土曜プレミアム・「黄金のバンタム」を破った男〜ファイティング原田物語〜 2014.02.22

戦後復興の象徴とまでいわれた男がいた
輝ける昭和のヒーロー長嶋茂雄力道山
そしてファイティング原田
(政彦)オヤジさん俺すげえ好きだわボクシング。
(笹崎)ファイティング原田。
この名前を世界中に知らしめてやれ。
つかむんだろ?栄光ってやつを。
(ヨシ)もしもボクシングが大嫌いになったらいつでも帰っておいで。
(サダエ)そんなにボクシングが大事?
(恒作)ひたすら努力して努力して栄光をつかむかだ。
(百田)資源も何もないそして戦争に負けて何もかも失った。
ファイティング原田さんというのは…。
そのバンタム級でどんどんどんどんだんだん勝ち上がってランキングを上げていく。
ところがそのバンタム級には史上最強といわれてるのが当時「黄金のバンタム」といわれたエデル・ジョフレ。
(政彦)エデル・ジョフレ。
海老原や青木より下に見られてんのか。
(記者)ここまであからさまにかませ犬じゃ原田も気の毒だ。
(ヨシ)あの子を壊さないでください。
(サダエ)母さんが死んじゃう!俺が母ちゃんのためにできることこれしかないんだよ!
(笹崎)だからお前は負けたんだ!俺にとっての真の栄光は…。
その向こうに光り輝くものを見た
あの日から本当の戦後が始まった
時代は何を見たのか。
人間とは何だ
目を背けてはならない
2020年
再び光り輝くものを見るために
(政彦)父ちゃんおやつ持ってきた。
(恒作)おう。
おう休むぞ。
母ちゃんのぼた餅うまいな。
うん。
俺父ちゃんみたいな植木職人になる!ハハハそうか。
ハハッ。
うんでもお前まだちっちゃいからな。
何をやるかはこれからゆっくり考えればいい。
でもなこれだけは覚えとけ。
男が世に出るためには3つの方法しかない。
3つ?ああ。
勉強して学者になるか。
金もうけして大金持ちになるか。
どっちも駄目ならひたすら努力して努力して栄光をつかむかだ。
栄光か。
ハハハハ。
ハハハハハ!
(アナウンサー)フライ級東日本新人王決勝戦です。
第1ラウンド開始のゴングが鳴りました!原田元気よくコーナーを飛び出した。
ことし2月のプロデビュー戦では4ラウンドTKO。
ここまで5連勝を飾っています。
対する海老原は原田よりも5カ月早くプロデビュー。
フライ級とは思えないハードパンチャーです。
原田の右!強烈なダウン!海老原ダウンです!海老原立ち上がれるか?立ち上がった立ち上がりました。
さらに原田襲い掛かる原田襲い掛かる。
海老原もここは耐えている海老原懸命の反撃!
(笹崎)いいか。
(笹崎)やつの左のストレートこれ気を付けろこれ。
(ゴングの音)
(アナウンサー)このラウンドも元気にコーナーを飛び出しました原田。
海老原左!強烈な左ストレート。
原田大きくのけ反りました。
踏ん張った原田。
再び原田ラッシュ。
猛然とラッシュ猛然とラッシュ。
(レフェリー)ダウン!
(アナウンサー)ロープダウン!
(アナウンサー)素晴らしい試合ですね。
(解説)ええ。
とても6回戦ボクサーの試合じゃないですね。
(アナウンサー)はい。
(解説)日本タイトルマッチと言ってもいい高度な試合ですよ。
(アナウンサー)あっまた激しいパンチの応酬です!原田の右!海老原もパンチを返します。
原田激しい攻撃です。
(昭一・勝広)ただいま!
(昭一)勝ったよ!兄ちゃんが勝ったよ!
(勝広)勝った勝った!海老原に勝ったよ!
(恒作)そうか。
(ヨシ)ホント?
(昭一)うん。
(勝広)姉ちゃん姉ちゃんあんちゃんが勝ったよ!東日本新人王だ!
(サダエ)やった!クリスマス年末感謝特大セール中。
クリスマス年末感謝…。
ゆうべの原田のすごかったよね。
(靴磨きの男)ありゃただ者じゃねえな。
(笹崎)ジャブジャブ。
はい顎引いて。
スピードスピード。
すっと入る!スピードスピード。
顎引いて。
(笹崎)そう詰めて詰めて。
ボディー弱いぞ。
スピード!顎締めろ顎!そう。
入る!
(政彦)勝つ秘訣ですか?
(記者)そう。
原田君強い秘訣何かあるんでしょ?
(政彦)やっぱり練習ですかね?ことしの新人王を取った翌日なのにちょっとは休まないの?いやいや休むだなんて。
練習が好きなんです。
(笹崎)さあもうこんなとこでいいでしょ。
(記者)いやいや会長…。
(笹崎)よし練習始めるぞ。
会長もう少しだけ。
(笹崎)いや体冷えちゃうから。
(笹崎)お前のリングネーム決めたぞ。
「ファイティング原田」ファイティング原田。
いいだろ。
この名前を世界中に知らしめてやれ。
つかむんだろ?栄光ってやつを。
はい!
(政彦)父ちゃん木から落ちたって?
(政彦)ケガはどうなの?
(ヨシ)うん。
(ヨシ)父さん今までずっと家族のために頑張ってきてくれたでしょ。
だからねゆっくり休ませてあげよう。
それって…どういうこと?
(ヨシ)足がねもう無理って。
え…。
でも大丈夫!父さんのことだもんきっとよくなるよ。
それまでは母さんが頑張るから。
ねっ?大丈夫!あんたたちは何も心配することないよ。
頑張れば…うんきっといいことがある。
(作業員)次さあのネコ向こう持ってって。
はい。
原田どうしたんだよ。
あれ原田の母ちゃんじゃないの?
(作業員)おいおい何やってんだよ頼むよ。
(ヨシ)すいませんすいません。
違うよ行こうぜ。
(生徒)それよりさ昨日の力道山すごかったよね。
空手チョップ!
(生徒)痛えな何すんだよ。
何だ坊主。
ボクシング好きなのか?いや好きっていうか…。
うん?あ…ボクシングって勝つと賞金もらえるんですよね?世界チャンピオンの白井選手みたいに。
ああまあな。
何だお前金が欲しいのか?はい!何で?買いたいもんでもあんのか?えっそんなんじゃ…。
フンッお前まだ中学生かそこらだろ。
俺金稼いで母ちゃんを助けたいんです。
親父は?いねえのか?いるけどケガして動けなくて寝たまんまで。
だからボクシングか。
俺絶対世界チャンピオンになって…。
入会金1,000円月謝500円だ。
えっ。
「えっ」ってお前タダで教えてもらえるなんて思ってねえだろ。
あっそれは…。
何だお前ねえじゃねえかよ。
じゃあ無理だよ。
いやあります!つくります!今やってる米屋の仕事増やして今度持ってきます。
だからお願いします!そんなに助けたいのかおふくろさん。
はい。

