THE世界遺産【アメリカ縦断!10億の蝶が森へ〜メキシコ】 2014.03.09

メキシコの山奥へ
そこで驚くべき光景と出会いました
霧深い標高3000メートルの高み
長い間謎とされてきた
ある生き物の越冬地があったのです
あの木を見てくださいすべて埋め尽くされています
何の変哲もない木
枝は色あせた葉っぱで膨らんでいます
でもよーく目を凝らしてみると…
全部蝶です
1本の木に数十万も
蝶の名は…
春が来ると彼らは一斉に
長い長い旅に出ます
今日の世界遺産は…
メキシコ高地のごく限られた森で
冬を越す蝶
遠く3000キロも離れた…
彼らの1年を追いました
メキシコ中部
霧に包まれていました
最初の驚きは
固有のモミの木が蝶達を守っています
オオカバマダラが毎年この森にやってくるのは
11月の初め
3月までのおよそ5ヵ月間を過ごします
蝶がどこから旅してきたのか
手がかりが地面に落ちていました
ハネにシールが貼られています
これはオオカバマダラの移動を研究するために貼られたものです
シールには個体を識別する番号
アメリカの研究機関が蝶の移動ルートを調べるため
北米各地でシールを付けました
番号を見ればどこで貼られたものかが分かります
このシールはアメリカミネソタ州のセントポールで貼られたものです8月26日ですね
移動する蝶は世の中に何種類も知られています
けれどオオカバマダラの飛行距離は
世界最長
追跡調査は60年以上も前に始まりました
ボランティアによる地道なシール貼り
これで驚くべき旅のルートが分かってきました
オオカバマダラは北米大陸の北部で夏を過ごし
秋になるとメキシコへ
その距離カナダから直線で3000キロ
オオカバマダラが冬を越すのは
標高3000メートルの山頂付近
メキシコとはいえときには雪が降る日もあります
けれどなぜ彼らはここを越冬地に選んだのでしょう?
その秘密は
メキシコの高地だけに自生する
針葉樹にありました
蝶が群れるのはモミの木
幹が発するわずかな熱と湿気によって
体の乾燥を防ぎながら冬を越すのです
午前10時
森に太陽の光が差し込んできました
蝶達はハネを広げて日光浴を始めます
やがて気温が12度を超えると…
蝶はようやく体が温まり
動けるようになります
この保護区だけでその数10億とも
蝶達のあとをついていくと
彼らがこの地を選んだ
もうひとつの秘密が分かりました
ほんのかすかなせせらぎの音
湧き水です
花の蜜を食料にしているオオカバマダラ
花の咲かない冬は
ミネラル豊富な湧き水を糧にしのぐのです
メキシコの森は
あちこちから湧き出す水に恵まれていました
だからこそ彼らはここを
越冬地と定めたのです
オオカバマダラ保護区の麓に広がる町…
至るところに蝶のモチーフが刻まれていました
ここは蝶と共に生きる町
オオカバマダラが冬を過ごす間は
世界中から観察ツアーがやってきて
大いににぎわいます
世界広しといえども
これほど大量の蝶と触れ合うことができるのは
ここだけです
蝶達にいよいよ旅立ちの時期が迫っていました
2つ目の驚きは…
親からひ孫まで何と4世代にわたる壮大な旅
春を迎えた森に花が咲き始めます
長い冬を耐え抜いた蝶達にとって
蜜は久々のごちそうです
やがて彼らは駆り立てられるように
交尾に励みます
交尾を終えればもう旅立ちのとき
オオカバマダラの群れは一路北へ
卵を産むのは旅の途中です
彼らに国境はありません
上昇気流に乗って
ときには一日で120キロも飛ぶといいます
ビルを眺めてひと休み
既にアメリカです
やがて産卵の時期が訪れます
卵を産みつけるのは
…と呼ばれるの植物の葉っぱ
その白い液には
生きるために必要な毒がありました
アメリカには初夏になると
トウワタの群生が見られます
メキシコの越冬地にはない野生の草
オオカバマダラは必ずここに立ち寄るのです
その目的は子供を産むこと
オオカバマダラが卵を産みつけるのは
トウワタの仲間だけ
それが生き延びる知恵でした
トウワタの白い液は毒を含んでいます
幼虫はその葉っぱだけを食べ
体内に毒を取り込んで
外敵に食べられる危険を避けるのです
卵から幼虫を経てサナギになるまで
およそ18日間
サナギになると
2週間ほどで羽化します
