NHKスペシャル ジャパンブランド(1)“食と農”に勝機あり 2014.02.08

という20代の女性3人組に聞きました。
あすの福岡便が取れましたが、今夜のホテルが取れません。
10件かけても、まだ確保できていませんと、話していました。
羽田空港からお伝えしました。
気象情報です。
今や日本を訪れる外国人観光客の中で人気のスポットがここデパ地下です。
そうデパートの地下食品売り場です。
ちょうど都合のいい事にはいドイツから東京初めてというテレサさんです。
よろしくお願いします。
サンキューベリーマッチフォーユアタイム。
さあ伺いましょうね。
きれいですよねディスプレーがね。
海外の人たちから高く評価される日本の食。
ユネスコの無形文化遺産への登録も決定!今世界に向けて輸出しようという動きが高まっています。
これを追い風にして更に日本世界に打って出る事ができるのでしょうか。
戦後驚異的なスピードで発展を成し遂げ世界を驚かせた日本。
その原動力となったのが自動車や家電といったメイドインジャパンの製品です。
しかし海外メーカーとの競争が激化するようになって新たな強みが求められています。
その鍵を握るのが品質へのこだわり。
細部に対する気配り。
逆境を乗り越える創意工夫。
日本人が磨いてきたこれらが今改めてジャパンブランドという世界で稼ぐ新しい力になろうとしています。
シリーズ第1回は「食と農産物」。
国内市場が縮小する中海外に打って出ようという動きが加速しています。
今後急拡大が見込まれる世界の食市場に足掛かりを築く事ができるのか。
ジャパンブランド日本の食と農産物の可能性を探ります。
お伝えするジャパンブランド。
2014年これから私たちはどんな成長のシナリオを描く事ができるんでしょうか。
戦後経済の柱日本の経済の柱を担ってきたのは製造業。
日本のものづくりはメイドインジャパンとして世界から高い評価を受けました。
…が今海外メーカーとの価格競争などで苦戦を強いられてますよね。
そこで次なる成長の鍵として私たちが考えたキーワードが…だって徹底的に品質にこだわりますよね。
そしてきめ細やかな気配りです。
そして創意工夫。
それを強力なブランド化する事ができればですよ。
製造業のみならず日本のあらゆる経済の現場それを引っ張る原動力になるポイントだと考えてます。
そこで今夜取り上げるテーマが…ちょっとこちらご覧下さい。
世界の食市場2009年にはおよそ340兆円。
これが人口の増加や経済成長による中間層の拡大でずんずん伸びてここ!2020年にはおよそ倍。
日本の国内総生産GDPおよそ500兆円と比べるとどうです?上回ってますね。
日本経済規模全体よりもこんなに大きいって事ですよね。
そうなんです。
これ見逃す訳にいかないですよね。
ようやく日本でも国を挙げて農産物や食品の輸出を増やそうという動きが本格化しようとしています。
そこで今夜はまず独自にブランドを築こうという生産者の試みからご覧頂きましょう。
アジアの富裕層が集まる香港。
日本から新鮮な野菜を届けるビジネスが新たに始まっている。
注文したのは共働きで2人の子どもを持つ夫婦。
インターネットで日本の野菜セットを見つけ初めて注文したという。
夫婦が驚いたのはその新鮮さ。
1箱4,000円。
届いた野菜はその日の家族の夕食になった。
香港に野菜を送ったのは四国徳島の会社だ。
毎朝契約している農家を回り採れたての野菜を仕入れている。
ありがとうございます。
頑張って。
この会社の代表山田芳大さん。
外資系の監査法人に勤めていたが農業にビジネスチャンスを見いだし3年前に起業した。
山田さんが扱っているのは生産者のこだわりの野菜や果物。
これをセットにする事で一つのブランドとして海外への販路を開こうと考えたのだ。
品物は山田さんが自信を持って売り出せると判断したものばかり。
海外で人気のフルーツトマト。
糖度を上げるために一つ一つ手間をかけて栽培している。
食感が好評だというレタス。
稲わらや鶏ふんを畑にすき込み土作りにこだわって栽培している。
海外での販売価格は送料を含めると国内の倍近い値段になる。
新鮮さと品質を売りにブランド化に成功すれば海外で十分勝算があると考えている。
牛乳を海外でブランド化しようという動きも出てきている。
独自の商品を生み出した事がきっかけだった。
バンコクで人気のスイーツ店。
女性たちのお目当てはチーズケーキ。
原料に使われているのは北海道から届けられる牛乳だ。
値段は普通のケーキのおよそ3倍。
それでも毎日300個以上を売り上げている。
オイシイ!
