夢の扉+【爆弾低気圧…大雪災害から身を守れ】 2014.02.23

記録的な大雪が関東甲信地方を襲った
崩落する建物に孤立する集落
雪はその脅威をまざまざと見せつけた
国土の半分が豪雪地帯という日本で
雪の災害に立ち向かうスペシャリスト…
突然の吹雪に雪崩
天気図だけでは予測困難な自然の猛威をピンポイントで予測する
画期的な防災システムを生み出した
雪国育ちの上石を突き動かした悲劇
吹雪の中父は娘に覆いかぶさり
命を犠牲にして子を守った
あの日現場では一体何が起きていたのか
そこの扉の前で亡くなった死に物狂いで子ども連れて歩いたと思うから
悲劇を繰り返さないために
雪の災害から命を守る
かつてない予測システム開発に挑む男を追った
Ihaveadream
群馬県で除雪作業中の男性が
雪の重みで落ちた車庫の屋根の下敷きになり亡くなった
市街地を襲い多くの犠牲者を出した大雪
その危険がさらに高まるのが冬山だ
富山県の北アルプス真砂岳で大規模な雪崩が発生し巻き込まれた男女7人の死亡が確認されたほか1人と連絡が取れなくなっています
去年11月に起きた雪崩事故
その瞬間をスキー客が撮影していた
巨大な雪煙を舞い上げ斜面を滑り落ちる雪の塊
すぐそばにはスキーヤーの姿が
雪崩の直後山頂付近には表面の雪が
広範囲にわたって滑り落ちた跡がくっきりと残っていた
この事故の翌日すぐに現場へ調査に入ったのが
雪の防災を専門に研究する上石だ
かわいた雪ですので…と現地に行ってわかりました
ここでは雪の結晶を人工的に再現し
雪が起こす様々な現象を科学的に解析している
ここのセンター長を務める上石は
いわば雪の防災のスペシャリストだ
どんな条件だとそう変化してしまうかっていうのを本当にまさに今研究しているとこですね
日々雪と向き合う上石が今
特に力を入れているのが雪崩の研究だ
斜面を滑り落ちるほどにスピードを上げる雪崩
その時速は最大で200キロにもなると言います
その加速のメカニズムを実験で解説してくれました
プラスチックのといに発泡スチロールの粒を流すと
この発泡スチロールでやると…
確かに先端が丸く膨らんでいます
これが速さの秘密?
今度は粒の動きがよくわかるよう水の中で
先端の粒が空気抵抗を受け後ろへ
そして抵抗を受けていない後ろの粒が次々と前へ
これを繰り返すことでどんどんスピードが上がるというわけ
そんな雪崩のエネルギーは1平方メートル当たり
大型トラック1台分の重さがかかるほどの威力なんです
これまで不可能とされてきた雪崩の予測に挑む上石
そもそも雪崩には2種類あり
雪の表面が滑り落ちる…
全体が崩れ落ちる…
この雪崩を予測する鍵となるのがある雪の存在だ
この黒っぽいところがざらめ雪ですね
この部分がざらめ雪と呼ばれる雪の層
すごく粒同士がつながっていなくて粒が大きいこうやるとすぐ崩れやすいことがわかるんです
これを専用の顕微鏡でのぞいてみると…
新雪に比べざらめ雪の結晶は丸みを帯びてツルツル
そのため雪が滑りやすくなるという
このざらめ雪が雪の層の途中にあれば表層雪崩が起き…
地面に近い場所にあれば全層雪崩が起こる
この雪崩を起こす犯人ざらめ雪を観察できれば
雪崩を事前に予測できるはず
上石はそう考えた
雪崩が発生するたびにそこへ駆けつけた上石
3年で回った現場は延べ300を数える
ざらめ雪の状態を確かめ
雪崩との関係を徹底的に調べ上げた
そして雪崩の予測につながるある法則を発見する
これは積もった雪の質が
時間によってどう変化するかを表したデータ
赤い層がツルツルの…
この層に上から水分がいつ浸透するかを予測したのがこちら
黄色で示された水分がざらめ雪に到達すると
ざらめ雪がさらに滑りやすくなり
雪崩が発生しやすい状態になるという
この水のしみこみ方なんですけど暖かいときに上からとけるんですがとけた水が下の方にしみこんでいくしかも下の方の雪はざらめ雪ですのでこの辺りが雪崩が起きやすくなる
この場所は26日の深夜2時から朝にかけて
ざらめ雪の層に水分が浸透すると予測されている
つまり…
その26日の午後
上石は現場へ状態を確かめに向かった
すると…
おおおー!
