ダーウィンが来た!「東京アナグマ キャンパスライフ」 2014.02.22

無限の可能性を秘めた若いダンサーたち。
将来世界の大舞台で活躍する姿を見せてくれるのか。
バレエ芸術を究める長く厳しい道のりがこれから始まります。
東京三鷹市の国際基督教大学。
最近不思議な現象が起きています。
キャンパスの至る所に穴が掘られているのです。
大きさはサッカーボールが入るほど。
一体何者の仕業なんでしょうか?30台を超える無人カメラで研究者や学生たちと一緒に正体を突き止めます。
犯人はニホンアナグマ。
住みかの穴をあちこちに掘る穴掘り名人です。
でもキャンパスでどんなふうに暮らしているんでしょう?アナグマを大捜索すると…。
意外な姿が次々と明らかになります。
こちらではのれんをくぐって…。
なんとヒトの部屋に不法侵入?狙っているのは…おっ引き出しの中か!そしてこちら家族そろって仲良くお風呂でしょうか?今日は大都会東京に暮らすアナグマたちの知られざるキャンパスライフに迫ります。

(テーマ音楽)都心に程近い三鷹市の住宅街にある国際基督教大学。
キャンパスは緑に覆われています。
私たちはこの大学にアナグマがいるとの情報を得ました。
なぜそして一体どんなふうに暮らしているんでしょうか?アナグマを6年前から見続けている研究者がいます。
上遠岳彦さんです。
まずアナグマのいるキャンパスの森を案内してもらいました。
キャンパスの森にはこうした巣穴がなんと30近くもあるといいます。
複数の入り口が地下でつながり複雑な構造をしている巣穴もあります。
上遠先生は巣穴の前に自動撮影できるカメラを置きアナグマの行動を探ってきました。
今までに撮影された大量の写真からキャンパス内には少なくとも一家族が定着して暮らしている事が分かってきました。
しかし詳しい生態はまだ捉えられていません。
そこで取材班は25台ものビデオカメラを投入。
学生にも協力してもらい合計30台以上で撮影に挑戦しました。
巣穴があるのはキャンパスの建物を囲むように広がる森の中。
大量のカメラでできるだけ多くの穴を見張る作戦です。
カメラが早速動くアナグマの姿を捉えました。
アナグマは体長50cmほど。
イタチの仲間で北海道と沖縄を除く日本全国の里山に暮らしています。
よくタヌキと間違えられますが顔に特徴があります。
目の周りの黒い模様がタヌキは横に広がっているのに対しアナグマは縦長です。
(鐘の音)カメラを仕掛けたのは6月からの半年間。
謎に包まれていた暮らしぶりが次々と明らかになっていきます。
1台の無人カメラが捉えた映像です。
じゃれ合って遊んでいるのは若いオスたち。
兄弟と考えられます。
まるでレスリングのよう。
学生の1人が興味深い行動を発見しました。
緑豊かなキャンパスの森で研究したいと考えアナグマを卒業論文のテーマに選びました。
夏休み返上でカメラが撮影した画像をチェックして回ります。
この日大きな発見がありました。
土のにおいがぷんぷんする新しい掘り跡です。
5日間の写真をつなげてみると掘っているのは2匹です。
アナグマは時々こうやって巣穴を掘り直すんだそうです。
ここにビデオカメラを置けば掘る様子がさらに詳しく分かりそうです。
夕方6時。
やってきました。
若いオスです。
早速掘り始めます。
おっ後ろからもう1匹。
こちらも中に入っていきます。
すぐに掘り始めました。
アナグマは日本の野生動物の中で12を争う穴掘り名人。
前足の長くて丈夫な爪は穴掘りにとても便利です。
この2匹もオスの兄弟と推定されます。
今掘っているのはお兄さんです。
お兄さんは頑張っていますが弟の方は休んでいる時間が長いようにも見えますよ。
でもちゃんと交代しました。
兄弟で協力し合って掘るようです。
意外に思うかもしれませんがニホンアナグマが巣穴を掘る姿はこれまで詳しく撮影された事はありません。
アナグマの最もアナグマらしい行動巣穴堀り。
初めての撮影成功です!アナグマが留守の時に巣穴の中をのぞいてみました。
奥に長〜いトンネルが続いています。
複数の部屋がありました。
さらに…穴の中に穴を発見!アナグマは穴を掘ってそこで用を足す習性があります。
つまりアナグマのトイレなんです。
無人カメラはさらなるスクープを捉えました。
メスを追ってオスが巣穴の中へ駆け込みました。
あれあれ?オスが追い出されました。
顔は真っ黒!でもしばらくたってメスが出てくるとオスは寝っ転がって「ねえ僕んとこにおいでよおいでよ」。
メスもまんざらでもなさそう。
こうしてカップルの恋の駆け引きまで詳細に撮影できました。
大スクープです。
