粉雪が風に舞う…時折柔らかな日ざしが山里に降り注ぐ。
立春を過ぎた雪は春が近いしるし。
ベニシアさんが暮らす古民家もうっすらと雪化粧。
早朝キッチンに現れたベニシアさん。
いつもの一日が始まる。
朝食作り。
メニューはベニシアさん得意のマッシュルームトーストだ。
(ベニシア)イギリスのマッシュルームトーストを作りたい。
自分が小さい時を思い出すのね。
朝御飯で食べたいからお母さんが「牛がいる場所に行って下さい」って言うのね。
なぜかそういう所で牛がいたら必ずマッシュルームがあるっていう事。
子どもの頃母親から習ったマッシュルームトースト。
ベニシアさんの4人の子どもたちにとってもおふくろの味だ。
これ悠仁も好きだね。
今日は孫のジョーくんのために。
お待たせ〜。
じゃあ頂きます。
中学2年生になったジョーくん。
学校のある日はこの家から通っている。
今日何の授業あるの?
(ジョー)体育と国語と美術。
どれが一番好きなの?体育。
体育?何の体育?今日はバスケやってる。
あっバスケやってんの?うん。
ジョーの一番好きなものじゃないの?うん。
ベニシアさんの朝は家族のための時間。
みんなを笑顔で送り出す。
行ってくる。
忘れ物ないの?うんない。
ホンマに?うん。
そっか。
じゃあ行ってらっしゃい。
行ってきます。
バイバイ。
成長したジョーくんに大学生になり独立した息子悠仁くんの姿が重なる。
今日私いるし。
日々の暮らしは当たり前の繰り返し。
それがとてもありがたい。
自分の子どもも4人でそのあとに孫が来て全然休憩時間がないんです。
でもかわいいからね。
子どもがいたら長く若くできるって思うのね。
子どもの会話面白いのね。
大人ばっかりになるとちょっと多分しゃべる話題がだんだん少なくなるかもしれないけどでも子どもがいたらいろんな話できるし手伝ってくれるのねみんな。
家族で大原に越してきて17年目。
築100年を超す古民家での暮らしは当初驚きと戸惑いの連続だった。
家族総出で改装し住み心地のいい今の家を造り上げた。
(前田)おはようございます。
あっ前ちゃん来た?ベニシアさんが心から尊敬する長年の友人…いや何かでもすごい…今ちょっとふっと思ったけど前田さんどのぐらい…何年になってんの?27年ぐらいかしら。
27年やなあ。
ず〜っと長くホントにお世話になってますね。
こちらこそ。
思いますね。
前田さんのおかげで日本の文化を分かったのはいろいろ教えてくれてでも私あるもの全然駄目でしょ?いえいえ。
何を言ってもベニシアが…。
聞いてくれない事もあるけれど。
私が間違った事はっきり言ってくれるからそれすごくありがたいのね。
ベニシアさんが仕事と子育てに追われていた頃から支えてくれた前田さん。
日本ならではのしきたりや習慣を教えてくれた。
今や友情を超え家族のような絆で結ばれている。
今日は前田さんと一緒に米のとぎ汁で床を磨く。
何かこれで掃除できるの知らなかった。
米ぬかにはワックスのような艶出し効果があるという。
前田さんの暮らしの知恵にはいつも驚かされる。
かつて長年の汚れがたまっていた古民家。
少しずつきれいになる事を楽しみに磨いてきた。
最初ここの家来た時前ちゃん手伝ったでしょう?その…ほこりだらけでね。
その時もう…。
すごかったね。
何回も何回も。
前田さんが「もう一回しましょうもう一回しましょう」。
多分この天井の所で10回ぐらいやったんやね。
1日じゃないよね。
そうそうそう。
何日も何日もかかってやってたんやね。
1か月かかったんかな。
かかりましたね。
27年ベニシアさんの暮らしを誰よりも長く見守ってきたのは前田さんだ。
働き者です。
いつもいっぱい買い物してきてもすぐ所定の場所にぱぱぱっと片づけてすぐお庭に出てもう草引きなんですホントに。
私だったらもう帰ってきたらああ疲れたって思うんですけどそれはもう前から思ってるんですけどね。
働き者だと思ってます。
前田さんに褒められるとうれしくてちょっとてれてしまうベニシアさん。
家の仕事を終えたらお楽しみのガーデニングタイム。
庭造りに終わりはない。
季節ごと欠かせない仕事がいつもベニシアさんを待っている。
今日は堆肥。
冬の間にあんまり何もあげてないからこれから春になるからキンセンカの周りにちょっとあげたい。
(辻)こんにちは。
ああ〜典ちゃん来てくれた。
今日は何しはるんですか?何か堆肥…。