確かに雪崩が起こっていた
こっちが雪崩が全部で20ヵ所程度起きてる斜面です全部全層雪崩ですけどこれは暖かくなって起きた雪崩
現場のカメラがその瞬間を捉えていた
時刻は上石のほぼ予測どおりの…
幸いこの現場では被害は出なかった
現在県内の道路や民家のそばにある…
雪崩が予測されると事前に雪を落とすなどの対策が取られている
事前に完全に立ち向かうとは全然思っていなくてそこを何とか少しでもなだめて自然と仲良くやっていくところだと思いますいいですか?集まってー
定期的に開催している雪の教室は
子ども好きな上石のライフワーク
本当は雪は零度かマイナスプラスの雪ってないんだよね
雪は恵みであると同時に恐ろしい存在でもある
そのことを一番伝えたいのが
雪国で成長していく子どもたちだ
50キロの重さの雪だけど100キロとかたぶん200キロぐらい…
上石がそれを強く胸に刻んだ忘れられない出来事がある
猛吹雪の中一歩も動けなくなった親子
父は覆いかぶさるように娘を温め
自分の命と引き換えにわが子を守った
去年3月に起きた悲劇
湧別町に暮らす親子は
軽トラックに乗って外出先から自宅に向かっていた
午後4時過ぎ天気が急変し暴風雪に
ちょうど同じ頃このときの北海道東部の状況を
撮影した映像がある
・うわーッこれは…・視界ゼロ
雪が視界を塞ぎ1メートル先も見えない
親子が乗った軽トラは路肩の雪に突っ込み立ち往生
ほどなく燃料も底をつく
意を決した父親は9歳の娘の手を取り車の外へ
目も開けられないような吹雪の中付近の家を目指した
車を乗り捨ててから300メートル
無人の倉庫にたどりつくが鍵がかかって中へは入れない
親子の体力は限界だった
父は凍える娘を吹雪から守ろうと
娘に覆いかぶさる体勢でじっと助けを待ち続けた
10時間後
警察に救出された娘の上で
父親は帰らぬ人となっていた
あれから間もなく1年
10歳になった女の子は
親戚のもとで元気に暮らしているという
この…ここで…
雪に慣れていたはずなのに…
いまだに現実を受け入れられないという
今はなんもなくて感覚的にわからないだろうけれどもその当時だったら死に物狂いで子ども連れて歩いたと思うからなんもないときはこんなとこでと思うけれどもね今思えばかわいそうなことしたよね
3人の子を持つ上石
事故を知り胸が引き裂かれるような思いだった
そうして手にした古い本がある
赤ん坊を連れて旅をしていた夫婦が
あるとき猛烈な吹雪に襲われる
夫婦は凍えて命を落としたが
母親が懐に抱いていた赤ん坊だけは生き残ったという
江戸時代に起きた悲劇
それが200年近くたった現代でも繰り返されていた
本当に悲惨な悲しい事故それも江戸時代からもある災害がまだ防げていないこれは本当に私どもの使命ではあるのかなと思いました
湧別の親子を襲った暴風雪とはどのようなものだったのか
上石の施設では吹雪を再現し繰り返し検証が行われている
それは想像を絶するものだった
時に人の命を奪うほどの暴風雪とは?
