あしたをつかめ〜しごともくらしも〜「和食料理人」 2014.02.22

「あしたをつかめ」。
今回の主人公は今どき自らの手で頭を丸めるワイルドな男。
しかしひとたび仕事となれば繊細な技を発揮する。
切れ味鋭い包丁を駆使して細工切りもこのとおり。
野菜に魚肉だって何でも来い!その技は海外の有名シェフも大絶賛。
そんな彼の正体は?和食料理人大庭弘之。

(テーマ音楽)あしたをつかめ。
大切なのは君の時間。
まずは仕事。
もちろんプライベート。
できれば自分磨き。
食い倒れの街大阪。
中でもたくさんの飲食店がひしめく道頓堀界わい。
その中心にあるのが法善寺横丁。
老舗料理店が軒を連ねどこか懐かしい風情が漂う。
今回の主人公大庭弘之さんが横丁にある店に出勤してきた。
現在28歳。
料理人になって8年。
だけどまだまだ一人前には程遠い修業の身だ。
大庭さんの主な仕事は料理に使われる魚の下処理。
扱い魚介類も年間70種類以上。
魚によってさばき方を変えるんだって。
いろんな魚がいるけど一番奥の丸い形の魚は何?こちらの店は創業49年の高級店。
大阪を代表する和食店として知られ全国からお客さんがやって来る。
お目当てはもちろん絶品料理の数々。
素材は大阪の伝統野菜や新鮮な魚介類が中心。
日本伝統の技に加えてフランス料理の調理法も取り入れているそうだ。
か〜っおいしそう!いい仕事してますね〜!この最先端の和食を学ぼうと海外の有名シェフが研修にやって来ることも。
和食は去年世界無形文化遺産に登録されたこともあって世界中の人が注目しているんだ。
店を取り仕切るのは…父から受け継いだ二代目でこの道30年のベテランだ。
店によって多少の違いはあるけど和食の店では分業制が基本。
こちらでは大将を頂点に6人の弟子が経験と技量で5つの担当に分かれ働いている。
大庭さんは下から3番目の…更に経験を積むと焼き物や揚げ物などを作る焼き場や煮物や椀物を作る煮方になれる。
全てができるようになってようやく一人前として認められるんだ。
皆独立して自分の店を持つことが将来の目標。
その日のために大将は弟子たちの成長にも目を配っている。
大将大庭さんの働きぶりはいかがですか?どこか控えめだという大庭さん。
お客さんに話しかけられても…。
料理の腕を磨くだけでなくお客さんとの会話も大事な仕事だ。
ある週末の夕方。
ミーティングで大将から重大な発表があった。
お願いします。
焼き場への配置換えは僅か3日後。
大庭さん大丈夫?むちゃぶりにも見えるけど料理人の世界では技を盗んで覚えることも大切。
日々先輩の仕事ぶりを学ばなければいけない。
大庭さんは焼き場担当の先輩岩下さんに相談に行った。
改めて基本をおさらい。
しかし焼き場では揚げ物やソースまで作る。
例えば店の定番コースでは焼き場が関わる料理は10種類。
それらを一品ずつお客さんの食べるペースに合わせて仕上げなくてはならない。
その段取りが難しい。
この日の閉店後大庭さんは焼き場の練習のために夜の賄いを後輩に代わって作ることにした。
メニューは焼き物の基本…目指すのはしっかり焼き目をつけつつもふっくらした食感。
うまみを含んだ水分を逃がさないよう火加減はもちろん火と身の距離も微妙に調整しなければいけない。
さて大庭さんが初めて焼いたアナゴのたれ焼き。
お味は?いただきます。
先輩の評価は最低。
3日後の配置換えに不安を残す結果となった。
大庭さんがプロの道に入ったのは20歳の時。
調理専門学校を卒業後京都の一流料亭で修業を始めた。
しかし先輩後輩の厳格な上下関係などに耐え切れず3年で店を辞めてしまった。
その後居酒屋に転職。
自由な雰囲気の中メニュー開発を任されるまでに成長した。
でもそこで壁に突き当たったそうだ。
大庭さんは一度は諦めた和食料理人の道を究めようと決意。
1年半前から今の店で改めて修業を始めた。
仕事とはいえ修業も兼ねた日々の勤務。
休みの日以外は1日の大半を道具と材料のそろった店で過ごし技を磨いているそうだ。
夜帰宅するのは11時半ごろ。
一体どんな暮らしをしているのか家にお邪魔することに。
店から徒歩5分。
借り上げのマンションでの寮生活だ。
同居人は独身の兄弟弟子3人。
ちなみにバストイレ台所は共同。
こちらの4畳1間が大庭さんの部屋だ。
部屋の大半を占めるのは万年床。
部屋で過ごす時はここが定位置だ。
寝る前の1時間は必ず読書。
