実感もあります。
増田さんまずこの点どうお考えになりますか?通常であれば町の職員の人たちなどが原案を作ったりしてそれを住民の人たちが受けていわゆるワークショップのようなものを開いて何度も何度もそこで咀嚼をし改良すべき所は改良していくというのがまちづくりの姿だと思うんですがそういう経験がこの地域ではほとんど一生の間に1度あるかどうかで住民の皆さん方もあまり経験ないしましてや町の職員の人たちは今回被災をして亡くなった方も多いので十分な議論が行われない中で進んできたのではないか。
そして既成の事実が着々と積み上げられていくような形になっていってしまってそれが今になって皆さん方がかなり戸惑いを覚えているところではないかと思います。
まずもう既に三陸の被災地は内陸部と比べても少子高齢化がすごく厳しく進んでいましたしあふれた人口が流れ込んでという事はありえない。
被災地では時間がものすごい速さでフィルムの早回しのように30年後50年後に訪れるはずであった社会のあり方っていうのが手繰り寄せられてしまうだろうという予感を覚えていました。
ところが今ビデオを見せて頂いてもその自分の予感がもうほんの数年で現実になってしまっているという事に衝撃を覚えていたんですけども。
今赤坂さんから人口減少という話が出てまいりましたけれどもこちらをちょっとご覧頂きたいんですけれどもこれは震災後の各自治体の人口の変化率のグラフです。
ご覧のように仙台周辺を除いて被災した市町村というのは軒並み人口が大きく減少しています。
中には20%以上減少した自治体もあります。
この状態このまま進むと2040年には多くの市町村で人口が今の6割程度になるという国の将来の人口推計もある訳です。
例えば将来あまり人の住まないような所に言ってみれば過大な予算が使われてしまうという事も起きかねない訳ですね。
40のメニューが提示されてそれに合わせて市町村は自分たちの復興ビジョンを組み立てて整合性をとりながらしかも時間が常に…常にですね何年の何月…来年の3月までに出せばこのお金がもらえるとか用途と期限というものが常にそこにくっつけられていてとにかく出さなければもらえない。
しかも出せば100%もらえるというところで少しでも大きなビジョンを作ってプロジェクトを立ち上げてたくさんのお金を欲しいというそういう方向にどうしても誘導されてしまったというか流れてしまった。
例えば復興交付金も平成27年度中とか期限つけてますよね。
あの事が逆に粗雑なというか議論を中途半端に短縮してお金だけもらっておこうと。
無くなったら元も子もないという議論につながっていってしまう。
うまく回転すれば全てがうまくいくんですが結果として悪い方にどうしても行ってるところがやっぱり目につく部分があると思うんですね。
結局その結論というのは全て住民の皆さん方が負う訳ですから今住民の皆さん方に本当によく聞いてそれで直すべき所があれば私は直した方がいいと思います。
動き出した復興計画を見直す事はできるのか?震災後人口が2割以上減り深刻な住民の流出に直面している岩手県大町です。
去年8月町は人口の減少を食い止めるため住民の代表と共に復興計画の見直し作業を始めました。
あの日10mを超える津波にのみ込まれた町の中心部。
町役場をはじめ建物のほぼ全てが失われ死者行方不明者は1,200人を超えました。
そこで震災後町が目指してきたのは東日本大震災と同じ規模の巨大津波にも耐えられる町をつくる事でした。
350億円を投じて高さ14.5mの防潮堤を建設。
これまでの2倍以上の高さにします。
市街地は居住範囲を狭めた上で土地を2m余りかさ上げします。
再建にかかる費用は130億円に上ります。
復興計画が作られてから2年余り。
住民からはこのままでは住みたいと思えるふるさとにならないという声が上がっています。
津波で夫と娘を亡くした上野ヒデさんです。
震災直後はできるだけ高い防潮堤の建設を望んでいたと言います。
上野さんが生まれ育った大は古くから海が見える城下町として歴史を刻んできました。
人々は海の恵みに支えられ海と寄り添うように暮らしを営んできました。
新たに造られる防潮堤の高さは今ある水門と同じ14.5m。
5階建てのビルに相当します。
そのイメージが次第に明らかになるにつれ愛するふるさとの姿が変わってしまうと上野さんは感じるようになりました。
(上野)だけどもさ…会議で住民から上がった見直しを求める声。
しかし14.5mの防潮堤を前提とした計画を一から見直す事は難しいといいます。
当初大町は防潮堤の高さについて2つの案を検討していました。