(ゴングの音)
(レフェリー)ファイト!
(アナウンサー)さあいつものように元気いっぱいコーナーを飛び出しました原田。
体を左右に振っています。
原田相手のパンチをかわしている。
出る!左右のパンチフックダウン!
(レフェリー)勝者原田!
(アナウンサー)原田今日も勝ちました。
素晴らしいファイティング原田!
この後原田は連勝記録を伸ばし続け破竹の勢いで世界への階段を駆け上がっていった
(アナウンサー)オレンジのトランクス原田軽快なフットワーク。
相手のパンチを鋭くかわしています。
出る原田出る!左ストレート。
そして右も出している。
右!ダウン強烈なダウン!見事なパンチです。
さあ立ち上がれるか立ち上がれるか。
これは立ち上がれそうもない立ち上がれそうもない。
原田またもやノックアウト勝ち!鮮やかなノックアウト勝ち!原田何とデビューから25連勝です!素晴らしい原田。
(記者)デビューから負けなしの25連勝。
目指すは日本チャンピオンですね意気込みは?ひたすら努力して栄光をつかみたいです。
(歓声・拍手)
(記者)すごい人気やな。
(記者)すごい人気ですね。
(職人)《親方!》《ああ…!》
(笹崎)成長期だからな。
フライ級じゃきついか。
(記者)あっ原田君原田君!アハハッ!試合のたびに10kgも落とすのは減量も大変でしょ?ねっ?アハハハッ!1つ上のバンタム級に転向って噂があるけどどう?どど…。
減量に苦しむ原田は1つ上のバンタム級に階級を上げた
しかしそれは今までにない強敵との闘いの始まりだった
(アナウンサー)さあ最終ラウンドです。
ここまで苦しい闘いになっている原田。
エスパルサのパンチをまた浴びている。
連打を浴びている防戦一方の原田。
世界バンタム級7位のエドモンド・エスパルサのパンチを浴びている。
苦しい闘いです原田何とか持ちこたえています。
頑張ってほしい原田パンチを出す。
ああしかしパンチは空を切った。
右アッパー浴びた!
(笹崎)あっ!
(アナウンサー)ジャブを出す原田ジャブを出す原田。
またエスパルサのパンチを浴びる。
クリンチしろクリンチ!原田!
(ノック)
(記者)笹崎会長!一言お願いしますよ。
(記者)原田君バンタムの手応えは?
(記者)おっ。
(笹崎)頼むよ今は勘弁してくれ。
(記者たち)ああっ。
ちょちょちょっ…!ちょっとでいいんで入れてください。
(笹崎)頼むって言ってるでしょうに!
(記者)あっ。
ハァ…この試合に勝って胸張ってバンタム転向発表世界を狙うっちゅう笹崎会長のもくろみは失敗やな。
あの様子じゃ同世代の海老原青木にも水をあけられそうですね。
期待の若手三羽ガラスの1羽が早々に墜落か。
何しけた面してんだ。
勝負はまだまだこれからじゃねえかよ。
負けたんすよ。
何にもできなかった。
いやまあ…。
人生で初めての黒星はつれえやな。
けどな負けねえボクサーなんていねえよ。
誰だっていつか負ける。
負けてやめるか負けて強くなるか。
二つに一つだ。
オヤジさん。
俺またフライ級で…。
それは俺が決める。
ちゃんとしぼってみせますから。
今まで以上に練習して…。
俺が決めるっつってんだろうが。
今日は何も考えないでゆっくり休め。
ほら!勝広ご飯よ。
もうちゃぶ台の上片して。
早くしなさい。
(勝広)もう僕専用の勉強机欲しいよ。
机なんかなくたって勉強できる子はできるの。
ちぇっ。
(サダエ)何その口の利き方!
(昭一)ただいま。
(サダエ・ヨシ)おかえり。
兄ちゃん試合負けたって。
(勝広)えっ兄ちゃん負けたの?ジムの人が言ってた。
(勝広)何だ負けたのか。
ケガは?マー坊大丈夫だった?
(昭一)うん。
あっでも負けたんでしょ?たくさん殴られたってことでしょ?本当に大丈夫だった?
(昭一)知らないよ。
俺だってただ聞いただけだし。
(昭一)ちぇっまたコロッケかよ。
もうぜいたく言わないの。
早く手洗ってきなさい。
(勝広)はい!
(昭一)はい。
私ちょっとジム行ってくる。
サダエやめときなさい。
でもきっとショックだろうし。
こんなときぐらい帰ってこさせて慰めてあげなきゃ。
負けたばっかりの顔家族に見せたくないはずよ。
(ヨシ)2年前笹崎さんのところに住み込みでボクシングをやりたいって言ったときあの子は覚悟したはずなの。
つらいから苦しいからってそう簡単にはうちに帰れない。
帰ってたまるか!って。
あの子はそういう子よ。
腹減った!
(昭一)あ〜腹減った。
はいはい。
(勝広)ご飯ご飯。
(サダエ)はい。
(勝広)早く!
(ヨシ)お父さん具合どうですか?
(恒作)ああ…。
うっ…。
(ヨシ)はい。
うっ。
ついに負けたか。
みたいですね。
まあそういうこともありますって。
うう…。
(ヨシ)痛いの?・
(昭一)あーあ兄ちゃん早くチャンピオンにならないかな。
そしたらうまいもんいっぱい食えるのにな。

(勝広)僕デパートに行ってお子様ランチ食べたい!・
(昭一)俺はビフテキ!・
(勝広)僕も僕も!・
(サダエ)2人とも!いいから早く食べなさい。
チクショー。
お父さん眠れないんですか?
(恒作)うん。
一度負けたぐらいで何ですか。
あの子はそんなに弱い子じゃないですよ。
私たちの子ですよ。
(恒作)そうだな。
(恒作)母さん。
すまない。
あっフフフ。
(サダエ)フフフ。
マー坊の?
(ヨシ)そう。
あの子ぼた餅大好きだからね。
(笹崎)けさ早くおふくろさんが届けてくれた。
それとこれ来週からの練習メニューだ。
バンタムで上を目指すぞ。
どうしたよ?負けたのウエートのせいだって言うんですか。
くだらねえことぐだぐだ言ってんじゃねえよ!ちょっと頭冷やせ。
おふくろさんのこと楽させてやるんだろうがよ。
よしいくぞ。
ジャブジャブワンツー。

(戸の開く音)走ってきます。
よーし。
はいジャブジャブ右ストレート。

(笹崎)よし。
そうそうそう。
ほら体振って体振って。
相手の動きを見ろ!顎引いて顎。
左右に動く左右に。
手数手数。
手を出せ手を!
(レフェリー)《123456789…》ハッ!ハァ…。
この間の試合の分。
少ないけど。
(ヨシ)うんありがとう。
いつも悪いね。
(勝広)あんちゃん今度はいつ試合すんの?いつかな。
(勝広)また外国の人?どうかな。
(勝広)エデン・ジフレとは?やる?
(昭一)誰だよそれ。
(勝広)知らないの?バンタム級世界チャンピオン。
すごい強いんだよ!
(昭一)それを言うならエデル・ジョフレだろ。
そうだそれ。
やる?ねえ!ほらあんたたちご飯食べ終わったらごちそうさまして食器下げなさい。
野球行くんでしょ。
ねっ。
(昭一・勝広)うん。
ごちそうさま。
(サダエ)はい。
晩ご飯も食べていけるんでしょ。
いや友達と会うから。
そう。
(勝広・昭一)いってきます!
(サダエ)いってらっしゃい。
いってらっしゃい。
おう。
あっ。
ごめん。
(サダエ)ううん。
お父さんも終わった?
(サダエ)どう?痛みは。
あっ残してる。
マーちゃん。
うん?何か話があって来たんじゃないの?別に。
そう。
ならいいけど。
んっお茶入れようね。
あのさ!
(ヨシ)うん?しばらくいてもいいかな?アハハいやいいも悪いも自分のうちなんだから。
あっでも会長さんはいいって?会長は関係ないよ。
マー坊もしかしてボクシング…。
あっそうよね今からだったら他に仕事色々あるし。
(ヨシ)サダエ。
余計なこと言わないで。
会長さんは関係ないってどういうこと?まさか会長さんに黙って出てきたの?許可がなくたって家に帰る自由ぐらいあってもいいだろ。
母さんはねあなたを会長さんに託したの。
あなたがどうしてもボクシングやりたいって言うから覚悟を決めて息子をよそさまに預けたの。
それをあなたはたった1回負けたぐらいで。
た…たった1回?その1回がどれだけつらいか分かんないのかよ!
(ヨシ)ああ分からないね。
母さんはボクシングのことは何にも分からない。
でもね恩のある人をないがしろに言うことがどれだけ恥ずかしいことかよく分かる!もういいよ!
(サダエ)マー坊マー坊!もうお母さんも何もあんな言い方…。
ハァ…もうお母さん!うっ。
ハァハァハァ…。

