(刑事)ご苦労さまです。
(刑事)覚せい剤の常習者だな。
(刑事)粗悪な覚せい剤を接種してのショック死ってとこじゃないですかね。
(刑事)うん。
目立った外傷もないしな。
(小室)おい。
起こすぞ。
(刑事)はい。
(小室)手伝え。
(刑事)あっ。
はい。
(小室)よっ。
(刑事)はい。
うん。
何ですかね?これ。
皮膚病じゃないですか?ああ。
触んない方がいいですよ。
感染するかもしれませんから。
(刑事)唐木博之。
(刑事)あっ。
こいつあの唐木だ。
(刑事)知ってるんですか?10年前に巣鴨で起きた事件で容疑が掛かった男だ。
同棲相手の連れ子を虐待して殺したっていう悲惨な事件のな。
結局虐待の証拠はつかめずに立件できなかったが間違いなくクロだったらしい。
(石黒)あっ。
(恭子)大丈夫?ねえ?石黒さん。
大丈夫?分かる?
(恭子)あっ。
どなたか救急車お願いします。
(女性)あっはい。
分かりました。
・
(周五郎)はいはい。
ごめんなさいね。
ちょっと通してくれる?おい。
代わろう。
分かるか?
(周五郎)分かるか?おい。
いやー。
(恭子)何なんですか?あなたは。
俺?俺は通りすがりの天才外科医鳩村周五郎といいます。
(恭子)鳩村?鳩村先生!?あれ?何だ。
俺のこと知ってんの?ってことは医療関係者か。
そりゃ手っ取り早いや。
この男にいったい何が起きた?ただ事じゃねえぞこの症状は。
ああ。
これ。
これはいったい何なんだよ?
(隊員)そっといくぞ。
(恭子)豊田記念総合病院へお願いします。
(隊員)あっ。
しかしここからでは遠過ぎます。
(恭子)いいんです。
お願いします。
おい。
ちょっと待てよ。
1分1秒争うんだぞ?わがまま言ってる場合じゃねえだろ?
(恭子)あなたには関係ありません。
じゃあ俺も一緒に行くよ。
乗り掛かった船だ。
(恭子)あなたは関係ない!うわー!
(恭子)早く出して!あ痛っ。
(隊員)閉めます。
おい。
ちょっと待て。
おい。
あ痛っ。
おい。
ちょっと待て。
おい!
(犬のうなり声)
(うなり声)いない?いや。
いないわけないでしょ。
ちゃんと見てよ。
(職員)ちょっ。
ゆうべ間違いなくこの病院に運びこまれてるはずですから。
(職員)えー。
そういう記録はどこにも残ってないですね。
あなたどういうご関係ですか?いや。
どういうご関係っていわれりゃそりゃまあ他人の関係ってことになるんだけど。
でもその患者の病状も付き添ってた女の態度も明らかに普通じゃなかったんですよ。
もう1回ちゃんと調べて。
もう1回。
(中西)どうしたのかね?
(職員)あっ。
中西先生。
すいません。
こちらの方がよく分からないことを。
よく分かんないのはそっちでしょ?いえね。
ゆうべこちらに病人が運びこまれてるはずなんですけど。
そんな記録はないって言うんですよ。
おかしな話でしょ?
(中西)他の人間の話であれば私も外科部長として耳を傾けますがあなたの話では信じるわけにはいきませんね。
鳩村周五郎さん。
有名人なのは悪い気分じゃないんだけど悪名高いってのは困っちゃいますね。
(中西)医学界の規範に背きはぐれ医者のようなまねをしているあなたにこの病院に出入りされたら迷惑です。
どうぞお引き取りください。
俺みたいのがうろうろして何か探られちゃ困ることでもあったりするわけですか?
(中西)失礼なこと言いますね。
おい。
君たち。
何してるんだ?
(警備員たち)はい。
ああ。
分かった。
ああ。
来なくていい来なくていい来なくていい。
速やかに退散します。
お邪魔しました。
お邪魔しました。
お疲れサマンサ。
お疲れタバサ。
どうなってるんだ?いったい。
せーの!
医師としての地位も名誉も未来も捨て弱者を救うために巨悪の陰謀と戦いぬいた天才外科医がここにいる
感染防護完了。
様々な病巣がはびこる現代社会に1本のメスで鋭く切り込むこの男の名は鳩村周五郎
完璧の母。
(恭子)ゆっくり。
大丈夫?すいません。
お願いします。
(看護師)はい。
(恭子)大丈夫?後ろ気を付けて。
(看護師)はい。
(恭子)先に行っててください。
(一同)はい。
(恭子)はい。
鎌倉です。
鳩村周五郎?
(豊田)さっき訪ねてきたらしい。
君たちのことを気にしていたようだ。
どういうことかね?
(恭子)ゆうべ偶然居合わせたんです。
分かりました。
必ずご連絡します。
(小室)鳩村?小室さん。
久しぶりですね。
ちゅうかナイスなタイミング。
ちょっと質問。
(小室)うるせえ。
俺が先だ。
鳩村。
お前に聞きたいことがある。
えっ?何すか?
(小室)お前ゆうべどこで何してた?うわー。
まさかの以心伝心?いや。
俺の相談っていうのもそのゆうべのことだったんですよ。
実はね…。
(小室)それってどこの病院だ?豊田記念総合病院じゃねえのか?いや。
何で分かったんですか?怖っ。
ちゅうか今どこにいるんです?俺か?俺は…。
うっ。
(不通音)もしもし?小室さん。
もしもし?
(刑事)本庁の小室?ええ。
ここにいるって聞いてきたんですけど。
(刑事)あの人だったらほとんどここに顔も出さずに勝手に一人で出歩いてるよ。
連絡もしてこないしどこで何やってんだか。
(刑事)ホントですよね。
実はね昨日の昼小室さんから電話があったんですよ俺に。
でもすぐに切れちゃったんです。
しかも明らかに不自然な切れ方でね。
でこらおかしいなと思ってそれからずっと電話してたんですよもう一晩中。
でも一切つながらないんです。
何かあったんじゃないかと思うんですよ小室さんに。
(刑事)ご覧のとおり捜査本部は解散。
ねっ?本庁のあの人がどこで何してようが俺たちには関係ないの。
いやいや。
そう…。
ちょっと待った。
(刑事)おい。
何だよ?これ。
《この男にいったい何が起きた?ただ事じゃねえぞこの症状は》《ああ。
これはいったい何なんだよ?》
(刑事)返せよ。
あっ。
ねえねえねえ。
小室さんってこの事件を担当してたの?事件じゃないと判断されたから捜査本部は解散なんだよ。
あの。
これ誰ですか?この男。
(刑事)いいかげんにしてくれよ。
誰なんですか?
(刑事)終わったんだよもう全て。
いや…。
ほら。
何だ?てめえ。
この野郎。
うっ。
いってえ。
あっ。
いってえ。
小室さんか?お前。
(曽根原)静かにしろ。
話聞いてやるが場所変えるぞ。
はっ?
(曽根原)墨田東公園だ。
えっ?
(曽根原)痛むか?ヘッ。
こんなもん小室さんのパンチに比べりゃへでもねえ。
(曽根原)あそこにいる連中はみんな小室さんをよく思っていない。
何を訴えたとこで無駄だ。
あんただけは違うってか?
(曽根原)捜査1課曽根原忠光。
小室さんのような男は嫌いじゃない。
鳩村周五郎。
俺は嫌いだね。
何があったのか詳しく聞かせてくれないか?
(曽根原)ここから消えちまった男の肌の症状がこれとおんなじだったってわけか。
ああ。
何者だ?こいつ。
唐木博之っていうちんぴら崩れのろくでなしだ。
覚せい剤によるショック死だって言ってたよな?こんな男の変死じゃ捜査にも本腰入らんからいいかげんに片付けられたようだ。
小室さんだけは違ってたのかもな?
