日曜美術館 アートシーン ▽“探幽3兄弟〜狩野探幽・尚信・安信〜”展 ほか 2014.03.09

古来から伝わる鬼がいい。
どこか淋しい真っ赤な顔」。
江戸初期幕府の御用絵師として「瀟洒端麗」と呼ばれる新しい画風を生み出した狩野探幽の作品です。
大胆な余白洗練された構図。
そしてくっきりとした墨の濃淡。
その画風は後に長きにわたって繁栄を誇る江戸狩野派の基調となりました。
探幽をはじめ江戸狩野派の礎を築いた2人の弟の作品を同時に紹介する初の展覧会です。
探幽の5歳下の弟尚信の作品。
二十歳の頃長老たちの手ほどきを受けて描きました。
ずんぐりとした幹や枝厚みある松の葉が印象的です。
大きな余白とモチーフが画面内にきっちり納まる表現は兄探幽と共通しています。
茫漠とした風景を前に鶴が1羽たたずんでいます。
後に尚信は繊細で潤いある水墨画に才能を発揮します。
これはその尚信の特徴がよく現れている作品です。
富士山に向かい独り座る西行の姿が白く広がる背景に浮かび上がります。
富士山の雄大さに心奪われ右肩がはだけるのも気にしない西行のおおらかな姿。
西行の衣服を縁取る濃い墨と富士山の薄墨とが呼応して画面を見事緊張感あるものにしています。
こちらはもう一人の弟で狩野宗家を継いだ安信の作品です。
描かれているのは江戸初期の駒込の風景。
安信の作品は2人の兄に比べるとあまり注目されてきませんでした。
三男の安信は探幽尚信2人の兄に比べて少し劣るというような事が言われたりするんですけれどもやわらかな筆遣い色使いで広々とした空間を描いていてこういったところに安信の個性が見いだせるのではないかと思います。
これはその安信の代表作です。
巨大な屏風に描かれた1頭の虎は水に映った自分の姿に驚いたようなユーモラスな表情。
安信が晩年にたどりついた温和にしてどこかひょうきんな表現です。
展覧会では探幽晩年の傑作「波濤群燕図」も展示されています。
上空から23羽の燕が舞い飛び一気に下降するさまが生き生きとしたタッチで描かれています。
最晩年にしてなお斬新な感覚にあふれています。
探幽3兄弟の画業に迫る展覧会です。
身の回りにあるごく普通の既製品や生活の断片から独自の世界を立ち上げる6人の作家の作品展です。
どこにでもあるような洗剤のプラスチックボトルが並んでいます。
しかし作家はその表面をやすりで丁寧にそぎ落としています。
表面の文字が消え輪郭が曖昧になる事で完成する作品の姿。
どこかで見たようなものなのにどこか違うという違和感。
そこから見る者を新たな発見へといざないます。
断片との関わり方は作家それぞれにユニークです。
これらは中身をくりぬかれてしまった消しゴム。
「消す」という本来の機能を失って単なる存在と化してしまった断片。
それがたくさん寄せ合わされる事で一つの世界を形づくります。
身の回りの断片から新しい体験を生み出そうとする6人の現代作家による作品展です。
現代日本画壇の俊英林功の作品展です。
代表作「月の声」。
花が舞い散る興福寺の桜を月夜の静けさの中に描きました。
古典美を追求し続けた画家林功。
新たに収蔵された15点の作品を中心にその歩みをたどります。
食後のコーヒーが注がれる小さなカップデミタス。
その多彩な世界を紹介する展覧会です。
ヨーロッパで初めて透けるように薄い硬質磁器を生み出した窯マイセンの器です。
印象的な瑠璃色の地に独り寂しげに泣く少女が描かれています。
窯やその時代の特色を映し出しながら小さなカップにはあらゆる技巧が施されています。
約300点のデミタスを展示する展覧会です。
宇和島の生んだ版画家中尾義隆の作品展が開かれています。
大胆なポーズで顔を覆い隠した裸の女性。
単純化した輪郭によって独特の表情が現れます。
中尾は終始人間の表情をテーマに制作を続けました。
その多くの作品は理知的な表現の中に叙情性を感じさせます。
甲冑を身にまとった人形の武士が恍惚とした表情で音楽に聞き入っています。
ヘッドホンと侍の奇抜な組み合わせ。
奇想天外でありながらどこかそんな侍がいたかのようなリアリティーがあります。
鎧武者をモチーフに魅惑的な世界をつくり出す野口哲哉の作品展です。
野口24歳の自画像です。
野口は子供の頃鎧兜をまとった滑稽な武士の写真を目にして妙な切なさを覚えた事が制作の原点になっているといいます。
野口の代表作です。
ファッションブランドのロゴマークが付いた鎧を身にまとっています。
正確な甲冑表現と共にあらゆるジャンルを自由奔放に行き来する野口の想像力が生んだ傑作です。
野口さんの世界観っていうのは仮想の世界もありますしそれから現実の世界もある。
それから歴史的な事象も描かれていますし未来の事なども描かれていると思うんです。
そういったものが鎧武者の中にないまぜになって表現されているっていうところが私たちをわくわくさせるところなんじゃないかと感じております。
野口の作品は奇抜なイメージに目が行きますがよく見ると古美術に見られる汚れや傷を丹念に表現する事で独特のリアリティーを生んでいます。
こちらは日本の鎧兜の素材に注目する事で生まれた作品です。
同じ構造のものをプラスチックに置き換えた事で見た事のないような姿が立ち現れました。
古めかしい甲冑をまとって物思いにふける現代の若者の姿。
野口の作品では過去の遺物である鎧兜と日々の暮らしを送る私たち現代人の表情が重なり合い見る者を魅了します。
野口哲哉の武者世界を紹介する作品展です。
2014/03/09(日) 09:45〜10:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽“探幽3兄弟〜狩野探幽・尚信・安信〜”展 ほか[字]

「探幽3兄弟〜狩野探幽・尚信・安信〜」(板橋区立美術館 2月22日〜3月30日)ほか、展覧会情報

詳細情報
番組内容
「探幽3兄弟 〜狩野探幽・尚信・安信〜」(板橋区立美術館 2月22日〜3月30日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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