日本の話芸 落語「友よ」 2014.02.22

必ず医師に相談して下さい。
対処法を誤ると痛みとつきあう期間が延びたり場合によっては悪化する事があります。
痛みを肩の構造を理解して痛みの3つを知ると。
タイプを知るという事がとても大切です。
ありがとうございました。

(テーマ音楽)
(出囃子)
(拍手)
(拍手)
(桂文枝)ありがとうございます。
私古希になりましてね。
(拍手)ありがとうございます。
小学生の頃はまさか自分が古希になるとは思わなかった。
(笑い)えらいもんですね〜。
年々年を重ねていくとまぁこうなるんでしょうけども古希なんていうのは自分でも考えられなかったです。
とにかく生まれて初めての経験ですから。
(笑い)「古希になったんやな〜」と。
であるお医者さんに聞きましたらこの古希からが男の人は特に大事だそうでございますね。
75が分かれ道やそうでございます。
75から男性はどんどん弱る人は弱っていくっていうか。
というのも平均寿命の関係で75辺りから男性の方は友達が減っていくらしいんです親しい友達が。
(笑い)そりゃさみしいです親しい友達が減っていくのはね。
ですからもうしゃあないから嫁はんに頼るようになる。
嫁はんのほうにしたら今までほったらかしにしといて急に「おいどこ行くねん?どこ行くねん?私も」言われてもねうっとうしいだけですから「もうほっといてぇな」てな事になると男は一人でどんどんどんどん寂しくなっていきますから70過ぎたらできるだけいろんな趣味を持っていろんなお友達を増やす。
それもできたら若いお友達を増やすほうが。
(笑い)年上のお友達は余計寂しくなっていきます。
(笑い)ですから75辺りになると親友というか友達は本当に大事にせないかんみたいでございますね。
「柳原。
いや〜ここの温泉はええ湯やな〜。
源泉かけ流し。
大阪からも近いしな。
いやお前とこの親父さんに初めてここへ連れてきてもうたんは今から何年前や?あれは仲間と一緒に47〜48年前?仲間とまた来たかったな〜。
ここの温泉はまたな料理がうまい」。
「石山。
お前このごろ医者からお酒止められてんのやて?昔はな風呂から上がったらもう浴びるほど飲んどったがな。
辛いやろな?飲みたいやろ?」。
「柳原。
ここの料理のええ所はな板さんのこの伝統っていうのかな必ず季節の花とか葉っぱとかあしろうてあるやろ?これがええがな」。
「石山。
話がかみ合うてないで」。
(笑い)「全然違う事言うてるがな。
こっちの話が聞こえてないのやろな〜。
75やからな〜」。
(笑い)「どっかこっか悪くなってな耳遠なったな〜。
なぁ石山。
石山〜」。
「ええ?何や?」。
「『何や?』やあらへん話がかみ合うてない言うてんねん。
お前耳遠なったな〜」。
「遠なった。
嫁はんからも言われるねん。
『テレビのボリュームが大きすぎる』いうて。
耳遠なった。
しかし人間の体自分でバランスをうまい事取ろうとしてんねんな」。
「うんそうか?」。
「耳遠なった代わりになトイレが近なった」。
(笑い)「ハハハお前ハハハ阿呆な事言うてんのやあらへんがな。
それどっちもあかんのんと違うんか?」。
「さぁ。
どっちもあかんねんけどもなこの間テレビで言うとったけども年取るとどっかこっか悪なってええ事あらへんがな。
そやけど気持ちを前向きに持つというのは大事らしいな。
それと笑うっていう事も大事らしい」。
「ああ〜そりゃ聞いた事ある」。
「それと笑わすいうのも大事や」。
「あ〜そう?」。
「ああ。
そや。
どう言うたら笑うやろうとそれを考えるやんか。
考えるとこれはもうやっぱりなぼけ防止にええらしい」。
「あ〜そうかな〜」。
「それで何やて?」。
「いやお前な風呂から上がったら浴びるほど酒飲んどったけど医者から止められてんのやろ?『さみしいやろな辛いやろな』言うてんねん」。
「辛いよ…。
飲みたいけどこればっかりはしゃあない。
このごろ食うのが楽しみでな。