ちょっと待った。
何ですか?ヒゲじい。
大スクープって言いますけどさっきアナグマは日本各地の里山にいるって言ったでしょ。
今まで何で撮れなかったんですかね?それはですねもともと里山のアナグマは東京ドーム30個ほどもある広い面積を歩き回ります。
1匹が使う巣穴は10個以上。
眠るために使う穴も時々変わります。
だから居場所を押さえるだけでも難しいんです。
あっなるほど。
神出鬼没って訳だ。
そうなんです。
でも今回の舞台は身近な大学の森です。
そこで30台以上のカメラと夏休み返上で協力してくれた学生たちのおかげで撮影できたんです。
ほうほうなるほどねぇ。
でもそもそも何で大学の森にいたんですか?はい。
この大学のキャンパスは都内の大学の中でも有数の広さがありその大部分を落葉樹の森が占めています。
落葉樹の森は土が軟らかくて掘りやすくアナグマが大好きな昆虫がたくさんいます。
ハッハッハッ一生懸命掘ってますなぁ。
ええ。
土を掘って食べているのはミミズ。
アナグマは巣穴を掘るためだけでなく食べ物を得るためにも土が必要なんです。
なるほど。
アナグマにとって森や土がどれほど大切か三鷹の大学で「見たか」らよ〜く分かりました。
なんてね!第2章ではアナグマが夜ごと現れる謎のスポットを発見!あれ?家族でお風呂ですか?大都会東京で生きる意外に大胆な素顔が明らかになります。
富山市内の動物園です。
かつてここではある悩みを抱えていました。
アナグマがいつも穴に隠れてなかなか姿を見せてくれないためその展示場はお客さんが寄りつかず閑古鳥が鳴いていたんです。
考えたのは穴が好きという性質を逆に利用する作戦です。
自然の巣穴のようなトンネルを作ればアナグマが使い近くまでやってくるかもしれません。
トンネルはアナグマのいる展示場と植え込みを結ぶように設置。
中が見えるように片側を透明にしました。
すると…。
ばっちり!アナグマはトンネルをくぐりお客さんが見やすい植え込みの所へと姿を見せるようになったんです。
植え込みにはアナグマが大好きな土がいっぱい。
掘って掘って食べる。
野生のアナグマと同じパフォーマンスです。
こうしてアナグマの人気は急上昇。
ちょっとした工夫でお客さんの目の前でなかなか見られないアナグマの行動を見る事ができるようになったんです。
キャンパスの森で見てきたアナグマのスクープ映像の数々。
私たちは取材を進める中で近くの住宅地にもアナグマが進出しているらしいとの情報を得ました。
こんな感じになります。
さらに6軒隣の家では…。
ここが…。
多分子どもがアナグマかもって言ったよね。
知宏くん鋭い!夏真っ盛り。
熱帯夜が続くころついに住宅街でのアナグマの足取りを捉えました。
夜8時。
キャンパスの森からアナグマが現れました。
向かった先は民家の庭の生け垣。
堂々と入っていきました。
本来庭はネコの縄張り。
でも強いぞ〜。
アナグマは我が物顔で歩いています。
その先には…。
なるほど。
喉が渇いていたんですね。
別のアナグマがやってきました。
オスの子どもです。
あれっ?水に入りましたよ。
続いてやってきたのはお母さん。
どうやら水浴びのようです。
おっもっと来ました!生後4か月ほどの兄弟です。
でもこれじゃ入りきりません。
ようやく最初に入っていたお兄さんが場所を譲ってくれました。
まさに家族風呂。
何だか楽しそうですね〜。
夜9時家の人が出てきました。
泥だらけになった水を捨てます。
新しい水に入れ替えてあげるんです。
30分後。
大きな大人のオスがやってきました。
しめしめこれはラッキー!遅れて来ても一番風呂だぞ〜。
キャンパスにはこの時期体がすっかり入るほどの水場がありません。
ひんやりしたきれいな水。
さぞかし気持ちがいいんでしょうね。
住宅街でさらに大胆なアナグマの行動が見られるとの情報が入りました。
これですよ。
午前3時飛び起きて撮った写真です。
でもこの引き出し一体どうやって開けたんでしょうか?釘本さんは飼っているネコが自由に外に出られるよう扉に穴を開けています。
そこにやってきたのは若いオス。
しめしめ。
のれんをくぐるように入ってきます。
何だか食堂にやってきた常連さんのようですね。
出されていたネコのエサを失敬。
でもこれはあくまで前菜。
クンクン。
クンクン。
もっといい匂いがするぞ。
メインディッシュはここだ!前足を引き出しの横にかけ一気に開けちゃいました。
発達した前足の爪を引き出しの隙間にかけて見事開けたんです。
あとは力ずく。
プラスチックの蓋を鼻で開けます。
隣の部屋に潜んでいたカメラマンが近づいても…。