(ジュークボックス)
(男性)マーちゃん何暗い顔してんだよ。
気分転換しに来たんだろ?ほらもっと腰をこうしてさ。
(男性)おい政彦お前運動神経いいのに何だよその踊り方。
(男性)こいつの運動神経はボクシングのためだけにあるの。
なっ?
(男性)おう何してんだお前ら。
(男性)ああっ先輩。
珍しく政彦が連絡くれたんだよなどっか連れてってくれって。
これはこれは若手ボクサーで売り出し中のファイティング原田君か。
ええ。
(男性)それにしてもずいぶん偉くなったもんだよな。
おふくろさんにあんな仕事させておいて。
自分はツイストかよ。
フッ。

(作業員)おらもっと掘れ!・
(作業員たち)はい!
(作業員)もっと深くだ深く!
(作業員)はい!
(作業員)あらよっと。
うっ。
(作業員たち)おっす!
(作業員)よいしょ!何でまだこんなことしてんだよ。
俺が渡した金があるだろ。
そりゃ大した額じゃないかもしれないけど。
こんな仕事しなくても済むぐらいはさ。
そりゃありがたいと思ってるよ。
でもね母さんまだまだ元気だもん。
体動かして働くの好きだし。
そういう問題じゃないよ。
昼間だって家政婦の仕事してるんだろ。
これ以上働いて体壊したらどうすんだよ。
大丈夫だって。
大丈夫じゃないよ!俺が何のためにボクシングやってると思ってんだよ!マーちゃん!マーちゃんの気持ちはよく分かってるよ。
でもね家族のためだなんて理由でボクシングを続けるんならもうやらないでほしい。
この体はあんたの体なの。
誰のものでもないあんたのものなのよ!・
(作業員)ヨシさんちょっといいかい?
(ヨシ)はいすぐ行きます!マーちゃんがボクシング大好きだって言うから私は許したの。
だからもし…。
もしもボクシングが大嫌いになったらそんときはさいつでも帰っておいで。

(サダエ)ただいま!
(ヨシ)おかえり。
遅かったね残業?
(サダエ)うん。
最近工場忙しいから。
(ヨシ)うん。
(サダエ)昭ちゃんたちは?
(ヨシ)銭湯行ってる。
(サダエ)ふーん。
マー坊どうしてるかな。
ホントはお母さんもやめてほしいんでしょボクシング。
自分の子供が殴られてうれしい親なんていないわよ。
でもね…。
だったら今がチャンスじゃないかな。
マー坊もホントは背中押してほしいんじゃないかな。
(サダエ)あの子優しいからうちのこと考えると自分からは言い出せないのよきっと。
(恒作)サダエ!政彦の人生だ。
周りがごちゃごちゃ言うな。
そうね。
マーちゃんの人生だもんね。
うん。
(ヨシ)《家族のためだなんて理由でボクシングを続けるんならもうやらないでほしい》《この体はあんたの体なの》《誰のものでもないあんたのものなんだよ》世界タイトルマッチ?俺が?
(笹崎)ああ。
挑戦者に決まってた矢尾板がいきなり引退しちまったろ。
でチャンピオンのキングピッチ側がその後釜にお前指名してきた。
何で俺なんすか?東洋チャンピオンの矢尾板が相手じゃなくなった。
その変更でごたごたもしてた。
ここは無難に勝ちを取りにいこうと考えても不思議はねえやな。
お前が戻りたいっつったフライ級だ。
どうする。
受けるか?ハァ…海老原や青木より下に見られてんのか。
この前のぼろ負け試合のことも知ってるだろうしな。
今のお前じゃ勝てるわけねえ。
減量も相当きついものになる。
これがそのまま引退試合になるかもしれない。
けどなそれは全てお前しだいで…。
チャンスにもなる。
ああそうよ。
これがボクシングの面白いとこよ。
オヤジさんやります!やります。
やるか?はい!よーし!じゃあ善は急げだ。
下田行くぞ!下田?下田に何があるんすか?何にもねえよ。
何にもねえからいいんだよ。

(笹崎)はい柔らかく柔らかく。
深く。
ショートショートショート。
パパパンショートショート。

(笹崎)パンパンジャブ。
パンパンジャブパンパン。
はいジャブワンツー。
ジャブワンツー。
はいジャブワンツージャブワンツー…。
(サダエ)ただいま。
(ヨシ)ああおかえり。
ねっ見て。
奇麗なお月さま。
(サダエ)わ〜奇麗。
きっと下田のお月さまも奇麗なんでしょうね。
今度は勝てるといいね。
世界で一番強い人とやるんでしょ。
無事に帰ってきてくれればそれが一番。
うん。
(ヨシ)うっ。
あっ。
(サダエ)どうしたの?あ…。
アハハ何でもない。
(サダエ)もう!
(サダエ・ヨシ)入ろ入ろ。
うぉー!ハッハッハッ!疲れててもガード上げろ。
ガード下げると打たれるぞ!うぉー!うぉー!ハァハァハァ…。
どうした!こんなもんか。
相手は世界チャンピオンだぞ。
ほら立て!フゥ。
(ヨシ)《もしもボクシングが大嫌いになったらそんときはさいつでも帰っておいで》・
(戸の開閉音)
(救急隊員)患者は原田ヨシさん。
朝6時半ごろ自宅で腹痛で倒れ…。
(サダエ)しっかりして!母さん!
(勝広)母ちゃん大丈夫かな。
勝広大丈夫だよ。
(勝広の泣き声)
(サダエ)えっ。
もう助からないってことですか?持ってあと1週間。
1週間?
(医師)しかし何でこうなるまで放っておいたかね。
相当の痛みもあっただろうに。
とにかく家族には覚悟をしておくようにと伝えておいてください。
(サダエ)言えません!こんなこと父に言えるわけないじゃないですか!母さん…。

(笹崎)ワンツー。
ワンツーワンツー。
はいラスト!よーしOK!よし今日は上がれ。
今日はおしまいだ上がれ!おい試合前に死にてえのか。
あの。
あの!どうぞ。
ハァハァハァ…。
姉ちゃん。
マー坊…。
あ…。
どうしたの?
(サダエ)母さんが…。
母さんが死んじゃう!子宮がんでもうどうしようもなくて助からないって。
あと…あと1週間。
ねえ!姉ちゃんどうしていいか分かんなくて…。
分かんなくて!ねえ!ねえ…。
(サダエの泣き声)一緒に病院に行ってくれるでしょ?母さんだってマー坊の顔見たら頑張れると思うの。
もしかしたら助かるかもしれない。
ねっだから早く支度してきて。
ごめん。
「ごめん」って何?俺勝つから。
絶対に勝って母ちゃんに会いに行くから。
だからその間母ちゃんを頼みます。
親の命よりボクシングとるっていうの?そんなにボクシングが大事?俺だって帰りたいよ!今すぐにだって母ちゃんのとこに飛んで帰りたいよ!だったら!ボクシングしかないんだよ!俺が母ちゃんのためにできることこれしかないんだよ!だって…母さんが死んだら何にもならないじゃない!母ちゃんは死なない!絶対に死なない!俺はここで闘う。
母ちゃんが俺をここまで連れてきてくれたんだ。
自分も頑張ってるからお前も頑張れって。
だから…だから…。
今は帰れない。