もうこんな料理の初めから飯食うてるいうのは今まで考えられへんかった事やけどそやけど昔ほど食べられへんようなったな〜」。
「昔はよう食べてた」。
「食細なった。
そのかわり声太なった」。
(笑い)「何のこっちゃ分からんな〜」。
「そうやねん。
昔はトンカツが好きでな〜」。
「好きやったな〜」。
「そやけどなこのごろトンカツ見ても食いたいないう気持ちがないね。
食欲落ちたで。
そのかわり血圧上がった」。
(笑い)「あんな事ばっかり言うてんな」。
「だから悩んでる」。
「ええ?」。
「私さっきからなどうしようかな思て」。
「何を悩んでる?」。
「いやこのウニやねん」。
「ウニうまいで」。
「そりゃうまいのは分かってんねんけど俺医者から止められてんねんコレステロールが多いからいうてな。
そやけど食うで。
いやもうとにかくね温かい御飯にウニ載せて醤油をちょっとかけてガガ〜ッと。
これはもうパンパンになるまで食べたろ思て」。
「腹八分目のほうがええのんと違うんか?」。
「いや。
柳原そう思うやろ?ところがそうやないねん。
胃というのはなええかげんなもんでなそんな八分目八分目言うとったらどんどんどんどん胃はな小そうなっていくねんて。
終いにはな無くなるそうや」。
「無くならへんやろ」。
(笑い)「さぁ無くならへんけどもそうやからたまにはもう腹いっぱいパンパンに食うてなまだまだ働かないかんぞと思わせないかんらしいねん。
そやからちょっと悩んだけど食うで」。
「僕も悩んでんねん」。
「おや?柳原何悩んでんねん?」。
「いやこのマグロやけどな」。
「マグロがどないしたんや?」。
「いやトロ食いたいなと」。
「おうトロ食うたらええがな」。
「いや。
医者から止められてんねん」。
(笑い)「医者から止められてんの?」。
「ああ。
いや〜不整脈でな気付けな脳梗塞なったりするらしい。
そやから『運転はしないほうがいいでしょう』て運転控えてんのや」。
「あ〜そうか」。
「そやけどもな食べたいな〜やめにしようかな〜トロ…」。
「そんな事より柳原エエ〜ッお前気付けへんかったな〜。
今こうやった時に分かったわ」。
(笑い)「あっら〜きてますな〜。
頭のてっぺん頂がザビエル化してるで」。
(笑い)「何やねん?それザビエル化て」。
「てっぺん頂がカッパの皿みたいに」。
「言わんといて〜。
何か変なはげ方やろ?ここのてっぺん頂だけな手置くとな地肌の熱を感じるねん」。
(笑い)「嫁はん2年前に亡くなったやろ。
7つ年上や。
大体同じくらいかな思うとったらな嫁はんのほうが先亡くなられてな〜。
辛いで。
嫁はんがおった時は外で嫌な事があってもなちゃんと嫁はんが『そうかそうか』いろいろ聞いてくれて姉さん女房やからな〜。
ストレスたまらへんかったけども嫌な事あっても言う相手がおらへんやろストレスがたまるねん。
ストレスが一番毛に悪いらしいな」。
(笑い)「ウ〜ン薄うなった」。
「ええ?」「薄うなった」。
「でそれから?」。
「それからて?」。
「何か落ちは無いんか?」。
(笑い)「落ち?落ちなんかあらへん。
落語家やないねんから」。
「いや。
さっきから言うてるやろ。
面白う言わな。
相手を笑わせないかん。
笑わす事を考える事が脳の活性化につながるのやないか。
もう一遍ふり直すで」。
「ふり直すて…」。
(笑い)「漫才師みたいに言いないな」。
「大阪人はな2人揃たら漫才になると言われてんねんで。
おい。
薄なったな〜」。
「ウ〜ン薄なったやろ?薄なった」。
「いや。
そやから薄なったけどそのかわりにとかそういうふうに言わなあかんがな。
薄なったな〜」。
「薄なった。
そのかわりにこのごろなようけつまずくねん」。
「何を言うてる」。
(笑い)「全然面白い事も何ともないがな。
聞いてたやろ?耳遠なった代わりにトイレが近なった。
これやがな。
遠なった代わりに近なった。
反対の言葉言うたら面白いのやがな」。
「ちっちょっと待って。
『薄なった』と違て『減ったな〜』にしてくれる?」。
