木曜時代劇 鼠(ねずみ)、江戸を疾(はし)る(5)「怪盗<猫>あらわる」 2014.02.06

確かなんだろうな?へい!あれはどっからどう見ても鼠です!よし!親分。
この手柄は親分にお譲りしやすんであっしはこれで!何が「あっしはこれで」だ!この野郎!そういう事は捕まえてから言いやがれ!
(定吉)行きやす!行きやすよ!うん?はあ〜全く…。
くだらない見えを張るね。
(呼び子の音)何でえ定!どこにもいねえじゃねえか!あれ?
(2人)おっ!いた!いたぞ!鼠だ!
(呼び子の音)こら待ちやがれ!どうもありゃ女だな…。
兄さん!兄さん!兄さん!兄さん!兄さん!分かってる!聞こえてるよ!猫よ!猫が出たのよ!猫?何だ化け猫でも出たのか?そうよ。
すごい化け猫よ。
材木商の蔵から5百両盗み出して壁には猫の足跡が描いてあったって。
鼠に対抗して猫って訳ね。
でその猫っていうのは何者なんだ?あとは自分で見てみたら。
おい飯どうした?適当に食べて。
私これから道場だから。
お前買いに出たんじゃねえのか?食べてきちゃったわよ!はあ…。
勝手なところは猫そのものだな。
鼠は大名屋敷狙いだろ?猫の狙いは大店だ。
互いの縄張りは荒らさねえって分別よ。
けどよ鼠に対抗してんだったら猫はどうして俺たちみてえな貧乏人に金をばらまかねえんだよ。
そうだそうだ!まきやがれ!まきやがれっていうんだ!なあ!
(一同)まきやがれ!まきやがれ!バカ野郎!てめえら盗っ人を肴に何盛り上がってんでえ!猫だか鼠だか知らねえがこっちは寝れねえ夜が…増えるばかりでえ…。
おい!いつもの!
(お染)はいよ!大変だ!て…大変だ!どうした?む…む…。
お〜い落ち着け落ち着け!向こうで浪人が暴れてんだ!何!?うりゃ〜!どきやがれ!
(呼び子の音)何だ?あの野郎!おいどけ!どけどけ!どけって言ってんだろ!この野郎!て…てめえ何やってんでえ?何だ!?お前斬られてえのか?ちょ…ちょっと待て!うわっ!うわっ!うわ〜っ!話せば分かる!うりゃ〜!すまねえ!もうもうもうもう…もう二度と前には立たねえから!あっ!あっ!逃げろ!うりゃ〜!うわっ!目が…目が〜!この野郎!もう大丈夫。
怖かったね。
痛いところない?うん。
この野郎!お美代!ありがとうございます…。
ありがとうございます!いえ。
それじゃ。
お〜娘さん!待ってくれよ!てめえなんか怖くねえんだよ!この野郎!いや〜助かったぜ!しかしあの身のこなしただの町の娘とは思えねえが…あんた一体どこの…?おっと親分いいんですかい?あいつ行っちゃいますよ。
あん?バカ野郎!待ちやがれ!あ〜ちょ…ちょっと待っててくれ。
てめえ!逃げんじゃねえよ!よし!もう大丈夫だ!行きな。
えっ?お嬢様そろそろお時間です。
・お里?はい。
失礼します。
お里ちゃんお嬢様の帯を頼むよ。
はい。
嫌!まだ帰りたくない!お嬢様旦那様がお帰りになる前に戻りませんと…。
嫌!旦那様に目をつけられたら私はもうこれっきりお嬢様に会えなくなります。
お嬢様を失ったら私はこの先どう生きていったらいいのでしょう…。
ごめんなさい。
わがまま言ったわ。
では私は先に店に戻りますので…。
いつも近くにいるのに人目を忍んでしか会えないなんて…。
会えば会ったで寂しいの。
けど会えなくなったらもっともっと寂しいの。
そういうものでしょうか。
そういうものなのよ。
羨ましいわ。
お里はこんな物思いとは縁がなさそうだから。
お嬢様!どうしたのかしら私…。
あの…お嬢様。
何?もしかして遅れているのでは?その…月のものが…。
嫌らしいわね!変な気回さないでよ!あっ…。
お里血が…。
いえこんなの何て事ありません。
ごめんなさい。
わざとじゃないのよ。
分かってます。
さあ参りましょう。
旦那様がお帰りになる前に。
お里…。
ありがとうございました!お帰りなさいませ!あ〜お帰り。
ただいま戻りました。
お帰りなさいませお嬢様。
ただいま。
お帰り。
ただいま。
猫の住みかはまた随分と立派だね。
お里!お嬢様がお呼びだよ!はい…。
お里早く!失礼致します。
お里これよかったらもらってくれる?お嬢様…こんな高価な…!シ〜ッ!お里お願い!お前だけが頼りなのよ!久助さんとの事も秘密を守ってくれてありがとね。
父や母に知れたらどうなる事か…。
あの2人は商いのために自分たちの選んだ相手を婿に取る事しか考えてないんだから。
お嬢様…。
お前だけはいつも私の味方でいてね!お願いよ!当たり前です。
大切なお嬢様ですから。
お里…。
は〜っ!は〜っ!や〜っ!あっ!あっ広之進!広之進様大丈夫?広之進様大丈夫?イッテテテテテ…。
大丈夫?大丈夫です。
しかし今日の小袖殿の剣はまた一段とさえておりましたね。
そうかしら?何かあったんですか?いえ何も…。