(牛の鳴き声)はい行くよ〜。
ケーキの生みの親は北海道の酪農家海野泰彦さん。
牛は全て放牧。
エサに気を配りこだわりの牛乳を生産している。
自分の牛乳の魅力をより多くの人に伝えたいと作り出したのがこのチーズケーキ。
海野さんのねらいは的中。
今では生産が追いつかないほどの人気商品となっている。
その評判はインターネットを通じて海外にも伝わった。
そうした中3年前海野さんに海外進出のチャンスが訪れた。
シンハービールで知られるタイの大手ビール会社から現地での販売を持ちかけられた。
海野さんは自分のレシピを基に製造を現地に委託する事にした。
だがタイの牛乳だけでは同じ味を再現できないため自分の牛乳を送る事にしたのだ。
タイでも販売は順調。
店舗は9つにまで増えた。
今では世界各地から出店の依頼が相次いでいる。
海野さんはこのチーズケーキを通じて自らの牛乳のブランドを世界に広めていく考えだ。
驚く展開が始まってはいるんですね。
個々の努力で始まってましたね。
知恵さえうまくつけていければこの食と農産物の分野パワーになりそうだという辺りを今日はじっくりとお話を皆さんから伺っていきたいと思います。
次世代の農業の在り方を研究していらっしゃる三輪泰史さんです。
そして日本の産業論に大変お詳しい妹尾堅一郎さん。
よろしくお願いします。
(上田)数々の企業のブランディング戦略を立てていらっしゃいますアートディレクターの佐藤可士和さんです。
よろしくお願いします。
まずですね今TPPのいろんな議論もされてますよね。
交渉は続いてるんですが日本の農の強み再認識しておく必要がまずありますねこれは。
いかがでしょう。
先ほどVTRでも海外の消費者の方々おいしいおいしいと言ってました。
やはり味これはですね私もよく海外でいろんな野菜食べるんですね仕事柄。
やはり日本の野菜ほどそのまま食べておいしい野菜に出会う事ってほとんどないんです。
まずこれだけおいしいもの世界トップのものを作ってるんだというのは日本の農業にとって大きな自信ですしそこをまず一つ強みとしてしっかりと中心に据えないといけないなというふうに考えています。
トップレベルの技術があるって事ですよね。
「日本の農業の特徴は何ですか?」って今三輪さんがおっしゃったような事はすごい特徴なんです。
これを強みとして展開できるかが今問われてる。
それが戦略って事なんですね。
今ね強みと言った途端に僕ら強いんだと思っちゃう。
日本の製造業1980年代勝ってましたよね。
きめ細かい事ができるんだ品質が高いんだ。
それが強みだと思った途端それに寄りかかった。
だから今でしょ。
つまりね強みという事をもう少しちゃんと考えた方が僕はいいと思います。
その展開力戦略というところでいえば?そうですね。
僕がふだん仕事でやっている事で言うとまさに今日本企業がいいものを作ってれば売れるというふうに信じてるので結局いいものを作ってても伝わってないっていう事がすごい問題で。
それが結局ブランディングできてないっていう状態なんですね。
結局今の時代っていいもの作ってちゃんと伝えないと売れないといいますか。
やっぱり伝えていくって事はすごい重要なのかなっていうのは思いますけれども。
そのブランディングブランド化していくよさを訴えていくのが必要なのは分かったんですがその前に日本の農の現状ちょっと見たいと思います。
こちらご注目下さい。
これですね輸出額なんですね。
日本だけ桁が違いますよね。
ほかのところには「兆」という文字があるんですが日本3,400億円です。
この注目したいのがフランスの輸出額。
農業大国のオーストラリアの2倍以上ありますよね。
決定的に違いますね。
(上田)また国土の広さでいうとほぼとんとん。
日本がちょっと大きい。
イタリアどうです?3兆7,600億円。
日本の10倍以上ですね。
10倍以上。
この数字どう見たらいいんでしょうかね。
やはり日本はですねこれまで経済も発展して非常に優れたマーケットだったんですね。
逆にそこに安住してしまった。
そこで一つ問題なのが日本は輸出をもとに農業だったり食品というのは設計してないんですね。
ほかの国は最初から自分の国内マーケットだけではなく外に対してものを売っていこう。