(笑い)「かなわんな〜いちいちそない指定されたら。
あ〜そう?『減ったな〜』?笑わせてくれる?笑わせる?うん。
ほなちょっとあの〜うつむいてるとこからマグロ見てるとこからやってくれる?」。
「かなわんな〜」。
「柳原。
お前髪の毛減ったな〜」。
「減ったやろ?そのかわり貯金が増えた」。
(笑い)「面白い事も何ともない」。
(笑い)「むかつくだけや」。
(笑い)「こっちは年金暮らしでキュ〜キュ〜いうてんねんで。
ハア〜ッ?増えた?アッハッよかったな〜。
そりゃ増えるやろな。
嫁はんのな生命保険が入ったんやろ?」。
「いや。
そない入った訳やないけどなあんなもん要らん」。
「要らん?」。
「そう。
いや。
そんなん欲しない。
嫁はんとはな贅沢せんでもええから一緒に暮らしたかった。
もっともっと嫁はんとな一緒にいたかったで」。
「本心?」。
(笑い)「本心やがな」。
「あ〜そう?いやお前の事羨ましい思とったんや〜。
『ゆっくりできるやろな〜。
自由やろな〜。
好きな事できるやろな〜』思とったんや。
あ〜そう?いや〜家なんかうるさいで〜。
同じ年やから遠慮がないのか知らんけどもほんま毎日何であないうるさいんかな思うぐらいいつも怒っとる。
『こうこうこうと違うの』言うて。
『うん。
そやな』『こうこうこうしてぇな〜』『うん。
すまんな』。
私『そやな』と『すまん』しか言うた事ないねんで」。
(笑い)「いや嫁はんおった時はな『うるさいな〜』思う時もあったで。
そやけどおらんようなってみいどれだけさみしいか。
嫁はんおらんようなったら初めて嫁はんのありがたみが分かるな。
というのは洗濯一つそうや」。
「洗濯?洗濯なんかお前するの?」。
「当たり前やがな。
誰がやってくれる?」。
「洗濯機があるやないかい」。
「洗濯機はあるけども洗濯物を入れないかん。
取り出さないかん。
干さないかん。
直さないかん。
畳まないかん。
しまわないかん。
大変やがな」。
(笑い)「それを『嫁はんやってきたんやな』思うとな。
それから掃除に炊事やろ?もう嫁はんおらんかったらいろんな事が大変。
携帯電話一つでも大変なんやから」。
「携帯電話の何が大変や?」。
「置いた所すぐ忘れんのや」。
(笑い)「で嫁はんおった時は『ちょっと携帯に電話してくれへんかな〜』。
『また〜』言いながらかけてくれんのや。
ほな『あっあったあった。
クッションの下にあったわ〜』。
この間2時間捜したがな」。
(笑い)「ええ?携帯を。
それやったらかけてきてくれたらええのに。
こっちからかけたるがな」。
「どないしてかけるのや?」。
(笑い)「どないしてかけるて携帯で」。
「そやからその携帯が無いのやがな」。
「家の電話でかけてこいよ」。
「家の電話はお前の電話番号はみんな携帯に入ってるから分からんがな」。
「書いとけよ〜」。
「書いた紙をどこへやったか分からへんのや」。
(笑い)「難儀やな〜」。
「嫁はんになもっと孝行しといたらよかったと思うで。
嫁はん『アラスカへ行きたい』言うた時あってな」。
「アラスカへ?」。
「そうやねん。
『オーロラが見たいから』ってな。
連れってってたらよかったけど寒い所私嫌いやろ?だから『そんなアラスカなんてホッキョクグマに見させといたらええがなオーロラなんか。
暖かいほう行こう』言うてグアムサイパンへ行ったんや。
さぁそれもそれなりに喜んでくれたで。
そやけど嫁はんのな言う事聞いたったらよかったな思て。
嫁はんアラスカより遠い所行ってしもて」。
(笑い)「嫁はんの事なこない話してから嫁はんの事が好きで好きでな」。
「本心?」。
(笑い)「本心やがな。
しかし誰が決めてんのやろな?」。
「ほんまにこの順番いうのはな分からんな〜。
いや〜私なんかな仲間のうちでも酒飲むやろ?煙草吸うやろ?一番早い思とったらこうして残った」。
「そやな〜。
みんな仲よかったからな〜。
高校2年生の時やで」。
「そうや」。