14.5mと10.5m。
仮に今から10.5mの高さに見直すとどうなるのか?防潮堤を造るのは岩手県です。
高さを見直すには県に計画の変更を求めなくてはなりません。
県は既に必要な用地の95%の買収を終えています。
買収費用は3億5,000万円。
その全てを国からの補助金で賄っています。
仮に防潮堤の高さを下げれば土地が余りますが今から地権者には返せません。
余った土地の分の補助金は国に返さなければならないといいます。
大町は防潮堤の高さを見直すともう一つ大きな問題が生じるとしています。
現在町が進めているさまざまな復興事業に影響が出るというのです。
仮に防潮堤を10.5mに見直せば巨大津波の浸水範囲は2倍以上に拡大。
そこで進む復興事業も見直しを迫られるといいます。
防潮堤を見直した場合影響を受けるとされる地区の一つです。
津波で家を失った人たちのために宅地の造成事業が進められてきました。
6億円をかけて36戸分の宅地を整備しています。
今月初めて造成を終えた宅地の抽選会が行われました。
完成した1区画に対し自宅の再建を希望する11人が参加しました。
それでは一斉に開封して下さい。
当選された方?はい。
当選された方5番の方です。
今回抽選が行われた宅地を含む赤色の造成地は防潮堤を見直すと最大でおよそ7mの高さまで水につかると予測されています。
新たに土地のかさ上げが必要になり住宅再建は更に遅れるといいます。
大町によれば防潮堤の見直しの影響は災害公営住宅や橋農業施設そして学校につながる道路などさまざまな事業に及びます。
その数は120ある復興事業のうち40以上に上るといいます。
半年にわたり復興計画の見直しを住民とともに議論してきた大町。
今月地域資源のブランド化や観光振興などを盛り込んだ新しい計画を決めました。
14.5mの防潮堤を前提としたまちづくりについては抜本的な見直しは行われませんでした。
ご覧頂きましたように1つの事業を見直すとそれが玉突きのようにほかの事業にも影響してしまう。
この見直しを阻むものというとどういう事が考えられますか?一旦計画が決まると一斉に動き出すとそれをストップしてそれでもう一度議論し直すというのはこの復興の問題に限らず我が国の場合には非常に難しいですね。
今回はそもそもどこの場所にまちづくりをしていくかというその場所の選定から始めていかなければいけないと。
真っ先に出てきたのは防潮堤ですよね。
まず防潮堤の高さ。
そこの高さを決めて津波から守られるエリアを決めてそしてまちづくりをしていく。
確かに大変だと思います見直しをするのは。
既成事実はもう変えられないだろうというそういう雰囲気がやっぱりまん延してるのかなと思うんです。
町が壊滅してますから産業がないんですね。
つまり税金が自前で確保できない市町村は立場とっても弱いですよ。
でも逆に見直しする事によって予算を削減してそれを有効活用できるんだという事をきちんと話をしてそこで国もやわらかくそれに対応した方が僕は行政のあり方としていいんじゃないかと思いますね。
今お金の話がありましたけれども例えばある計画を縮小して余分なところに費目を付け替えるという事だと…。
これ今の制度では非常に難しいですね。
まさにそういうところが計画が地域の話あるいは実態と別に1人歩きする事につながっていく訳ですよね。
いわゆる公共事業的なお金というのは別のソフト事業だとか教育だとかになかなか回せないと。
国が本気でやるんであればそういった事は柔軟に認めるべきだしまさに今言ったような制度の隘路みたいなものをもっともっと世の中多くの人に知ってもらいたいなと思いますね。
復興に関わる予算というのは単年度とかとっても駄目なんですよ。
10年20年かけて使えるような基金とかファンドのようなものを作ってそれに対する裁量権を地域に市町村に与えるようなあり方っていうのはまだこれからも間に合うと思いますので是非それを考えるべきなんじゃないかなという気がしますね。
一度スタートすると見直しが難しい復興計画。
今ある制度の中で工夫する事で計画を見直している自治体があります。
宮城県女川町です。
去年暮れ町は造成する住宅地を大幅に縮小すると明らかにしました。
震災で壊滅的な被害を受けた女川町。
中心部の大半が津波に襲われました。
町を丸ごとつくり直す巨大な区画整理事業が進められています。
おはようございます。
(一同)おはようございます。
東北から九州まで全国の工事関係者が集められています。
全てが完成するのは平成30年度です。
万全に!