成虫となった2世代目は北上を続けます
その理由はトウワタにありました
トウワタが新芽を出す場所は
季節とともに北上します
オオカバマダラはその新芽を追いかけ
およそ3世代をかけて
トウワタの北限カナダへと達するのです
羽化した蝶の寿命はおよそ1ヵ月
産卵を終えたオオカバマダラは
息絶えます
子供達に受け継がれる北への旅
8月の終わりにはカナダへ
メキシコから3000キロも離れた
トウワタの北限です
オオカバマダラはここで生まれるひ孫に
バトンをつなぎます
そしてこの世代は
今までにない特殊な能力を身につけていました
3世代かけてカナダにたどり着いた
オオカバマダラ
けれどメキシコに戻るときは
4世代目が
一気に3000キロを移動します
メキシコの森に帰った4世代目は
そのまま冬を越し8ヵ月も長生きするのです
彼らはどのようにして同じ木に戻ってくるのか
謎はまだ解き明かされていません
オオカバマダラで商売をする人が
カナダにいました
繁殖を手がけるブリーダーです
花の蜜の代わりに与えているのは…
オレンジ味のスポーツドリンク
このエサを見いだすまでには
大変な試行錯誤があったそうです
育て上げた蝶が大活躍する場がありました
それは…
セレモニーのクライマックスで
小さな箱が配られました
その中身は…
オオカバマダラ
先住民の伝説によれば
願いをささやきながら蝶を放つとかなうとか
古くから蝶は
人々の暮らしと関わってきました
今からおよそ2000年前に存在していた
古代メキシコ人が
どのように蝶とつきあってきたかを知る出土品が
蝶には神秘の力があると信じられていたのです
オオカバマダラ保護区から西へ150キロ
もうひとつの世界遺産があります
3つ目の驚きは
メキシコ人の死生観です
テオティワカンは5世紀頃に15万人もが暮らした大都市です
貴族の館の壁に
蝶が描かれていました
サナギから美しい姿に変身する蝶は
よみがえりのシンボル
古代メキシコ人は蝶をあがめました
儀式に使われた香炉にも
蝶の装飾が施されています
死は命の終わりではなく
永遠に繰り返される営みの一部でした
11月になると
越冬地の麓にオオカバマダラが戻ってきます
この時期町では
先祖達の魂を迎え入れる大切な行事があります
ときを同じくして帰ってくる蝶は
…と信じられてきたのです
陽気な音楽に送られるように
蝶は山奥の森へ
ほぼ2ヵ月かけて3000キロを旅してきたオオカバマダラ
春が来るまではこの森が住みかです
地面には力尽きてしまった姿も
旅は恐ろしく過酷だったのです
11月の終わり
森は再び10億もの蝶で埋め尽くされました
神秘の蝶が春を待つ森
オオカバマダラ保護区は
冬を越え
山が命の息吹に満ちる頃
蝶達はまた
長い長い旅に出ます
2014/03/09(日) 18:00〜18:30
MBS毎日放送
THE世界遺産[字]【アメリカ縦断!10億の蝶が森へ〜メキシコ】

メキシコ高地で冬を越す10億もの蝶オオカバマダラ!春になると3000kmも離れたカナダに長い旅に出ます。いったいなぜ!?謎に満ちた蝶たちの1年を追いました。

詳細情報
お知らせ
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番組内容
メキシコの霧深い標高3000mの山奥—そこに長い間謎とされてきたある生き物の越冬地があります。木々を埋め尽くす夥しい数の蝶“オオカバマダラ”です。その数は10億とも言われます。メキシコ高地の限られた森で冬を越す蝶たちは、春になると遠く3000Kmも離れたカナダに、長い長い旅に出ます。謎に満ちた蝶たちの一年を追いました。
出演者
【ナレーター】
深津絵里
音楽
【オープニングテーマ曲】
「風の詩〜THE 世界遺産」小松亮太

【メインテーマ曲】
「Les enfants de la Terre fantaisie〜地球のこどもたち〜」
作曲  服部隆之  演奏 宮本笑里 with 仙台フィルハーモニー

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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