お構いなし。
夢中で食べ続けます。
食べ始めてからもう20分もたっています。
(鳴き声)あ〜ネコにとっては悲しい夜。
そして家の外では次のアナグマが順番待ち。
まさに行列のできる食堂のようです。
先客のアナグマ締めのお冷やもやっぱりネコのもの。
あ〜食った食った!ちょいと一休み。
しばらく部屋でくつろいだあと…。
そろそろ森に帰るか。
ようやく家から出ていきました。
キャンパスの森に住むアナグマたち。
これまでの観察から意外にも住宅地にまで進出したくましく生きている事が分かってきました。
このあと一体どんな姿を見せてくれるのでしょうか?去年5月都内で3匹のアナグマの赤ちゃんが保護されました。
発見されたのは丘陵地にある公園の駐車場です。
段ボールをかぶせられた状態で置かれていました。
赤ちゃんは生後50日ほど。
東京都からの依頼で野生に帰すまでの飼育を保護したNPO法人が担当する事になりました。
夜はメンバーが交代で家に連れ帰り世話をしました。
夜中でもミルクを大きな声でせがみ育てるのは苦労の連続だったといいます。
生後3か月を過ぎてからは里山にある食べ物を与え人から離して育てました。
メンバーはタイミングを見て野生復帰をさせようと考えています。
しかし困った問題があります。
アナグマたちの生まれた場所は正確には分かっていません。
生きものは地域によって特徴が微妙に異なるため野生に帰す事に対しては慎重な意見があるんです。
アナグマたちの将来をどうすべきか模索の日々が続いています。
キャンパス中の木々が実りの季節を迎えます。
アナグマは昆虫やミミズだけでなく植物の実も大好きです。
地面に落ちた実を夢中で食べています。
冬が来る前にたくさん食べ脂肪を蓄えなくてはならないんです。
ほらまるまる太っちゃって。
大人の体重は春の2倍近くにまで増えます。
木枯らしが吹いたあとアナグマたちが夏に水浴びに来ていた民家の庭を訪ねました。
もうほとんど姿を見せなくなったといいます。
そのころアナグマたちは意外な場所にいました。
なんと校舎の目の前です。
あれ?消えた!どうやら校舎の地下に出はいりしているようです。
地下は一体どんな所なんでしょう?そこには配管などが通る巨大な空間が広がっていました。
ここでアナグマたちは何をしているのか。
遠隔操作できるカメラを置いて観察する事にしました。
午前4時。
外からアナグマが戻ってきました。
建物のへりに掘った狭い入り口から地下に入ります。
入り口は狭いけど中は広々。
しかもふだんは決して人が近づかない場所。
全く警戒するそぶりはありません。
こちらでは2匹が複雑に入り組んだ配管の下を歩いています。
ほらこんな隙間に入り込んでいるものも。
今回の観察から少なくとも3匹のアナグマが校舎の地下を利用している事が分かりました。
何がアナグマたちを地下に引き寄せるんでしょうか?秘密は配管を流れるお湯でした。
そのため気温は外と比べて6度も高くなっていました。
わざわざ穴を掘らずに暖かく冬を過ごせてもってこいなんでしょう。
人の目を避けなかなか姿を見せてくれなかったニホンアナグマ。
6年前大学のキャンパスで見つかった事をきっかけにその素顔が明らかになろうとしています。
森の外で見せる大胆な行動。
未知なる空間に踏み込み人の営みをも巧みに利用する適応力の高さ。
ひょっとしたら里山を抜け出しあなたの暮らす街にやってくる日も近いのかもしれません。
2014/02/22(土) 17:30〜17:58
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「東京アナグマ キャンパスライフ」[字][再]

里山の森にすむアナグマが都内の大学キャンパスで発見された。30台以上のカメラで追跡し、豪快な穴掘りや住宅地での大胆不敵な行動など数々のスクープ映像の撮影に成功!

詳細情報
番組内容
東京都三鷹市の大学キャンパスで、アナグマが発見された。本来、里山の森で暮らすアナグマが、なぜ大学に? 取材班は30台を超すカメラを駆使し、アナグマを大追跡。豪快な穴掘りや求愛など貴重な生態の撮影に成功し、キャンパス進出の秘密を突き止める。さらに、アナグマが隣接する住宅地にも進出していることが判明。家族そろって庭で水浴びや、民家に忍び込んでネコの餌を失敬するなど大胆な素顔が見えてきた。【歌】平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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