(看護師)原田さん。
(サダエ)あっ母に何か?いえ先生が急ぎのお話があるそうです。
(笹崎)ホントにいいのか?だったらちゃんとスケジュール守ってやれ。
まともに寝てもいねえだろうが。
時間がないんすよ。
ゴング鳴る前にぶっ倒れたいのか。
それでおふくろさんのとこどの面下げて帰るつもりだ!腹決めたんなら冷静になれ!頼む。
おふくろさんに頼まれたんだ。
お前を壊すなって。
約束したんだ!《笹崎さん私は嫌なんです》《息子が誰かに殴られるのも誰かを殴るのも》《いくらそれがスポーツだっていったって嫌なんです》《お母さんの気持ちはよーく分かります》《でも政彦君には才能があります》《私はその才能を伸ばしてやりたいんです》《そんな才能なければよかったのに…》
(ヨシ)《でもあの子どうしてもやりたいって》《ボクシングが好きで好きでたまらないって》《ええ》《ジムでも誰よりもボクシングが好きで好きだから誰よりも努力しています》《一つだけお願いがあります》
(笹崎)《はい》《あの子を壊さないでください》《殴られて殴られて父親のようになってしまうことだけは…》《あの人のようにつらい思いをするようなことだけはないようにしてください》《どうかお願いします》《母親のたった一つの願いです》
(笹崎)今ここで倒れたらこれまでの全てがパーだ。
眠れなくてもとにかく横になれ。
オヤジさん。
俺絶対負けないし…。
壊れないっすから。
ああ。
分かってるよ。
国立病院でその治療を受ければ助かるってことですか?
(医師)誤解しないでください。
はっきり申し上げて助かる可能性はわずかです。
ですがほんのわずかでも何もしないよりはということです。
本人にとってもかなりつらい治療になると思います。
家族でしっかり支えてあげないといけません。
受けます!その治療受けさせてください。
ほんの少しでも希望があるなら何でもします。
(笹崎)入ったらボディーから!ボディーから上。
上下上下。
ショートショート!中入る!そう。
上下上下上下。
(医師)出血は止まりました。
経過が良ければあしたから放射線照射を始めていきましょう。
よろしくお願いします。

(患者のうめき声)
(医師)どうしました?
(看護師)どうしました?
(患者)痛い…。
(医師)どこですか触りますよ。
ここ?
(患者)ああっ!あー!うう…。
やつはリーチが長いから右ストレートだけは食うな。
ほら。
ダックしてアッパーほら。
ダックしてアッパーよし!ダックしてアッパー。
ダックしてアッパーダックしてアッパー。
ダックしてアッパーよしダックしてアッパー。
ダックしてアッパーダックしてアッパー…。
(サダエ)痛いの?
(ヨシ)うっ。
(サダエ)大丈夫?うん大丈夫…。
ああっ。
(サダエ)痛い?
(ヨシ)うっ!あっ…。

(患者のうめき声)ううっ。
うっ!ハァハァ…。
ハッ!今日は試合だね。
こんなことになるなら一度ぐらい試合見とけばよかった。
何言ってるの。
元気になったらいつでも見に行けるわよ。
私死んじゃうのかな。
やだ!縁起でもないこと言わないでよ。
母さんは大丈夫だって。
それが分かってるからマー坊だって見舞いにも来ないで練習できてるんだから。
そうだね。
(サダエ)うん。
はーいリンゴ。
よし。
おいしい?味がね分からないの。
何食べても。

