乾燥の大地オーストラリア。
カンガルーにワラビーコアラやウォンバット!そうおなかの袋で子どもを育てる有袋類の王国です。
でも今日の舞台はオーストラリアではなく遠く離れた南米のアルゼンチン。
密林の奥深くにカンガルーやコアラと同じ有袋類が住んでいます。
南米に生き残った貴重な有袋類です。
天敵だらけのジャングルで驚きの技を編み出しました。
怖〜いヤマネコと鉢合わせ!あ〜!オポッサム大ピンチ!ま…まさか死んじゃったの?実はこれこそがオポッサムの得意技なんです!子孫を残す方法にも秘策があります。
一度に20匹もの子どもを産む超子だくさんなんです!でも子どもが多すぎてハプニングの連続。
あっ危ない!落ちちゃった!ジャングルで生き残れ!南米の有袋類オポッサムのサバイバル大作戦です。
(テーマ音楽)南米アルゼンチン北東部。
ブラジルとの国境にある世界遺産イグアスの滝。
1日に流れ落ちる水は1億3,000万トン。
日本の家庭で使う水全部合わせても3日分以上です。
滝から絶えず舞い上がる水しぶき。
これが滝の周りに湿気をもたらし広大な森を育みます。
湿度の高いうっそうとした森。
ここにオポッサムが暮らしているといいます。
レンジャーに案内してもらいオポッサムを探す事にしました。
早速主役の登場?いえいえこちらはヤブイヌ。
南米の森に住む野生のイヌです。
特徴は胴長短足。
う〜ん確かに。
やぶをかき分けて獲物を追いかけるのにぴったりの体型なんです。
ずいぶん森の奥まで入ってきました。
オポッサムはなかなか見つかりませんね。
レンジャーが何か見つけました。
木にひっかいたような傷がついています。
オポッサムのまだ新しい爪痕です。
という事は…?木の上で何か動きました!アメリカ大陸にいる有袋類オポッサムの一種で耳が白いのが特徴です。
体長はおよそ40cm。
あっおなかが大きいですね。
これはメス。
おなかの袋に子どもがいるようです。
大きなおなかで細い枝の上を器用に歩いていきます。
オポッサムは木登りの達人。
5本の指でしっかり枝をつかみながら移動しています。
さらに体と同じくらい長〜い尻尾。
よく見ると先には毛がなくうろこ状になっています。
木に巻きつけた時滑り止めの働きをします。
危ない!…という時もほら尻尾が命綱。
オポッサムの体は木の上で暮らしやすいよううま〜くできているんです。
どんどん木の上に登っていきます。
木のてっぺんまでやってきました。
たわわに実っているのはパパイヤの実。
オポッサムの大好物です。
木登りの技があればこうして豊富な森の果実を手に入れる事ができるんです。
夜。
1匹のオポッサムが木の上から下りてきました。
そろ〜りそろりと地面を歩きます。
何か見つけました。
鳥の死骸のようです。
オポッサムは雑食性。
鳥の肉は願ってもないごちそうです。
でも地上には危険が潜んでいます。
オポッサムが夢中で食べているとヤマネコの一種オセロットが近づいてきました。
オポッサムが気付いた時にはもう目の前!オポッサムは大きなうなり声を上げて激しく威嚇します。
オセロットが襲いかかってきました!激しいパンチの連続攻撃です。
オポッサムにはなすすべもありません。
絶体絶命の大ピンチ!とうとう動かなくなりました。
オセロットはなおも攻撃を続けますが…。
あっやめちゃいましたね。
じっと動かないオポッサム。
しばらく様子を見ていたオセロットは立ち去ってしまいました。
オセロットのようなネコ科の肉食動物は動かない獲物には興味をなくす習性があるんです。
オポッサムがかすかに動きました。
そして襲われていたとは思えない身軽さで森の奥へ消えていきました。
オポッサムの行動は「擬死」と呼ばれています。
つまり死んだふり。
気絶しているのではなく意識はちゃんとあります。
その証拠に近くに敵がいる間は警戒して起き上がらないんです。
