137億年の物語【キリスト教徒の暴走“魔女狩り”】 2014.02.22

スリリングな歴史物語を探していて迷い込んでしまったあなた。
さあこの扉を開けて旅に出よう。
そう本来歴史はとてつもなくおもしろい。
今日のタイムトラベルは…。
ローマ帝国が分裂した頃です。
魔女狩りという言葉を聞いたことがあるだろう?ローマ帝国の国教になり力を持ったキリスト教徒たちが暴走を始めます。
迫害される側から迫害する側へ。
ついには恐ろしい事態を巻き起こします。
異教徒への容赦ない仕打ち。
ヒュパティアは史上初めてと思われる魔女狩りの犠牲に。
この悲劇実は映画にもなりオスカー女優が演じています。
知る人ぞ知る女性ヒュパティア。
長崎に今も数多く残るキリスト教の教会。
長崎のキリシタンについてフランシスコ法王はキリスト教徒として模範となる態度だったと称賛しました。
フランシスコ法王はタイム誌が選んだ2013年の顔ですよね。
日本の歴史まで知ってるなんてちょっと嬉しいですね。
相内君。
なんてミーハーな受け止めなんだ。
法王が長崎について触れるのには理由があるんだぞ。
えっそうなんですか?うん。
歴史をひも解けばわかる。
日本にキリスト教を伝えたのは誰だったかな?フランシスコ・ザビエル。
イエズス会の宣教師ですよね。
あっそうそう。
これこれ。
日本史の教科書にも載ってますよね。
1549年のことです。
イエズス会というカトリックに属する修道会の人々だ。
実はね…。
フランシスコ法王は史上初めてのイエズス会出身のローマ法王なんだ。
へぇそうなんですか。
だから長崎のことを知っているんだ。
なるほど。
ということはこの2人はつながっていたんですね。
それにしてもフランシスコ法王は世界の人気者ですよね。
どこに行っても大歓迎ですよ。
キリスト教は現代では異教徒に対しても優しいな。
しかしね古代から中世にかけてはキリスト教を否定する考えに対しては容赦なかったんだ。
魔女狩りという言葉を聞いたことがあるだろう?魔女狩りですか?よし今日は権力を持った者がひどいことをする。
そんな歴史をひも解こう。
ローマ皇帝コンスタンティヌスがクリスチャンになったことでキリスト教はヨーロッパで一気に広がり権力を握ることになりました。
今でもヨーロッパの街には教会がたち並びキリスト教の存在感を随所に伺い知ることができます
そして今や98%がイスラム教徒といわれるトルコでは…。
街には点在しています。
しかしかつてイスタンブールはキリスト教を公認した皇帝コンスタンティヌスの街。
ローマ帝国はこの街に都を移しコンスタンティノープルと呼びました。
キリスト教はイスタンブールでも繁栄していました。
今でもイスタンブールにはローマのバチカンに並ぶ大きな影響力を持つ教会があるのです。
ローマ帝国は4世紀のはじめ都をローマから今でいうイスタンブールに移したんだ。
そしてローマ帝国のコンスタンティヌス1世は首都をビザンティウムという街に移し自分の名前からとってコンスタンティノープルと改名しました。
これでローマ帝国の中心はコンスタンティノープルに移ることになる。
コンスタンティヌス1世はローマ皇帝として初めてキリスト教を公認します。
これまで隠れて信仰を続けてきたキリスト教が初めて認められたのです。
つらい時代を潜り抜けたんですね。
そう。
長い迫害のときを耐えカタコンベで信仰を守ってきたキリスト教徒がついに表舞台に躍り出たんだ。
コンスタンティヌスのもと各地に教会がつくられキリスト教徒の数は次第に増えていきます。
そしてついにキリスト教はローマ帝国の国教になる。
4世紀後半テオドシウス帝の時代です。
国教となったキリスト教は帝国の保護を受け一気に勢力を拡大させた。
どんどん信者が増えたんですね。
しかしここで思いがけない出来事が起きる。
はい。
395年テオドシウス帝が亡くなります。
彼のあとを18歳と11歳の2人の息子が継ぎ皇帝になります。
2人の皇帝はまだ子供だった。
それぞれの国の実権は必然的に軍や役人が握ることになりローマ帝国は東西に分裂してしまう。
