世界に挑む 若き日本人ダンサーたち「第42回ローザンヌ国際バレエコンクール」 2014.02.22

探査を終えた2週間後峡谷は雪に閉ざされた。
ハルオニヤマ!若きバレエ・ダンサーの登竜門「ローザンヌ国際バレエコンクール」で日本人3人が入賞を果たしました。
ほんとに信じられない気持ちでいっぱいです。
びっくりしてもう言葉にならないぐらいで…ほんとにありがとうございます。
海外留学の成果を発揮して6位に入賞した…優雅な表現で観客を魅了し第2位に入賞した…第1位に輝いた…天性の軟らかさと質の高いテクニックが高く評価されました。
持って生まれてきたもの彼が持ってる可能性という部分ではものすごくずば抜けたものがあるから。
日本国内でも大きく報じられ注目を集めた今回の入賞。
しかしダンサーとしての本当の戦いが始まるのはここからです。
コンクールで入賞すると「わ〜!」それでおしまいってオリンピックで金メダルとったみたいな…じゃないのですよねバレエのコンクールだけは。
出発点に立ったんだよと。
これからはあなたたちですよと。
今後プロとして活躍していくための大きなチャンスをつかんだ3人の日本人入賞者たち。
国際コンクールに挑んだ若きダンサーたちの記録です。
ローザンヌ国際バレエコンクールは1973年に始まり今年で42回目を迎えました。
対象は15歳から18歳。
将来性のあるダンサーの発掘と育成を目的としています。
数多くの才能あるダンサーたちがこのコンクールから世界に羽ばたいていきました。
日本からも1978年以降実に70人以上が入賞を果たしてきました。
海外に留学する権利を得てダンサーとしての人生をここから切り開いていったのです。
1983年に入賞した吉田都さん。
英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして世界のトップで活躍してきました。
1989年にゴールドメダルを獲得した熊川哲也さん。
英国ロイヤル・バレエ団でプリンシパルを務めた後自らのバレエ団を創設しました。
今回のコンクールには295人がエントリー。
映像による事前審査を経て69人が予選に挑みました。
彼らは古典的なクラシックバレエと現代的なコンテンポラリーダンスの2つの要素に取り組みます。
ダンサーとしての資質を審査するため予選は5日間にわたってレッスン形式で行われます。
才能を秘めた若者の発掘に力を入れるこのコンクールならではの審査方法です。
審査員は9人。
往年の名ダンサーや一流バレエ団の芸術監督などが務めます。
見つめるのは若者たちの10年後の姿です。
基礎的なレッスンだけではなくステージ上で作品の指導も行われます。
教えるのは世界的なスターダンサーたちです。
世界トップレベルの指導を受け参加者たちは成長への大きな手がかりをつかみます。
すごいレベルの高いコンクールで周りもみんな上手な人ばっかで基礎の部分でもいっぱい学んだ事があってコンテンポラリーでもいっぱいいろんな経験をさせてもらってすごいいっぱい勉強できるコンクールになりました。
5日間の予選を経て最終審査である決選に進んだのは20人。
この中から3人の日本人が入賞しました。
彼らのクラシックの演技を解説するのは新国立劇場の舞踊芸術監督に就任する大原永子さんです。
ローザンヌのコンクールは4回ぐらい審査員をした事があるんですがやっぱり日本人ってすごくいい成績をとってたんです。
吉田都さんにしても熊川さんにしても。
ちょっとここ数年韓国の方とか中国の方が随分めきめきと出て賞をとった年もあるんです。
3人日本人がとったというのは数年なかったんで珍しい…珍しいというよりうれしいですよね。
まずはクラシックバレエの技術と表現を審査する「クラシックバリエーション」です。
第6位に入賞した加藤三希央さんの演技です。

(拍手と歓声)テクニックもきちっと入っててよかったんですけど顔の使い方踊りの一つ一つのテクニックで体だけじゃなくて顔も全部作る。
下向いたり上向いたりというのを細かくついてるんですよね。
それをもう少し研究なさればもっとエレガントに見えるんじゃないでしょうか。
第2位に入賞した前田紗江さん。
神奈川県の高校1年生です。

(拍手と歓声)
(大原)テクニックとても強くジャンプ力もあるしよく踊ってたと思いますよ。
最後にアラベスクを保ったまんまルルベで前進するんですけどそれはほんとはもう少しうんと進むんですね。
進んでるんだけどもう一息ずっと進めるともっとこうエキサイトするかな。
進めなかった理由ってちょっと顎が上がりすぎてるから。
頸椎しっかりしてればもう少し前に進む事ができたんじゃないかなとは思うんですけれど。
そして第1位に輝いた二山治雄さん。
長野県の高校2年生です。

