重厚で存在感のある椅子。
映画監督・黒澤明のために作られた「王様の椅子」です。
黒澤はこの椅子を愛していました。
漆を塗っては拭き取る作業を何度も繰り返して生まれる独特の深み。
人間国宝黒田辰秋の代表作の一つです。
木工の匠黒田辰秋が極めた造形美。
作品を愛した人々との交流と共に紹介する展覧会です。
明治37年黒田は京都の塗師の家に生まれました。
幼い頃から父や職人たちの仕事を見て暮らし15歳で木工芸の世界に飛び込みました。
黒田が作家を志した頃というのは木工芸品というのは基本的には分業制で作っていくというのが日本の古くからの作り方であったんですけれどもそういった制作方法に黒田辰秋は非常に疑問を感じまして木地作りから加飾まで木工芸の一貫制作を志して独学で制作を始めていきます。
で二十歳ぐらいの頃に以前から惹かれていた河井寛次郎と知り合う機会を得てその後柳宗悦とも知り合う事になって柳や河井によってその才能を生み出されて多くの作品を世に発表していくようになります。
民藝運動を通じ黒田はさまざまな目利きと出会います。
伝統の技を職人たちに学び木を選ぶところから塗りや螺鈿などの細工まで緻密にこなす作家へと成長しました。
京都の老舗の和菓子屋のために作られたくずきり容器。
内側は朱塗り外側は黒漆と螺鈿のしま模様という華やかさ。
20代にして誰も見た事のない力強さと美しい佇まいを持つ作品を生み出していきました。
白洲正子も黒田の作品を愛した一人です。
これは白洲家所蔵の椀。
朱の漆の上に更に透明な漆を塗り重ねています。
汁に触れない椀の底と蓋の裏に白洲家の家紋が入っています。
蒔絵ではなく金箔の上に透明な漆を重ねる事で独特の深い色合いを実現しました。
文豪川端康成も黒田の作品にほれ込みました。
川端は京都へ行く度に工房を訪ね時には黒田が売りたくないものまで奪うように手に入れていったといいます。
50歳を超えた黒田は更に独創性の高い作品を生み出していきます。
蓋の中央から水があふれ流れ落ちるような文箱。
どこからこの形を思いついたのでしょうか。
黒田は人に使ってもらう道具に技の数々を駆使しました。
室町時代から近代まで日本各地の名所を描いた作品を集めた展覧会です。
鮮やかな金地に描かれた京都・四条河原のにぎわい。
鴨川の両岸は遊女歌舞伎を楽しむ人や動物の曲芸を楽しむ人さまざまな物売り。
江戸時代の活気が伝わってきます。
人物を三代豊国風景を広重が描いた「東海道五十三次」。
人物は宿場の故事や歌舞伎を題材にしたものが多く人気役者の似顔絵も登場しています。
この題材は「ひらかな盛衰記」。
大津の宿で敵の襲撃を受け果敢に戦う腰元の姿です。
着物の柄は空ずりと呼ばれる技法で浮き出して見える凝った趣向。
旅を愛し登山が好きだった池大雅の「富嶽図」。
柔らかな筆遣いの木々や家々。
富士山にも3度登ったという画家の実感がこもっています。
江戸琳派を確立した酒井抱一の富士山。
濃紺の空を背景に純白の富士朱色の朝日。
ひときわ目を引く作品です。
琵琶湖のほとり室町時代に描かれた堅田の風景です。
作者は宮廷絵師土佐光茂と考えられています。
古来日本の風景は歌枕の名所として実際の景観とかけ離れたイメージで描かれてきました。
実際に画家がその地に赴き写生をしたであろう細密な描写に満ちています。
農作業や漁の様子まで。
後に近江八景と呼ばれる風景も既に絵の中に組み込まれています。
見る者を飽きさせません。
印象派の巨匠ルノワール。
画家人生の後半印象派以前の技法に戻るなどさまざまな挑戦を続けていました。
アフロディーテを思わせる恥じらいのポーズ。
古典からも学んでいきました。
こうした作品は若い画家たちに大きな影響を与え日本の画壇にも及んだのです。
多彩なジャンルで奇想天外な表現を続ける井上洋介の全貌に迫ります。
エロチックグロテスクそしてナンセンス。
美術学校在学中から独特のタッチで漫画家として世界を広げていきました。
同時に画家としても活動してきました。
井上は昭和6年生まれ。
戦争と焼け跡のイメージそして恐怖や飢餓をテーマに制作を続けています。
数々の絵本でも知られています。
ここにも不思議な世界が…。
去年亡くなった福島市の実業家河野保雄は有数の日本近代洋画のコレクターでした。
長谷川利行の作品収集がきっかけとなり当時まだ評価されていなかった画家たちの作品も集めるようになりました。
そのコレクションは福島県立美術館や府中市美術館などで管理されています。
再び一堂に会したコレクション。
茶の湯を大成した千利休から三千家となるまでの変遷を感じる展覧会です。
利休が所持していたと伝わる…熊川茶碗は高麗茶碗の一種で韓国のプサン付近にあった港の名前に由来すると言われています。
ところどころに現れた素地が独特の味わいを生み出しています。
箱書きに利休を示す「宗易」の文字。
書いたのは小堀遠州。
利休作の茶杓です。
竹を用い中ほどに節を配する形は利休が完成させたもので長く千家に伝わっていきます。
利休の花押つまりサインが蓋の裏に朱漆で書かれている棗。
黒漆の上に蒔絵で桐が描かれた蓋。
胴には菊の紋。
丸みを持ち下がやや細く上が広い形が利休の好んだ棗です。
利休には息子が2人おりました。
そのうちの一人少庵が千家の二代を継ぎます。
そしてその少庵の息子宗旦という人物がいますがその宗旦の息子が今の三千家の礎を築いたと言われています。
利休の息子少庵の作った茶杓父の好みを伝えています。
利休の死後少庵は都を追放されましたが家康らのとりなしで都に戻り千家の再興を果たしました。
利休のもう一人の息子道安の花入。
こちらも利休好み。
道安は嫡男に恵まれずここで流れが途絶える事となりました。
道安に宛てた利休の手紙です。
年貢の取り分が道安に送られるようとりなしたという心遣い。
息子を気にかける利休のもう一つの顔がかいま見えます。
2014/02/23(日) 02:30〜02:45
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽生誕110年 黒田辰秋の世界〜目利きと匠の邂逅[字]
「生誕110年 黒田辰秋の世界〜目利きと匠(たくみ)の邂逅(かいこう)」(そごう美術館・神奈川 2月1日〜3月10日)ほか、展覧会情報
詳細情報
番組内容
「生誕110年 黒田辰秋の世界〜目利きと匠の邂逅」(そごう美術館(神奈川) 2月1日〜3月10日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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