(曽根原)おそらく小室さんは何かに感づき一人だけ本腰入れて捜査してたんだろう。
俺は別の班だしこの事件にも直接関わってはいないが小室さんと連絡がつかなくなったことが気になってな。
小室さん何でかあの夜の俺の行動知ってたんだよな。
おまけに豊田記念総合病院っていう名前も口にしたんだ。
死んだ唐木と同じ症状の男が豊田記念総合病院に運ばれて消えた。
そしてそれを知っていた小室さんも消えちまったってことか。
鍵を握ってんのは豊田記念総合病院だな。
それとこの唐木だ。
ぐずぐずしてると小室さん危ねえぞ。
鳩村さんよあんたは警察の人間じゃない。
後は任せろ。
そういうお宅も余計なことしてるとヤバいんでねえの?
(曽根原)フッ。
似た者同士のようだな。
らしいな。
(曽根原)どんな男だったのかな?唐木さん。
(香織)ハァー。
ねえ?おとといも別の刑事さんに話したんだけど。
(曽根原)それってこの人?
(香織)うん。
そう。
同じ話でいいから俺たちにも話してくれないかな?
(香織)ハァー。
別にいいけど。
(香織)一言でいうと口ばっかりの男。
ホントでっかいことばっかり言うの。
でっかいことってどんなこと?自分は不老不死の薬の開発に協力してるから出来上がったらプレゼントしてくれるなんて言ってた。
不老不死?うん。
(唐木)《俺は年も取らず死なない体を手に入れられるんだよ。
その第一号なんだよ》《うん。
どうだ?若返ってるだろ?》《ここだけの話だぞ》
(香織)《うん》
(唐木)《研究してんのは豊田記念総合病院だ》豊田記念総合病院?
(香織)うん。
そう言ってた。
唐木は豊田記念総合病院で不老不死の薬とやらの治験に協力してたみたいだな。
(曽根原)不老不死の薬なんてもんが存在すんのか?あるわけねえだろんなもん。
細胞を再生させる。
まあそんなとこだな。
(曽根原)この肌の症状はそのせいか?おそらく副作用だろう。
豊田記念総合病院に運ばれた男ってのも唐木と同じ実験材料か?そうかもしれねえな。
おい。
ここからは俺が捜査する。
あんたはここまでだ。
余計なことするな。
分かってる分かってる。
それ小室さんのいつもの口癖だから…。
分かってるならいい。
勝手なことすんなよ。
はい!チッ。
言っとくけどないいのは返事だけだからな。
ああっ。
ああっ。
(看護師)どうされました?ちょっとおなかが。
すいません。
お願いします。
(看護師)はい。
ああっ。
ううっ。
(看護師)大丈夫ですか?もう少し…。
ハハッ。
俺の顔覚えてたみたいだね?この病院の関係者だったのか。
ねえ?3日前にさここに搬送した男。
あれどこ消えちゃったの?あなたに答える必要はありません。
ねっ?そうやって隠されるとさ余計気になるわけじゃない?だって無事に治療して元気でいるんだったら隠す必要はないわけだろ?
(恭子)隠蔽などした覚えはないわ。
あなたのような問題がある医者に話す必要はないと言っているだけ。
唐木博之って男を知ってるよね?唐木?この病院が開発を推し進めている新薬。
例の不老不死とやらをかたる怪しげな薬の開発協力者。
臨床試験の対象者だ。
何の話?お宅たちがどんな研究しようがそりゃ勝手だよ。
でもな人が一人殺されたとなると話は別だ。
唐木博之が殺害されてその事件を追っ掛けてた小室っていう刑事も行方不明になってんだよ。
ねえ?教えてよ。
この病院いったい何隠してんの?っていうか何が起きてんだ?この病院で。
(中西)一度ならず二度までも不法に侵入したからにはそれなりの覚悟ができているはずだ。
警察に連絡しなさい。
ああ。
ちょっと待った。
警察なんか呼んじゃったらそっちも困るんじゃないんですか?
(中西)何をしている?早く警察を呼ぶんだ。
(警備員)はい。
(豊田)その必要はない。
(豊田)手を放しなさい。
(中西)院長!?鳩村先生。
大変失礼しました。
どうぞこちらへ。
はい?
(豊田)さあどうぞ。
ああ。
ご挨拶遅れました。
私この病院で院長をしております豊田洋次と申します。
鳩村です。
あっ。
どうぞお座りください。
失礼します。
鳩村先生。
はい。
私ぜひ一度あなたにお目にかかりたいと思っておりました。
いや。
この悪名高い男に何のご用だったんですか?医学界の秩序を守らない金の亡者のはぐれ医者。
私にはとてもあなたがそんな男には見えない。
こちらもそんな男のつもりはありません。
ここ数年の間のあなたの仕事ぶり私はよく知ってます。
えっ?その一流の腕と熱い正義の心で戦ってきましたよね。
鳩村先生。
ぜひあなたにお願いしたいことがあります。
(豊田)お加減いかがですか?
(万里江)とってもいい気分です。
天気もいいしお散歩に出たいくらい。
(豊田)あっ。
こちら平形万里江さん。
あの教育評論家のですか?
(豊田)ええ。
ああ。
いつもニュースやワイドショーで拝見してます。
(万里江)お恥ずかしいかぎりです。
全て子供たちの啓蒙活動の一環です。
ああ。
確か養護施設も運営されてるんですよね?
(万里江)まだまだこれからです。
ご病気とは知りませんでした。
(豊田)私と万里江さんは昔からの知り合いなんですよ。
ああ。
あの。
失礼ですが。
ああすいません。
外科医をしてる鳩村周五郎といいます。
鳩村さん?はい。
(豊田)先生。
万里江さんの病気何だかお分かりになりますか?
(豊田)肺肝臓胃大腸の多重がんなんです。
先生。
(豊田)いや。
これは本人のご意思によって告知してありますから。
ああ。
共に病気と闘うためにね。
しかしこのままではもう勝てそうにない。
あと3カ月ほどでしょうか。
まだやりたいことがたくさんあるというのに残念です。
鳩村先生。
これを治せるのは奇跡を起こすのはあなたしかいない。
いや。
あなただけなんです。
どうか万里江さんを助けてください。
その力を貸してほしいんです。
お願いできますよね?もしもし?聞こえますか?久しぶりに白衣を着ました。
うわっ。
やっほ。
今日からねここでお世話になることになった鳩村といいます。
ポッポ先生って呼んでね。
(中西)鳩村周五郎は危険人物です。
なぜあのような男をこの病院に入れたんですか?
(豊田)中西先生。
あなたに平形万里江さんを治せますか?治せるのは彼だけです。
最高の設備だな。
(看護師)私鳩村先生と一緒に働けるなんて夢のようです。
えっ?
(看護師)ずっと先生に憧れてたんですよ。
アハッ。
何か悪名以外の評判聞くの久しぶり。
(看護師)えっ?ホントですか?ねえねえねえ。
ところでさ内科に鎌倉恭子先生っているじゃん。
(看護師)はい。
どんな先生?あの人。
(看護師)美人だから気になるんですか?いやいや。
性格は勝ってる。
性格は。
(看護師)もう先生。
でも残念でした。
鎌倉先生には恋人がいますよ。
えっ?そうなの?えっ?えっ?誰?誰?誰?奥多摩の施設で働いている研究員の先生です。
うわー!何すんだ?この野郎。
おっと。
(せき)
(曽根原)何やってんだよ?見てのとおりだよ。
うわっ。
つっ。
くっ。
うわっ。
ああ。
痛え。
勝手なことすんなと言っただろ?いや。
何となく成り行きで敵の懐に潜り込むことになっちまったんだよ。
小室さんから連絡あったのか?ない。
なるほどね。
猫の手も俺の手も借りたくてここへ来たってわけか。
よかっただろ?俺が勝手なまねしといて。
それはそうかもしれねえけど。
よし。
こうなったらこっからできるだけ情報仕入れるからな。
そっちは小室さん頼むわ。
(殴る音)
(恭子)キャー。
あっ。
やめて。
(田所)おい。
これ見てみろ。
(恭子)ああ。
おっと。
あっ。
(田所)何だ?あんた。
そういうそちらさまこそどちらさま?
