(テーマ音楽)正しい健康情報を分かりやすくお伝えする「きょうの健康」です。
東日本大震災から3年が経過します。
そこで今日と明日の2日間はこちら…今日のテーマはこちらです。
お話を伺う方をご紹介します。
石井さんは震災当時被害が最大だった宮城県の石巻地区で地区全体の救護活動を統括していらっしゃいました。
どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
震災から3年ですけども今どんな事をお感じになっていますか?日本は災害が多い国なので災害はいつか来るかもしれないと常に思っておいた方がいいんじゃないのかなと痛感しております。
まさに「まさか」に備えるという事ですよね。
あの当時はどんな状況だったんですか?まず津波が来ました。
そこで私が勤めていた石巻赤十字病院は生き残ったんですがほかの大きな医療機関は全て壊滅してしまったという事と災害直後に通信が途絶してしまったという事でいわば文明社会がなくなってしまって江戸時代に戻ったような状況になりました。
病院に来る患者さんの数はどんな感じだったんですか?初日が99名で震災前の石巻赤十字病院が60名ぐらいだったのでちょっと多いぐらいだったのが2日目から増えて3日目に1,200名を超える人がいらっしゃいました。
1日目は少なかったのに2日目にドンと増えたのはなぜなんですか?恐らく浸水地域にいらっしゃった人で病院に来られなかった人がたくさんいらっしゃったためで逆に来られるような人は軽症の人が来られたために2日目以降増えたんじゃないのかなと考えております。
60名の所に1,200人以上の人が軽症とはいえたくさんいらっしゃった訳ですがそのほか避難所で診察治療はすぐ受ける事はできたんですか?それが通信が落ちてしまってよく分からなくて石巻圏内に避難所が300か所あるのが分かったのが震災後5日目で全部の避難所をカバーできるようになったのは1週間過ぎぐらいからでした。
じゃあ1週間ぐらいはもしかしたら助けが来ないかもっていう意識を持っておかないと…。
そのとおりだと思います。
さあ今日のテーマは「まさか」に備えるなんですが個人として備えられる事はどういう事になりますか?準備しなければ「まさか」になりますが準備すれば「やはり」と思えるようにしておいた方がいいと思います。
まずは意識。
「まさか」ではなく「やはり」と思えるように準備しておくという事なんですが具体的に言うとどういった事ですか?まず震災が起こったらどこに逃げるかという事を…どこが安全なのかという事を調べておく事だと思います。
まず安全なのがどこかを知っておく事ですね。
実はこれもう一つ意味が含まれているという事で…。
家族であらかじめどこに逃げるのがいいか決めておけば集合できると思います。
当時家族がどこにいるか分からないという事ですごく心配された人がホントに多かったですよね。
たくさんいらっしゃいました。
まずはどこに逃げる。
そして2つ目が何が必要という事ですがこれはどういう事でしょうか?先ほど申し上げましたようにすぐに助けが来ない事も想定して最低1週間ぐらいは生活必需品でどういうものが必要なのかという事を事前に考えておいた方がいいと思います。
具体的に言うと例えばどういったものになりますか?生活必需品ですから水とか食料とか着るものとかマッチとか薬とかそういう事になると思います。
「まさか」に備える意識なんですが先生の病院ではどういう感じだったんですか?やはり心構えはしていたんですか?宮城県は1978年に宮城県沖地震がありまして以降30年以内に99%必ずもう一回地震が来るといわれておりまして職員はそういう意味で高い当事者意識がありました。
ですので災害が来た時にもスタッフ全員が「まさか」ではなく今日がその日だったのかと思う職員がほとんどでした。
これはホントに大事な事なんですね。
その東日本大震災なんですが医療活動で何か特徴的な事ってあったんですか?今回の災害は津波災害ですので津波というのは面で来る訳ですね。
そうすると被災地域にある医療機関や薬局は全て無くなってしまうのが大きな問題であとは生き残った方々も持病を持っている人がたくさんいらっしゃいますのでそういった意味でお薬の問題が非常に大きな問題になると思っています。
例えば薬が無くなって家にも当然薬が無くなっちゃって必要っていう持病の人が病院にいらっしゃいますよね。
その時対応はどんな感じだったんですか?たくさんいらっしゃいましたが多くの人が実はご自身の病名であるとか正確な薬の名前とかを把握していない人もたくさんいらっしゃいました。
そういう人が病院に来てどんなやり取りといいますか「自分の薬は例えばこんな形で」みたいな…。
我々はサンプルをいろいろ用意して「これですか?」っていろいろ聞いてようやくどういう薬をのんでいるのか突き止めたと。
大変時間がかかりました。
2日目以降1,200人を超える…通常60人ぐらいの所にたくさんの人がいらっしゃった訳ですが相当大変ですよね?大変でしたね。
患者さん自体が「まさか」に備えられる事ってどんな事だと思われますか?薬の面で言えばこういったお薬手帳が今ほとんどの病院でもらえると思うんですがこういうのを肌身離さず持っていてもらって災害時にも持ってきてもらえれば我々処方する側としては大変助かると思います。
さすがに自分で…特に高齢の方になると覚えておくのはさすがに難しい…。
それは厳しいですね。
あとお薬手帳もなくしてしまう場合とか…。
津波の場合には一緒に流れてしまう事あります。
そういう場合に何かほかの手だてというか事前にやっておける事は何かありますか?予備を作っておく事ですね。
お薬手帳の内容をコピーしておいて遠くの息子さんの所に預けておくとかあとは分散してどこかに置いておくとかそういった事が必要になりますしあるいは持っている携帯に薬の名前を入力しておくとか…自分の病気の名前とかですね。
そういう医療情報があると我々医療者としても大変助かります。
さっき1,200人を超える人に対処という話がありましたが対処が必要な人に十分時間をかけるためにもやはりその辺というのは…。