(拍手と歓声)
(大原)いい筋肉してらっしゃるからジャンプの着地がとてもソフトで力が変に入らず楽にテクニックができるという感じですよね。
とてもすばらしい筋肉してると思います。
抜群の身体能力とバレエテクニックを評価された二山さん。
しかしこれから先多くのダンサーが直面してきたプロの世界の厳しい現実と向き合っていく事になります。
彼の場合まだ17歳ですか?まだ伸びる可能性はありますが小柄ですよね。
大きな方ではないですよね。
ですからやっぱり自分が踊れる与えられる役柄が決まってきちゃうと思うんですよ。
そういう時にどうやって戦うか精神的な…。
いつもいつも自分がやりたい役ってプロの世界ってできないわけですよね。
だからそういった現実に向き合ってそれでもこれだけ才能があるわけだから絶対にチャンスはありえますけどやっぱり自分がどうしたいかって事ですよね。
決選でのもう一つの課題が現代舞踊「コンテンポラリーバリエーション」です。
入賞者の演技を解説するのは金森穣さん。
17歳でヨーロッパに渡り現代舞踊の巨匠モーリス・ベジャールやイリ・キリアンに師事しました。
新潟を拠点とする舞踊団「Noism」の芸術監督として革新的な創作活動を行い世界的に高く評価されています。
参加者たちの演技をどう見るのでしょうか。
第6位の加藤三希央さんによるコンテンポラリーの演技です。

(拍手)一番いいなと思ったのは音楽性ですよね。
ある種前半すごく緊張感のあるところからいって音楽が盛り上がってくるところで彼の中で何かが花開いた瞬間というか。
それはやっぱり音楽が体を変容させるという事を実際に体現している瞬間なのでそこに可能性は感じる。
ただ課題があるとすればその振付家の意図この曲でこの動きを通して何を表現しようとしているのかというところをくみ取るという部分ではまだまだなんじゃないかなと思う。
第2位の前田紗江さんによるコンテンポラリーの演技です。

(拍手)
(金森)15歳?いやすばらしいですよ15歳だったら。
本当にこう瞬間瞬間で彼女の中で何かが生まれてそれが表に現れてそしてまた消えていくという事舞台芸術における花というのはそういうものなんですよね。
花として常にあるわけではなくて湧き出るあるいはそこにぱっと咲いてはかなく消えていくというその瞬間瞬間を彼女はすごく生きてる感じがするので。
ただ体がまだまだ弱いのでもっと筋力をつけて体のコーディネーションを磨いていけばもっと彼女の表現が全身を通して伝わってくるんじゃないですかね。
第1位の二山治雄さんによるコンテンポラリーの演技です。

(拍手)
(金森)もう一目見て軟らかいですし足先の伸びとかほんとに骨格的な柔軟性という意味では誰が見ても「お〜」という感じでしょうし持って生まれてきたもの彼が持っている可能性という部分ではものすごくずば抜けたものがあるからここから彼が「表現」と呼ばれる領域に身体「運動」ではなくて舞踊には運動もあれば表現の側面もあって彼は運動能力という意味ではすばらしい。
ただ表現能力というのはまだまだですよね。
彼がさまざまな舞踊家の舞台を見た時にやっぱり自分で意識的に単純に足が上がるとかそういうぱっと見の運動能力という事以外の部分に自ら着目して勉強していかなきゃいけない部分もあるしそこからはもう彼の天性の持ってるものでその教養の野心みたいなものも兼ね備えたらそれはすばらしい。
最後にコンテンポラリーの演技で最も高い評価を受けコンテンポラリー賞を受賞したプレシャス・アダムスさんの演技をご覧頂きます。