大原に住む…ベニシアさんの一番のガーデニング仲間。
庭仕事が大変な時はいつも助けてくれる。
これ草やね。
それ草ですね。
植物が生い茂っていない冬の庭は堆肥を入れ草取りをして土を豊かに保つ。
スイセンがいっぱい咲くから今は…。
これ何だろう。
これ勝手に…。
それリュウキンカでしょう?うんちょっと場所変えようか。
増えるんですよねそれメチャメチャ。
これやっぱり向こう持っていくわ。
ここの色は大体ピンクと紫だから黄色い花咲いたらちょっと困ります。
困ります。
デザインが。
花が咲いた時を想像しながら庭のデザインを考えるのも冬のガーデニングの楽しみ。
1人でやるのも悪くないけれど2人でやれば作業もはかどって庭造りのアイデアも交換できる。
典ちゃんの場合は多分結構私と好みが似てるのね。
だから同じものを感動して好きよね。
日本の名前と英語のお勉強にもなるしうんですね。
私ハーブの事はやっぱりちょっと知らないんでそんなに。
でもベニシアさんにちょっと習うようになって何かこう使えるじゃないですかだからすごいなと思って。
ちょっとずつ教えてもらって何か楽しくなってきましたね。
自分が覚えた事を若い人に教えたいっていうところがあるから次の世代を…この人の世代になったらまたそこの世代が別の世代に話す。
ガーデニングホントにほっとけない生き物ですから。
だから帰ってきて水やりやってなかったらホントに植物がこうなってるんだったらもう御飯が後。
やっぱり庭先に水あげないとアカンよね。
植物は生きている。
だから庭が教えてくれる事がたくさんある。
晴れ間が顔をのぞかせた午後。
何だかおいしそうな香りが漂う。
夫の正さんがどうやらベーコンを作り始めたらしい。
山岳写真家の正さん。
家にいる時はベニシアさん以上に手作り暮らしをエンジョイしているのだ。
(正)砂糖と塩とコショウ入れますね。
料理人としての経験もある正さん。
アウトドアクッキングはお手の物。
ベーコンの味付け用の液も自分で作る。
時間をかけて丁寧に。
なかなかの凝り性なのだ。
越してきた当初ボロボロだった古民家を正さんは自力で改修した。
山に囲まれて暮らす中で大変な力仕事は全て正さんが担っている。
1週間ぐらい漬け込みます。
僕が勝手にすき好んでやってるから例えば木採ってきてまき割ったりとかやってるんであってまき割ってたらそれで結構エネルギー発散してスカッとするし気分もいいしそっちの方が楽しいしね。
楽しいし何か充実感があるし。
ここでこの生活を大切にして生きていく事になるんだろうなと思ってます。
正さんがベニシアさんと結婚したのは21年前。
山岳写真家としてデビューした頃で以来ベニシアさんの本の写真や翻訳なども担当してきた。
ベニシアのすごいなと思うところは何か自分で考えて人が何言おうがやりたいと思ったら勝手にやるんですよね。
それが長い間見てたら結構仕事につながったりとかしててそういう部分で僕も影響を受けてますね。
ちゃんとやってる実行力のある人だなと思って。
「2人で築いてきたこの暮らしはお互いの協力があってこそ」と正さん。
1週間前に漬け込んでおいた肉を塩抜きしくん製機へ。
チップもお手製。
ノコギリでスライス。
木はなんぼでもあるしねまきに燃やすための。
これはヤマザクラですけど多分サクラはいいって確か聞いた事あるけどいろいろ試してみたら面白いかもね。
いろんな木によって。
チップに火を付け4時間ほどいぶす。
手間を惜しまず待つ事を楽しむ。
そうすれば日常が特別な日に変わる。
ベニシアさんも正さんも暮らしを楽しむ達人だ。
ベニシアさん週末の早朝は散歩がてら朝市へ行くのが楽しみ。
おはようございま〜す。
おはようございます。
寒いですね。
すごい元気そうなダイコン。
今日鍋を作るからいいやつをね。
重いです。
へえ〜。
ハクサイは最後の一個です。
そう。
みんな元気?はい風邪もひかずに元気です。
ホント。
じゃあまた。
はいありがとうございます。
14年目を迎える朝市。
ベニシアさんは始まった頃からの常連だ。
京野菜を中心に新鮮でおいしい食材が手に入る。
口コミで広がり今では遠方からも人が訪れる。
はいおはようございます。
おはようございます。
ベニシアさん今日は鍋に入れる材料を買いに来た。
貝も欲しい。
5つ。
貝はじゃあ4つ。
4つはい。
はい!ありがとう。
そしてここに来て一番うれしい事は大原の仲間たちに会う事だ。
おはようございま〜す。
