ふるさと再生 日本の昔ばなし 2014.03.09

昔人里離れた山奥におっとう鬼と子鬼が住んでいました。
おっとう鬼は体の何倍もある大岩の前に立つと岩をひとつかみまたひとつかみ。
それを何度も繰り返していました。
しばらくすると大岩の岩壁には鬼の顔が浮かんできました。
おっかあだ!おっかあはいつだってここからわしらのことを見ていてくれるからな。
鬼の親子は里には滅多に下りていきませんでしたが子鬼がどうしても下りてみたいと言うのでその日は里へ連れて行くことにしました。
おっとう!里には何があるの?里にはな人間という小さな生き物がいる。
わしらの姿を見ると驚いて逃げていくんだ。
おらたち嫌われているの?いんやわしらのことを知らないだけじゃ。
人間というのはわからないものが怖いんじゃ。
だが人間は賢い。
話せばきっと仲ようなれる。
ほんと?谷を越えしばらく下るといよいよ里が見えてきました。
あれ?どうしたもんじゃ。
昔はもっとたくさんの人間がおったのに。
わあ!こら!子鬼は初めての里が嬉しくて人間のいるほうへ駆け出してしまいました。
鬼だ!待って!おらは…。
ハァハァ…。
子鬼を見た人間たちは恐怖におののき逃げ惑いました。
痛いよ痛いよ。
ごめんなさい。
しかたねえ。
(子供の泣き声)どこからか男の子の泣き声が聞こえてきました。
おいどうして泣いておる?おらのおっとうとおっかあが海にさらわれてしもうたんじゃ。
あの海が人をさらうのか?嵐になるとみんな流されてしまうんじゃ。
船も人も。
お前は荒れた海を知らないのか?おら浜に来たのは初めてなんじゃ。
おらのことが怖くないのか?おらはもう独りぼっちじゃ。
怖いものなんてないんじゃ。
おっとうはいつも言ってた。
「あそこに島でもあれば波を防いでくれるのに」って。
それから幾日か経ったある日鬼が目を覚ますと外は嵐でした。
おっとう鬼はそのときふと浜で泣いていた男の子のことを思い出しました。
やあ〜っ!鬼は山ほどでかい大岩に抱きつくとユッサユッサと揺らしました。
やあ〜っ!やあ〜!おっとう…。
そして今度はおっかあ鬼の顔の彫られた大岩に抱きつき放りだしました。
おっとう!泣くな。
おとうは浜へ行く。
お前はここで待っておれ。
おっとう鬼は長い鉄の棒で2つの大岩を団子のように通しました。
うっ…うぅ〜!おらも行く!ならば泣くんでねえ。
うん。
体の3倍ほどある大岩を担いでるので鬼といえども腰が砕けそうになるのをこらえながら一歩一歩下っていきました。
浜では人間たちが嵐を追い払おうと祈りを捧げていました。
下りろ。
ここで待つのだ。
ん〜ん〜ん〜!ならばしっかりつかまれよ。
鬼は海に向かって足を踏み出しました。
鬼だぞ鬼が来たぞ!しかし鬼は人間には目もくれず沖へ進んでいきました。
波は鬼の目鼻口をふさぎます。
それでも鬼はうなり声をあげて進みましたが波に耐えきれずとうとう倒れてしまいました。
しかし子鬼だけは溺れさせまいと鉄棒の上に差し上げるとそのまま海に沈んでいきました。
おっとう!おっとう!そして波は鬼の体と2つの大岩で遮られ浜は穏やかになりました。
子鬼は泣いて泣いてその場から動きませんでした。
しまいに泣き疲れそのまま岩になってしまいました。
そして今では鬼の担いできた2つの岩と間の子鬼の岩が里の守り神となっているそうです。
女の人というのはお腹に赤ちゃんができるとふだんなら食べないような変わったものが食べたくなるそうで。
ここ竜宮城のお姫様がお腹が大きくなってもうすぐ赤ちゃんが産まれようというときのこと。
サルの生き肝!?そうなの。
どうしても食べたくなっちゃって。
しかしお前そんなもの…。
お願い。
う〜ん。
お姫様のお願いじゃ竜神様もイヤとは言えない。
けれどさすがの竜宮城にもサルの生き肝なんてあるわけがない。
そこで海の生き物たちを集めてどうやってサルの生き肝を手に入れるか相談することになった。
いかがでしょうカメを派遣されては。
カメとな。
はっカメはたびたび人間をこの竜宮城に連れてきており地上の様子にも詳しいかと。
おおそれはよい考えじゃ。
なあ皆の衆。
いいと思う。
いいいい!そんなわけでカメがサルの生き肝を取ってくることになった。
ともかくサルを連れて帰んなきゃ。
よいしょよいしょ…。
あっ!サルだ!やあサルどんサルどん。
わあ待て待て。
サルどん山の様子はどうじゃ?はぁこの季節は木の実もないし厳しいもんじゃ。
おおそれは大変じゃな。
どうじゃ一度竜宮城に遊びに来んか?竜宮城?サルどんが遊べる山もあるぞ。
木の実もたくさんなっておるで食べ放題じゃ。
ホントか?けど竜宮城というのはうんと遠くにあると聞いたぞ。
なにわしが連れてってやる。
あっという間じゃ。
ホントか?ああ本当じゃ。
なら連れてってくれ。
すまないが海についてから乗ってくれ。
ひゃっほ〜い!こりゃ気持のええもんじゃ!今取り次ぎに行ってくるでここでちょっと待っててくれ。
そうか。
ん?木の実のなっとる山なんぞ見えねえがな。
はて山はどこでしょうな?海に山などない。
は?ハハハハハ!なんにも知らねえで。
お前が連れてこられたのはな…。
おいよさんか。
生き肝を取られるためなんじゃ。
よせと言うのに!イテッ!お待たせしたな。
さあさあ中へ。
おおらの生き肝…。