あっもしかしたらちょっとした競争心みたいなものかしら。
競争心?あの道場に小袖殿にかなう者などいないと思いますけど。
う〜ん…いない!絶対いない!小袖殿が一番です!いや久助さんこの前お願いしたもの出来てますか?はいどうぞ!小袖殿!小袖殿もやはりご婦人なんですね!ちょっと見てまいりましょうか。
えっ?遠慮なさらずにどうぞどうぞ!あっいえ…。
いらっしゃいませ!さあ小袖殿どうぞどうぞ!だからって買う必要ないだろう。
だってしかたないでしょ。
広之進様に甘える訳にもいかないし。
似合うでしょ?はあ…。
それでその浪人は?うん…。
豊後屋の手代脅して金をせしめてたか?それがねどうもそんなふうには見えなかったのよ。
どういう事だ?あの手代何か裏があるみたい。
アチッ!あ〜っ!大変だ大変だ!
(呼び子の音)その川は見た目よりも深いぞ。
一度沈んだらちょっとやそっとじゃ引き上げる事はできねえ。
言われなくても分かってたみたいだな。
鼠の旦那の縄張りは荒らしてないはずですよ。
金じゃないならあんたの目的は何だ?何のためにこんな危ない橋を渡る?お忘れ物ですよ。
大店の蔵を破りあんたは一体何を調べてる?話しちゃくれませんか?あなたには関わりのない事。
いや鼠にはどうしても猫の動きが気になるもんでね。
あなたも物好きなお人ですね。
・エイッ!ハッ!
(お里)私は江戸に来る前さる片田舎の武家の家で奉公しておりました。
えっ?お里は筋がよいな。
女中にしておくのはもったいない。
よし。
もう一本来い。
はい!
(お里)けれどある日…。
無礼者!この青侍が!よくも証拠もなくこの私を愚弄してくれたな!平伏しろ。
さすれば全て水に流してやる。
いいえ!川村様が不正な金を商人から受け取り私利私欲に溺れていたのは明白!おのれ!
(川村)この不届き者!出会え〜!出会え〜!結局ご家老川村様の不正の証拠は見つからず刃傷沙汰を起こしたご主人様は…腹を召されたのです。
ご主人様!ご主人様!どうして…。
ご主人様!どうして…。
どうして!私が捜しているのはご家老と商人との間で取り交わされた闇証文。
ご主人様の正義を殿様の前で明らかにするため。
鼠の旦那どうか私の事は放っておいて下さいな。
ところで豊後屋の手代が浪人に金を渡してるところを見たという者がいる。
あんたはそれを知っていたのか?おう久助さん!あっこんにちは!こんにちは!全くいい商売じゃねえか!嫁入り前の娘の体いいようにしといて小遣いもらえんだからな!ヘヘッ!ヘヘヘヘヘヘヘヘヘ!痛っ!何しやがんだよ!てめえもう一遍言ってみろ!何だと!?・
(久助)てめえがあの小娘手なずけられるんだったらとっとと代わってやるよ!俺がどんなに苦労してあの店に潜り込んだと思ってるんだ。
半年かかってあの小娘口説き落としてようやく旦那に口利きさせたんだ!てめえにできるのか!?何でえ!あ〜分かってるよ!お前がいてこそだよ。
で…どうなんだ?例の金は。
7日後に大名家に納めた着物のお代が入る。
お〜っ!ヘヘヘヘヘッ!うるせえ!いよいよだな。
おう。

(物音)誰だ!?戻りました。
お里どこ行ってたんだい!?すいません。
その…お嬢様にお使いを頼まれまして。
お前がいない間にとんでもない事になったよ。
お嬢様が階段から足を滑らせて…。
えっ!?・こちらです。
(お里)旦那様!お嬢様は?大丈夫だ。
ケガは大した事ない。
(お里)そうですか。
よかった…。
よくないよ!お里どういう事なんだい?お峰のおなかの中に子どもがいたなんて!一体相手の男は誰なんだい?お前知ってるんだろ?お峰とずっと一緒にいたんだから知ってるんだろ?お里黙ってないではっきりお言い!お里!まあまあまあまあ落ち着けよ。
落ち着いてなんかいられますか!ちょっと…。
おい!あっ目が覚めました?先生!先生!・
(千草)はい。
どう?お峰さん気分は。
先生私…。
今はゆっくり寝て体を休めなきゃ。
何かを考えるのはそのあとでも遅くないわ。
先生…私もう子どもを産めない体になってしまったのでしょうか?そんな事ありませんよ!女の体はとっても丈夫にできてるんですから!ねえ先生。
そのとおりよ。
しっかり栄養とって元気にならなきゃね。
お豊ちゃんお峰さんにお食事の用意を。
はい。
ただいま。
安心して。
あの子は正しいわ。
(雷鳴)うわっ!もうなんて天気だよ!ヘヘヘヘヘヘヘ!ほらもう勘弁しとくれよ!店じまいだよ!おいもう一本つけてくんな。
はい帰った帰った!冷てえじゃねえか。
驚くなよ。
じきに俺んとこに大金が舞い込むんだ。
だったらどうしたんだよ?そしたらあんた俺の女にしてやってもいいんだぜ。
ふん!痛っ!バカにすんな!間に合ってるよ!ケッ!ふん!年増のくせにお高くとまりやがってよ!