「いや〜先生がよかったな〜。
担任の先生が間瀬先生でギターがものすごいうもうて『ギター習いたい奴は放課後残れ。
教えたるから』言うて初め10人ぐらいおったけど1人減り2人減りになって5人になった時に先生が『お前らでバンド組んだらどうや?』言うてその当時流行ってたジャズバンドな。
『本格的にやるのやったら本格的に先生に教えてもらえ』。
ジャズピアニストの渡辺先生を紹介してもろてみんなで通うたな〜」。
「行ったな〜」。
「渡辺先生にみんなのパートとな教えてもろたがな。
決めてもろうてやで。
いろいろ先生に教わった。
ほら林はギターが一番うまかったからリードギターやそれでバンドリーダー」。
「林のギターはうまかったな〜」。
「原田は背も高いし声も良かったからボーカルや。
それから北村はサイドギター。
『石山お前は元気があるからドラムスやれ』。
僕がベースやねん。
ほいでバンドの名前も決めてくれたな〜。
ジャズのZを取って『ズー・ファイブ』」。
「そうやねん。
『お前らがおると動物園の中におるみたいやから』」。
(笑い)「『ズー・ファイブ』。
初めてみんなの前で演奏したのは高校3年生の時の学園祭やで」。
「そうや。
みんなびっくりしよったな〜。
それまで内緒にしとったから明くる日から学校の人気者やがな。
その時マネージャーやってくれたのが石山の嫁はん益代さんやがな。
ようやってくれたでマネージャーをな。
社会人になってからも結婚するまでやってくれた。
そのあとは僕が引き受けたけど」。
「そやな〜。
社会人になってからもみんなで集まってな〜。
月に1回ぐらいになったけどそれでも60近なったらみんなも暇になってきてしょっちゅうライブハウスに出たがな」。
「ほんまやな〜。
地方へ行った時は楽しかったな〜」。
「地方のうまい物食うてな〜。
それでもうず〜っと飲みながら喋って麻雀や朝まで二抜けでな2番目の者が抜けてようあんなんやったな〜。
しかし仲よかったな〜。
この5人がほんまに幸せやった。
ず〜っと続く思とったら62の時にな〜あいつが亡くなったんや。
サイドギターの北村が。
交通事故。
交通事故いうのは残酷やな。
パッとおらんようになるから」。
「そやな。
4人になったけどまぁ『サイドギターおらんでもなんとかやれるやろ』言うて『ズー・フォー』としてやっとったがな」。
「そうやねん。
『ズー・フォー』としてず〜っとやれる思とったら68歳の時に林がな」。
「あれは痛かったな。
バンドリーダーを失うたんはな」。
「癌や。
癌なって2年間でもうあいつは最後の最後までげっそり痩せて『もうしんどかったらやめとけや』言うたけど『いや。
弾いてる時は痛みを忘れるねん』言うてもう最後のほうは座ってやっとったやろ。
痛々しかったけどあいつがおらんようになってもう…。
それでも3人でやったのが『ズー・スリー』で」。
(笑い)「ボーカルの原田がおったからな。
その原田が去年おらんようなってな。
亡くなってな〜」。
「そうやな。
それでバンド解散や。
ドラムとベースだけではな」。
(笑い)「原田の最後覚えてる?」。
「覚えているよ。
三宮のライブハウスや」。
「そう。
歌歌うてな気分悪い言うて楽屋へ戻ってきてそのままになった。
最後の歌『イッツアシントゥテルアライ』『嘘は罪』や。
嘘みたいな話やで」。
・「ビーシュアーイッツトゥルーホエンユーセイアイラブユー」・「イッツアシントゥテルアライミリオンズオブハーツ」「もっとうまかったけどな〜」。
(笑い)
(拍手)「味味。
声が太なっとんねん。
やっぱりこの辺の筋肉も弱ってくるからな。
そやけど原田はええ声しとったな。
高い高音が良かった。
それがな『70過ぎてから高音が出るようになった』言うとったからな。
『マックザナイフ』良かったな〜」。
「良かったな」。
・「タタティッティ〜タタティッティ〜タンタンスタンタタンタタンタタン」「おいおい。
菜箸でその辺の物叩くなよおい」。
(笑い)「割れたらどないするねん」。
