巨大地震を予知する
それは地震大国日本に暮らす私たちの長年の夢
東大地震研究所の所長も務めた地震学の権威深尾氏は…
それが現代科学の常識
しかし今地震学の権威が期待を寄せる男がいる
目指しているのは1週間前の地震予知だ
予測できない現象だから何もしないっていうのは…
鍵となるのは海底数千メートルの砂粒
その0.1ミリにも満たない動きをとらえること
研究のさなか阪口を病魔が襲った
命を削りながら巨大地震という敵に挑む
阪口の夢に密着した
Ihaveadream
1970年代から発生が危惧された東海地震は
国内で唯一前兆をとらえ
予知できる可能性があると言われてきた
ところが去年政府は
とらえようとしていた前兆があるとは限らない
つまり東海地震の予知は困難であるとの報告を発表した
東日本大震災の被害を未然に防げなかったことを
こう表現する研究者もいた
それでも地震予知を諦めず前を向く研究者がいる
100年後とかには……ということを言ってるかもわからないじゃないですかそうなるためにはあの手この手で人類がトライしないと
阪口の武器は…
様々なものを粒としてとらえ
力のかかり方をコンピューターでシミュレーションする
例えば線路の枕木の下に敷かれた砂利
電車が通過する際どう力が伝わりどう動くのかをシミュレーション
砂利の崩れ方を予想することができ補修に役立っている
物体に上から力を加えると徐々に横に広がる
限界まで達し破壊が起こる直前…
行き場をなくした粒は揺らいだり止まったり
不規則な動きをするのだという
この粒の力学をヒントに地震研究を行う阪口
砂を平らに敷き詰めたこの箱は…
阪口は海底の砂粒の動きを観測して地震を予知しようと
京都大学と共同で実験を進めている
プレートの境界で起こる地震は海のプレートが陸のプレートを
下へ引きずり込むように動いているため
陸側が耐え切れなくなり跳ね上がることで発生する
その破壊の前に海底の砂粒が不規則な動きをすると
阪口はにらんだ
プレートの動きと同じように海底に見立てた箱を動かし
砂の動きを観察する
・321スタート
平らに敷き詰めた砂は一定の速度で壁に押し付けられ
行き場をなくすと階段状に盛り上がっていく
段ができる瞬間これが地震だ
プレートが跳ね上がり地震が起きると地盤が隆起する
地震発生のメカニズムが小さな箱の中で再現された
日本周辺の海に見られる地震の痕跡
実験でできた砂の盛り上がりが確かに同じ形だ
阪口の狙いは地震の直前
砂の表面に発生するであろう不規則な動きを観測することだ
入った!
注目したのは表面に段が生じるその手前の赤いエリア
真上から高倍率のカメラで観察する
カメラは砂と一緒に動いているため
砂に動きは見られないが次の瞬間…
地震が発生すると砂粒は一気に動いた
地震直前に巻き戻しさらに砂粒を拡大してみると…
砂粒が上下左右にかすかに揺れている
時には動きが止まることもあるという
この不規則な動きの直後…
入った入った
阪口は言う
これと同じ現象を実際の海底で観測できれば
1週間前の地震予知も決して夢じゃない
今から20年前阪口は既にその前兆に遭遇していた
神戸大学で助手を務めていた頃よく通った場所
変わりました変わりましたへえ〜ちゃんと下まで電気がついてんだ今は
当時大学の地下にあるトンネルで
バイト代わりに地震の計測をしていた
これですよね
ここで日々発生している
極めて小さな揺れの観測を続けていたのだが
ある日地震計が急に反応しなくなった
そのわずか1週間後…
(リポーター1)美しかったはずの神戸の街並みがめちゃめちゃに崩れていることがご覧いただけるかと思います
(リポーター2)完全に高速道路がこの部分倒壊してバスが宙づりになったような形で…
目の前に広がる見たことのない惨状
大学は避難所となり
教え子の中には命を落とした者もいた
やっぱりあんな一瞬の本当に1分以内の振動で命を落としてしまう家が壊れてもまた建てればいいわけですけども予測できない現象だから何もしないっていうのは…
その謎が解ければ地震を予知することができるかもしれない
そんな思いを抱いて8年
JAMSTECに入った阪口は
専門の粒状体力学を武器に研究を続けた
そして海底の砂粒が地震の直前に不規則な動きをしたり
止まったりするという独自の理論にたどりつく
阪神大震災の前小さな揺れが止まった原因はこれだ
プレートに乗った海底は1年でおよそ10センチ動いている
それを常時観測し不規則な動きをとらえれば
地震を予知できるはずだ
独自の研究を続けてきた阪口ならではの発想に
周囲はあきれた
それが思い続けて言い続ければ絶対できる言い返せばできないこととかあるんですよ自分にも大失敗小失敗も含めてそれは思いが足りない本当に自分がやりたいと思ったら周りから嫌われるぐらいに言い倒すそれ重要ですねそれ僕の信念ですね
どんなに批判されても思い続ければ絶対にできる
ところがある日所属部署のトップから呼び出しが
正直クビを覚悟した
海底の砂粒を観測し地震を予知したい
異色ともいえる研究に取り組んでいた阪口はある日
所属部署のトップに呼び出される
その人物とは東大地震研究所の所長や
地震学会の会長を務めてきた…
地震に関する様々な発見をしてきた
地震学の第一人者だ
阪口深尾さんを前に冷や汗が出た
「変なやつだな」
阪口にとっては何よりの褒め言葉だった
実はもともとJAMSTECに入ったのも
尊敬する深尾さんがいたからだった
呼ばれてじゃなくてこっそりついて行ったストーカー的にもうホントに神のような存在で深尾先生はもうとにかく天才だし何でも教えてもらったらいいとついていく価値のある人だって
批判も多い中なぜ深尾さんは阪口の研究を応援したのか?