あっおはよう。
あっみんないる!ええ〜大きくなったね。
びっくり。
(笑い声)今もう2歳?いや1歳4か月5か月になる前ぐらい。
農家の渡辺さん夫妻。
知り合った頃はまだ2人とも学生だった。
有機農業をしたいと15年前大原にやって来た2人をベニシアさんはずっと応援してきた。
今では農業を目指す若者たちのリーダーとして子を育てる親としてしっかりと大原に根づいて暮らしている。
(雄人)農業してる人もこの大原で限って言ったら確実に増えてるしこんだけ若者入ってきてる土地ってほかそんなないですよ。
それすごいいい事。
それ日本全国に起きたらものすごい大事な事よね。
次の時代を担う人たちが集まる大原。
すばらしい所だとベニシアさんは思う。
朝市の食材でトマトハーブ鍋を作る。
トマト鍋を作りたいと思ってます。
まずニンニクをちょっとみじん切りにします。
血をサラサラにするためにいつもニンニクをいっぱい入れるのが好き。
今日は日頃お世話になっている友人を招いてホームパーティーをする。
そんな時ベニシアさんはよく鍋でもてなす。
土鍋にみじん切りにしたニンニクを入れオリーブオイルで軽く炒める。
白ワインサフラン塩コショウで味付けし水とハマグリを入れてダシをとる。
で貝。
サフランの香りがいい。
これも適当に好きなように。
トマトピューレを入れ沸騰させる。
うん大丈夫です。
何か塩足りないかなと思ったらそうでもない。
じゃあ次はいろんな野菜を今日朝市で買ったやつですごいフレッシュだと思う。
野菜や魚などの具材を食べやすい大きさに切り大皿に盛る。
何か自分の野菜を食べる時すごくうれしいけど知ってる人の野菜を食べるのもうれしいんやね。
特に大原の若者がホントにいい野菜いっぱい作ってくれてるからすごい恵まれてると思う。
湯葉。
初めて湯葉入れてる。
湯葉も朝市仲間の手作り。
安全で豊かな食材があるからこそベニシアさんの料理はおいしいのだ。
煮えるのに時間がかかる具材から鍋に入れていけば出来上がりだ。
じゃあちょっと蓋しますね。
はいじゃあ出来ました。
トマトの風味が利いたベニシアさんの鍋に正さんの手作りベーコン。
(一同)うわ〜!
(笑い声)日頃世話になっている仲間へ感謝の気持ちを込めて。
(正)清ちゃんコーヒー飲もうか。
(笑い声)みんなに感謝。
ホント皆さんのおかげでいろいろできる事…。
ありがとうございました。
(宮原)頂きま〜す。
娘のジュリさんと孫のジョーくん。
仲良し親子はベニシアさんの喜び。
先ベーコン食べようよ正が作った。
あっおいしい!軟らかい軟らかい。
おいしい。
おいしい?うん。
塩加減がちょうどいい。
うんホントおいしいよ。
90歳になったら私はスコーンを作って正はベーコン。
(正)90歳で腰曲げてベーコン作るんか?まあでも最後まで何か作る方がいいよね。
自分の手で作り出す心豊かな時間。
温まるね。
この湯葉おいしい。
ベニシアさんの大原暮らし。
そこにはいつも大切な家族や仲間たちがいた。
(正)何かね家も入れようかなと思ってさ。
ありがとうという魔法の言葉を心に抱いて。
あっいいっすよ。
(正)目見開いてよ10秒後にね。
せ〜のはい。
流れゆく季節の中でベニシアさんの日々はつながっていく。
2014/03/09(日) 18:00〜18:29
NHKEテレ1大阪
猫のしっぽ カエルの手 京都大原 ベニシアの手づくり暮らし「感謝の心で」[字]
春を待ちわびる京都・大原。いつもと変わらぬ朝を迎えたベニシアさんは孫のジョーくんに朝ご飯を作り学校に送り出す。お世話になった友人を招きホームパーティーをする。
詳細情報
番組内容
春を待ちわびる京都・大原。いつもと変わらぬ朝を迎えたベニシアさん、孫ジョーくんに朝食のマッシュルームトーストを作り、学校へ送り出す。そして、お世話になっている友人を招いて、ホームパーティーを計画。ベニシアさんは朝市で手に入れた食材でトマトハーブ鍋を、夫の山岳写真家・正さんは、くん製器を使って裏庭でベーコンを手作り。みんなで楽しい時間を過ごす。家族や仲間に囲まれ、ベニシアさんの手作りの暮らしは続く。
出演者
【出演】ベニシア・スタンリー・スミス,【語り】山崎樹範
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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