(一同)万全に。
総事業費は510億円。
震災前の町の財政規模の8倍です。
復興計画では海沿いに防潮堤を造らず土地を平均10mかさ上げします。
住宅は高台に移転。
これまでと同じ規模の町をつくる事にしていました。
あと大きいやつは…。
しかし震災後住民の流出は止まらず人口は28%減少しています。
被災地で最も大きい減少率です。
この現実に対応しようと町は計画の見直しに踏み切りました。
200戸を計画していた住宅地を半分に縮小。
65戸を予定していた住宅地の整備はやめる事にしました。
ほかの分を合わせ宅地を520から257と半分以下に減らす事にしたのです。
復興計画の見直しに苦戦する自治体が多い中なぜ女川町はできたのか。
そこには独自の工夫がありました。
被災地の区画整理は通常地区ごとに一つの事業として国に交付金を申請します。
それぞれの事業が動き出すと希望者が減ってもそのまま進められ予算を消化していくケースが見られます。
しかし女川町は地区ごとではなく中心部全体をまとめて一つの区域として事業を進める手法をとりました。
希望者が減った場合そこに住む予定だった住民に別の場所に移ってもらう事で空き地だらけの住宅地を作らずに済みます。
その分の費用を国に申請する必要がなくなり今回の見直しで30億円程度の節減が見込まれます。
すいません遅くなりました。
一旦決めた復興計画を見直すには住民の理解と協力が欠かせません。
女川町は計画を作ったあとも住民の意見を取り入れる機会を持ち続けてきました。
定期的に説明会や意見交換の場を設け時とともに変化する住民の意向を把握しようとしています。
復興計画の大幅な見直し。
しかしそれを進める上で課題もあります。
住宅地の縮小に伴って工事業者は設計を変更する必要に迫られています。
工事関係者はこの日事業が遅れる懸念が出てきたと町に報告しました。
計画を見直した先にどんな町の姿を目指すのか。
柱は徹底した集約化です。
専門家や住民も参加して中心部のデザインを検討しています。
小学校と中学校は5つあったものを1か所に。
病院や役場商業施設もまとめて配置します。
駅周辺にさまざまな機能を集約する事で町の活力を保ちながら財政コストを減らそうとしています。
市街地再建の第一歩と位置づける駅前広場のまちびらきは1年後に迫っています。
町の生き残りを懸けて復興計画の見直しに取り組む女川町。
かつてない人口減少が進む中あるべき復興の姿を探り続けています。
今女川町の痛みも伴うという事はあると思うんですけれども取り組みまず増田さんどのように受け止められましたか。
恐らくおっしゃるとおり痛みがあると思うんですが多分将来に生ずる痛みよりはまだ小さいしそれから今ここできちんと議論しておけば必ず私は将来につながるんではないかと思って見ましたね。
ですから女川のようなある種柔軟な見直しというものをほかの地域でもやれる所はこれからももっとやっていくべきではないかと率直にそう思います。
赤坂さんいかがですか?僕ね被災地を歩いていて人口流出という事がある種の恐怖なんですよね。
でもその恐怖に呪縛されて…。
ですから復興ビジョンも1万人の町は次も1万人の町でというビジョンを作りたいんですね。
でもそれは被災地だけじゃないんですよ。
日本社会そのものが50年後には8,000万人台になるっていう予測が出ている。
つまり少し早いだけなんですよ。
僕はねやっぱりポイントというか一つの鍵になるのは女性たちの声にきちんと耳を傾ける事だと思います。
女性が安心して子どもを産み子どもを育てる事ができる。
そして身の丈の快適なコミュニティーがそこにある。
復興の中にもっともっと女性たちが入ってきて声を上げてビジョンを共に語るべきだというふうに感じますね。
どのようにこれから見直していけばいいのか具体的に何か提言のようなものがあればお伺いしたいんですけれども。