地震予知というものに対して今までと違う側面を見たというか非常におもしろいと思うんですよ
大きな後ろ盾を得て地震予知の研究にまい進する阪口
そんな矢先病魔が襲った
出勤途中研究所を目前にして突然胸が苦しくなり倒れた
ここの門の守衛さんだけは僕のこと知ってるから「阪口さんどうしたんですか」って駆けつけてくれてそれで僕答えれなくて病名は狭心症です
心臓発作を抑える薬は今も手放せない
多くの批判を吹き飛ばし深尾さんの期待にも応えたい
病を押して取り組む研究の大きな壁
深さ数千メートルの海底で
砂粒の動きをとらえることなどできるのか
深海で砂粒の不規則な動きをとらえるには
行き詰まっていた阪口に
手を差し伸べてくれる出会いがあった
ここ来んの初めてだ
同じJAMSTECの海洋工学の研究者
これまで数々の水中探査機を造り出してきたプロが
ある打開策を提案してくれた
ダーッと受信機に出すわけですよ
深海での砂粒の観測を実現する切り札は超高精度の…
2人が考える構想はこうだ
プレートに乗った海底は1日に0.3ミリ動く
そこで2点の距離を正確に測り続ければ
海底で不規則な動きがあったときに
距離の伸び縮みがデータに反映されるという
ゆくゆくは水中レーザーの観測網を
震源地となりそうなプレートの境界に配置し
地震を予知しようという試みだ
しかしレーザーでの観測といってもそこは深い海の中
ハードルは高い
そこで吉田さんの開発した測定器に搭載されたのが…
青は水に吸収されにくいためだ
第1段階として透明度の高い沖縄の海に測定器を沈め
レーザーで距離を計測する実験が行われることに
心配なのは体
飛行機での移動は心臓に負担がかかる
研究への批判が集まる中
応援してくれた深尾さんのためにも結果を出したい
その思いが石垣島行きを後押しした
いやあさすがに…ドーンッて急にきたから気圧下がるときついですね
いよいよ夢の地震予知への大きな一歩
実験では送信機から10メートル離れた受信機に
レーザーを照射
受信できればかなりの高い精度で距離が測定できるという
レーザーを邪魔する太陽光や水の流れがある
浅い海で測定ができれば
深海では10倍の距離が測定できるという
果たして吉田さんの水中レーザーは
阪口の地震予知の救世主となるのか
いよいよレーザー測定器が海の中へ
水深7メートルの海底に設置される
送信機と受信機の距離は10メートルほど
実験の準備は整った
透明度もバッチリですよ今日は
海底では青いレーザーが
サーチライトのようにゆっくりと旋回し始めた
ああ〜いたいた見えますね
水中カメラではレーザーが確認できるものの
受信機がなかなかキャッチできない
やはり浅い海では難しいのか
新たな地震予知につながるかもしれない水中レーザーの実験
受信機がレーザーをキャッチすれば
モニターのランプが緑色に変わる
阪口祈るような思いでその瞬間を待つ
受信機がレーザーをとらえ2台の測定器がつながった
その距離は…
1000分の1ミリまで数値が出た
快挙ハハハ…
実験は成功地震予知への確かな一歩だ
「地震の予知は不可能だなんて言わせない」
不屈の研究者の背中を押してくれた深尾さんは
この日も温かく阪口を見守っていた
前兆現象は存在するそれは近づけば検出できるものであることを示したということでは原理的な問題としてはできるということを言ったと思うんですよまあ一言で言えば変なやつだけどその変なところが貴重な存在予測不能地震は予知できるかもしれないけど彼の行動は予知できないかもしれない
(スタッフ)いかがです?うれしいですねそこまで言ってもらえるとは夢にも思ってなかったから泣かせますね深尾さんもビックリしたすいませんカットカット私の手柄にしたいからやってるんじゃなくて…できるだけ多くの関係者で共有したいやらんでどうするのって感じじゃないですか
次回は日本の技術が生んだステンレスを使った布
ある女性が手がけた布が
世界の名だたる美術館に永久収蔵されている
日本の繊維産業をよみがえらせるテキスタイルデザイナー
ナレーターは彼にバトンタッチ
今宵芸能人の家族が集い生まれ育った…
料理の腕を競い合う
2014/03/23(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【巨大地震を一週間前に予知せよ!】
巨大地震を1週間前に予知せよ!海底の動き“1000分の1ミリ”をとらえる〜“不可能”への挑戦 ナレーター/坂口憲二
詳細情報
お知らせ
「地震の予知は極めて困難—」 そんな定説に、真っ向から挑む研究者がいる。JAMSTECのプログラムディレクター、阪口秀。海底のプレート(岩盤)は、ほんの少しずつ、年間で4〜10cm動いているが、地震が発生する前には、“不規則な動き”をするという。阪口は、そのわずかな動きに、“粒の視点”でアプローチ。1000分の1ミリ単位でとらえられれば、地震予知につながるというのだ。
番組内容
では実際に、深さ数千メートルの海底で、微小なサインを観測する方法は?レーザー式の測定装置で、海底のプレート間の距離を測るという。今年2月、その装置を使っての初の海底実験が、沖縄で行なわれた。浮遊物が多い海中ではレーザーは使えない、という常識を覆せるのか。『“できないことはやらない”、というのは、つまらない』“予測不能”、の異名を持つ科学者は、海底に手が届くのか—?
出演者
【ドリーム・メーカー】 JAMSTEC(海洋研究開発機構) プログラムディレクター 阪口 秀(51歳)
【ナレーター】坂口憲二
音楽
【テーマソング】
「やさしい雨」
唄 小田和正(アリオラジャパン)
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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