(田所)あんた病院にいた男だな?えっ?あんたあの病院がどんな病院だか分かってんのか?はあ?その女の正体あんた分かってんのか?正体?待て!おい!ああ。
ちょっと待て。
(田所)くっ。
くうっ。
放せ。
この野郎。
あ痛っ。
(田所)ああ!あ痛たた。
(田所)放せ。
うん。
うーん。
うわっ。
うわー!うわっ。
おっ。
いってえ。
ああ。
折れた。
ああ。
ああー。
うわー。
(田所)あんた何も分かってないようだな。
えっ?うわっ。
(田所)あっ。
うわー。
てめえ。
外科医の指折りやがって。
誰だ?お前。
いってえ。
(警察官)どうしました?
(田所)今に分かるさ。
待て。
こら。
(恭子)どう?調子は。
(石黒)もう平気だよ。
恭子。
(恭子)石黒さん。
もう二度とあんな無茶はしないで。
(石黒)僕は自分の研究を信じてる。
だからこの体も使えるんだ。
(恭子)危険よ。
(石黒)危険を恐れてたら医学の進歩はないよ。
どうしたんだ?うん?石黒さん。
唐木博之って誰?知っているのね?例の薬の臨床試験を行ったって聞いているわ。
本当なの?まだ臨床試験の段階じゃないはずよ?
(石黒)本当だとしたら何だっていうんだ?本人が医学の進歩のために望んだことだ。
本人が望んだから危険を承知でそんなまねしたの?死ぬことまで本人が望んでたわけじゃないでしょ!?死ぬことって?唐木博之という男は死んだと聞いているわ。
知らなかったの?その事件のことを調べていた小室という刑事も行方不明だって聞いたわ。
刑事?君は誰からそんなこと聞いたんだ?鳩村周五郎。
あなたが倒れたときに居合わせた医者よ。
今うちの病院で働いているわ。
(石黒)は…鳩。
ハァー。
どうして?
(恭子)それから田所っていうジャーナリストにしつこく付け回されててあなたのことやここでの研究のことを聞かれるの。
悪事の証拠はつかんだ。
あの男はそう言っていた。
(石黒)悪事だと?何の話だ?それは。
分からないわ。
(石黒)くだらん出任せを言ったんだろうな。
・
(ノック)・
(ドアの開閉音)大丈夫ですか?もう早くお休みになった方がいいですよ。
ブログです。
子供たちが楽しみにしてくれているので。
あっ。
施設の子供たちですか。
はい。
みんな実の子のようなものです。
エヘヘ。
生きている間に一つでも多くの言葉を子供たちに残したいんです。
まだまだこれからですよ。
この子たちのためにも一緒に頑張りましょう。
はい。
ありがとうございます。
うん。
ねじ切れるように折れてんな。
って小指もいってんのかよ?ハァー。
どうしろっつうんだ?この指で。
ハァ。
・
(ノック)ああ。
院長先生。
(豊田)ご苦労さまです。
どうも。
あっ。
これは万里江さんのカルテですね。
4カ所に及ぶ多重がん。
正直ここまで悪化してるとは思いませんでした。
鳩村先生。
お願いします。
どうか万里江さんを助けてやってください。
さらに検査をして準備を進めて3日後にオペします。
ホントですか?いつ容体が急変してもおかしくないっすからね。
でもこの手では。
大丈夫。
右腕1本ありゃ何とでもなります。
よろしくお願いします。
はい。
・
(足音)
(田所)うっ。
ああ。
ああ。
あっ。
(刑事)ジャーナリストの田所正明か。
(刑事)この辺り人通りがほとんどないみたいですね。
(曽根原)頸動脈切断で出血多量死か。
(刑事)素人の仕業とは思えんな。
(鑑識)ここにボタンありますけど。
(刑事)調べておいてくれ。
(鑑識)了解です。
(刑事)田所ジャーナリストってのは名ばかりでゆすりたかりをなりわいとしてるような男だったらしい。
(刑事)昨日被害者ともめていた男が防犯カメラに映ってました。
(刑事)どんな男だ?
(刑事)こいつです。
8。
8。
はい。
セーフ。
はい。
カノンちゃん。
(カノン)いっせーの。
6。
(曽根原)ちょっと来い。
よし。
セーフ。
ちょっと待ってて。
今俺の番なんだ。
(曽根原)いいから来い。
あ痛ててて。
いっせーの。
11。
11。
どうかしたのか?俺のコートが。
あっ。
もしかして欲しいの?いや。
あんたには似合わないと思うよ。
(曽根原)ここのボタンどうした?あれ?取れてる。
田所正明って男知ってるか?いや。
知らねえな。
こいつだ。
こいつだったら知らねえどころか俺の指折ったおバカっちょだよお前。
殺されたのか?ああ。
こいつにな。
嘘。
超イケメンじゃん。
昨日もめていたらしいな?どういうことだ?どういうことだって。
この服のここのボタンが落ちてたんだよ。
えっ!?この男と何があったんだ?いや。
こいつが病院のこと色々嗅ぎ回ってて鎌倉恭子って女医に付きまとってたからちょっと懲らしめてやっただけだよ。
ホントにそう。
それだけだよ。
この病院の何を調べてたんだ?そこまで聞いてない。
悪い。
とにかくあんたはしばらく身を隠せ。
えっ?警察はすぐに身元を割り出しここにやって来る。
今身柄を押さえられたらまずいだろ?いや。
んなこと言われたってお前俺には医者としてやんなきゃいけないこととか色々あんだよ。
あんた自分が置かれてる状況分かってんのか?殺害現場にあんたのボタンが落ちてたんだよ。
知らねえよそんなことは。
ハァー。
身に覚えのないことが起きてるってことはどういうことか分かるか?誰かが俺を犯人に仕立てようと…。
そういうことだ!常に警戒しろ。
安易に人を信じるな。
近い。
高井戸南町3の2の1。
201号室。
ここを使え。
じっとしてるんだぞ。
み…南町高井?書いてある。
ハァー。
世界一運が悪い男だ俺。
あいつ。
(電子音)
(恭子)お疲れさまです。
・
(恭子)石黒さん。
ねえ。
《この男にいったい何が起きた?ただ事じゃねえぞこの症状》あいつ。
(恭子)ねえ。
田所っていう男が殺されたわ。
(石黒)ああ。
ニュースで見た。
(恭子)ねえ?何が起きてるの?私たちの周りで何が起こってるのよ?