それによって稼ごうというのが頭の中にインプットされていてそういうふうな農産物を作ったり食品を作ったりというような…。
そこの部分がこういう大きな数字10倍以上の差になってしまっているのかなと。
このフランスとかイタリアとかも食のブランドとしては確立されてますものね。
(上田)ちょっとご覧下さい。
年間6兆円の農産物や食品の輸出を誇るフランス。
主力の商品はワインやチーズ。
これですね。
(上田)これ国内で原料を加工し高い付加価値を付けて世界中に販売しています。
国の大きな稼ぐ力になっているんですよ。
フランスはホントブランド大国ですよね。
食もそうですしファッションもそうですよね。
だから明らかにそういうものを打ち出そうというふうに戦略的にはやってると思うんですよね。
日本の農業政策って全部国内に向いてたから…国内市場優先で競い合ってるから日本の品質は高くなるけれども決して外へは出ていかない。
この状況を打ち破るしかないっていうのが今なんでしょうね恐らく。
その辺りなんですがブランドを構築するかいかに大変かっていうのが見えてきたんですが海外の市場でブランドを浸透させるっていう事例ちょっと取材してますんでご覧頂きましょう。
経済成長に伴って消費の拡大が続くタイ。
健康志向の高まりで乳製品の市場もおよそ2,300億円にまで広がりメーカーのシェア争いが激しくなっている。
アジアへの進出を加速させている日本の乳業メーカー最大手明治。
欧米とは違う独自の戦略でアジアに新たな市場を確立しようとしている。
これまでは現地の好みに合わせて甘い商品を販売。
しかし差別化が図れず…そこに切り札として投入する事にしたのがこのヨーグルト。
日本ではおなじみの商品だ。
特徴は無添加。
原料は牛乳や乳酸菌だけで砂糖は一切使っていない。
乳酸菌の力だけで固めるのは難しく高い技術力が必要とされている。
あえてタイではなじみのないこの商品で新たな市場とブランド力アップをねらう。
しかし去年8月新商品を投入した直後思わぬトラブルに直面した。
タイの消費者から「中身が崩れていた」という苦情が相次いだのだ。
原因は商品の配送や店頭の陳列など日本とは異なる扱い方だった。
中身が崩れないように添加物を加えるという選択肢もあった。
しかしブランドを守るため無添加を貫く事にした。
代わりに陳列や配送の方法を見直し商品が傾かないようにするケースも新たに作った。
発売開始から5か月。
この商品の売れ行きは好調でメーカーのシェアは一気に2倍以上に広がった。
おいしいって言ってくれてますよ。
うれしいですよね。
でも守らなくてはならないところと現地の皆さんの嗜好に合わせなきゃならない。
なおかつ流通のあの気配り。
崩れないようにっていう。
やらなきゃいけないっていうのが難しさなんですね。
添加物入れさえすればそこまでしなくていいのにそれをしちゃ駄目だっていう。
何を大切にして守るのかのライン決めが新しい所に出ていくにはすごく重要なんだなって今感じたんですけどその辺りいかがですかね。
恐らくそれがですね作る時に…つまりね同じヨーグルトの中で戦って勝とうというのではないんですね。
つまりああいう自分たちの乳酸菌だけでやってのけるという全く新しいヨーグルトの市場を作ろうとしてる。
だから彼らはオンリーワンにこだわってるんであろうと思うんです。
でも本当今世の中でオンリーワンじゃないと残らないですよね。
ホントにそれつくづく思いますけれども…。
要するにヨーグルトは甘くてほぼデザートみたいな感じだったものがいや実は違う。
リフレッシュされる。
まさにオンリーワンの世界が面白い事に日本から輸出しながら浸透しつつあるという。
これ日本が昔通ってきた道ですよね。
日本の中で新しいものを作ってその新しいものを作って新しい市場を作ったっていうやり方自体を海外に出していく。
一つのヨーグルトを海外に売るんじゃなくてこの新しい市場の作り方まで含めて自分たちの成功体験もしくは苦労話これを含めてまるまる海外に出していこうと。
これ日本の一つ大きな特徴かなというふうに思いますね。
でもこれはリスキーですよね。
受けるか受けないか分かんない。
でもそういう市場を形成するっていう姿勢があれば一つ一つの積み重ねは絶対学習機会になると思うんですよ。