上石らはそんな気象を再現しては研究を重ね
防災に役立てようとしている
地面の雪が舞い徐々に視界を遮り始めた
視界はほぼゼロ
この施設の限界…
北海道の湧別で親子をのみ込んだ吹雪は
これよりも激しい最大風速20メートルだ
雪で誰も悲しむことのない未来を作りたい
それが上石の夢だ
実現しないでいい夢もあるかもしれないんですが実現しなくちゃいけない夢かなとそれも段階を追って少しずつでもいいんですけれども実現させていかなくちゃいけないという使命感は持ってます
自分の夢には実現させなければならないという使命感がある
そのために上石が取り組んでいるのが
人命に関わるほどの…
ここはですね雪とか気象の基礎的なデータをとっているところです一番上に付いているのが風向風速計で今すごく勢いよく回っていますがあれが回れば回るほど風が強くて羽根の向く向きが風の吹いてくる方向です今向こう側から結構風が強いですね
現在新潟県内6ヵ所に設置されている気象観測機
ここで観測されたデータを気象庁が発表するデータと合わせ
吹雪の予測を導き出す
現在気象庁が発表する暴風雪などの予報は市町村単位
一方上石の開発したシステムは
それらは…
気象災害の予防に役立てられている
上石が吹雪予測システムを新たに設置する場所として選んだのは
湧別と同じ北海道東部の…
…という思いが私どもの研究センターのメンバーを動かしたのかなと思ってます
そして2月中旬
北海道東部を猛烈な暴風雪が襲った
北海道の東部を猛烈な暴風雪が襲った
上石が中標津に設置した吹雪予測システムは
この日の猛吹雪を26時間前に予測
町から住民への注意喚起がなされ
大きな被害が出ることはなかった
雪で誰も悲しむことのない未来
上石の夢がまた一歩前進した
自らの命を犠牲にして娘を守った父
現在女の子を育てている親戚の方も
上石の吹雪予測システムに期待を寄せる
すばらしい研究だと思いますしこういう事故が1つでも減るようにそれが予測されて何時間後に吹雪きますよとわかったら当然外出もしなくなるだろうし早く日常化になるように我々も応援したいですね
今回上石の取り組みを女の子に伝えたところ
手紙を書いてくれた
「これからもお元気でいろいろな物を開発してください」本当に…少しでも早くっていうか…犠牲というか…被害に遭わないようにしたいですね責任重大で使命だし一生懸命やっていかないといけないなと思いましたね
人は自然にはあらがえない
だからこそ知恵を駆使し雪と共存していく
尊い命を雪から守るために
次回は…
いまだ答えが出ない謎に挑む
総額…
…に密着
その最前線に立つのは…
睡眠障害に悩む世界中の人たちを救うかもしれない…
ナレーターは彼にバトンタッチ
やってきましたさんまさん2014/02/23(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【爆弾低気圧…大雪災害から身を守れ】

雪崩・吹雪を“ピンポイントで予測”するシステム開発!命を奪う危険を未然に防げ! ナレーター/中井貴一

詳細情報
お知らせ
2013年3月、北海道・湧別町でおきた事故。猛吹雪の中、車が雪にうもれ、身動きがとれなくなった親子。父親は、9歳の娘をかばうように覆いかぶさったまま凍死。娘を命懸けで守った―。
日本では、毎年、雪崩や吹雪など雪による災害で、命が奪われる事故が起きている。こうした災害を未然に防ごうと、雪崩や吹雪の発生を事前に予測する「雪氷災害発生予測システム」を開発したのが、上石勲・雪氷防災研究センター長。
番組内容
これまで“不可能”とされてきた雪崩・吹雪の予測。上石が率いる研究チームは、気象データだけでなく、実際の積雪現場で得た雪の質や、雪が含む水分量、風向き、気温、湿度などの観測データを独自の方法で分析し、雪崩や吹雪が起きやすい危険度を、“ピンポイントで”予測できるシステムを開発した。
現在、新潟・長野・山形の3県で試験的に運用され、暴風雪を事前に予測して交通を規制し、被害を回避するなど成果を挙げている
出演者
【ドリーム・メーカー】 雪氷防災研究センター 上石勲 センター長(54歳)
【ナレーター】中井貴一
音楽
【テーマソング】
「やさしい雨」
唄 小田和正(アリオラジャパン)

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0×0810)
EventID:1511(0x05E7)