ららら♪クラシック「春の特別企画(2)おもいで編・人生に名曲あり!」 2014.03.22

どこかで耳にしたあのクラシックをあなたのものに。
「ららら♪クラシック」今日は名曲の思い出がテーマの特別編です。
これまで番組には視聴者の皆さんからたくさんのエピソードが寄せられてきました。
大切な曲とともに迎えた人生の門出。
若き日に出会った曲との…「忘れないでよ」って寄ってきた感じがその時しましたんです。
そしてゲストのこの方にも忘れられない思い出の曲が。
今日は皆さんの心に刻まれた名曲の物語をご紹介します。
「ららら♪クラシック」今日は特別企画です。
視聴者の皆様から寄せられた名曲にまつわる思い出をご紹介していきます。
たくさんのお便りありがとうございました。
今日はスペシャルゲストをお招きしています。
女優の草笛光子さんです。
ようこそお越し下さいました。
よろしくお願いいたします。
草笛さんといいますとミュージカルも多数ご出演ですし音楽にはお詳しいとは思うのですが。
これクラシックの番組ですよね?クラシックあんまり関係があるようなないような。
でも私ね自慢になっちゃ困っちゃうけど藤原義江先生と「カルメン」と「椿姫」を「光子の窓」で歌ってるんですよ。
これも忘れられない思いですね。
あの藤原義江先生と歌えたっていうのがこれはもう宝。
このあともたくさんの貴重なお話を聞かせて頂きたいと思いますけれども番組に寄せられた思い出エピソードまずご紹介するのはとっても幸せな思い出のストーリーです。
思い出の舞台は大阪。
公園でお子さんを遊ばせているのは主婦の…夫の清志さんと子供たちの4人家族。
その朱璃さんにとって大事な思い出の曲があります。

(「カノン」)今から8年前朱璃さんと清志さんの結婚式。

(「カノン」)自分たちの入場の音楽として朱璃さんが選んだのがこの曲でした。
フルートやバイオリンの生演奏に乗せて2人は晴れの舞台に臨んだのです。
「カノン」をずっと聴いててもともと自分もすごく好きで何ともいえないあの旋律の中で父とバージンロードを歩きたいなって思いがすごくあったのでそこへの憧れが特に強かったんだと思います。
結婚に人一倍憧れていた朱璃さん。
独身時代選んだ仕事は結婚式のコーディネーターでした。
新郎新婦たちの幸せな門出に立ち会いながら自分の結婚への夢を膨らませていったのです。
そんな時に知り合ったのが2歳年上の清志さんです。
積極的な朱璃さんに対して優しく包容力のある清志さん。
惹かれ合った2人はすぐに結婚を決めたといいます。
この人と一緒になったら…歩んでいったら幸せになれるんちゃうかっていうのがあったんすね。
幸せにしていく自信はありました。
アハハ。
一人娘としてかわいがられて育った朱璃さん。
しかし彼女が中学生の時に両親は離婚し朱璃さんは母親のもとで暮らしました。
父も母も一生懸命それぞれ私を育てるためにほんとに仕事なりいろいろ頑張ってくれてる姿をまた背中を見ていたので。
早く自分の幸せな家庭を築きたいなっていう思いはあったと思います。
うわ〜!懐かしいな。
久しぶりやな。
うん。
2人が式を挙げた大きな階段のあるホテルです。
朱璃さんは2人の入場のシーンでこの階段を上る事にこだわりました。

(「カノン」)一歩一歩新たな家庭をつくっていく決意の歩みです。
そして2人を後押ししてくれたのがパッヘルベルの「カノン」だったのです。
(朱璃)父と最初歩いてきて主人と…。
引き渡して階段を上ってくるんですけど主人と出会ってまた新たな人生を歩んでいくっていう意味で「カノン」の一番晴れやかなメロディーのところでこの階段を上るっていうのが幸せに満ちあふれていました。

(「カノン」)結婚式には朱璃さんの別れた両親もそろって出席し2人を祝福してくれました。
「カノン」の調べとともに朱璃さんは人生の新たな一歩を踏み出したのです。
(朱璃)今までの自分の人生で楽しかった事もつらかった事も全部含めて幸せだったなって思える式になったのでやっぱり「カノン」が自分の人生の中ですごくテーマになるような曲だなっていうふうに感じました。