命を守るまさに一世一代の名演技でした!ちょっと待った!何ですか?ヒゲじい。
ほんとに名演技なんですか?よ〜く見るとおなかが動いてましたよ。
ほら私ならこの程度の演技ではだまされませんけどね。
まあまあ。
この死んだふりにはもうひとつ目には見えない演出が隠されているんです。
えっそれって何?オポッサムは死んだふりをしている時に腐った肉のようないや〜な臭いを出しています。
腐った肉だと食べない動物が多いため意外と効果があるらしいんですよ。
え〜そうなの?はい。
それにこの死んだふりははるか遠い昔からオポッサムが南米で生き残ってくるのにも役立ったんですよ。
えっどういう事?かつて南米にはたくさんの有袋類が暮らしていました。
ほう知らなかった。
しかし有袋類に強敵が現れます。
有胎盤類です。
こちらは300万年ほど前北米から渡ってきた有胎盤類の肉食獣。
有胎盤類とは私たちと同じほ乳類のグループ。
袋ではなく胎盤でおなかの中の赤ちゃんを成長させます。
へぇ〜。
南米にいたオポッサム以外のほとんどの有袋類はより知能が高い有胎盤類との競争に敗れ絶滅。
この厳しい競争の中オポッサムが生き残るために編み出した技こそ「死んだふり」だったんです。
そんなにすごい技だったんだ。
オポッサムがする「擬死」。
本当に効果があるのか疑心暗鬼でしたが生き抜くアイデアがぎっしり詰まっていたという訳ですな。
第2章ではおなかの袋が大活躍。
オポッサムの子育てに密着!お母さんの袋から子どもがあふれそう!あっ!落ちちゃった!オポッサムが見せた「死んだふり」の名演技。
この技を使う動物が他にもいます。
こちらはロシアのサハリン。
ハンティングの取材で訪れた日本の写真家が貴重な映像の撮影に成功しました。
獲物を探して猟犬と共に進む一行。
茂みの中でイヌが突然何かに襲いかかりました。
タヌキです。
ぐったりして全く動きません。
目は開いたまま。
大丈夫でしょうか?おや?突然頭を上げました。
そしてあっという間に森の奥に帰っていきました。
オポッサムと同じく身を守る武器をほとんど持たないタヌキ。
生き残るためやはり死んだふりをするようになったと考えられています。
他にもこんな生きものが死んだふりをします。
木に止まっているのはノコギリクワガタ。
クワガタは木を揺すられると落ちてきます。
皆さんも虫取りの時やりませんでしたか?これは天敵の鳥対策。
鳥が木に止まった振動を感じるとクワガタは脚を縮めて固まります。
そのまま落下し天敵の視界から瞬時に消えるという作戦なんです。
でもクワガタの作戦も虫好きの子どもたちには逆効果だったようですね。
最後にご紹介するのはアフリカの湖で見つけた意外な「死んだふり」。
倒れているのは「シクリッド」と呼ばれる魚。
今まさに死んだふりをしています。
エラの動きまで止める芸の細かさ!でも自分の身を守るためにやっている訳ではありません。
実は他の魚を食べようと狙っているんです。
ス〜ッと泳いでパタッ!ス〜パタッ!こうして獲物の小魚が警戒せずに近づくのを待っているんです。
動物たちの「死んだふり」は「生きるため」だったんですね。
森の中「死んだふり」という奇想天外な技で生き抜いてきたオポッサム。
子育てにも取って置きの秘策があります。
このオポッサムどこへ行くんでしょう?向かった先は…?大きな木の根元に出来たうろの中です。
ちょっとのぞいてみましょうか。
どうやらここが巣穴のようです。
と〜ってもリラックスしていますね。
おや?おなかの袋の中に赤ちゃんがいます。
子育て中のお母さんだったんですね。
オポッサムはと〜っても子だくさん。
袋の中には10匹ほどの赤ちゃんがいます。
20匹以上産む事だって珍しくないんですよ。
こちらは生まれた直後の赤ちゃん。
大きさはわずか1cmほど。
1円玉の半分しかありません。