するとキリスト教徒はどうなると思う?えっ?国と一緒に分かれますよね。
そうだキリスト教も東西に分裂しそれぞれ独自の道を歩みはじめた。
これ以降この2つの教会はともに正統性を主張し教義などをめぐって対立することになります。
こうしてイエス・キリストという1つの種から生まれたキリスト教は2本の大きな幹に分かれて成長することになった。
そしてそれぞれ権力と結びついていくんだ。
一時期こんなにも広大な領土を持っていたローマ帝国はこのように東西に分裂しました。
そして476年西ローマ帝国はゲルマン民族の攻撃によって滅亡します。
一方…。
そして権力を持ち続けたキリスト教は中世のヨーロッパに吹き荒れた魔女狩りの始まりともいえる事件を起こします。
エジプトの美しき女性哲学者ヒュパティア。
エジプト古来の神を信じる優れた天文学者でもありました。
彼女を悲劇が襲います。
その悲劇の物語は映画『アレクサンドリア』にも描かれています。
当時東ローマ帝国の一部だったエジプトを舞台にレイチェル・ワイズ演じる女性哲学者ヒュパティアが自らの信念を貫く姿を描いた歴史ドラマです。
ヒュパティアはギリシャ哲学の優れた教授でした。
力を手に入れたキリスト教徒はしだいに暴走を始める。
何をしたんですか?魔女狩りだ。
魔女狩り?ああ実に恐ろしいことだよ。
415年エジプトに哲学者で科学者のヒュパティアという美しい女性がいました。
実に美しい女性だった。
彼女は1人の神を信仰するキリスト教に否定的だった。
そしてキリスト教徒になることを拒否したんだ。
そんな彼女に対してキリスト教徒たちが激怒し暴徒と化した。
キリスト教徒たちはヒュパティアが地域のもめごとに口を出したと言いがかりをつけ学校に向かおうとする彼女を馬車から引きずり降ろしました。
そして教会に連れて行くと服をすべて剥ぎ取りカキの貝殻で生きたまま彼女の肉を骨からそぎ落として殺したんだ。
貝殻って…。
ひどいですね。
うん。
ずっと迫害されてきたキリスト教徒たちは権力を手に入れ今度は迫害する側に回ったんだね。
権力って怖いですね。
キリスト教徒たちはヒュパティアを魔女とみなし恐るべき行為におよびます。
暴徒と化したキリスト教徒たちはアレクサンドリアの図書館を異教の教えが集められた魔の巣窟として襲撃しました。
街を破壊しキリスト教に改宗しない者を容赦なく殺し略奪や陵辱を繰り返しました。
そして世にも恐ろしい方法で彼女の命を奪ったのです。
そのピークは…。
ヨーロッパや北アメリカで起こった魔女狩りです。
犠牲者の数は5万人とも数十万人とも言われています。
魔女は天候を不順にし収穫を減らし赤ん坊を生け贄として悪魔に捧げると考えられていました。
魔女の疑いをかけられた人は…。
残虐な方法で処刑されたのです。
そんななか教会の権力は更に強まります。
東ローマ帝国のもとコンスタンティノープルを総本山とする東方正教会は大いに繁栄します。
一方の西ローマ帝国はゲルマン民族の大移動により476年に滅亡してしまいます。
ローマ帝国が分裂したあと西ローマ帝国は次男のホノリウスが皇帝になっていました。
首都はローマからミラノのちにラヴェンナという場所に移されました。
そして現在のドイツ北部デンマークのあたりに住んでいたゲルマン人からの度重なる攻撃によって滅亡したのです。
じゃあこっちの教会は衰退しちゃうんじゃ…。
と思うだろ?ところが西ローマ帝国がなくなってもキリスト教徒は衰えなかった。
ローマ法王を頂点としたカトリック教会が支配する体制を作り上げますます大きな権力を手に入れます。
「国破れて山河あり」ではなく「国破れてキリスト教あり」ということだな。
ローマ帝国の庇護のもとで大きくなったキリスト教はローマ帝国が衰退して更に大きな権力を手に入れた。
皮肉な話じゃないか。
2つの教会はどうなっちゃったんですか?その後もカトリック教会と東方正教会は対立を続けます。
そして1054年ローマ法王と東方正教会総司教が互いに破門しあい完全に決別するんです。
魔女狩りはその後中世に入ってから更に過激にエスカレートしていくことになる。
暴走するキリスト教徒たちに異端者とか魔女とかそういった烙印を押されることは死を意味する。