(「カノン」)こんなすてきな曲が思い出の曲になってるなんてすばらしいですね。
人生の節目節目で聴きたくなるような音楽なんですかね。
あんまりこういう強弱じゃないですけどもね。
淡々と進行していきながらでも華やかなところもあってというね。
今日のゲスト草笛光子さん。
実は日本のクラシックの歴史に大きな足跡を残しています。
昭和34年に日本初演が行われたフランスの作曲家オネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」。
(草笛)「そうだわそうだわ!思い出すわ!」。
主役のジャンヌを演じたのが当時20代半ばの草笛さんでした。
「司祭様私そんなに悪い事しました?そんなに私を嫌っていらっしゃるの?哀れな…」。
歌手たちに囲まれながら女優として舞台の中心に立ったのです。
私とは思えませんね。
声がやっぱりだいぶ違いますね。
あんな高かったんですね。
でもまあジャンヌは少女ですから。
お芝居もあり歌もあり合唱もあり。
歌は8小節だけでしたけれどもやはりその8小節が大事でした。
・「お菓子を作ってロウソクを添えて」・「み恵み深い」お稽古して下さらないの岩城さんが。
「私のお稽古いつですか?」って言ったら「しません。
初日いきなりぶっつけです」って言われて。
へぇ〜!どうしようかと思ったんですがでもその意図は私分かったんですよ。
皆さんほらオペラの方でオペラでしょ?だけど私はわらべ。
ほんとの田舎の少女。
それはやっぱり歌っちゃいけないんですよね。
そんなにうまく歌う必要はないと。
本当のわらべうたにならなきゃいけない。
だから舞台でこうやって座ってラララララララ…ってもうほんとに歌わないように歌ったの。
そうですか。
そしたらあとで岩城さんが「僕涙出て泣けちゃったよ」っておっしゃった。
ご自分の演出なのに。
ウフフ。
すごい演出なさったなと思いました。
そんな草笛さんの大切な一曲が歌劇「トスカ」の「歌に生き愛に生き」。
歌姫トスカが絶望のうちに歌うこの曲は若き日の草笛さんを強く惹きつけました。
歌えたら気持ちのいい曲ですよね。
歌えたらいいなっていう望みばっかりでお稽古。
レッスンも受けたりされたんですか?はい。
アルトの戸田敏子先生。
この方に習いたいと思って戸をたたいたんです。
「すみません。
草笛と申しますが教えて下さい」ってずうずうしく言ったんですよ。
すんなりと受け入れてくれたんですか?いきなり言ったら「私が教えたらあなた駄目になるし今まであなたがやってきた音楽の世界それを直しちゃうと人気なくなるけどいいですか?」って言われて。
ズバッて。
ドキッとしましたけど「これで私駄目になるようじゃ駄目だ」と思ったんですよね。
でも非常にドラマチックな作品だしすごい難しいじゃないですか。
そうですね。
最後のとこなんてすすり泣きが入ってもいいような終わり方だから「すごいな。
クラシックでもすすり泣くような声っていうのが出せる!」。
なるほど。
歌の中にもちゃんとお芝居があると。
女優としてはうれしいですよね。
「どうやって心ですすり泣こう」と思いますよね。
もっとちゃんと完璧に歌うまでお稽古すればよかったなとは思ってますね。
歌いきれてないですから。

(歓声と拍手)いかがでした?すばらしいですね。
こういうのが歌えるような人生をなぜ私歩いてこなかったんだろうと思いますね。
芝居の道へ行かないでそっちの方へずっと行ってたら私の人生全然違ったかな。
それともものすごい途中で挫折しちゃうとかいろいろ考えますね。
時々今でも。
すばらしい歌を聴いたりすると私はこっちの道選んでたらどうなってたか。
聞けば聞くほどね草笛さんの歌った「トスカ」も是非聴いてみたくなりますよね。
いやいや。
続いては草笛さんと同年代の女性のすてきな思い出エピソードです。
番組宛てにこんなお手紙が届きました。
「私が初めて出合ったクラシックの曲は『春の歌』です。
人生を登山に例えるならば登山口で『春の歌』に会い再び下山の麓でめぐり会った宝箱のような曲です」。
今度の思い出の舞台は…2人暮らしのご夫婦宮弘子さんと文郷さんです。
音楽好きのお二人。
中でも弘子さんがずっと大事にしてきた曲があります。
弘子さんはある場所でその曲と2度出会いました。
窓からメンデルスゾーンの「春の歌」が今にもほんとに流れ出てくるんじゃないかってそういう気持ちがしましたけれども。
メンデルスゾーンが作曲した小さなピアノ曲です。
弘子さんとこの曲の最初の出会いは今から68年前に遡ります。
終戦の翌年昭和21年松本高等女学校に入学した弘子さん。
ある日先輩たちと一緒に日帰りの遠足に行く事になりました。
松本電鉄島々線現在の上高地線に乗って向かったのは梓川の渓谷です。
初夏。
新緑がまぶしい季節でした。
当時の終点…今は廃止されてしまったこの駅に着いた時それまで聴いた事のない音楽が聴こえてきたのです。