確かに今当たり前ですけどヨーグルトって最初何だろうって思った時代がありました。
まさに先ほどの事例もそうですけどもブランディングってやっぱり本質的価値かける戦略的イメージコントロールだと思うんですね。
だからやっぱり先ほどの事例も一番大事なところを忘れないといいますかそこをやっぱり見極めてかつ戦略的にどうイメージをコントロールしていくかといいますかどうコミュニケーションしてくかというのが鍵なんじゃないのかなと思いますけど。
自分たちがやってきた事を再認識っていうか再構築し直してそれをタイという所でやっている。
改めてもう一度こうだったよねっていうふうに多分自分たちも忘れているのでそこをちゃんと認識していって一番いい価値っていうものを一番無駄なくバンと相手に伝えるという事をやるという事だと思うんですね。
その海外でのブランド戦略がいかに大切かが分かるのが…。
こちら。
日本の誇る和牛です。
(上田)1990年代いち早く自由化の波にさらされて安い外国産の牛肉に対抗するために日本の生産者頑張りました。
高付加価値で差別化を図るために見て下さい。
この霜降り牛肉に力を入れるようになりました。
食べたい!高い。
いち早くブランド戦略がなったかに見えているこの和牛。
今アジア市場で大変な事になってるんです。
世界の食材が集まる香港。
新たな市場を求めて日本から和牛を売り込みに来た業者がいた。
その商品は日本でも最高品質の霜降り和牛だ。
しかし香港の業者からはよい返事が返ってこない。
理由はオーストラリア産の霜降り牛肉。
それが和牛と称して日本産の半値以下で売られていたのだ。
オーストラリア産のWAGYU。
10年ほど前から香港の中間所得者層へ広がっている。
日本の和牛は香港でも高級食材として富裕層に浸透している。
日本は更に中間層へと市場拡大をねらっている。
それを阻むのがオーストラリア産WAGYU。
中間層から逆に富裕層にもシェアを広げようとしている。
オーストラリア産のWAGYUとはどのようなものなのか?そのブランド化にいち早く取り組んだデビッド・ブラックモア氏。
現地ではMr.WAGYUと呼ばれている。
飼育しているのはおよそ…日本の和牛の血を受け継いでいるという。
長年日本の和牛の血統や飼育方法を研究してきたブラックモア氏。
20年前日本の和牛の精液を手に入れ本格的な生産に乗り出した。
試行錯誤を重ね今ではきめ細かい霜降り牛肉を作れるようになった。
更にオーストラリアはWAGYUを独自ブランドとして世界に広めるシステムまで作り上げた。
生産者団体が世界各国の牛のDNAを鑑定。
証明書を発行している。
ブランドが証明されれば牛の価格が上がる。
その見返りとしての認定料で大きな利益を見込んでいる。
今オーストラリア産WAGYUの遺伝子を使って生産される肉牛は18か国にまで広がっている。
その一つ中国。
この生産者はオーストラリアから遺伝子を購入し肉牛を大量生産。
その数は3万頭に上っている。
海外の市場を脅かされる日本。
食肉卸会社で海外戦略を担当する植村光一郎さん。
日本は和牛の売り込み方を見直す必要があると考えている。
WAGYUというブランドで売られているオーストラリア産。
これに対して日本は産地ごとに異なるブランドを掲げている。
今植村さんはジャパンブランドの確立に向けて業界の関係者と連携しながら動き始めている。
日本こそ和牛の本家本元である事を統一したロゴマークでアピール。
更に…。
本家の強みを打ち出すため日本の伝統的な和牛の食べ方を紹介。
よりブランドとしての正当性や高級感を打ち出そうとしている。
いや非常に厳しい状態になってますね。
どうしてこんな事に…。
残念ですね。
日本は和牛本家本元じゃないですか。
…がしかしオーストラリア産のWAGYUが全世界に広がってる訳ですよね。
それも認証制度もしっかり作って。
WAGYUの証明書オーストラリアWAGYU協会ですよ。
何かこう「ああ〜!」っていう感じなんですが…。
もどかしいというかでも県単位で…。
佐賀と岩手宮崎で戦い合っちゃうっていう…。
でも日本の中ではそうやって切磋琢磨してきて下さったからこそのこのトップクオリティーがある訳ですよね。
でも外に打って出る時にはそれが足かせになってしまっているという…。