(医師)10時41分ご臨終です。

(女性)母さん!・
(男性)あ…あつこ。
つらかったろうあつこ。
(男性)原田だ。
タイトルマッチやるんだって。
(審査員)挑戦者ファイティング原田選手。
フゥー。
(審査員)リミット50.8。
112ポンド。
(笹崎)よしよしよしよし。
(外国語)その思いリングでぶつけろ。
(ヨシ)うう…。
(サダエ)大丈夫?先生呼ぼうか?ううん。
ハァハァ…。
それよりマーちゃんの試合…。
うっ…。
予定どおり矢尾板が挑戦してりゃもっと客も入ったろうにな。
ここまであからさまにかませ犬じゃ原田も気の毒だ。
減量のダメージも大きそうやしな。
白井義男以来の日本人チャンピオンは夢のまた夢か。
ハッ。
(記者)いやいやランキング1位の海老原がいる。
あいつならやってくれるって。
まあ俺は青木だと思うけどね。
外野なんか気にすんな。
お前ならやれる。
お前は勝つ!よーし!勝ちにいくぞ!
(セコンドたち)おっす!
(ゴングの音)
(アナウンサー)「ゴングが鳴りました」「ファイティング原田元気に飛び出していきました」頑張れ!兄ちゃん頑張れ!
(昭一)兄ちゃんいけるぞ頑張れ!これ勝ったらチャンピオンだよ。
うう…。
(サダエ)母さんしっかり!今来るからね。
(ヨシ)うっ…。
うっ…。
(サダエ)しっかり。
(アナウンサー)「原田右フック決まった!」
(アナウンサー)キングピッチをロープに追い詰めた!原田猛然とラッシュ!猛然とラッシュ!キングピッチ棒立ち!棒立ち!もう攻めることができない!原田さらに攻める!キングピッチダウン寸前!キングピッチダウン寸前!
(医師)どうしました?
(サダエ)急に苦しみ始めて。
(アナウンサー)「原田ラッシュがすごい!猛攻原田。
圧倒的に攻めている」モルヒネ。
(看護師)はい。
(アナウンサー)「パンチの嵐を見舞っている原田」「猛然とキングピッチを襲っている!」
(アナウンサー)ダウン寸前です!
(レフェリー)ダウン!123…。
(昭一・勝広)4…。
(レフェリー)「56…」
(一同)7…。
(レフェリー)89…。
10!
(ゴングの音)
(アナウンサー)原田が勝ちました!新チャンピオン誕生!日本ボクシング史上2人目!19歳6カ月あの白井義男以来…。
(昭一・勝広)やった!勝った!
(昭一)兄ちゃん勝った!
(アナウンサー)「11ラウンド2分59秒ファイティング原田ポーン・キングピッチを下しました!」「見事なノックアウト勝ち!見事なノックアウト勝ち!」
(アナウンサー)ファイティング原田新チャンピオン!
(アナウンサー)「座布団が乱れ飛んでいる蔵前国技館は大興奮です!」「ファイティング原田キングピッチを破りました!」「日本ボクシング史上2人目!白井義男以来の新チャンピオンです!」
(アナウンサー)「わずか19歳と6カ月」「ファイティング原田が日本の新しいヒーローです!」
(アナウンサー)新チャンピオンが生まれました!先生がね奇跡だって。
信じられないほどの生命力だって言ってた。
母さんいつも死ぬほど痛いはずなのに。
絶対痛いって言わないの。
(サダエ)マー坊と一緒に闘ってたんだと思う。
(サダエ)本当にいいの?体大丈夫?ああ。
姉ちゃんゆっくり休んで。
うんありがとう。
あっそれとお金使わせてもらった。
母さんがマー坊からもらってためてたお金。
ありがとう。
まだまだ続くんだろ?治療。
お医者さんはいつどうなってもおかしくないって。
フッ。
でもマー坊の顔見たらお母さん元気になるね。
ひどい顔って言われるんだろうな。
痛て痛てて…。
フフフ。
じゃあ帰るね。
気を付けてね。
うん。
おやすみ。
おかえり。
勝ったよ。
世界一になった。
ああ…。
そう。
うん。
よく頑張ったね。
うん。
よく頑張った。
おめでとう。
偉かったね。
ねっ。
偉かった。
次も勝つから。
俺勝ち続けるから。
だから母ちゃん病気になんか負けんなよ。
うん。
うん。
そうだね。
フフフ。
マーちゃんに負けてられないよね。
うん。
フフフ。
フフフ。
すげえ!
(勝広)カッコイイ!覚えてる?父ちゃんが俺に男が世に出るためにはどうすればいいか教えてくれたこと。
ひたすら努力して栄光をつかむ。
これはその言葉のおかげだよ。
いや。
お前の努力だよ。
俺まだまだやるよ。
だから父ちゃんにはもっと元気になってもらわなくちゃ困るんだ。
何でだ?俺家族みんなでビフテキ食いに行きたいんだ。
母さんも姉ちゃんも父ちゃんもみんなで。
家族みんなで!ビフテキか。
そいつはいいや。
(勝広)バンバン!バンバンバン…!ねえまたキングピッチとやるの?ああ。
来年の1月にな。
そういう約束なんだよ。
またノックダウンしてやってよ。
当たり前だよ。
頑張ってよ。
おう。
着けてみろよこれ。
えっ?すげえだろ?なあ!うわ〜!
(勝広)うわ〜すごいぞすげえ!
(アナウンサー)「世界チャンピオンの王座奪取から3カ月」「これまでと同じように過酷な練習を積んでまいりましたファイティング原田」「その初の防衛戦がここタイバンコクにありますナショナル・スタジアムで行われます」「対戦は世界チャンピオンへの返り咲きを狙うポーン・キングピッチであります」
(一同)頑張れ!
(アナウンサー)「会場はすでに超満員になっております」「当初タイ国王が観戦する予定でしたがあまりの集客の多さに急きょ観戦を取りやめております」
(ゴングの音)
(アナウンサー)「激しい15ラウンドが終了しました」「勝敗の行方は判定に持ち越されました」「さあファイティング原田初防衛なるか!?」「負けた!負けました!原田負けました!」「何ということでしょう」「原田判定で負けました。
初防衛ならず」
(シャッター音)
(男性)おい!負けたんだ!撮る必要なんかねえだろ!
(カメラマン)すいません。
(男性)チキショー。
試合中は優勢優勢って言ってたのに何でだよ!
(男性)油断したのかなぁ。
(記者)原田期待してたんだけどな。
(アナウンサー)「やはり敵地で防衛は苦しかったか」「ホームタウンデシジョン!何ということでしょう」「原田初防衛なりませんでした!あまりにも残念!」どこが判定負けなんすか?俺の方がポイント取ってたでしょ!
(笹崎)落ち着け。
おかしいっすよ!ここはタイなんだ。
チャンピオンに有利なことは分かっていたろ。
8回でも9回でもやつはダウンした!もう言うな!世界で闘うってことはこういうことなんだ。
決めた。
バンタムに転向するぞ。
これは逃げでも何でもねえぞ。
体の成長を止めることなんて不可能な以上お前にとって唯一最善の道だ。
はい。
バンタムは面白いぞ。
何たってお前最高の目標がいるからよ。
最高の目標?ああ。
「黄金のバンタム」よ。
エデル・ジョフレ。
黄金のバンタム。
(笹崎)ジャブジャブ!体振って!入ったらボディー!そう!動いて!そうそう連打連打!
(記者)4連勝で世界ランクも4位に上がりました。
感想を。
いやまだまだこれからです。
努力を怠らず頑張ります。
次は世界チャンプへの挑戦権を懸けたジョー・メデル戦ですね。
予断を許さない状況に変わりはありません。
それで抗がん剤の量を増やそうと思います。
今のところそれしか方法が…。
われわれとしても最後まで手を尽くしたい。
もしそれで症状が安定すれば通院治療も可能になります。
お願いします。
母を助けてください。
お願いします。
お願いします。
ごめんね。
(サダエ)うん?迷惑掛けっ放しで…。
(サダエ)何言ってんの。
娘なんだから当たり前でしょ。
私治るのかな…。
治るわよ。
そんな弱気でどうすんの?マー坊の試合見に行くんでしょ?うん。
そうだね。
マーちゃんみたいに勝つために闘わなきゃね。
生きるために闘わなきゃ。
(アナウンサー)攻める攻めるジョー・メデルジョー・メデル右ストレート!あ〜!原田ダウン!原田この試合三度目のダウン!立てるか!?原田!あ〜レフェリーが止めました!
(ゴングの音)
(アナウンサー)テクニカルノックアウト!
(レフェリー)勝者メデル!
(アナウンサー)世界ランク3位のジョー・メデルに敗れました!世界の壁は厚かった!
(男性)やっぱりバンタムは簡単じゃないよなぁ。
姉ちゃん。
ああ来たの?ごめん。
今月少ししかないんだ。
次の試合決まればめどが立つんだけどまだ決まんなくてさ。
ううん。
ありがとう。
ごめんね。
姉ちゃんに何もかも押し付けて。
別に押し付けられてなんかないけど。
最近はね昭一も勝広も家のこと結構手伝ってくれるし。
それに父さんだって…。
父さんがどうした?
(サダエ)《ただいま》
(恒作)《いいから支えろ昭一》《ちょっ…何やってんの!?》
(恒作)《支えろ昭一!》《昭一放しなさい!勝広も!》
(恒作)《どけ!》
(サダエ)《父さんもうやめてよ!》《この前だって無理して具合悪くなったじゃない》《息子には栄光をつかめなんて偉そうに言っといて自分がこれじゃ情けねえだろうが!》
(サダエ)《父さんに何かあったら私母さんに何て言えばいいのよ!?》《練習すりゃきっと動ける。
お前たちにだけ苦労させるわけにはいかないだろう》《何で…》《何で動かねえんだ!こいつめ…。
ああ〜!》《何で動かねえんだ…》父さんも母さんも真面目に一生懸命生きてきたのに…。
何で…。