(「春の歌」)
(弘子)何とも美しい音楽が流れてきましてその時は何の曲かも分からずに「きれいな曲だね」。
そんな事を話し合いました。
戦時中ちまたに流れていたのは軍歌や行進曲のような勇ましい音楽ばかり。
クラシック音楽を耳にする機会はほとんどありませんでした。
若き日の弘子さんは穏やかで明るい響きの「春の歌」に心を奪われてしまったのです。
その後大学を出て小学校の教員に。
23歳で文郷さんと結婚して子供2人を育て上げました。
忙しい日常の中であの日の出会いは次第に遠い記憶となっていったのです。
今から5年前弘子さんは偶然その建物にやって来ました。
そこで「春の歌」と再び出会ったのです。
「春の歌」が流れ出てきたその建物だったのでびっくりしまして。
あの時の建物。
かつての島々駅を再現して建てられた観光案内所でした。
建物を目にした瞬間「春の歌」を初めて聴いたあの少女時代の記憶が鮮やかによみがえったのです。
最初の出会いから60年以上の歳月がたっていました。
「春の歌」が「忘れないでよ」って寄ってきた感じがその時しましたんです。
あ先生こんにちは。
どうも本日はご苦労さまです。
弘子さんは当時習っていたピアノの先生にそのエピソードを話しました。
深澤さんの勧めもあって弘子さんは「春の歌」に挑戦する事にしました。
少女時代心奪われた曲。
弘子さんは3年をかけてコツコツと練習を積み重ねました。
そして発表会で披露。
胸の中にしまわれていた思い出の「春の歌」をとうとう自分の手で奏でたのです。
「春の歌」は私を前向きにしてくれる感じがいたします。
ずっと人生の中で「春の歌」がこう折々いろんな形で現れてそんな感じがします。
名曲との思いがけない2度の出会い。
長い時を経て「春の歌」は弘子さんの本当の宝物になったんですね。

(「春の歌」)やっぱりいいですねクラシック。
60年たってからまた稽古を始めて自分のものにしていくっていう。
すごい。
すばらしいですね。
あれはすてきでしたね。
そういうものを彼女は持てたって事もこれは幸せですね。
あとクラシックのすばらしいところは…残ってるのがすごいですね。
そして感動をワア−ッと下さるの。
草笛さんが今後挑戦してみたい事とか…。
声が出る出ないの問題でなくやっぱり女優の歌として人の心を動かすような音楽が私の中にも出てきてもいい年齢だとは思ってます。
やっぱり昔はねちゃんと歌おうとしたんですよ。
さっきの「トスカ」じゃないけどヒャーッとあれが出なきゃ「トスカ」じゃないと思っていましたから。
そうじゃない80年生きてきた女の声で絶対に若い時には出せなかった音が出るはず。
はずですけどね。
草笛さんお便りを下さった視聴者の皆さんすてきな思い出をありがとうございました。
2014/03/22(土) 21:30〜22:00
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「春の特別企画(2)おもいで編・人生に名曲あり!」[字]

先週に引き続き特別企画。今回はおもいで編。視聴者の皆さんの名曲にまつわる思い出エピソードをご紹介する。ゲスト草笛光子さんが若き日に自ら歌ってみたいと夢見た曲とは

詳細情報
番組内容
先週に引き続き、特別企画。今回は、おもいで編。人生の門出に力をくれた曲や、若き日に出合い、後に思いがけない再会を果たした曲…。視聴者の皆さんから寄せられた名曲にまつわるエピソードを紹介する。ゲストは草笛光子さん。草笛さんは、日本のクラシック史に残る、ある舞台の主役を務めた。若き日の草笛さんが自ら歌ってみたいと夢見た曲とは? 【曲】パッヘルベル作曲カノン、メンデルスゾーン作曲「春の歌」ほか
出演者
【ゲスト】草笛光子,【出演】東京フィルハーモニー交響楽団,チェンバロ奏者…広沢麻美,ピアニスト…ゲアハルト・オピッツ,【司会】石田衣良,加羽沢美濃

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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