料理関係の本に加えてお客さんとのトークのネタ集めのために歴史小説も読んでいるんだって。
大庭さんずっと仕事のことばっかり考えているんだね。
そうですね。
やっぱり…以前は息苦しく感じていた兄弟弟子との関係。
でも今ではそれが心の支えになっているんだね。
寮に暮らし仕事の日の食事は賄いで済むため生活費はほとんどかからない。
注目はこれ。
勉強資金。
月に1回兄弟弟子たちと人気の料理店に行って調理やサービスの勉強をしているんだって。
店が休みのこの日大庭さんは勉強会に出かけた。
参加者はなぜか全員スーツ着用。
う〜ん…似合っているようないないような…。
いつもそんな格好で出かけるの?向かった先は3年前に独立した先輩のお店。
フランスのガイドブックで1つ星を獲得している和食店だ。
いらっしゃいませ。
失礼します。
こちらが…大庭さんの働く店で11年の修業を積んだ大先輩だ。
客の目線で冷静に見る先輩の仕事ぶりは勉強になることが多い。
道具の扱いから味つけまで1つでも多く学び取ろうとみんな真剣。
この日大庭さんが食い入るように見つめていたのはやっぱり焼き物の調理だった。
大庭さん学ぶことは多かったようだ。
翌日。
営業時間中に先輩から焼き場を学べるのはこの日が最後。
大庭さんは自分の仕事のかたわら先輩岩下さんの仕事ぶりを見逃すまいとしていた。
思い切って焼き魚を手伝わせてもらう。
賄いではさんざんだったけどお客さんに出す以上失敗は許されない。
ふっくらした焼き上がりにする絶妙な火加減。
少しコツをつかんできたようだ。
その後も隙を見つけては焼き場に挑戦し続けた大庭さん。
慌ただしく一日が過ぎた。
寮に帰った大庭さんおもむろにポリ袋を取り出した。
何をするかと思えば自分で頭を刈り始めた!気合いは十分。
これまで学んだことを思い切りぶつけるしかない。
配置換えの日がやってきた。
大庭さんに焼き場が任される。
いらっしゃいませ。
開店すると早速注文が入り始めた。
まずは…教わったことを思い出しながら火加減に集中する。
お願いします。
はいありがとう。
出来は…?まずまずのようだ。
その後も無難に仕事をこなす。
しかし開店から1時間もたつとお客さんが増え注文が重なり始めた。
一つ一つの調理は丁寧に確実に。
作業の段取りを組み立てるのが大切だ。
あ〜っ!様子を見かねて先輩岩下さんが助けに入る。
焦れば焦るほど先輩のダメ出しが出る。
…とここで大庭さんは調理の手を止めコースのメニューを読み始めた。
どの料理から取りかかるべきかもう一度頭の中を整理してみることにした。
あっこれ。
こっち全体。
はい。
気持ちを切り替えて調理再開!注文は…特訓の成果を発揮してふっくら焼き上げることができるか?先輩に仕上がりを見てもらう。
すみません。
焼き物上がります。
はい。
ようやくペースがつかめてきた大庭さん。
料理を食べるお客さんの反応をうかがう余裕も出てきた。
お客さんも満足そうだ。
この日大庭さんは先輩の手は借りたものの何とか焼き場の仕事をやり遂げた。
果たして大将の評価は?いいところありましたか?結局大将から特にお褒めの言葉はもらえなかった。
でも大庭さん翌日以降も焼き場に立つことが許された。
2014/02/22(土) 12:00〜12:25
NHKEテレ1大阪
あしたをつかめ〜しごともくらしも〜「和食料理人」[字][再]

ユネスコの無形文化遺産に登録され、今や世界の注目を集める「和食」。その道を極めるには、長く厳しい修業が必要だ。今回は、一人前を目指す若き料理人の現場に密着する。

詳細情報
番組内容
食い倒れの街、大阪・道頓堀。その一角、法善寺横丁が今回の舞台。大庭弘之さんは、創業49年の高級和食店で修業を積んでいる。プロの世界に入ったのは、20歳のとき。専門学校を卒業し、京都の料亭に就職した。しかし、上下関係の厳しさに疲れ、3年で辞めてしまった。いったんは居酒屋に勤めたが、「和食を極めたい」と再度の転職を果たした。ある日、大将から新たな担当を言い渡された。期待に応えることができるのか!?
出演者
【出演】大庭弘之,【語り】Mummy−D

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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