(笹崎)何しけた面してんだよ。
この世の不幸は全部てめえが背負ってるってか?政彦!お前にとって栄光って何だ?オヤジさん。
こっちが聞きたいっすよ。
栄光って何なんすか?ひたすら努力すればつかめるって…。
頑張れば報われるって…。
そんなの嘘じゃないっすか。
親父もおふくろも姉ちゃんも必死に必死に一生懸命頑張って生きてんのに…。
何にもいいことなんか…。
お前はどうなんだよ。
どんだけ必死に生きてるっていうんだ!?俺だって!俺だって…。
お前何のためにボクシングやってる?家族のためなんて奇麗事言ってんじゃねえだろうな!?それのどこが奇麗事なんすか!?だからお前は負けたんだ!今お前に一番必要なものは何だ?金だろ!だったら何で金だけのために闘わねえんだ!ここにたんまりそれが埋まってるのによ!でここに立てるのはおふくろさんでも親父さんでもねえ!お前一人だけなんだよ!立ち止まって余計なこと考えてんじゃねえよ!いろんなもんずるずるずるずる引きずってリングに上がるな!家族を言い訳にするな!そんなことで真の栄光なんかつかめるわけねえんだ!政彦。
孤独な鬼になれ。
キングピッチに勝ったときみたいにな!
(笹崎)そうだ。
お前にはボクシングしかねえだろうがよ!青木との試合が決まった。
これに勝ちゃエデル・ジョフレ「黄金のバンタム」に挑戦ができる。
勝ちにいこうぜ!最近雨漏りもするしな。
俺も金が必要なんでよ。
頼むよマーちゃん。

(笹崎)OKいいか。
フライ級で通用したラッシュ戦法はバンタムじゃ通用しないぞ。
フェイントだ。
フェイント。
フェイント使って相手のタイミングずらせ。
いいな。
フットワーク。
そう。
そうそう…。
入ったらボディー打つ。
(ヨシ)ただいま。
(恒作)大丈夫か?
(ヨシ)ハァ…。
長い間すみませんでした。
(サダエ)今布団敷くわね。
(ヨシ)うん。
(サダエ)ちゃんと安静にしてなきゃ駄目よ。
(ヨシ)はーい。
ああ…。
やっぱりうちはいいわね。
フフフ。
バッティングローブローを気を付けて正々堂々と闘うように。
(アナウンサー)いよいよ青木勝利とファイティング原田の闘いが始まろうとしています。
かつてはフライ級のライバル同士だった2人が共にバンタム級に転向しての雌雄を決する試合です。
これは楽しみですね。
(解説)ええ。
何しろこの試合の勝者はあの「黄金のバンタム」エデル・ジョフレへの挑戦権を手にすることができるわけですからね。
楽しみです。
(ゴングの音)
(アナウンサー)さあゴング!いきなり飛び出していった原田!母さん?
(恒作)駄目じゃないか!そんなことしてちゃ。
フフ…。
あっ…。
あ痛…。
(恒作)母さん?
(ヨシ)痛い…。
(恒作)母さん!
(ヨシ)痛たた…。
(恒作)ヨシ!誰か!誰か!母さん!もう安静にしてなきゃ駄目って言ったじゃない!何で無理すんのよ。
ごめんねサダエ。
でもね親が2人とも倒れたまんまじゃあんたたちに悪くて…。
何バカなこと言ってんのよ!父さんも同じことを。
ごめんなさい。
だから謝らないでよ!
(医師)安静にお願いします。
ねえ。
マーちゃんどうしたかな?大丈夫勝ったって。
ああ…。
そう。
よかった。
だから安心して寝てね。
(ヨシ)うん。
そっか。
勝ったんだね。
(アナウンサー)原田勝ちました!いよいよ「黄金のバンタム」への挑戦です!
(記者)青木戦見事な3ラウンドKO勝ちでしたがこの勢いに乗ってのエデル・ジョフレ戦への意気込みを。
いつもどおりやるだけです。
とにかく練習あるのみです。
でもまだ試合までに時間があるから少しはゆっくりできるんでしょ。
今一番やりたいことは?とにかくやっぱり練習です。
俺には練習しかないんで。
努力あるのみです。

(笹崎)はいはいはいはい。
ってとこでね。
今日はこのぐらいで。
(記者たち)会長。
ちょっと待って。
(記者)会長お願いしますよ。
(笹崎)あのよろしく書いといて。
(笹崎)ありがとうよろしくね。
何なんや。
いつもならもうちょっと協力的なのにな。
ヤバいんじゃないか?体落としきれてないですもん。
ああ下手したらフェザー級やもんな。
減量も相当地獄なんやろ。
ジョフレ戦勝ち目なしかなぁ。

(男の子)勝つもん!原田は勝つ!絶対勝つ!原田がいつもどんだけ練習してるか知ってんのか?あんだけ頑張ってる男が負けるって言うなんてあんたたち努力ってものをバカにしてんのか!
(記者)いやそんなつもりは…。
(男性)おい!原田は勝つ!
(ヨシ)マーちゃん…。

(ヨシ)マーちゃん…。

(ヨシ)マーちゃん…。
《母ちゃん死ぬなよ》《俺母ちゃんに立派だって言ってもらえるボクシングやってみせるから》
(サダエ)おはようございます。
(ヨシ)放して!
(看護師)原田さん!
(ヨシ)放して!
(看護師)落ち着いてください!
(ヨシ)マーちゃんいるんでしょ!?どこにいるの!?
(サダエ)母さんどうしたの?
(看護師)静かに横になってないと駄目なんですよ!
(ヨシ)嫌!マーちゃんに会うの!お姉ちゃんこの人たちマーちゃんいないって言うんだよ!マーちゃん!
(医師)精神的に相当不安定になってるようです。
お母さんおそらくご自分の病気の重さに気が付いているのかもしれません。
もう治らないかもしれないということにですか?
(医師)ええ。
言ってみれば絶望の淵にいる。
今お母さんを支えているのはご家族への思いだけかもしれません。
それでがんの方は?以前より小さくはなっていますがまだ何とも…。

(サダエ)弟を呼んでいただけますか?どうしたんですか?お母さんに何か?母が会いたがってるんです。
顔見せるだけでいいんで。
(笹崎)次の試合の準備に入ってるんで無理です。
だって試合はまだ先ですよね?あいつには必要な時間なんです。
やっと峠を越した母が会いたがってるんです!とにかく弟に会わせてください。
暑い…。
あと2時間は出てきません。
何なんです?これ。
(笹崎)減量のためにあいつが選んだ場所です。
こんなの無茶です!あいつは勝ちたいんです。
勝つために闘ってるんです。
(ヨシ)《マーちゃんみたいに…》《勝つために闘わなきゃね》《生きるために闘わなきゃ》勝てますよね?信じてやりましょう。
周りの人間がしてやれることはそれだけだ。
(恒作)うう…。
(昭一)ほら勝広。
裸で寝ると風邪ひくぞ。
(勝広)眠いんだよ。
あした学校だろ?
(笹崎)ジャブジャブ。
はい柔らかく柔らかく。
フェイント入れろよフェイント。
そう。
はいボディー。
顎引いて顎引いて。
(記者)限界や…。
(笹崎)顎引いて顎引いて。
駄目だ…。
(笹崎)もう一回ジャブから。
はいジャブボディー。
がんは以前より小さくなっています。
もうこれなら退院しても大丈夫ですよ。
(サダエ)ああ…。
(ヨシ・サダエ)フフフ。
(医師)つらい治療よく頑張りましたね。
お母さんはホントに強い。
息子さんの強さはお母さん譲りなんですね。
(笹崎)入ったらボディー。
ボディー入る。
ガード下げないよ!すぐ入るよ。
入ったらジャブ。
はい。
入ったらボディー。
ボディー。
そうそう下がんない下がんない。
そう顎引いて顎引いて。
(医師)ああは言いましたが決してがんが消えたわけではありません。
もし具合が悪くなったらすぐ病院に連絡を。
(サダエ)はい。
酷なようですが覚悟だけはしておいてください。
努力…努力だ。
ひたすら努力して栄光をつかみ取れ。
つかめつかめつかむんだ。
つかめ努力だ。
栄光をつかみ取れ。
つかめつかめ…。
ねえ何でジョフレは「黄金のバンタム」なの?
(昭一)とてつもなく強いからだろ。
ふーん。
最高級のテクニック破壊的な強打完璧なガード。
この3つを兼ね備えたミスター・パーフェクト。
プロになって6〜7年たつと思うけど今まで負けなし。
バンタム級に君臨する黄金の怪物ってとこかな。
すげえ。
大丈夫かな?兄ちゃん。