「いやいや。
加減してるから大丈夫やて」。
・「スタンスタンスタンスタン」「はいベース」。
・「ブンブンブンブンブンブンブン」。
「あっテーマミュージックからいこう。
『聖者が街にやってくる』。
テーマが流れたらみんなが『ワア〜ッ』言うて。
みんな知っとんねん。
気持ちよかったな」。
・「チャ〜ンチャチャ〜ンチャチャンチャンチャンチャンチャン」・「ジャンジャンスタタンスタタンスタタンタンタンスタタンカ〜ン」「あっ割れた」。
「わ…」。
(笑い)「刺身の皿を割るな」。
「大丈夫大丈夫。
大根のけんで隠しとくから」。
「隠してもあかんがな」。
(笑い)「おい。
そりゃそうと次の料理来るのが遅いな」。
「いや〜今日は混み合うてるからな」。
「おい。
次は何やねん?柳原」。
「ちょっと待ってや。
え〜次は陶板焼きやな。
こんな陶板焼き。
そこへサイコロステーキ神戸牛やねん」。
「神戸牛ええな〜」。
「そのあともう御飯と味噌汁は先にもろうてるからな。
あとデザートで終わりや」。
「あっそう」。
「お待たせ致しました。
どうもすみません。
混み合ってまして遅くなりました。
陶板焼きでございます。
ちょっと火をつけときますからね。
はい温かくすぐなりますからあんまり焼き過ぎないようによろしくどうぞ。
あとデザートをお持ちします〜」。
「元気やね。
60過ぎてるよあの人」。
(笑い)「いや〜女子というのは…。
未亡人トリオあの原田と北村と林のあの嫁はんの元気なこと。
家の嫁はんが…家の嫁はんがリーダー格やけどな『ちょっとおいしいイタリアンがある』言うたらそこへ行ったりやですぐ『パワースポットの神社がある』てパ〜ッと行って温泉なんか1泊2日で行きよんねんで〜」。
「あ〜そう?」。
「その度に喧嘩や。
さすがに海外旅行は行けへんけど3人が海外へ行ったら必ずメールしてきよんねん。
メールしてこんでもええのに。
このごろ写真もついてきよる。
この間香港から『香港で〜す。
おいしいで〜す』ペキンダックの前で3人がこないして。
ほな嫁はん見て『ええな〜ええな〜』。
終いにどない言うたと思う?『私も早いこと未亡人になりたい』言いよるの」。
(笑い)「未亡人ならしたらあかんで」。
「ならさへんよ絶対そんなもんは。
おい。
もうそろそろいけるで」。
「あ〜そやな」。
「肉はなあんまり焼き過ぎたらいかんのや。
これいいね。
肉は食うほうがええらしいな」。
「いや。
何かあんまり年取ったら肉食わんほうがええ…」。
「いや。
そやないねん。
長生きしてる人はみんな肉食ってるよ。
テレビでやっとった」。
「ようテレビ見てるな」。
「そうそう」。
(笑い)「もうええと思うのや。
塩でいこう塩で。
この塩で…。
うん。
うまい。
うん。
これぐらいねちょっと歯応えあるほうがええ。
シャブシャブの肉なんかあんなんあかん。
さしが多うてな。
このぐらい…うん。
ウ〜ン肉汁がこう…。
柳原。
噛んだ肉出すなよ」。
(笑い)「あかんねん。
もう顎だるうなってきてな」。
「それ辛抱が足らんのや。
顎弱なるぜ。
おい。
嫁はん何も言わへんかったか?」。
「いや嫁はんな長いこと噛んでると『何や山羊さんと一緒に食べてるみたい。
出したら〜』言うて手出してくれてそこへペッと出して捨ててくれよった」。
「ええ嫁はんやな〜。
姉さん女房やからな。
家なんか違うで。
ちょっと長いこと噛んどったら『うっとうしいな〜のみ込みいな』言う」。
(笑い)「この間死にかけたがな」。
(笑い)「大体お前姉さん女房と親父さんがな金持ちやったろう。
ぼんぼんや。
だからそういう辛抱が足らんしなで難しいコードでもバンド時代すぐそれ省いとったやろ?」。
「阿呆な事言いないな省いた…」。
「省いとったがな〜。
『面倒な事やめとこう』言うて」。
「いや。
違うがな。
それは石山お前がなリズムが速うなんねん。
そやから飛ばさなしゃあないがな」。
「いや。
そんな事あらへん」。