(足音)うん?気が変わったのかい?ヘヘヘヘヘヘヘヘ!おっ!何だてめえかよ!よくここが分かったな。
ヘヘヘヘヘ!お前の声がでけえからだ。
はっ?でけえ声はどこにいてもよ〜く聞こえるんだよ。
お…おい…。
うわ〜っ!
(雷鳴)お前みてえのが一緒だといずれ足がつくんだ。
お前店の者に頼まれたのか?俺の事見張れってな。
誰の差し金だ?
(お里)いえ私は…。
ただお嬢様の事が気がかりで。
うりゃ〜!あっ!誰だ?お前。
うわ〜っ!クソ…。
大丈夫か?はい。
診療所で診て頂こう。
いえ。
あの男が見張っているかもしれません!お嬢様に危険が及びます!心配なんだなあのお嬢さんの事が。
あのお嬢さん「お里は来ないのか」と何度も先生に言っていたそうだ。
人を疑う事を知らない苦労知らずのお嬢様です。
手前勝手でさんざん振り回されましたが…何ででしょうかね…どうしても捨て置く事ができないんです。
あの男の裏を知ってしまった以上私がけりをつけなければなりません。
いや…この先俺に任せちゃくれねえか。
鼠の旦那…。
久助さん…。
ねえどうしてなの?どうしてお里は出ていってしまったの?あなたに何か言い残さなかった?いや…何も。
私たちお里を苦しめていたのね…。
えっ?私の体がこんな事になってきっとお里は責任を感じてしまったのよ。
母にもきつく責められたに違いないわ。
お里は何も悪くないのに…。
お嬢様お優しいんですね。
一介の使用人のお里にそこまで…。
父と母に本当の事を話すわ。
お嬢様それは…。
きっと今なら父も母も分かってくれるわ。
久助さん私と一緒にこの豊後屋をやってくれるわよね?そしたらお里もここに戻ってきてくれるような気がするのよ!待って下さい!えっ?あと2日…あと2日お待ち下さい。
それまでにきちんと旦那様にお話しする準備を整えますから。
でも…。
分かったわ…久助さん。
全く恩知らずな女だよ!よくこんな手紙一つで出ていけたもんだ!お前がきつく責めたからいづらくなったんだろ。
お峰といいお里といい全くろくな事ありゃしないよ!お父様私たちの事を認めて下さい!
(戸が開く音)おい行くぞ!
(2人)おう!
(お峰)久助さん!久助さん何をしているの?お峰…。
お母様…。
久助…お前なんて事を…。
お父様!そこに置け。
おいどういう事だ?分からねえ。
旦那様これっぽちなはずはねえだろう!これで全部だ!信じてくれ信じてくれ!あんたは女房子どもの命より金の方が大事なのか?お父様…。
大名家から支払われるはずのお代はどうした?あれは今日になってあと7日待ってくれって連絡があったんだ。
ホントだ!これで全部だ!信じてくれ!フフフフフッ。
まさかこんなはした金のためにね…。
この半年の苦労がバカみてえだ。
やめて!うりゃ〜!誰だ!?何言ってるんだ。
たった半年の苦労で済んでよかったじゃねえか。
(久助)何だ?貴様。
安心しろ。
お前はもう一生人の顔色うかがって苦労する事はねえ。
どうせ死罪になる身だ。
何!?黙れ!おい!お前ら何やってんだ!?文吉みてえになるのはごめんなんだよ!うっ…。
誰だ!?ニャ〜オ!何だ?猫よ!バカ!あら?何だかあんまり知られてないみたいね。
はあ…。
ニャ〜。
「川村」…。

(呼び子の音)お嬢様自分を甘やかす人間をいい人だと思ってはいけませんよ。
えっ?