(記者たち)おい来た来た!おお〜!おっチャンピオンのご到着だ。
(記者たち)来た来た。
ジョフレ!
(記者)ジョフレ!ジョフレジョフレ!日本に来た心境は?
(記者)英語で英語で。
(記者)ああえーっと…。
(笹崎)ずいぶんと余裕だな。
物見遊山のつもりか?
(記者)あっ。
(記者)おお。
(記者)おお。
(記者)原田君こっち。
(記者)プリーズ。
(記者)こっちお願いします。
(記者)はいはいもう1枚!
(記者)こっちもお願いします。
(記者)減量が相当きつかったようですが問題のウエートは?
(笹崎)ウエートは117ポンド。
調整は順調です。
(記者)大方の予想では8対2で原田不利と言われてますが。
せっかく頂いた最後のチャンスだから当然勝つつもりで頑張ります。
そのための練習をやってきました。
練習は絶対に裏切りません。
勝ちます。
絶対に勝ってみせます。
(記者)あ〜。
ずいぶん強気だったけど総合力じゃどう考えたってジョフレの方が何枚も上だよ。
原田にとったら背水の陣やからな。
前半飛ばし過ぎてあっという間に玉砕。
…なんてことにならんといいけど。
原田がついに「黄金のバンタム」に挑む日がやってきた
この地球上に世界チャンピオンの椅子幾つある?8つ。
そうだ。
8つ。
たったの8個だ。
お前は今日そのうちの1つを…。
手にする。
こんばんは。
(恒作)こんばんは。
おっ!これか。
マー坊が買ってくれたテレビってのは。
(勝広)うん。
(男性)立派なもんだよな。
いい息子持ったな原田さん。

(音楽)
(笹崎)いいか。
ジョフレにあるのは王者の余裕なんかじゃねえ。
あれは油断だ。
怖がるな。
自信持て。
お前はそれだけのことやってきた。
これまでのお前の全てぶつけろ。
いいか全てだぞ。
最後までリングに立ってんのはお前だ!よーし!栄光つかんでこい!ただ今より本日のメーンイベント世界バンタム級タイトルマッチ15回戦を行います。
(アナウンサー)赤コーナー世界バンタム級チャンピオン118ポンドブラジルエデル・ジョフレ!
(拍手)青コーナー挑戦者世界バンタム級1位117ポンド4分の3日本笹崎所属ファイティング原田!
(歓声・拍手)
(ゴングの音)
(レフェリー)Fight!
(アナウンサー)さあいよいよ始まりました世紀の一戦。
世界バンタム級タイトルマッチ。
いつものように元気いっぱいにコーナーを飛び出していった。
挑戦者の黒のトランクスファイティング原田。
積極果敢にパンチを出しています。
一方の世界王者エデル・ジョフレ冷静に冷静にガードを固めて…。
(昭一)兄ちゃん!
(勝広)頑張れ!負けるな!
(アナウンサー)しかし原田がそのガードの上からもパンチを出している。
積極的に前に出ています原田。
ジョフレも原田のパンチをガードしながらパンチを返していきます。
(アナウンサー)原田前に出る。
ジョフレ左ボディーブローを返しました。
原田それでも前へ出る前に出る原田どんどん前に出ています。
目の離せない展開になっている第2ラウンド激しい闘いです。
大丈夫?気分悪くない?
(ヨシ)ええ。
大丈夫。
無理しないでよ?気分悪くなったらすぐに…。
ちょっと黙ってて。
マーちゃんの試合見てるんだから。
(アナウンサー)いやホントに目が離せません。
(ヨシ)《サダエ》
(サダエ)《何?》《マーちゃんの試合連れてってくれない?》
(サダエ)《何言ってんの!?そんなの無理に決まってるでしょ》
(サダエ)《先生だって安静にしてるようにって…》《見たいのよ。
どうしても見たいの》
(サダエ)《だからテレビがあるから家でも見られるんだって》《そばで見てやりたいのよ》《だって今見てやらなきゃ母さんもう見られないかもしれないし》
(サダエ)《いや…》《ねっ?お願い。
ねっ?》
(アナウンサー)原田右アッパー決まった!顎に決まった!ジョフレ飛んだ!ロープに飛んだジョフレにさらに原田猛然とラッシュ!原田猛然とラッシュ!ジョフレ棒立ち!ジョフレ棒立ち!原田さらにボディーブロー。
原田ラッシュ!原田ラッシュ!何とかジョフレ持ちこたえていますがその持ちこたえているジョフレにパンチを浴びせる原田。
「黄金のバンタム」と呼ばれるジョフレが棒立ち!防戦一方です!防戦一方!原田容赦なくパンチを浴びせている!
(ゴングの音)
(アナウンサー)誰がこんな展開を予想したでしょうか?原田が原田のパンチが確実にジョフレを脅かしています。
(アナウンサー)素晴らしい猛攻でした。
4ラウンドの原田。
(ゴングの音)
(男性)原田!この調子でいけ!大和魂見せてやれ!
(女性)原田!頑張って!
(アナウンサー)「原田のワンツー」
(男性)やるな原田。
(靴磨きの男)ええ。
(男性)原田やってんの?
(靴磨きの男)シーッ。
(作業員たち)いけいけ!いけいけ原田!すげえよな。
これヨシさんとこの息子さんだぜ。
ああ。
原田。
俺たちだってやりゃあできるってとこ見せてやってくれよ!
(男性)いけ!原田!
(アナウンサー)ジョフレのペースになってきています!ジョフレが攻める!ジョフレが攻める!強烈なパンチがボディーに飛んでいる。
原田ガード。
懸命にガードしている耐えている!なおもそのガードの上からジョフレが攻めている!強烈なワンツー。
強烈なワンツー。
原田危ない。
原田危ない。
原田ここは耐えるしかない。
原田耐えるしかない。
苦しい原田。
我慢です原田。
ジョフレがジョフレがパンチを出している…。
(アナウンサー)右アッパー!原田の顎をとらえました!大きくのけ反りました原田!マーちゃん!
(アナウンサー)原田耐えている!何とか耐えました!ここで倒れるわけにはいかない!すごい執念です原田!すごいファイト!
(ゴングの音)
(アナウンサー)あーっとここでゴング。
第5ラウンド終了です!第5ラウンド終了!おいおいやっぱりジョフレのペースになってきたがな。
右気を付けろ。
体振って。
体振って。
(記者)前半飛ばし過ぎたからな。
(記者)いやまだ分かんねえぞ。
いけ原田。
(ゴングの音)
(アナウンサー)第6ラウンドが始まりました。
(アナウンサー)おっと先ほどのダメージを感じさせない。
元気いっぱいコーナーを飛び出していきました原田。
しかしその原田にジョフレが容赦なくパンチを浴びせている!
(アナウンサー)やはりジョフレのペースか。
しかし原田も前に出る。
激しくパンチを浴びせている。
ジョフレがパンチを出す。
原田も耐えている。
原田も耐えている。
激しい打ち合い。
リング中央での激しい打ち合い。
あーっとジョフレの激しいパンチが原田の顔面をとらえました!原田ちょっと倒れかけた。
(アナウンサー)ひるまないひるみません。
頑張っている原田。
(アナウンサー)懸命に前に出る懸命に前に出る。
激しい打ち合いが続いています。
(アナウンサー)原田の驚異的な粘りで試合はいよいよ最終ラウンドを迎えようとしています。
(笹崎)いいか。
ラストだ。
やつの右アッパーこれだけはもらうな。
いいな。
オヤジさん。
うん?俺すげえ好きだわ。
ボクシング。
(笹崎)バカヤロー。
(ゴングの音)
(アナウンサー)さあいよいよ最終ラウンド開始のゴングが鳴りました。
原田ラッシュ。
ジョフレがまたコーナーに追い詰められました。
それにしましてもこの原田の驚異的なスタミナはどこから出てくるんでしょうか?原田の勝利への執念を感じます。
原田ラッシュ原田ラッシュ。
さらに攻める。
原田攻める。
ロープに詰めている。
ジョフレを攻める。
ジョフレを攻める。
攻撃の手をまったく緩めない原田。
ジョフレ何もできません。
すごい。
マー坊すごいね。
(ヨシ)うん。
(アナウンサー)必死のガード。
原田の猛攻は怒濤のラッシュが続いている。
怒濤のラッシュが続いている。
このラッシュはいったいどこまで続くのか!?《俺が求めていた栄光は金かもしれない》《その金で母ちゃんに楽させてやりたいから》《その金で姉ちゃんに自由をあげたいから》マー坊頑張れ!マー坊!《その金で家族のために大きな家を建てたいから》《その金で父ちゃんをもう一度医者に見せたいから》《でも真の栄光は俺にとっての真の栄光は…》《父ちゃん母ちゃん》《あなたたちの息子としてここに立っていることです》
(アナウンサー)ジョフレ苦しいぞ。
ジョフレ苦しいぞ。
(アナウンサー)「黄金のバンタム」50戦無敗のジョフレに原田がさらにパンチを浴びせている。
ここまでこのジョフレを苦しめた挑戦者はかつていたんでしょうか!?クリンチに逃れたジョフレに対してさらに原田がまた攻めている。
原田がさらに攻めている。
しかしここはジョフレも反撃しています。
ジョフレも頑張っている。
死闘と呼ぶにふさわしい試合です両者一歩も引きません。
もう最後は気力を振り絞っての闘いです。
右に気を付けろ!
(アナウンサー)どちらが勝ちたいその思いの強い方に勝利の女神がほほ笑むんでしょうか?さあ原田が攻める。
(ゴングの音)
(アナウンサー)ゴング!試合終了!15ラウンドの死闘は終了しました!抱き合っています。
両者本当によく闘いました。
どちらが勝ってもおかしくありません。
勝敗は判定に委ねられました。
とにかく素晴らしい試合でした。
(アナウンサー)原田よくやりました。