打って出るタイミングを少し逃してしまった。
そこをオーストラリアにつけ込まれたというのが今回の和牛対WAGYUの例なんですね。
国内でうちはあのブランドに勝ちたいというふうにやっている中で外にあるチャンスを逃してしまった。
観光地でも出てくるんですよ。
観光地…日本の観光地いろんなとこがありますよね。
例えば九州だったら鹿児島もあれば何も…。
みんな中国に向かってうちに来て下さいってやる訳ですよ。
でもみんなバラバラにやるから全然インパクトがない訳ですよね。
まさに日本全体のブランド戦略にすごい問題といいますかグローバルに対しては一つネックになっちゃってるとこで。
個別ブランド戦略っていいますか一つの…例えば車のメーカーでも車種ブランドを立てていろいろ広告していきますよね。
だけど欧米のブランドってのは一つの会社の名前でボンとやっていきます。
だからマスターブランド戦略なんですね。
そのマスターブランド戦略に対して日本は内向きでやってたんで個別ブランド戦略なんですよ。
それがすごいおっきい戦い方のまず大きな違いでそれはもうさっきの和牛もそうですけどあらゆる産業がそうなっちゃったんですね。
でも稼いでましたよね。
高度成長。
1980年代日本は世界で勝ってたよねって言いますけどその時の世界ってどこを指してたか。
あの時にはG7の中間層以上の人たちを指してましたよね。
世界の市場経済に入ってたのは40億の世界人口のうちの7億〜10億だったって。
今世界って70億人でしょ。
そのうち市場経済に入っているのはG20に更にベースオブピラミッドと呼ばれる人たちだと40億人でしょ。
市場と言っている意味が全く変わってきてますよね。
だからこの日本のジャパンブランドっていう時も当時のブランディングのしかたと同じでいいのかどうか。
全く違いますよね。
今ブランドって言葉がいっぱい出てくるんですけどブランドとして成立してるんですかしてないんですか?我々日本人全員なんだと思うんですけどブランドってものに対する意識が希薄なんだと思うんですね。
そこのブランド管理っていうのが全然意識としてできてないんだと思うんですよ。
大体どこがやってくれるのかも分からないじゃないですか。
ルールを決めるのはやはり国しかできないと思いますね。
今の日本の農水産物要するに輸出戦略っていうのは都道府県単位で戦略を立ててブランドを作りなさいという戦略なので…。
となると地域横断型のルール作りというのはそれぞれの都道府県ではできない範囲。
日本の技術は日本でしか作れないという思い込みが少し強すぎないかと。
「そんな和牛が作れる訳ないよ」と思ってたらみんな追っかけられる。
だから私はむしろ追いかけられるのは当たり前だと思った前提で戦略は練った方がいいと思います。
トップの部分は持ってるって考えていいんですよね?この模型でご説明したいなと。
今日本から輸入されてる高級和牛はまさにトップブランドなんですね。
今までは日本の牛肉の戦略はここだけを見てきたんですね。
今一方そこに入ってきたのがオーストラリアのWAGYU。
この2つがかなり近寄ってしまってる。
(上田)同じくくりに入れられちゃってる。
本来最高級品であるものが下のブランドと競合してしまうっていう…。
普通に考えると好ましくない状態になってしまってますので。
価格にすごく差がありますよね。
それ消費者としてはやっぱり何て言うか味が違う…。
やっぱり安いところって欲しちゃいますよね。
見た目いわゆるサシが入っている牛肉を見れば同じなのでまさにそこにブランドが介在しないと誰も説得されませんよね。
カビラさんはワインとかお飲みになられますか。
はい大好きですけど。
例えばフランスのワインで高級なブランドありますよね。
あれと同じブドウの品種世界各地で作られていてフランスで学んだ方々が海外でワインを作ってられるんですね。
そういうような事を考えると遺伝子的にはほぼ同じようなもので同じような技術で作っていても伝えるストーリーであったりもしくはそこの地元の風土であったりいろいろなものを合わせてきちんとした自分たちのよりどころストーリーを作ってそれをきちんと伝えると価格的にも5倍10倍の差ですみ分けっていうのが実際いろんな食品ではなされてるんですね。