(呼び子の音)急げ!こっちだ!はあ…。
動きやすいけど息苦しいのが玉にきずね。
次郎吉さん…。
この川底には3千両ほどが沈んでおります。
3千両…。
証文を捜すため目くらましに盗んだお金です。
私には必要のないもの。
託してもよろしいですか?これからあんたどうするつもりだ?いえ…何も考えておりません。
俺に一つだけ約束してくれないか。
これからは亡くなったご主人様のためではなく自分のために生きていくと。
これは…!あんたは猫になって夜の町を疾る必要はなかったんだ。
捜していたのはすぐ足元にあったんだからな。
豊後屋が裏金に手を染めていた…。
豊後屋がそんな事をしなければご主人様は切腹に追い込まれる事はなかった…。
私は…ご主人様の敵ともいえる家に身を置いていた…。
お里さんあんた…ご主人様に惚れていたのか?はい…。
そいつはやけるな…。
えっ?元気でな。
それをどうするかはあんた次第だ。
その証文が明るみになればご主人様の正義は明らかになる。
ただし豊後屋はただじゃ済まないだろうがな。

(戸に石が当たる音)・
(戸に石が当たる音)お里!今までどこに行ってたの?何があったの?あなたに話したい事が山ほどあるのよ!さあ中に入ってお里。
いえ…。
私はお嬢様にお別れを言いに来たのです。
この先私がいてはお嬢様のためにはなりません。
お嬢様はこれから豊後屋の跡取り娘としてしっかり店を継いでいかなくてはなりません。
旦那様や女将さんの力にならなくてはいけません。
お里…何を言ってるの?いいえ。
ちゃんとお分かりになっているはず。
大丈夫です。
お嬢様ならきっとやっていけます。
お里…。
今までお世話になりました。
さようなら。
お元気で。
ご主人様どうか怒らないで下さいね。
どうやら猫は鼠に惚れていたみたいです。
・兄さん!兄さん!兄さんちょっと!分かってるよ。
聞こえてるよ。
ねえこれ見た?「怪盗猫大手柄。
豊後屋の押し込み強盗を見事退治」ですって!鼠の事は全然書かれてないみたい。
ほら。
何よ!ふぬけになっちゃって!お里さんの事が心配なの?・
(猫の鳴き声)あっ猫!・
(猫の鳴き声)
(鳴き声)
(鳴き声)行っちゃった。
心配いらないな。
猫は逃げ足が速いと決まってるんだ。
小袖様を大奥へご奉公にお出し頂けないものかと思いまして…。
私が?その方を守るために妹を送り込みたいという事ですか?妹の敵を討つまでは幸せにはなれないと…。
誰かを斬れと言うのか?いつか死ぬような事にはならないかとね。
兄さんが捕まったらその時は私が殺す!・「傷を負った瞳そこに安らぎはないのか」・「涙のそばで生きるのか」・「ひとりで抱えながら」・「終わらない悲しみひととき忘れてみないか」・「その闇を切り裂いてやる」・「俺の胸で眠れ」・「千年恋慕咲き乱れよう」・「散りゆくとて悔いなどない」・「尽き果てるまでともに生きよう」・「あらがうほど運命は無情」・「ゆえに固く結ぶ絆」・「腕に抱いて交わす契りは」・「とこしえの愛」2014/02/06(木) 20:00〜20:43
NHK総合1・神戸
木曜時代劇 鼠(ねずみ)、江戸を疾(はし)る(5)「怪盗<猫>あらわる」[解][字]

鼠最大のライバル「怪盗・猫」登場!鼠よりもすばしこく、大店ばかりを狙う「怪盗・猫」の正体とは?そして鼠VS猫は対決するのか?江戸の闇をふたりの怪盗がはしる!

詳細情報
番組内容
鼠(ねずみ)最大のライバル「怪盗・猫」ついに登場! 鼠よりもすばしこく、鼠よりも華麗に、大だなから大金を奪う「怪盗・猫」の正体とは? 鼠VS猫は対決するのか? 江戸の闇をふたりの怪盗がはしる! ある夜、仕事帰りの鼠小僧(滝沢秀明)は、屋根の上で謎の黒装束の女(大政絢)と出会う。その女こそ、江戸を新たににぎわす「怪盗・猫」らしい。次郎吉はふとその首筋にほくろを見る。
出演者
【出演】滝沢秀明,忽那汐里,京本大我,片瀬那奈,