そんな時代がやってくるのだよ。
中世のヨーロッパでは異端審問も盛んになりました。
その様子が映画に描かれていました。
2006年に公開された『宮廷画家ゴヤは見た』。
天才画家ゴヤが活躍した18世紀のスペインを舞台に描いた歴史映画です。
アカデミー賞を受賞した女優ナタリー・ポートマン演じる裕福な商人の娘が異端審問を推し進める修道士に目をつけられます。
理由は食堂で豚肉を食べなかったから。
戒律で豚肉を食べてはいけないユダヤ教徒だと見なされたのです。
形だけの裁判が開かれます。
あ〜っ!残酷な拷問にかけられ自白を強要されます。
そして異端を認めれば火あぶりで処刑。
処刑を逃れてもひどい状態で監禁されたのです。
この映画の主人公は15年もの間幽閉されようやく解放されたときには昔の面影はなくすっかり精神を病んでしまっていました。
異端審問は異教徒だけではありませんでした。
神を冒とくするという意味で神のつくった地球が太陽の周りを回っていると地動説を唱えたガリレオ・ガリレイは実際に有罪の判決を受けています。
ガリレオの死去から実に350年後のことでした。
《非業の死を遂げた哲学者で科学者だった女性ヒュパティア。
実は意外なところに描かれているのをご存じだろうか?それはカトリック教会の総本山バチカン宮殿にあるラファエロ作の絵画『アテナイの学堂』…。
そうプラトンが指を天に向けアリストテレスは手のひらで地を示しているこの有名な絵だ。
どこにいるかというとここ。
この女性がヒュパティアだといわれている。
しかもラファエロは当時の自分の愛人をモデルにしてこのヒュパティアを描いたらしい》ここで一句。
ラファエロ君キミの愛人美人だな。
相内:私助手相内は歴史の現場イスタンブールを取材して意外な体験をしたんです。
移動のために乗った船で…
ハーイ!こんにちは。
さよなら!
街を歩いても…
トルコは親日国家だと聞いてはいましたがこんなに多くの人が日本語で挨拶してくれるなんて
こんにちは。
あっ!言ってくれた。
話を聞いてみました
今「こんにちは」ってこたえてくれましたけど…。
親友の国?親友って思ってくれてるんですね。
すごいありがたいです。
取材をしていて本当に嬉しくなりました
今回の「おとな旅あるき旅」は兵庫県・姫路の旅
2014/02/22(土) 18:00〜18:30
テレビ大阪1
137億年の物語【キリスト教徒の暴走“魔女狩り”】[字]

今回の主人公は「悲劇の女性哲学者・ヒュパティア」。宇宙が始まってから現在までの歴史を描きます。池上彰の監修で、寺脇博士と相棒の相内助手がドラマ仕立てで解説。

詳細情報
番組内容
ローマ帝国の時代、アレキサンドリアの女性哲学者・ヒュパティアはキリスト教徒の洗礼を受けることを拒否しました。その結果、魔女の烙印を押されて、ひどい殺され方をしてしまいました。ローマ帝国の国教となったキリスト教会は暴走し、異教徒に対する弾圧が始まりました。
この番組は…
話題のベストセラー本「137億年の物語」を映像化。「137億年前に宇宙が始まってから今日までの全歴史」という壮大なテーマを紐解く。
寺脇康文が扮するちょっと変わり者の寺脇博士が相棒の助手(相内優香)や生徒にわかりやすく歴史を解説。ドラマ仕立ての不思議な歴史報道番組。
出演者
【博士役】
寺脇康文
【寺脇博士の相棒・助手役】
相内優香(テレビ東京アナウンサー)
【生徒役】
千阪健介、布施柚乃、粟生睦未
【著者】
クリストファー・ロイド
監修
池上彰
ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/137/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ニュース/報道 – 解説
趣味/教育 – 中学生・高校生

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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