(石黒)分からない。
俺には分からないよ。
(恭子)どうして?どうしてこんなことに?怖いの。
このままだと石黒さん。
あなたまでどうなってしまうのか分からないわ。
俺はここまで命懸けでやってきたんだ。
後戻りはできないよ。
(恭子)石黒さん。
今の話聞いちゃったよ。
ああー!あっ。
どうしてここに?君はホントに何にも知らなかったんだな。
でも君の恋人の石黒はそうじゃない。
やつはどっぷり事件に漬かってるぞ。
あいつのためにも俺に協力してくれ。
心開いてくれよ。
頼む。
・
(警備員)どうしました?ああ。
ちょっと待って。
ちょっと待ってね。
ねっ?動かないでよ。
(警備員)ああっ。
ちょっと…。
(メールの着信音)ああっ。
ああ。
(メールの着信音)小室源介。
(メールの着信音)メールじゃなくて電話にしろよ。
うん?「蔵乃沢に小さな小屋がある。
そこへ行け」
(操作音)小室さん。
小室さん。
小室さん。
分かりますか?小室さん!ああ。
どうなってんだ?こりゃ。
全身麻酔薬が投与されてたのか。
それにしても意識レベルが戻らねえのはおかしいじゃねえか。
いかん。
瞳孔不同だ。
そうか。
血腫がたまって意識レベルダウンさせてんだ。
ヤベえ。
このままじゃ心臓も呼吸も止まっちまうよ。
何だよ?おい。
こんなに揃ってんのかよ。
オペできんじゃん。
始めます。
頑張れよ。
俺の薬指。
メス。
小室さん。
痛かったら左手挙げてください。
開創器。
小室さん。
痛かったら左手挙げてくださいね。
(石黒)俺はやっと分かった。
間違ってたんだよ俺たちは。
あのときから。
27年前のあのときから。
間違ってたんだよ。
(石黒)俺はもう降りる。
人生をやり直すんだ。
ああー。
よし。
ああ。
やっぱり硬膜外血腫だったか。
小室さん。
もう大丈夫ですからね。
とそうでもねえな。
おい。
脳が張ってんじゃねえかよまだ。
くそ。
硬膜下も確認しなきゃだな。
再びメス。
小室さん。
そろそろ起きてください。
痛くて死んじゃいますよ。
(石黒)うわっ!おはようございます。
(小室)は…鳩村。
ドン。
ああー。
OK。
もう大丈夫。
おい。
ここどこだ?ここは奥多摩の蔵乃沢っていうところです。
それ以外分かりません。
全身麻酔に使うめちゃめちゃ強力な麻酔薬を大量に投与されてたんですよ。
もうちょっと処置が遅かったらあの世で大宴会ってとこでしたよ。
ああっ。
お前が助けてくれたのか?ええ。
丸々5日間眠ってました。
お前どうしてここへ?小室さんの足取りを追ったんですよ。
後輩の曽根原とかいうくそ生意気な刑事に協力してもらってね。
ハハッ。
あのがきか。
小室さんが寝てる間にね実にいろんなことがあったんですよ。
まず俺豊田記念総合病院に就職しちゃいました。
何?お前あそこで働いてるのか?ところがその直後に病院を探ってる田所っていうジャーナリストが殺されて何と俺容疑者にもなっちゃいました。
相変わらず…。
うわっ!?ついてねえ男だ。
ついてる。
ついてる。
ああ痛い。
もう痛い。
フフフ。
ああ。
ところで小室さん。
何で唐木の事件一人で追っ掛けてたんですか?唐木の死は簡単に処理されそうになっていた。
それも不自然なくらいにな。
不自然?あっ。
いわゆる上からの圧力ってやつですか?大物政治家大物官僚か。
こんなところで。
こんなところでぐずぐずしてるわけにはいかねえ。
駄目です。
丸一日は絶対安静です。
ゆうべ頭開けてますからね。
頭蓋骨ぱかっと。
マジか?マジ。
病院の中に俺たちの仲間になってくれそうなやつが一人だけいるんですよ。
誰だ?鎌倉恭子っていう女医です。
おお。
あの女か。
小室さんをここに運んでくれたのも小室さんの携帯で俺に連絡くれたのもこことそれからこの医療器具揃えてくれたのも全部おそらく彼女です。
ほう。
突破口は彼女です。
おなかすいたら大好物のバナナ食べといてくださいね。
俺今から彼女に会って話してきます。
おい。
それはお前の役割じゃないだろ。
駄目。
2時間は食べちゃ駄目。
バナナ。
ここに置いときますからね。
じゃあいってきます。
おい。
鳩…。
バ…バナナ。
あいつバカじゃねえのか?こうすりゃいいんだよ。
バナナ。
石黒。
どうなってんだ?
(警察官)おい。
(刑事)鳩村!ヤベえ。
(曽根原)鳩村。
うわっ。
こんなとこで何やってんだよ?俺のことはいいからどうなってんだ?石黒も。
あいつも殺されたのか?事故や自殺の可能性もあるにはあるがあんたが現れたことで他殺になっちまったよ。
えっ!?また俺が犯人かよ。
もう。
田所殺しで逃げ回ってるあんたが現れておまけに逃げ出したとくりゃ犯人にされたって仕方ねえだろ。
鎌倉恭子どうしてる?石黒の恋人は。
こっち来てんだよ彼女も。
どこにもいないんだ。
行方が分からん。
何!?・
(刑事たちの声)まずいな。
まずい。
おい。
俺を倒して逃げろ。
何言ってんだ?お前。
早くしろ!おい!あ痛っ。
お前。
俺はケガ人だぞお前。
(曽根原)俺を殴るんだ。
えっ?
(曽根原)早く殴れ。
無茶すんじゃねえよ!うわっ。
うっ。
ああー。
チクショー。
(曽根原)早くやれ。
すまん。
おら。
よいしょ。
(刑事)鳩村!待てこら!大丈夫か?おい!
(刑事)鳩村!
(刑事)この状況をどう解釈したらよろしいんでしょうか?
(豊田)私は鳩村先生を信じてますから。
(刑事)ハァー。
そんなことを言ってる場合ですか?鳩村先生は必ず現れる。
今この病院に必要な医者だから。
助けなければならない命がある以上彼は必ず戻ってくる。
鳩村周五郎はそういう男です。
(刑事)鳩村捜すぞ。
(刑事たち)はい。
・
(看護師)鳩村先生。
どこにいるんですか?
(看護師)警察が鳩村先生を目の色変えて捜してます。
大丈夫だ。
心配ない。
俺を信じてくれ。
・
(看護師)でも…。
とにかくあした予定どおり万里江先生のオペを行う。
スタンバイしといてくれ。
頼むよ。
俺と仕事するのが夢だったんだろ?・
(看護師)ああ。
分かりました。
サンキュー。
恩に着るよ。
じゃあな。
(バイブレーターの音)チッ。
もしもし?
(恭子)鳩村先生?その声は鎌倉恭子先生か?よかった。
無事だったのか?
(恭子)私何もかも話します。
石黒さんは殺されたんです。
このままにはできません。
分かった。
・
(刑事)どこ行った。
(刑事)よく捜せ。
(刑事)あそこです。
(刑事)おい。
こっち。
どこにいるんだ?
(恭子)さわくら橋のそば。
OK。
分かった。
すぐ迎えに行くからな。
じっとしてろよ。
(刑事)いたか?
(刑事)よし。
行け。
(悲鳴)大丈夫か?ああ。
しっかりしろ。
(恭子)ああ。
よし。
絶対大丈夫だからな。
気をしっかり持てよ。
起こすぞ。
うん。
あっ。
いってえ。
ああよし。
うわー。
ヤッベえ。
呼吸が微弱だ。
ああ。
肋骨がめちゃめちゃじゃねえか。
チッ。
この石でやられたか。
うわー。
すっげえ出血してっぞ。
おい。
うわっ。
ああ。
・
(たたく音)小室さん。
起きて。
(小室)どうした?ベッド空けてください。
(小室)ああ?絶対安静だけど起きて。
見りゃ分かるでしょ?早く。
危ねえ。
何だ?これは。
小室さん。
よいしょ。
ああ。
小室さん。
手伝って。
体起こして。
脱がします。
ああ。
ああ。
うん。
何だ?こりゃ。
小室さん。
はい。
これ。
(小室)うん?よいしょ。
(小室)ネックレス?くそ。
皮下気腫もか。
何だよ?呼吸も弱いじゃねえか。
小室さん。
彼女は肺が破れてて空気が漏れてて血がたまってます。
このままだと心臓を圧迫して死んじゃいます。
酸素マスク取って。
頑張れよ。
早く。
何してんですか?早く。
ってこれ小室さんつけてたやつでしょ?消毒して。
すぐ楽にしてやるからな。
頑張るんだぞ。
小室さん!