やっぱりワインもソムリエの方々がいらっしゃるからこのワインがいいとかこのワインは安いけどおいしいよとかっていう事が伝わっていく訳じゃないですか。
だからいきなり素人にボンって出されても分かんないですよね。
やっぱり何かその間に人がメディアになって伝わっていくという仕組みごと作んないと。
例えばアメリカがすごい事を始めてますよね。
アメリカはCIAを使い始めた。
中央情報局ですか。
ではなくて…料理のすごい専門。
まあ大学院レベルの大学といっていいんでしょうか。
料理のすさまじいところを作って今それがバ〜ッと世界中に料理人を輸出してる。
いわば伝道師のような。
(佐藤)まさに人をメディアにしたコミュニケーション戦略ですね。
人をメディアにしている。
だからそういう意味でそこを戦略的にやるっていう事ですね。
実際私海外で食べたらやっぱり日本産のがおいしかったです。
つまりそこのストーリーがちゃんと伝えられていなかった。
育て方であったりとか安心安全に対するこだわりであったりもしくは和牛を生み出してきた歴史。
こういうところも含めて海外の方々に認知してもらえるとまさに本家本元。
正統派なのは日本産和牛なんだなと。
ほかのものはそれを模倣したものなんだなという事が理解してもらえると日本産もう一回見直してもらえると思うんですよ。
まあ何事もピンチはチャンスといいますからね。
ホントにそこをチャンスと捉えるしかないですよね。
もうこれで駄目だって言ったら駄目な訳で。
なんとかここをチャンスに見いだしてやっていく戦略を考えないと。
質の高さでは認められていながらも高い価格っていうところで課題になっているのがコメ。
ちょっとこちらの模型ご覧下さい。
日本食のレストラン。
2006年には世界におよそ2万4,000店。
それが今健康ブームだとかいろいろあってどんどんどんどん…広がってまして。
2013年にはこちら。
5万5,000店にまで広がっているんですね。
タイで人気を集める日本食レストラン。
こちらおよそ40店舗を展開しています。
店のこだわりは日本と同じ味を出す事。
普通の定食じゃないですか。
(上田)懐かしい感じがしますね。
しょうゆやおみそなどの調味料は日本から持ち込んでいます。
…でこちらです。
こちら!ふっくら炊きあげられたこのごはん。
実はタイで作られたジャポニカ米なんです。
その理由が価格です。
日本からコメを取り寄せるとなると高くついてしまうため現地で作られたおコメを調達しているという事なんです。
どうせ日本食徹底して頂くなら日本のおコメも是非現地の皆さんに召し上がって頂きたいですよね。
今海外に進出して海外に供給するという…これを掲げて現地生産を試みている日本人がいます。
世界有数のコメの産地ベトナム。
ここでコメの生産に乗り出そうとしている日本人がいる。
岩手県で農業生産法人を営む照井耕一さん。
ひとめぼれとあきたこまちを使い去年から試験栽培を始めた。
照井さんがベトナムを選んだ理由は圧倒的に低い生産コストにある。
安い人件費年に3回期待できる収穫。
コストは日本の4分の1に抑えられると見込んでいる。
目指すのは日本の技術で現地生産するいわゆるメイドバイジャパンのコメ作りだ。
ベトナムで価格競争力のあるコメを生産し需要が拡大するアジアに売り込む。
将来的にはそこで得た利益を日本での生産にも生かす考えだ。
今ベトナムでも日本食レストランが増えている。
どんなコメが食べられているか照井さんは確かめに来た。
出されたのは現地で生産された日本米いわゆるジャポニカ米だ。
どうですか?どうやって現地の日本米を上回るのか。
ベトナムの栽培方法も見て回った。
病気の原因は収穫量を増やすためたくさんの種をまいているからではないか。
照井さんは稲を密集させて育てる現地のやり方では思ったとおりの品質のコメは作れないと考えた。
そこで照井さんは多少手間はかかっても苗から育てる日本のやり方で栽培する事にした。
ちょっと私やるから。
ちょっと見ててくれ。
栽培を手伝ってもらう農家に示したのは病気を防ぐ苗の間隔。
生産コストを抑えるために本格生産を始める際には田植え機を持ち込む予定だ。
ただその前に質にもこだわる日本のコメ作りの姿勢を伝えたかったのだ。