重症な人に時間はかかりますから効率性を考えてもそういう準備をして頂いてサクサク処方できるような状況の方がいいと思います。
患者さん側もやはりそういう状況に陥ったら時間がすごく大事になりますもんね。
被災者の方もやる事がほかにもたくさんありますので病院でずっと待たされるよりは早く帰っていろいろやった方がいいかなと思っています。
さあここまで薬について伺ってきたんですが薬のほかに気になる事は何かありますか?2つありまして1つは透析を受けられている人とあとは在宅酸素療法を受けられている人が大変気になりますね。
こういった人たちはやはり災害が起こると大変な事になりますよね?そうなんです。
透析も在宅酸素療法も機械を使ってふだんから治療を受けられている事になるのでその機械が止まってしまった場合たちまち命が危ないという事になってしまうのが大変気になる理由です。
石巻赤十字病院の方でもまさにフル回転というか透析の方に関していうとすごい状態だったんですよね?そうですね。
透析は1つの機械で一日2回やるんですが当時は一日3回にして対応したりしていました。
やはりふだんいらっしゃる人じゃない人もいらっしゃってたという事ですよね。
石巻の場合透析ネットワークというのがありましてふだんから連携していましたのでよその施設で透析を受けられている人はその施設の技士さんと一緒にお見えになって機械だけを赤十字病院の機械を使って透析を受けたりとかそういう対応をしていました。
災害時の透析在宅酸素に備えるという事なんですが2つ挙げて頂きました。
まずこちらからお願いします。
掛かりつけの病院に災害時自分はどうしたらいいのかとどうやって連絡をとったら…あるいはどうすればいいのかを相談しておくという事だと思います。
そしてもう一つこちらですが…。
これはいつも行っている掛かりつけの病院がもし被災して機能停止になった場合にほかの施設に行かなければなりません。
それは災害が起こってから調べるんじゃなくてあらかじめもしここが駄目だったらここに行けるんじゃないかというのをできれば調べておいて頂いてできればそこの病院にも連絡をとって頂ければよりいいんじゃないのかなと考えます。
多くの患者さんはやはり自分がふだん通っている病院の事しかなかなか知らないものなんですか?自分の病院が全てだと思う人が多いんじゃないでしょうか。
でもこういった透析や在宅酸素の人はそんな準備もしておかないと危険という事もありますね。
もし準備がなくて不意をつかれた場合はホントに命の危険がありますのでご注意頂ければと思います。
そしてもう一つ避難所で実は多いのがエコノミークラス症候群なんですね。
狭い所で長時間同じ姿勢をとり続けた時に脚の静脈に血の塊血栓が出来てその一部が肺まで流れて動脈を詰まらせるというものなんですが呼吸困難などで死に至る事もあるという事なんですが東日本大震災の時はどうだったんですか?我々の救護チームが調べたところ避難所はご覧のように混雑した状況だったんです。
超音波の機械で調べたところ脚に血栓が認められた人は4割ぐらいいらっしゃったんですが体を動かすとかよく歩くとか水分をちゃんと補給しなさいよという事を地元の保健師さんとか巡回していた救護チームが指導してくれたと聞きまして幸いにも肺まで血栓が飛んで命を落とすような人は少なかったです。
避難所を回って保健師さんなどが説明されて…。
必ずしも保健師さんが来てくれて説明される訳ではないのでこれは一つ知っておいて備えるのが重要かもしれませんね。
これは知っていると知っていないでは多分大きく違うと思いますので勉強しておいて頂ければと思います。
そのほかに災害に備えてできる事はどんな事がありますか?それは僕が経験から言わせて頂きますがご近所づきあいを大事にしておくというか近隣のつながりを強くしておいて頂くというのがいいんじゃないかなと思います。
これはどういう時に役立つといいますか大切になってくるんですか?特に避難所だと思います。
避難所というのはやっぱり集団生活になります。
そこでふだんから顔見知りの人がいるのと知らない人同士が集まるのとはやっぱり大きく違う訳ですね。
一つは知っている人がたくさんいらっしゃればストレスも多少は軽減できますしそれからご近所づきあいのコミュニティーがそのまま避難所に移った形になればお掃除当番だとかごみ当番だとかそういう組織体制がスムーズに作れますので公衆衛生環境としても早い時期によくなるというのが実際に東日本大震災ではありました。
避難所生活が長引けばまさにそれが必要になってくると思います。
今日は「まさか」ではなく「やはり」と思えるように備える事が大事というお話を聞いてきましたがこれはホントに大事ですね。
そのとおりだと思います。
事前にできる事はやっておく事がホントに大切という話を伺いました。
今日はどうもありがとうございました。
明日ですが大災害で起こる心の不調とケアについてお伝えします。
明日も是非ご覧になって下さい。
2014/03/08(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「大災害命と健康を守る “まさか”に備える」[解][字]
東日本大震災から3年。当時、医療現場を統括した災害医療コーディネーターに、普段からどう「まさか」の事態に備えるのか、「お薬手帳」の携帯など大切なポイントを伺う。
詳細情報
番組内容
東日本大震災から3年。当時、医療現場を統括した災害医療コーディネーターに、ふだんから「まさか」の事態にどう備えるのかのポイントを聞く。震災直後、自分の薬が分からず、治療継続に困難が生じた。「お薬手帳」を携帯して避難、薬情報を遠くの親族に伝えておくなどの対処も役立つ。透析治療のケースでは、災害時の通院先との連絡方法や、ほかの医療機関を事前チェック。避難所で救護が1週間ほど受けられない事態も想定する。
出演者
【講師】東北大学病院教授…石井正,【キャスター】古賀一
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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