(小室)石黒って男も殺されたか。
また俺が犯人ですよ。
(小室)とことんついてねえ男…。
小室さん。
俺の雑のうから十徳ナイフ取ってください。
(小室)ああ。
早く。
(小室)うわっ。
はい。
(小室)鳩村。
何ひそひそ話してんですか?突然。
(小室)盗聴器だ。
マジっすか?うわっ。
(小室)発信器付いてる。
お前心当たりは?ありませんよ。
(小室)お前の動きは全て読まれていたってことだ。
くそ。
よし。
お嬢さん。
ちょっと痛いけど楽になるからね。
見ない方がいいですよ。
ふっ。
(恭子)うううっ。
うっ。
(恭子)うっ。
ううっ。
よし。
いい感じで入った。
(恭子)くっ。
ううっ。
抜きます。
即席胸腔ドレナージ成功。
よーし。
ハァー。
小室さん。
大丈夫ですか?顔色青いっすよ。
(小室)うるせえ。
どこの誰だか知らねえが俺が相手になってやる!小室さん!?完璧の母。
後は意識が回復するのを待つだけです。
(小室)そうか。
ねえ?そろそろ小室さんのお仲間に電話してくださいよ。
小室さんの言うことだったらみんな信じるでしょ。
(小室)うん。
そいつはどうかな?えっ?
(小室)敵はこんなものまで使ってお前を追い詰めてるんだ。
厄介な相手だぞ。
ここはもう少し様子を見て慎重に動いた方がいい。
分かりました。
(豊田)そのブログもうやめなさい。
どうしてですか?君は自分の体のことだけ考えていればいい。
私はどうせ死ぬんです。
鳩村周五郎がいる。
あしたの手術彼は必ず成功させ君を助ける。
鳩村先生なら何もかも解決してくれる。
そう思ってるんですか?無理だと思います。
小室さん。
(恭子)ああ。
鳩村先生。
(小室)おう。
君が用意しておいてくれた薬品や医療器具で何とかオペできた。
君に感謝するべきかな。
ありがとうございました。
117に77。
超元気だ。
よーし。
じゃあ聞こうか。
全て話してくれるって言ったよな?はい。
あの施設で石黒さんは特殊な薬の研究を進めていました。
特殊な薬っていうのは例の不老不死が何ちゃらっていう怪しい新薬か?皮膚の老化を特異的に予防する薬です。
その新薬の開発のことは豊田院長も当然知ってたんだよね?
(恭子)はい。
豊田院長の指示の下始めた研究ですから。
まあ研究自体は悪いことじゃないけどさ。
危険が伴う人体実験までしちゃまずいだろ?私は知りませんでした。
石黒さんは何も話してくれなかったから。
でも…。
《あいつのためにも俺に協力してくれ》
(恭子)あの後彼から呼ばれたんです。
(恭子)《石黒さん》
(石黒)《分かってるんだ俺だって》《踏み込んではならない領域に踏み込んでるって》《でも開発のためにはどうしても人体実験が必要だったんだ》《唐木博之は危険性も承知した上で臨床試験を受けたんだ》《高額の報酬を得るために自分から進んで実験台になったんだ》《でもそれで亡くなったんでしょ?》
(石黒)《違う!副作用で肌に異変は起きたがそれで死んだわけじゃない》《じゃあどうして?》《唐木はわれわれを脅してきた》《金をよこさなければ無理やり人体実験をされてひどい副作用が出たことを公にすると言ってきたんだ》《それで殺したの?》
(石黒)《俺はやってない。
俺はそんなことするわけない》《ホントに殺されたなんて知らなかったんだ》
(石黒)《でもこんなことになったのも俺にも責任がある》《来てくれ》
(恭子)《この人は?》
(石黒)《刑事だ》
(恭子)《どういうこと?》《どうして刑事さんがここにいるの?》《この人小室って刑事さんでしょ?》
(恭子)《まさかあなたが?》
(石黒)《俺はここに置いておくように頼まれただけだ》
(恭子)《誰に?》
(石黒)《それは言えない》
(恭子)《どうして?》
(石黒)《今はまだ言えないんだ》《い…いずれ何もかも話すよ》
(恭子)《とにかくこのままじゃ危険よ》《私の腕ではどうすることもできない》
(石黒)《鳩村先生に頼んでくれ》《鳩村先生にこの刑事を渡してここの真実を暴いてもらうんだ》《もうそうするしかない》
(恭子)《石黒さん》
(石黒)《間違ってたんだ俺たちは》《27年前から間違った道を歩んできたようだ》《27年前って?》《3人とも間違ってたんだ》
(恭子)《3人?》
(石黒)《もう終わりにしなきゃいけないんだ!》《もうここまでにする》《恭子。
俺は君と結婚して普通に生きていきたいんだ》《そんな資格のない俺かもしれないけれど》《そうしたいんだ》《あの刑事は君頼む》石黒はどうした?分かりません。
捜してる最中に転落死したって知りました。
(小室)あんたも危険を感じて逃げていたんだな?
(恭子)はい。
(小室)石黒が言い残したという27年前ってのに心当たりは?
(恭子)ああ。
ありません。
(小室)3人ってのは?
(恭子)分かりません。
(小室)うん。
なあ?これって石黒のネックレスだよな?そうです。
忠誠の証しと言っていました。
忠誠の証し?院長に対してか?はい。
特別な思いがあるみたいで。
それが何なのか私には話してくれませんでしたが。
じゃあその忠誠心が故に自分の体を実験台にしてまで新薬の開発を進めてたってわけか?はい。
(恭子)私知らなかったんです。
彼がそんなことまでしたなんて。
田所は何て言ってきたんだ?私たちは操られて悪事に加担しているって。
豊田院長にか?そうだと思います。
田所は唐木の件で病院を脅そうとしたのかもな。
田所を殺したのも同じ人物ですかね?
(小室)だろうな。
ということはそいつはまず唐木を殺して小室さんを監禁して田所を殺して院長と決別しようとしていた石黒を殺して恭子さんまで殺そうとした。
小室さん。
(小室)うん。
よく考えてみるとみんな豊田院長に歯向かう人間ばっかりっすよ。
(小室)だったらなぜお前みたいな危険な人物を雇ったんだ?それは俺にしか助けられない命があの病院にあるからですよ。
(小室)うん。
(恭子)平形万里江さん。
そういうことだ。
そして何と今日の午後彼女のオペだよ。
(小室)お前こんな状況ん中で手術するってのか?小室さん。
俺は医者ですよ。
(小室)何だよ?じゃあ俺は刑事だからその前に片付けろってのか?そういうことです。
もちろん俺もお供します。
(小室)じゃあ彼女を安全な場所に移してからだぞ。
はい。
(小室)おう。
後のことは任せてくれ。
お願いします。
・
(クラクション)
(曽根原)小室さん。
(小室)おう。
(曽根原)無事でしたか?