日本と同じ品質のコメを作るには乾燥や精米をする機械も欠かせない。
ベトナムには需要の拡大を見込んで日本からコメの関連企業の進出が相次いでいる。
照井さんと取り引きのある米卸会社は今年2億円をかけて最新の精米機や乾燥機の導入を計画している。
メイドバイジャパン。
日本のやり方で作ったコメを生産者と企業が連携してアジア各地に広げていこうとしている。
ノウハウ自体が強みなんですよね。
日本にとって。
そういう事ですよね。
メイドバイジャパン。
この有効性。
今出てきたまずはメイドインジャパン。
日本からの輸入品。
これは先ほどのように現地のお金持ち富裕層にいきます。
今の取り組みメイドバイジャパン。
日本が作る日本人が作るというのはその下の中間層にまでしみ出てく。
もしかしたら日本の中で得られるお金よりも大きいお金が得れるかもしれない。
日本の農家にとっても実はすごいプラスなんですね。
教えた技術のもちろんのれん代であったりロイヤリティーであったりとか指導料であったりという形で日本の農家に海外から返ってくる。
あともう一つは海外で得られたお金によって日本で新しく農業を始める人が出てくるかもしれないですね。
潤った農業法人が若い方を雇うかもしれない。
実はある事例をそちらをご覧頂きたいんですね。
新潟県のコメ農家の玉木修さんです。
9年前から自分の名前を付けた独自のブランド米玉木米。
これを台湾やシンガポールに輸出したり現地での生産も始めています。
現地のニーズの高まりもありまして輸出するコメの量は今では当初の100倍。
250トンにまで増えているんです。
こうなると玉木さん一人じゃ大変です。
およそ50戸の日本の農家と契約して協力してもらってるんですね。
農家は減農薬でこだわりのコメを栽培し一般の取引価格より高い値段で玉木さんが買い取っているっていう動きも海外に打って出た事で国内の農家の頑張る場が増えてるっていう事例は確かに生まれてて…。
要するにやり方次第では販路が広がるって事になってる訳ですよね。
日本のコメが海外にという。
一人が切り開いた所にほかの方々がどう合流するのか手を組むのかというところが成功のポイントになってくるかなと思いますね。
そうやってチャレンジしてる人たちが生まれてきていて精米機だとかそういうので日本の製造業の別の分野の人たちも動きがありましたよね。
だから農産物だけじゃない。
関連の産業って事ですか。
これは大きいと思いますよ。
産業には必ず機械機器が備わる訳ですしその産業もほとんどデジタルでネットワークされる時代ですからそういうようなところには要素技術日本は山ほど持ってるんですね。
だからそこへ農業へ進出する製造産業あるいはサービス業あるいは通信業こういうものはもっともっと出てきていいと思うんです。
それが多分今のメイドバイジャパンみたいなものを支える一つの大きな要因になると思いますね。
ほとんどいろんな産業が今シームレスにつながってるので例えば今日スタジオで話してただけでもいろんな…何ですかね側面。
例えば流通の事とかそれこそブランディングの事だって今必要な訳じゃないですか。
何か一つきっかけがあればいろんな事がこういうふうに入ってきてそうやんないと結局大きな力にはならないですよね。
このジャパンブランドとして世界に向けてどういう手立てがありますかね。
食生活や食文化ここまで僕は連動させた作戦を練らなきゃいけないんじゃないかなと思ってますね。
おっしゃるとおりですね。
例えば我々が若い頃初めてハンバーガーショップが出来たのが実は銀座の4丁目ですよね。
おしゃれだった。
いつデートに行こうかと思ってたぐらいですから。
でもあの時にハンバーガーをこうやって食べて歩くなんていうのは当時はとんでもないという話だった訳です。
だからその文化がいつの間にかこの50年で浸透した訳でしょ。
文化っていうものがそのものがブランドだと思うんですよね。
まさにだから食材を売るんじゃなくてやっぱり日本食文化といいますか強いていえば日本文化全体だと思うんですがやっぱり先ほどのアメリカのあれで言うとハンバーガーを食べてたんじゃなくてやっぱりアメリカ文化をその時に食せるからワクワクした訳ですよね。
全部アメリカっていうものがガ〜ッとあそこに集約しているというか。