(アナウンサー)さて勝利の女神はどちらにほほ笑むんでありましょうか?
(昭一)兄ちゃん。
(勝広)頑張れ。
(アナウンサー)会場は静まり返っています。
愛知県体育館。
果たして原田かジョフレか。
Winner!
(アナウンサー)原田が勝ちました!
(ヨシ・サダエ)ああ!母さん勝ったよ!
(アナウンサー)ファイティング原田世界バンタム級新チャンピオンです!
(アナウンサー)こんなに素晴らしい勝利はありません。
愛知県体育館は興奮のるつぼと化しております。
マーちゃん。
(ヨシ)マーちゃん。
(サダエ)やったやった。
(一同)原田!原田!
(アナウンサー)原田コールが巻き起こっています。
日本人初の世界バンタム級チャンピオンしかも不敗の王者「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを下しました。
いくら祝福してもいくら称賛してもしきれない原田!マーちゃん。
おめでとう。
よかった。

エデル・ジョフレは言った
「タイトルを失うことは銅貨を1枚失うのとは違う」
5年の長きにわたって君臨していた無敵の王者は誰よりもタイトルの価値と重みを知っていた
その後ファイティング原田は日本人ボクサーとして初めてアメリカの世界ボクシング殿堂と国際ボクシング名誉の殿堂博物館入りを果たした
また1983年にはWBCが選出した「偉大な26人のボクサー」に日本人としてただ一人選ばれその名を世界に刻んだ
そして現在原田は自身のボクシングジムで日々後進の育成に力を注いでいる
戦後日本は目覚ましい発展を遂げてきた
原田の勇猛果敢な闘いぶりに人々は勇気づけられ自分たちの来た道をそして行くべき道をあの試合に重ねたのだろう
「努力は必ず報われる」ファイティング原田

(ナツ)俺たちにしか正体見せてねえんだあいつ。
(篠)証拠をつかむしかないな。
(亘)バイトって2014/02/22(土) 21:00〜23:10
関西テレビ1
土曜プレミアム・「黄金のバンタム」を破った男〜ファイティング原田物語〜[字]

永遠の0の百田尚樹原作を地上波初映像化!昭和の伝説のボクサー・ファイティング原田の栄光と母への愛を描く感動作!

詳細情報
おしらせ
「BOXINGダイヤモンドグローブSP」延長の際、放送時間繰り下げの場合あり。
番組内容
 昭和35年12月、17歳の原田政彦(市原隼人)は、プロデビューしてから無傷の12連勝でフライ級東日本新人王戦決勝に進んだ。対戦相手の海老原博幸も無敗だったが、原田はこの試合に勝利し東日本新人王になる。一カ月後、所属する笹崎ジム会長・笹崎たけし(片岡鶴太郎)は原田に紙を見せる。そこには原田のリングネーム“ファイティング原田”と書かれていた。原田はその後も連戦連勝、デビューから25連勝を飾る。
番組内容2
 昭和25年。7歳の原田は母・ヨシ(伊藤蘭)が作った大好物のぼた餅を植木職人の父・恒作(平田満)と食べていた。植木職人になりたいと言う原田に、恒作は“男が世に出る方法は、ひたすら努力して栄光をつかむことだ”と話す。原田の心に“栄光”という言葉が刻まれる。
 昭和37年6月、成長期で減量が厳しくなった原田は、一階級上の試合に臨む。相手は世界バンタム級7位エスパルサ。原田はこの試合に判定負け、人生初
番組内容3
黒星がついてしまう。落ち込んだ原田は、仕事中の大ケガで寝たきりの恒作に代わって、工事現場などで働き家計を支えていたヨシの姿を思い出しながらも立ち直れずにいた。そんな折り、原田は笹崎に黙って実家に戻る。原田は、姉・サダエ(内山理名)、母、弟と食卓を囲んだ後、“しばらく実家にいてもいいか”と聞くが、笹崎に内緒で帰宅したことを知ったヨシに叱られて家を飛び出す。しかし、その母の体は病魔に襲われていた…。
出演者
市原隼人 
伊藤蘭 
内山理名 
村田諒太(特別出演) 
八重樫東(特別出演) 
井上尚弥(特別出演) 
平田満 
片岡鶴太郎 

ほか
スタッフ
【原作】
百田尚樹『「黄金のバンタム」を破った男』(PHP文芸文庫) 

【脚本】
龍居由佳里 

【企画】
小池秀樹 

【プロデューサー】
椿宜和(角川大映スタジオ) 
河添太(角川大映スタジオ) 
宮内貴子(角川大映スタジオ) 

【特別協力】
ファイティング原田ボクシングジム 

【演出】
児玉宜久 

【制作】
フジテレビ 

【制作著作】
角川映画

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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