こんなに小さな赤ちゃんですが前足は生まれた時から発達しています。
しっかり毛をつかんでいますよね。
これには深い理由があるんです。
赤ちゃんは生まれるとすぐ前足を使って乳首があるお母さんの袋まで移動しなければなりません。
しかもただ移動するだけではないんです。
生まれてくる赤ちゃんは多い時には20匹以上。
でも乳首は13個と決まっています。
全員分用意されている訳ではないんです。
一度吸われた乳首は大きく膨らみくわえた赤ちゃんの口から離れません。
つまりは早い者勝ち。
早くたどりついた者だけが生き残る事ができるんです。
ちょっと待った!どうしました?ヒゲじい。
生まれたばかりの赤ちゃんに競争させるなんていくら何でもひどくありませんかね?でもこれはしかたない事なんです。
オポッサムには死んだふり以外特に身を守る技がありません。
敵の多い森で生き抜くには生まれた時から競争させて少しでも強い子を育てるしかないんです。
まあ確かに森は危険でしたけど。
それでもシロミミオポッサムはまだましな方です。
北米にいるキタオポッサムはほ乳類の中で最高一度に56匹の赤ちゃんを産んだという記録を持っています。
ひぇ〜56!…で乳首の数は?やっぱり13個です。
だ〜っ!オポッサム大変だぁ。
たくさん産むだけではありません。
ペースがとっても早いんです。
妊娠期間はたった12日。
こちらはほ乳類最短記録!はぁ〜記録尽くしですな!たくさんの子どもを早いペースで産む事で少しでも多くの子どもが生き残るようにしているという訳なんです。
なるほど。
頑張っているオポッサムを応援してこの曲をいってみよう!・「ワンツースリフォー」強い「ベビー」を何度も産む。
これぞ…!・「ベビーローテーション」ヒッヒッヒッ!子どもたちが生まれて2か月。
大木の根元に住むオポッサムの親子を再び訪ねました。
ずいぶん大きくなりましたね。
体長は15cmほどです。
体の毛も生えそろいオポッサムらしい姿になってきました。
子どもたちは育ち盛り。
すごい勢いでお乳を飲みます。
こんな子どもが10匹もいるなんてお母さんは大変ですね。
子育て中のお母さんは子どもに十分なお乳を与えるため栄養をつけなければなりません。
忙しく食べ物を探し歩きます。
でもたくさんの子どもを抱えての移動は一苦労。
おなかの袋はパンパン。
今にも子どもがあふれそう。
おや?袋から出てしまった子どもがいます。
ここは高さ7mもある木の上です。
袋に戻ろうとしますがなかなか中に入れません。
子どもは前足で必死にしがみつきますが…。
あっ!地面に落ちてしまいました。
ケガはないようですが心細そうに鳴き始めました。
お母さんも子どもが落ちた事に気が付いたようです。
鳴き声を頼りに姿を捜します。
「カチカチ」という音を立てていますね。
子どもの声に応えているんです。
子どもはお母さんに見つけてもらうまで鳴き続けます。
お母さんはようやく子どもの居場所が分かったようです。
たくさんの子どもを連れているとこうしてはぐれる事もあります。
そんな時にはお互いに鳴き交わしピンチを切り抜けるんです。
地面に下りるとすぐに子どもが駆け寄ってきました。
あっ背中に登りました。
ホッとしたんでしょうか鳴きやみました。
お母さんの強い愛情に守られて育つ子どもたち。
でももうしばらくすると自分で食べ物を探さなければなりません。
ぴったり寄り添っていられるのもあとわずかです。
第3章では子どもたちが試練の時を迎えます。
あんなに優しかったお母さんがひょう変!一体どうしたの?突然ですがここで「ダーウィンNEWS」です!首都圏を流れる多摩川。
その下流で最近ある漁が復活したといいます。
一体何でしょう?「まき籠」と呼ばれる道具で川底をさらうと…。
おみそ汁などに使うシジミです。
もともと多摩川はシジミの産地。