そういうふうにブランディングできてたんだと思うんですよ。
あのハンバーガーは。
だからそれと同じようにその何か日本食を海外の方に食べて頂く時に日本のすばらしいもののイメージと一緒に食べてもらうっていうか。
日本のポジティブなイメージ非常に肯定的なイメージそれが何なのかっていう事を打ち出すべきだって事ですよね。
例えばコメだけしょうゆだけみそだけそのような形での輸出というのはいろんな事業者がやっているんですけどそれを使ってどういう食を作ればいいんだろうというのが遅れている。
あとはよく日本に来た観光客の方々炊飯器買って帰る方。
そういうふうな日本の調味料とかも含めた形。
更には食べ方であったりとかそこのストーリーですかね。
例えばお正月だとお節料理だったり。
こういう事を含めてこのコメを中心にした一つの食文化であったり食のパッケージ自体が世界全体に広がっていくと。
今ちょっとひらめいたんですけれども…。
ローカライズする事だってできる訳ですよね。
従来はおコメと一緒に食べる事を全くイメージしていなかったローカルの食材もしくはローカルの食文化と融合させる事だってできる訳ですよね。
面白いですね。
実は日本人って得意ですよね。
だってカレーライスですよね。
そう。
あれインドから来て今日本料理ですよね。
ラーメンもそうですよ。
なのでああいうふうな形で日本人って外の文化を取り入れてそれをオリジナルなものに少しずつカスタマイズしていくの得意なんですけど自分たちがやってきた事と同じようなマインドを持てば世界に広がる中で現地で使ってもらえばそれは伸びますよね。
日本の食の繊細なるものだとか農の本当に農業の本当にすばらしいものを描いた漫画やアニメは山ほどあるんですよ。
こういうのを使ってもっともっと発信をしていければいいなっていう感じはしますね。
食と例えば漫画とゲームって全然別じゃなくて一つの文化としてちゃんと輸出しようというふうにそういう戦略を多分描くといいと思うんですよね。
食べてみたいあれはどんなだろう。
何か手づるはたくさんある。
まさに日本の強み特徴は何なのか。
それを研ぎ澄ませる。
更にそれをどのように広めていくのかっていう戦略を確固たるものにする。
そうする事で産業としては今は小さいんだけれども育っていく可能性があるジャンルであるという事が今日見えてきましたよね。
日本の農は外に打って出れます。
(上田)今日は本当にありがとうございました。
その日本の食と農産物に可能性を見いだした人たちの挑戦は続いています。
アジアでの販売を強化している日本の乳業メーカー。
次なるターゲットは13億人の巨大市場中国だ。
新たな市場を切り開く取り組みが続いている。
ブランド戦略の練り直しを迫られている和牛。
オールジャパンでの巻き返しを図ろうとしている。
海外へ乗り込み直接日本の味を伝えている。
ジャパンブランド。
その構築に向けて日本の力が試されている。
2014/02/08(土) 15:05〜16:03
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル ジャパンブランド(1)“食と農”に勝機あり[字][再]

日本経済をけん引していく新たな“稼ぐ力”を何に求めていくべきなのか。成長分野として期待されている「食と農」をテーマに各地の動きを通じて日本の稼ぐ力を考える。

詳細情報
番組内容
NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン」の後継として2夜連続で放送する「ジャパン・ブランド」。日本経済をけん引しうる新たな“稼ぐ力”を何に求めていくべきなのか。第1夜は、成長分野として期待されている「食と農」がテーマ。世界の食市場の爆発的な増大、日本食ブーム。旺盛な需要を取り込むことができれば、日本経済の「逆襲のシナリオ」が見えてくる。生産者やメーカーなどの動きを通じて日本の稼ぐ力を考える。
出演者
【出演】産学連携推進機構理事長…妹尾堅一郎,日本総合研究所主任研究員…三輪泰史,アートディレクター…佐藤可士和

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:1861(0×0745)