(拍手)
(金森)いいですよやっぱり全然違う。
だから体持ってるものは持ってますよね。
さっきの1位の男の子みたいに柔軟だったり手足も長いし何よりやっぱり多様な動きに体が慣れてるんですよ。
最初無音で始まるでしょ。
入りへの持っていき方。
あの緊張感の維持のしかたとその音に向けてのリズムの作っていき方。
それは体の動きを通して。
あれはやっぱりいいですね。
彼女はすばらしい。
日本の外のいわゆるバレエ学校では本当にさまざまな…それこそコンテンポラリーダンスといってもいろんな振付家の作品を踊ったり20世紀のマスターの有名な作品の断片を稽古したりという事が普通に行われているのでクラシックバレエだけじゃない。
今彼らに言える事はいろんなものを見て歴史からもそうだしいろんな事を勉強しつつやっぱり今やる事注意をそらさないで集中して今自分が稽古するべき事にほんとに全身全霊で向き合う。
彼らがいずれ日本の中ですばらしいパフォーマンスができる日が来ればいいなと思ってますよね。
ハルオニヤマ!見事第1位に輝いた二山治雄さん。
そして入賞を果たした前田紗江さんと加藤三希央さん。
今後海外のバレエ学校またはバレエ団に1年間留学する事ができます。
多くの先輩ダンサーと同じように厳しいプロの世界に挑んでいきます。
そんな先輩ダンサーの一人。
1993年に入賞した上野水香さんです。
東京バレエ団のプリンシパルとして活躍しながら海外のトップダンサーとの共演を重ねてきました。
受賞したのは15歳。
それまで楽しい趣味だったバレエを人生を懸ける仕事として意識するようになりました。
(上野)ローザンヌで賞を頂けたという事で私自身「あっという事は可能性があるのかな」と思って「希望を持ってもいいのかなそれじゃ私はバレエの道に進んでいくのかもしれない」と。
すごく大きなターニングポイントだったと思います。
受賞から半年後海外に渡った上野さん。
外国人のライバルと切磋琢磨する日々は挫折と背中合わせの日々でもありました。
その戦いは今も続いているといいます。
(上野)世界の皆さんと並んで踊る時にここが劣ってるとかそういう事はすごく感じます毎回。
けれどもダンスはグローバルなもので言葉もないですしみんな同じラインに立ってると思っていいと思います。
だから日本人だからといって私は日本人だからこうだとは思わないでもらいたい。
一人のアーティストとしてみんなと胸を張って一緒に共演していくという気持ちで臨むべきだと思います。
今年6月にモンテカルロのバレエ学校を卒業する加藤三希央さん。
今回の入賞でプロのバレエ団に1年間研修生として参加する権利を得ました。
憧れだったモンテカルロ・バレエ団に9月から入団します。
自分の今の足りないところは表現力をもっと磨くという事と体が小さいので他の人よりもっと大きく踊って目立つようになりたい事です。
前田紗江さんは入賞で得た奨学金で9月から海外のバレエ学校に留学する事が決まっています。
今回のコンクールで自分をアピールする事の大切さを痛感した前田さん。
一方で自分の良さも発見する事ができたといいます。
優雅に踊ってると褒められたのでそこは自分でこれからも伸ばしていきたいと思います。
将来は人を感動させられるようなダンサーになりたいです。
第1位の二山治雄さん。
9月からの留学に向けて帰国翌日から連日深夜に及ぶレッスンを再開しています。
留学先では自分の長所を伸ばしていきたいと考えています。
自分が一番小さいというのは意識してるのでその中でも自分の柔軟性だったりとかやっぱり人よりも上手に踊れたりとか人のできないような事ができたりっていうように自分の長所をもっと生かして認められるようなダンサーになりたいと思ってます。
無限の可能性を秘めた若いダンサーたち。
将来世界の大舞台で活躍する姿を見せてくれるのか。
バレエ芸術を究める長く厳しい道のりがこれから始まります。
2014/02/22(土) 17:00〜17:30
NHK総合1・神戸
世界に挑む 若き日本人ダンサーたち「第42回ローザンヌ国際バレエコンクール」[字][再]

熊川哲也以来の日本人男性の最高位!第42回ローザンヌバレエコンクールから日本人入賞者の全演技を速報で紹介。第1位二山治雄、第2位前田紗江、第6位加藤三希央。

詳細情報
番組内容
「第42回ローザンヌバレエコンクール」から日本人入賞者の全演技を速報で紹介。第1位・二山治雄、第2位・前田紗江、第6位・加藤三希央。クラシックバリエーションとコンテンポラリーバリエーションをプロの解説付きで紹介。解説は、大原永子、金森穣。入賞者それぞれの素顔を紹介しつつ、若きダンサーの夢と可能性、これから始まる厳しいプロのバレエダンサーとしての道のりを見つめる。インタビューは、上野水香。
出演者
【出演】新国立劇場次期舞踊芸術監督…大原永子,りゅーとぴあ舞踊部門・Noism芸術監督…金森穣,東京バレエ団プリンシパルダンサー…上野水香,二山治雄,前田紗江,加藤三希央,プレシャス・アダムス

ジャンル :
劇場/公演 – ダンス・バレエ
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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