(テーマ音楽)私は600年前からここにいる。
私がいるかぎり町の自由と自治は守られる。
そう信じられてきた。
ドイツのブレーメン。
交通の要衝で古くから商人の町として栄えてきた。
町の中心にあるマルクト広場はかつての市場。
かくいうご案内役の私もここにいる。
私の名前はローラント。
中世イスラム勢力と勇敢に戦いその後英雄として伝説化された。
どうやら私の石像が世界遺産になったらしい。
私の後ろに見えるのは市庁舎。
15世紀初め私とほぼ同じ時期に造られ共に世界遺産に登録された。
600年たった今も現役で使われている市庁舎は世界でここだけ。
建設当時はヨーロッパ最大級の市庁舎だった。
そしてその後ブレーメンのシンボルとなった。
中をご覧いただこう。
大きなホールだが天井を支える柱は一本もない。
あのころとしては画期的な造りだ。
天井からぶら下がっているのは船。
海運業で富を築いたブレーメンらしい。
14世紀ブレーメンはほかの商業都市とハンザ同盟を結び自治を獲得した。
商人たちはここで町の決まりを自ら作った。
ところがそれまでが大変だったんだ。
8世紀時の国王がブレーメンをキリスト教布教の拠点としたため歴代の司教は絶大な力を握っていた。
それに対し13世紀自治を目指す商人たちが声を上げ始める。
すると司教は彼らが大切にしていた私の像に火を放ったのだ。
実は当時私は木造だったんだよ。
私は灰と化したが人々は黙ってはいなかった。
公文書館に当時の記録が残っている。
長い間行方不明になっていた古文書が見つかったんだ。
「1404年ブレーメン市民の代表者たちは話し合いの末石を材料に新たなローラント像を建て直すことにした」とある。
ブレーメンには良質な石がなかったため市民はお金を出し合って高価な石を買い私を造り直してくれた。
盾には私の言葉が刻まれている。
市民はこの言葉に自分たちの自治自由に対する熱い思いを改めて込めたのだろう。
それから500年余りたった1944年ブレーメンは第2次世界大戦の戦火の中にあった。
町は激しい爆撃にさらされ6割以上が破壊された。
そのころの私の様子だ。
えっ?見えない?実は私は市民が築いてくれたこのレンガの壁の中にいたんだ。
中には砂が詰められていた。
お陰で私は被害を免れることができたんだ。
市庁舎にも爆弾が落ちてきたが多くの市民が屋上に駆け上がり消火した。
こうして私の石像と市庁舎は奇跡的に生き残った。
そして市民の誇りとして今もここに建ち続けている。
2014/02/06(木) 16:50〜16:55
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ブレーメンの市庁舎とローラント像〜ドイツ〜」[字]
市民が守った誇り ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
市民が守った誇り ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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