私はこういうまちづくりをいちどきに30年40年先まで全部今の段階で決めるという事ではなくて例えば2段階的に決められるようなまちづくりが何かできないかどうか。
例えば防潮堤の高さにしても今大では計画で14.5mのものでずっと波を防ぐという事になってますが例えば従来どおり10mとか8mぐらいのものをまず造ってそれから更に大きくするのはそのあとまた考えたらいいんではないかといったようなそういう…少し先の時点でもう一回ですねきちんと意思決定をするような仕組みが何か入れられないかなと思うんですよね。
人口が増えている時は今のうちにいろんな将来予測をしていちどきにまちづくりを進めていくというのは今までの手法でしたけれどももっと違うやり方をここで考えていくべきではないかなと思いますね。
今ですねこの時点で復興に向けて何が必要なのかという事これについてお二方からお伺いしたいんですけれども増田さんいかがでしょうか?これから首都直下だとか南海トラフだとか大きな災害が予想されますよね。
予算の一般的なルールだとかそれから事業のやり方手法などもやはりこの東日本でこれからの大震災時の新しいルールが出来上がるというつもりで考えていくしかないんではないかと。
それを実現するために全力を尽くすあらゆる事を成し遂げるという強い意志を持つべきではないか。
今被災地で考える事被災地が選択する事というのは日本社会がまだ体験した事のない世界地域社会のあり方っていうのを今ここで問われているんだ。
そしてそれは誰も解を見いだしていない応答を見いだしていない問いなんだっていう事をもう一度再確認した方がいいのかもしれない。
つまり時間はかかるんだと。
そんな簡単に答えが出る事ではないっていうもう一度そういう覚悟の決め方が求められているのかな。
僕は東北が始まりの土地になってほしいって今も思ってますしその可能性はあると今でも信じています。
今日はありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
東日本大震災はかつて私たちが一度も経験した事のない災害でした。
しかし復興を目指すその取り組みはこれまでの制度や手法を踏襲してきたもので現実と計画との間にかい離が生じてきております。
そうであるならこの3年という時点で見直すべきは見直す事が求められているのではないでしょうか。
震災からの復興が成し遂げられるかどうかは人口減少時代を迎え将来の巨大地震に備えなければならない日本全体にとって試金石となるのです。
その意味でお二人がいみじくもおっしゃったように復興のあり方をこれからも諦めずに考え続けるそうした覚悟を持つ必要があるのではないでしょうか。
2014/03/09(日) 21:00〜22:00
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「どう使われる 3.3兆円〜検証 復興計画〜」[字]

震災から3年、被災地では復興計画に基づいて新たな町作りが進められている。しかし、想定以上の人口流出が続くなど様々な課題があることがわかった。その実態を検証する。

詳細情報
番組内容
東日本大震災で被災した宮城、岩手の沿岸市町村すべてについて、復興計画の進捗(しんちょく)状況を取材。当初は地元に残る意志を示した住民が、自治体の想定以上に流出していること。そのために高台移転や区画整理事業などを進めているものの、その後の青写真がなかなか描けないこと。計画変更の必要性を認識しながら踏み出せない自治体が多いことなどが見えてきた。今後の復興に何が必要か、浮かび上がった課題から検証する。
出演者
【ゲスト】元総務大臣・前岩手県知事・野村総合研究所…増田寛也,学習院大学教授…赤坂憲雄

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