お前が連れてこられたのはな生き肝を取られるためなんじゃ《こりゃ困った。
どうしよう?》こりゃしもうた!ん?肝を木の枝に干していたのを忘れてきた!ななに?ほら!ああ雨でも降って濡らしたらダメになってしまう!そそりゃ大変じゃ!取って帰ってくるからもう一度島まで連れてってくれ。
しようがないな。
ほら着いたぞ。
よっと!これサルどん!どこへ行く?海に山なし体の外に肝はなし。
わかったか〜!カメど〜ん!ハハッ!体の中にある肝を木の枝に干したというのはサルどんのウソだったのです。
(ざわめき)しゅん…。
お前が話したばっかりに…。
せっかくうまくいきかけたのに!こうしてくれる!ああ〜!怒った竜神様はタコのほねを抜いてしまった。
そんなわけでイカにほねはあるのにタコにはほねがないのだそうだ。
そしてカメや竜神様に怒られるのがイヤで壺の中に隠れることにしたんだって。
フンフン!オギャーオギャー!あっそうそう!竜宮のお姫様はサルの生き肝は食べられなかったけど無事立派な赤ちゃんを産んだそうです。
ばぁ〜!オギャー!オギャー!昔むかしある村はずれに龍宮淵と呼ばれる淵がありました。
たいそう深い淵の底は竜宮に通じていると言われています。
この男働き者のきこりで太吉といいます。
(太吉)竜神様おかげで今日のたき木はよう売れた。
1杯やってください。
村に住む太吉は町へ物売りに行った帰りに龍宮淵を見ながら酒を飲むのが何よりの楽しみでした。
太吉は貧しい1人暮らしをしています。
正月も近いある日太吉は門松を作って町へ売りに行きました。
門松!めでたい門松はいらんか〜。
竜神様今日は門松でひと稼ぎして煮物で1杯差し上げようと思いましたが酒1杯も買えませなんだ。
そうだ門松だけはたんとある。
残り物ですまねえがこの門松でどうかよい年をお迎えくだされ。
ん?
(とと)お前様が太吉さんですね?わ…わしに何か用かね?私の名はととと申します。
竜宮にいる父にあなたの世話をするように言われてまいりました。
竜宮?父!?太吉様よろしければ私をお嫁にもらってくださいませ。
それは無理じゃ。
わしは自分がやっと食えるだけの貧しい暮らし。
とても嫁ごなど養えんのじゃ。
心配いりません。
私に任せてください。
やりくりは嫁の務めですから。
ととは懐から龍の人形を取り出し神棚にあげました。
出ておいで龍太郎。
龍の人形はたちまち人間の子供になりました。
え〜!この子は龍太郎何でも用を言いつけてください。
こりゃうまい酒だ!ハハハさぁ龍太郎夕飯の支度を始めましょう。
(太吉)おぉ〜!おらこんなご馳走見たことねえ。
これから3人楽しく暮らしましょう。
その夜ととは太吉の家をもっと立派な家にするよう龍太郎に言いました。
太吉は日頃世話になっている隣近所の人々を招き酒や料理を振る舞いました。
人々はふだんから正直で働き者の太吉の暮らしむきがやっとよくなったことを喜びました。
ところがただ1人庄屋さんだけは太吉の身に起こった幸せを妬んでいました。
ある日太吉たちは庄屋さんから呼ばれました。
子供をお渡しすることはできません。
何じゃと?わしの言うことが聞けんというのか?この子は龍太郎は我が子も同然!いくら庄屋さんのお言いつけでもどうかご勘弁を。
フンその子供ひょうたんから望みのものを出せるそうじゃな。
こっちに渡せぬならこの場で見事な品を出してみよ。
早くせい。
でなければこの土地から追い出すぞ!龍太郎いいから庄屋さんのおっしゃるとおりお望みのものを出しなさい。
え?これはすごい!見事見事こんな上等なもの見たことない!ん他に何か…。
そうだ酒じゃ。
極上の酒を出せ。
わしがあっぷあっぷするほどたんと出せ。
わ〜!
(太吉)危ない逃げるんだ!龍太郎早く逃げるんだ!龍太郎〜!龍太郎!龍太郎無事でよかった。
太吉は世話になったひょうたんを龍宮淵へ戻しました。
太吉はやっと授かった家族を大切にして親子3人仲よく暮らしたということです。
2014/03/09(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字][デ]

「岩になった鬼」
「タコほねなし」
「龍宮淵」
の3本です。お楽しみに!!

詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
 柄本明
 松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
 作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
 編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
 歌:中川翔子
 コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】鈴木卓夫
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ

http://ani.tv/mukashibanashi

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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