(小室)この野郎。
(曽根原)うっ。
ざまぁみろ。
ハハハ。
(小室)無事だよ。
こいつが勝手に助けやがった。
(曽根原)連絡ありがとう。
あんたには散々世話になったからな。
最後まで付き合ってもらうぞ。
(豊田)鳩村先生。
警察はあなたを疑ってるようだが私は信じてます。
あなたはそんなことをする人間ではないと。
(小室)そう思うのは当然だ。
田所や石黒を殺したのは鳩村じゃねえからな。
それはあんたが一番よく分かってるんじゃねえのか?どういう意味ですか?それは。
あんたが殺したんじゃねえのか?私が?何のために?石黒も恭子さんも院長のやり方に疑問を持ってました。
新薬を開発すること自体それは悪いことじゃありません。
でもそのために危険が伴う人体実験をすることだけは絶対に許されません。
私がそれを隠蔽するために何人もの人間をあやめたとでもおっしゃりたいんですか?田所さんが殺されたときも石黒君が殺されたときも私にはアリバイがある。
調べてみてください。
あんたのような立場の人間なら直接手を下さなくても人殺しはできる。
石黒はこう言ったそうだ。
「俺たちは27年前から間違った道を歩んできた」「俺たち3人は間違っていた」と。
3人。
一人は石黒。
一人はあんた。
そしてもう一人が殺害の実行犯と考えれば計算は合う。
27年前のことはこれから調べる。
まずあんたと石黒の関係から調べた方がよさそうだな。
(豊田)失礼。
(豊田)私だ。
どうした?
(看護師)平形万里江さん。
急変です。
(豊田)鳩村先生。
何とかしてください。
頼みます。
頼まれなくたって助けますよ。
そのために戻ってきたんだ!
(中西)大丈夫ですか?枕抜こう。
モニター吸引急いで!
(看護師)はい。
(中西)よし。
はい。
横向きますよ。
(万里江)あっ。
ううっ。
状況は?
(看護師)吐血して呼吸困難です。
先生。
代わってくれ。
(中西)そういうわけには。
あんたのプライドより命だ。
チューブ。
(看護師)はい。
押さえた。
(看護師)はい。
ああ。
酸素マスク。
(看護師)はい。
聞こえますか?もういいわ。
このまま死なせて。
何言ってんですか?まだか?
(看護師)モニター入ります。
万里江!万里江。
しっかりしろ!し…しっかりしろ!子供たちのこと。
子供たちのことお願いします。
死ぬなよ!死ぬんじゃないぞ!万里江!そこまでだ!ちょこっと早まったけどオペの準備だ!
(一同)はい。
(豊田)万里江。
しっかりしろよ。
(小室)必ず助けろよ。
彼女から聞かなければならないことがある。
(周五郎・小室)近い。
行け。
ラジャー。
(警備員)自家発電装置が壊されています。
(看護師)先生。
落ち着け。
いまさらやめられっかよ?ちょっと待ってください。
この記号が殺害の指示だっていうんですか?
(看護師)平形さん。
大丈夫ですからね。
(看護師)お願いします。
(中西)開胸準備できてるか?
(看護師)はい。
(中西)導入急いでください。
(看護師)はい。
(看護師)ドレープを。
(小室)ちょっとここ頼むわ。
(曽根原)小室さんどこへ?
(小室)調べたいことがある。
まずは出血してる肺を部分切除する。
その後開腹だ。
肝胃大腸。
全ての腫瘍を摘出する。
(一同)えっ?一度に?
(中西)この人数で?しかもおいら8本指だ。
先生。
サポートをよろしくお願いします。
(中西)はい。
みんなもな。
(一同)はい。
頑張ってくださいね。
お願いします。
(一同)お願いします。
メス。
(看護師)はい。
鉤ピン。
(看護師)はい。
電メス。
(看護師)はい。
(小室)うん。
電メス。
(看護師)はい。
くそ。
癒着がひでえな。
全然剥がれねえ。
えーい。
(中西)右肺そっくり摘出しましょう。
バカヤロー。
元気な肺まで取ってどうすんだよ?よし。
上葉切除だ。
ケリー。
(看護師)はい。
おおー。
いい感じ。
ツッペル用意しといてくれ。
(看護師)はい。
ツッペルハイスクールロックンロール。
(豊田)何だ?
(一同)えっ?うわっ。
冗談だろ?停電か?
(中西)予備電源は?
(一同)確認します。
お願い。
(看護師)分かりました。
(看護師)立ち上がりません。
(一同)呼吸が。
先生。
落ち着け。
(曽根原)何だ?これは。
停電か?
(豊田)いや。
そんなはずないんです。
(警備員)自家発電装置が壊されています。
(豊田)何?
(曽根原)どうなってんだよ!?おい。
この中は?手術はどうなっちまうんだ?
(中西)オペは中止だ。
いまさらやめられっかよ?おい。
麻酔手動に切り替えろ。
30秒ごとに頸動脈確認してくれ。
(麻酔医)はい。
お嬢。
お嬢は水銀血圧計で3分ごとに血圧測定。
(看護師)はい。
吸引はガーゼとシリンジで代用します。
俺がこうやって音でガイドすっから。
OK?
(中西)はい。
ベテランの器械出しさんだったら手探りで出せるよな?
(看護師)あっはい。
オペ再開だ。
(一同)はい。
ペンライトプリーズ。
(麻酔医)はい。
あ痛っ。
(小室)あら。
こんにちは。
(職員)みんな行くよ。
はい。
おいで。
(小室)バイバイ。
(小室)あの。
ちょっとこれいいですか?
(職員)どうぞ。
27年前。
(看護師)ライト下さい。
(一同)はい。
血圧。
(看護師)測定します。
うわっ。
危ない。
あっ。
ああ。
(看護師)すみません。
何てことしてんだ?お前。
いかん。
A1動脈が損傷しちゃったじゃないか。
(一同)えっ?止血しなきゃ。
動いてくれよ俺の薬指。
ううー。
いって。
くっ。
つかんだ。
(一同)お待たせしました。
おおー。
援軍登場。
上から術野照らしてくれ。
(一同)はい。
照らしまくれ。
おおー。
きた。
視界良好。
飛ばすぞ。
ついてこいよ。
(一同)はい。
サテンスキー。
(看護師)はい。
(曽根原)小室さん。
(小室)聞いたぞ。
自家発電装置壊されたんだって?
(曽根原)ええ。
この手術棟だけですが。
(小室)手術が成功してもらっちゃ困る人間でもいるんですかね?
(豊田)鳩村先生。
ハァー。
オペは成功です。
ホントですか?はい。
ありがとうございます。
(曽根原)話は聞けんのか?アホかお前。
いくら何でもそりゃ無理だ。
しばらくは夢ん中だよ。
(小室)鳩村。
うん?
(小室)ちょっといいか?ああ。
お待たせしました。
何すか?話って。
豊田院長と平形万里江の関係おかしいと思わなかったか?《万里江!万里江。
しっかりしろ!》《し…しっかりしろ!》そう言われりゃ確かにめちゃめちゃ親しいっていうか。
何か特別な関係みたいな感じでしたよね?なぜそれを隠す必要がある?人に知られちゃまずい理由でもあるんですかね?平形万里江が経営している養護施設希望の羽根に行って話を聞いてきた。
うわっ。
えっ?ちょっとこれを見ろ。
えっ?豊田院長っすか?これ。
かなり古い写真みたいですね。
豊田院長はその施設に昔からよく足を運んでいたらしい。
平形万里江とはずいぶん昔からの付き合いのようだ。
あっ。
そうだったんすか。
その施設以前は小さかったが27年前に男性園長が突然失踪し職員だった平形万里江がそれを継ぎここまで大きくした。
施設が大きくなった背景には豊田の援助があったと考えられる。
うん?27年前に園長失踪したんですか?うん。
この園長が突然消えた。
失踪の動機は見当たらん。
石黒のネックレス見せてくれ。
あっ。
はい。
はい。
どうぞ。
ちょっと来い。
はい。
ほう。
これだよ。
希望の羽根のホームページだ。
いいか?ほら。
これがここだ。
ホントだ。
確かに似てますね。
えっ?これってつまり石黒はこの施設の出身者だってことですか?施設で確かめようにも出身者の名前などは一切明かしてくれん。
だがおそらく石黒は出身者だ。
だとするとですよ石黒が言ってた27年前ってこの園長の失踪のことなんじゃないっすかね?うん。
どんなふうに関わってたのかな?あれ?《えっ?》この写真田所が持ってたのと同じだ。
田所が?ええ。
田所がつかんでいたネタは豊田記念総合病院だけじゃなく養護施設希望の羽根もってことか。
気になりますね。
希望の羽根と平形万里江。
当時をよく知る関係者数人をリストアップしてあるんだが。
そうか。
そこまで言うなら頼むわ。
プッ。
手分けして当たれってことですね。
うん。
まあ猫の手よりは役に立つでしょ。
にゃあー。
ああー。
痛い痛い。
希望の羽根のアルバム作ることになったんですよ。
(小室)27年前のことですが何か強く印象に残ってることありませんか?この当時のことお伺いしたいんですけど。
(小室)27年前の希望の羽根の経営状態ですが何か覚えてらっしゃることは?