しかし50年ほど前から数を減らしていました。
それがまたたくさんとれるようになったんです。
1960年ごろには汚染によって「死の川」とまで呼ばれた多摩川。
多くの生きものが姿を消しシジミもほとんど見られなくなりました。
シジミ漁の復活は環境が改善した事の現れです。
シジミが再び姿を消す事がないように漁師さんたちは気を配っています。
とれたシジミをふるいにかけ小さなものは川に戻しています。
多摩川で復活した生きものはシジミだけではありません。
この釣り人たちが狙っている魚。
コイの仲間マルタです。
春産卵のために海から上ってきます。
やはり一度は多摩川から姿を消していました。
子どもたちが参加する観察会では見つかる生きものの種類が増えてきています。
番組では今年1年豊かになった多摩川を密着取材します。
ぜひ情報をお寄せ下さいね!宛先はこちらです。
南米アルゼンチンの森に住むオポッサム。
お母さんは子どもたちを愛情たっぷりに育ててきました。
子どもたちの誕生から3か月。
親子は大きな節目を迎えていました。
巣穴がある大木です。
おや?あの威嚇の時のうなり声が聞こえてきます。
中には子どもが1匹しかいません。
その子どもに向かってお母さんが威嚇しています。
子どもはどうしていいか分からずただ戸惑うだけ。
お母さんのこの行動子どもに独り立ちを促しているんです。
他の子どもたちはすでに出ていきました。
1匹だけ最後までお母さんに甘えていたようです。
子どもはついに外へ出てきました。
近くの木に登ると先に独り立ちしていた兄弟たちがいました。
それぞれが自分の力だけで生きていかなくてはなりません。
恐る恐る細い木の枝を伝って歩き始めますが…。
大丈夫かなぁ?おっとっと!危なっかしいですね。
尻尾を上手に使っていますが…。
あっまた!まだまだ練習が必要みたいですね。
おぼつかない足取りで木登りの練習をする子どもたち。
それをじっと見つめているものがいました。
子どもは気付いていません。
危ない!一瞬の出来事でした。
独り立ち直後が最も危険なんです。
子どもたちにはこれからも数多くの危険が待ち構えています。
でもあの得意技「死んだふり」などあらん限りの能力を生かしてこの森で生き抜いていく事でしょう。
しばらくたったある日の事。
あの木のうろの近くでおなかの大きなオポッサムを見つけました。
あのお母さんでしょうか?おなかの袋の中で新しいたくさんの命を育んでいます。
南米に住む貴重な有袋類オポッサム。
天敵ひしめく森ではるか昔から生き残ってきました。
その体には命のたくましさが詰まっているのです。
(信長)播磨へ行け。
毛利攻めを始めよ。
2014/03/23(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「南米・珍獣オポッサム サバイバル大作戦」[字]
南米の密林にすむ有袋類、シロミミオポッサム。敵の攻撃を“死んだふり”でかわし、一度に20匹もの子を産む“超”子だくさん作戦で子孫を残す。珍獣のサバイバル大作戦!
詳細情報
番組内容
アルゼンチンの森にすむシロミミオポッサム。かつて南米に数多くいた有袋類の貴重な生き残りだ。天敵だらけのジャングルで驚きのワザを編み出した。恐ろしいヤマネコに襲われたとき繰り出すのは、秘技“死んだふり”。突然動かなくなって相手の戦意を喪失させる。子孫を残す方法にも秘策がある。1度に20匹もの子どもを産む“超”子だくさんなのだ。でも、子育てはハプニングの連続。珍獣のサバイバル大作戦を追う。歌:平原綾香
出演者
【語り】首藤奈知子,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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