(男性)特にないと思いますが。
虐待!?
(女性)あっ。
噂ですよ噂。
その失踪した園長が一部の子供たちをひどく虐待してたってことですか?
(女性)ええ。
(子供たち)《やめて。
やめて》
(園長)《うるさい》
(子供)《あ痛っ》
(園長)《うわー!うわー!》あの。
石黒純一君っていう少年を覚えてますか?覚えてるんですね?その石黒君が園長に一番虐待を受けてた子なんじゃありませんか?
(女性)ああ。
ええ。
こん中にいますか?
(女性)あっ。
あっ。
この子です。
あれ?このネックレス。
(女性)この子園長先生にはひどい目に遭ってたけど万里江さんにはずいぶんかわいがってもらってた。
万里江先生に。
そうですか。
うん?この子もネックレスしてんな。
どういうことだ?あの。
この子の名前は覚えてますか?石黒が心酔してたのは豊田院長じゃなくて平形万里江の方だったんですよ。
あの2人27年前から相当深いつながりがあったみたいなんです。
(小室)うん。
鳩村。
はい。
(小室)ちょっとこれ見てくれ。
平形万里江のブログだ。
時折意味不明の記号の羅列がある。
こういうのですか?ああ。
この記号が書き込まれた直後に唐木が死に田所が死に石黒も死んだ。
ちょっと待ってください。
じゃあこの記号が殺害の指示だっていうんですか?えっ?だとすると平形万里江が指示してたってことになっちゃいますよ。
無茶な推理かもしれんがそう考えると辻褄が合う。
うわーお。
だが彼女が誰に指示を出していたかが分からん。
実行犯は誰だ?自家発電機を壊したやつに違いない。
平形万里江の口を封じようとしたやつだ。
《3人とも間違ってたんだ》《もう終わりにしなきゃいけないんだ!》3人。
一人は石黒。
一人は平形万里江。
そしてもう一人がその実行犯に違いないんだが。
俺そのもう一人に心当たりがあるんですけど。
何!?この写真見てください。
こっちが少年時代の石黒。
そしてもう一人の少年。
こいつもネックレスしてるな。
そうなんです。
しかもこのネックレス。
あの例のマーク。
うん。
このネックレスもこのマークの一部分この羽根の部分なんですよ。
ほら。
ほう。
おまけに俺このネックレスしてるやつ知ってるんです。
誰なんだ?小室さん。
調べてもらいたいことがあんですよ。
おう。
何やってんだよ?
(小室)これお前だろ?このころからしてたんだな?そのネックレス。
前にもみ合ったとき目に入ったんだ。
忠誠の証しだって?
(小室)お前この人にずっと世話になってたんだな?この人信じてこの人のためなら人を殺すことも平気になってたんだな?27年前からずっとな。
うわっ!何なんだ!?お前。
何やってんだ?お前は。
(小室)おい。
何言ってんだよ?何の話だ?こんな女俺は知らない。
(小室)どうする気だ?死んで全ての秘密をあの世に持ってこうってのか?
(豊田)もうよしなさい。
もういい。
これ以上続けてはいけない。
来るな!間違っていたのは万里江とこの私だから。
言うな。
(豊田)いいんだよ。
(豊田)今から35年も前の話です。
当時医大生だった私は養護施設で職員をしていた万里江と出会い愛し合った。
そして万里江は私の子供を宿した。
だがまだ学生で将来病院の跡を継がなければいけない私にとって万里江との結婚は許してもらえなかった。
それでも万里江は子供を産んだ。
父親の名を明かさず一人で育てるからといって2人の愛の結晶を産んでくれた。
(豊田)《おい。
おい。
ほれほれほれほれ。
笑ってくれ》《ほら。
いくぞ。
いくぞ》
(万里江)《パパでちゅよ》
(豊田)私は父親としてできる限りのことをしなければいけないと思った。
だから時間の許すかぎりその子供と一緒にいた。
ところがあるとき…。
(豊田)《早かったね》
(万里江)《うん。
ありがと》
(豊田)私がほんの少し目を離した隙に…。
(豊田)《あれ?どこ行った?》
(万里江)《えっ?》
(豊田)《ちょっと向こう見て》
(万里江)《うん》
(豊田)《ルナ》娘は変質者にさらわれ無残にも殺されてしまったんです。
私が目さえ離さなければ娘は。
(豊田)わが子を亡くした万里江はそれから変わった。
いや。
目覚めたと言うべきかもしれない。
大人の犠牲者となった恵まれない子供たちのために自分の一生全てを捧げ始めた。
養護施設の職員としてそれまで以上に夢中になって働いた。
そして27年前ある事件が起きた。
園長の失踪だ。
そのことの真相は私には分からない。
だがもしかしてとは思い続けてる。
曽根原君。
君は分かっているよね?言うな!それ以上言ったら殺す!
(豊田)ああ。
殺しなさい!私はずっと万里江に償い続けてきた。
父親になれなかったこと。
わが子を死なせてしまったことを。
だからできる限りのことをしてきた。
新薬の開発もそのためだったんです。
不老不死の薬を作って世界中から金を集めてその金で恵まれない子供たちを幸せにする社会をつくるという万里江の夢をかなえるために。
ところが君と石黒君は何をした?人体実験も人殺しも私は知らなかった。
そんなことをしろと万里江が言ったのか?だとしたらそんな万里江にしてしまったのはこの私だ。
私を殺しなさい!ううっ!うわー!
(小室)曽根原!院長!
(小室)おりゃー!曽根原!
(小室)曽根原!よせ!やめろ!
(小室)おい!
(曽根原)最後に教えてやるよ。
27年前園長を殺したの俺と石黒だよ。
(曽根原)俺たち2人虐待されてたんだ。
殺さなきゃこっちが殺されてた。
万里江先生だけは俺たち2人の味方だった。
だから俺たち2人をかばってくれたし殺人も見逃してくれて遺体の処理を手伝ってくれた。
(万里江)《大丈夫。
先生が守ってあげるから》《私たちだけの秘密よ》
(小室)それを機にお前と石黒は平形万里江に忠誠を誓って生きてきたんだな?先生に拾ってもらった命だからな。
石黒も彼女への恩返しのために資金づくりの新薬の開発を焦って危険が伴う人体実験にまで手出した。
でもやつは唐木殺しまでは知らなかった。
(小室)彼女がお前に命じてやらせたんだろ?ブログの暗号を使って。
脅迫してきた唐木をお前殺したな?フッ。
ああ。
(小室)証拠の隠滅も捏造も刑事のお前ならたやすいことだ。
(小室)次に田所も殺したな?お前さ事件のことを色々と探ってる俺を監視するために近づいてきたんだよな?そして俺が核心に迫ったら殺そうと思ってた。
そうだろ?その絶好の機会が田所殺しだ。
お前は俺を犯人に仕立て上げようとした。
頸動脈切って殺したのも医者である俺の仕業に見せ掛けるためだ。
このボタン奪って現場に置いたのもお前だ。
そのとおりさ。
あんたを部屋にかくまおうとしたのはよきタイミングで自殺に見せ掛けて殺すためさ。
ところがお前俺をなっかなか殺さなかった。
それは院長。
あなたが止めてたからですよね?そうです。
曽根原が万里江の命令で動いていたことはうすうす気付いていた。
しかしそれを止めることはできなかった。
それは鳩村先生。
あなたに死んでもらっては困るから。
彼女を救えるのは俺しかいない。
そう思ったからですね?はい。
(小室)そしてお前は悪事の全てを告発しようとした石黒まで殺した。
(石黒)《俺はやっと分かった》《間違ってたんだよ俺たちは。
あのときから》《27年前のあのときから間違ってたんだよ》《俺はもう降りる。
人生をやり直すんだ》《お前ここまで生きてこられたのは誰のおかげだ?》《俺たち2人万里江先生がいなかったらごみくずのように死んでたんだぞ》《その恩をあだで返すつもりか?》
(石黒)《もうじゅうぶんに恩は返した》《いいじゃないか。
これからは自分のために生きたって》《愛する人のために生きたって》《人並みなことを言うな!》《俺たち2人万里江先生がいなかったら生きていない人間なんだよ。
んっ!》
(石黒)《うわっ!》その腕の傷はそのときできたんだろ?
(小室)石黒の右手の人さし指中指薬指この3本の指の爪に皮膚片が残っていた。
さらに口封じのために鎌倉恭子さんまで殺そうとして最後は恩人の万里江先生まで殺そうってのか?そこまで自分がカワイイのか?お前は。
(豊田)いや。
それは違うんだ。
曽根原。
君はブログを通じて万里江からメッセージを受け取っているね。
「もし正体がバレそうになったら私を殺しなさい」と。
(曽根原)《メッセージ受け取りました》《何かの間違いですよね?》
(万里江)《このままでは全てが暴かれることになります》《そうなったときには私を殺しなさい》《先生。
俺にはそんなこと》《命令です。
子供たちを守るためです》《この世の中は大人たちの醜い欲望の犠牲になった子供たちがまだまだ大勢います》《誰かが変えなければならないのです》《恵まれない不幸な子供たちのためにこの世の中は変わらなければならないのです》《私が血を流すことで変わるのなら私の血が人々の心を目覚めさせるのであれば私は喜んで死にましょう》《先生》《曽根原君。
私たちの闘いはこれからです》《私が死んでも私たちの志は消えない》《私はそう信じています》それで殺そうとしたのか?先生は間違ったことなど言わない。
間違ってしまったんだ。
万里江は道を誤った。
私の知らないところでどんどん間違った道へ進んでしまった。
まさか人殺しをしようとは。
だがそれを知っても私にはどうすることもできなかった。
(小室)鳩村をこの病院で雇ったのはなぜだ?彼女の暴走を止められるのは鳩村しかいない。
そう思ったからじゃないのか?心のどこかで過ちを暴いて正してほしいと思ったんじゃないのか?そうだったのかもしれません。
(小室)だったら今からそうしろ。
曽根原。
お前は刑事としてきちんと裁きを受けろ。
曽根原。
俺は医者として命懸けで万里江先生を救った。
その命を奪うやつは絶対に許せねえんだ。
たとえ本人が死を望んでいたとしてもだ。
(曽根原)そのとおりだ。
俺には万里江先生を殺すことはできない。
万里江先生は俺と石黒2人を救ってくれた命の恩人だから。
俺たち2人は万里江先生がいなければ生きていない人間なんだ。
俺も石黒も俺たち2人はここまで万里江先生に生かしてもらった人間なんだ。
だからここで終わる。
全てが終わる。
万里江先生を助けてくれてありがとう。
(小室)やめろ!曽根原!
(曽根原)ああー!はっ!?バカヤロー。
(万里江)曽根原君らしい。
えっ?えっ?彼はあなたのために死んだんですよ。
(万里江)彼には希望の星が見えたんでしょう。
だから死を選べたんです。
鳩村さん。
私には極刑が待っているはずです。
そんな人間をどうして助けたんですか?目の前に病人やケガ人がいたら助ける。
それが医者だからですよ。
ありがとうございます。
おかげで私も希望の星をもう少し見ていられるんですね。
希望の星?子供は国の宝です。
その子供たちがひどい目に遭う世の中は変えなければなりません。
きっと変わりますよ。
近いうちに。
(小室)鳩村。
はい。
(小室)お前平形万里江の態度どう思った?えっ?いや。
どうって。
何か余裕があるような感じっつうのかな?
(小室)うん。
自分は死んでも意志は受け継がれてくのよみたいなね。
(小室)まだ終わってないのかもしれないな。
はっ!?
(小室)平形万里江の養護施設希望の羽根から莫大な金が寄付という形で政界に流れ込んでいたようだ。
マジっすか?何で?詳しいことはこれから調べる。
豊田記念総合病院から援助された金も全てよそに流れていたってことだ。
えっ!?平形万里江も誰かに操られていたのかもしれねえな。
(小室)後なもう一つ気になるのが石黒の言葉だ。
「27年前から間違っていた俺たち3人」と言っていた。
それだってその3人は石黒。
曽根原。
平形万里江なんじゃないっすか?平形万里江を「俺たち3人」に含めると思うか?ああ。
そう言われりゃそうか。
えっ!?ちょっ。
もう一人いるってことですか?ネックレスももう一つ足りないしな。
(男性)先生。
(男性)お時間です。
(小室)曽根原は最後の言葉で執拗に「俺たち2人」と強調していた。
まるで3人目に俺たちの目を向かせないようにするかのようだった。
これじゃ終わらないってことですか?
(小室)どうやらそういうことだ。
3人目。
希望の星。
2014/02/07(金) 21:00〜22:52
関西テレビ1
金曜プレステージ・外科医 鳩村周五郎12[字][多]
謎の皮膚異常を残した死体〜全ては1つの病院とつながっている!〜鳩村自ら医師となって潜入するが…それは新たな惨劇の始まりだった!▽船越英一郎 内藤剛志
詳細情報
番組内容
鳩村周五郎(船越英一郎)が繁華街を歩いていると突然、石黒純一(大浦龍宇一)が倒れる。石黒と一緒にいた女性・鎌倉恭子(木内晶子)は皮膚に異常をきたし、意識のない石黒を手当てする。鳩村も手助けしようと名乗り出る。やがて、救急隊員が現れると、恭子は周囲の反対を押し切り近くの病院ではなく、豊田記念総合病院への搬送を希望する。
一方、小室源介(内藤剛志)は、唐木博之(重松隆志)の遺体を検分していた。死因
番組内容2
は粗悪な覚醒剤を摂取したと見られ、唐木の皮膚には石黒と同じような症状が出ていた。不審に思った小室は、とある場所にたどり着く。するとそこに、石黒が白衣姿の恭子に付き添われ運び込まれる。小室は恭子が電話で鳩村の名前を口にするのを聞く。
鳩村に電話をする小室。鳩村が石黒が搬入されたはずの病院にいないことを話すと、小室はその病院のことを言い当てるが、途中で電話は不自然に切れてしまう。小室のことが心配にな
番組内容3
った鳩村は警察へ。小室の様子を説明するが、警察の反応は冷たい。引き返そうとする鳩村を、刑事の曽根原忠光(姜暢雄)が呼び止める。情報交換をした二人は、唐木が事件の鍵を握っていることを確認し、唐木を調べることに。
さらに物語は、院長の豊田洋次(西岡