「言うとったでリーダーの林が。
『あいつは目立とう目立とうとするからかなわん』言うて」。
「いや。
それは原田が言うとったで。
お前『音外すから音取りにくい』」。
「誰が音外したんや?」。
「お前が外したんや」。
(笑い)「阿呆な…。
やめとこう。
親友やでたった一人の。
裏切らんと」。
「すまん。
いや肉の事言うたから悪かった。
柳原。
お前の出した肉頂くわ」。
(笑い)「ほんま?はいどうぞ」。
「どうぞ?」。
(笑い)「それよりバンドせえへん?」。
「ええっ?バンド?2人やで?『ズー・ツー』やで?頭痛いだけやがな」。
(笑い)「お前今日初めて面白い事言うたな」。
(笑い)「そやけどそんなもんドラムとギターだけで…。
ほな歌うの誰?」。
「歌うがな〜」。
「歌えるの?」。
「歌えるがな〜。
裕次郎の『嵐を呼ぶ男』いうのを。
昔見たやろ?学生時代。
マイクパッと取って手けがしとったから…」。
・「俺らはドラマーやくざなドラマー」・「俺らがおこれば嵐を呼ぶぜ」・「喧嘩代りにドラムを叩きゃ恋のうさもふっとぶぜ」「野郎、かかって来い!ジャブだ…ボディだ、ボディだ、パンチだ」「えゝい面倒だいこの辺でノックアウトだチャ〜ン」
(拍手)「柳原。
お前が倒れてどないするねん」。
(笑い)「どないした?こないして。
や…柳原。
あっギャグ?ギャグ?乗ったろやないかい。
ワンツースリー」。
(笑い)「お前不整脈で脳梗塞…。
あっ動かしちゃあかんのや。
ちょっと誰か救急車呼んで下さ〜い!」。
「柳原〜」。
「林か〜?林〜北村〜原田〜」。
「お〜いはよ来いはよ来いはよ来い」。
「おい。
何してんねん?みんな」。
「お前が来たら麻雀しよう思て待っとったんやがな」。
(笑い)「原田が来てからなあと1人来たら麻雀できる思てず〜っと座って待っとったんや麻雀台の前で」。
「ず〜っと座って?しびれ切れへんかったか?」。
「それが足が無いからしびれは切れへんわ」。
(笑い)「それでまたなこっち来てから麻雀やりやすい手になってんのやこないして」。
(笑い)「振ってくれ振ってくれ」。
「あ〜そうか?」。
「お〜お〜。
おう原田」。
「よ〜しよし負けへんで。
こんなもん。
本当にいつもな持っていかれるねん柳原に。
そや今度こそは…。
いやこいつはなもうトップ取ってしんどいな思うところから2番目になって休みよるねん。
かなわんで〜本当に。
さぁさぁいけよ」。
「ちょっと待ってや」。
「考える柳原すぐ考えるのや。
おい。
はよいけ」。
「ちょっと待ってや。
…。
こんなとこで考えたらやってる場合やないわ。
おい。
帰るわ」。
「おいちょっと帰るな。
おい。
原田北村止めてくれ止めてくれ」。
「こら〜離してくれ〜。
アア〜アア〜ッ」。
「おい柳原。
気が付いたか?」。
(笑い)「石山。
ここは?」。
「病院やがな」。
「病院?」。
「私が悪かったんや。
夢中になって歌うてなお前が倒れてるのが分からへんかった。
もっと早う気付いとったらよかったんやけど」。
「思い出したわ。
そや歌いだして目つぶって聴いとったら突然モヤモヤ〜とした所へ出てな歩いていったら林とな北村と原田が麻雀台を前に座っとって『麻雀しよう』言いよんねん」。
「あ〜そう?ふんふん。
それで麻雀しとった?」。
「いや。
『考えたらこんな所で麻雀するもんやない。
帰るわ』言うたらみんながこうしがみついて『帰るな。
おいおい。
高い所さみしい…』『え〜い離してくれ〜』みんなに言うて振り切って帰ってきたんや。
よかった〜。
向こうで麻雀しとったらあの世へ行ってるとこやったがな」。
「よう帰ってきてくれたな〜。
どない言うてみんなに言うて振り切って帰ってきたんや?」。
「『すぐに石山と代わるから』」。
(笑い)
(拍手)
(打ち出し太鼓)
(拍手)2014/02/22(土) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
日本の話芸 落語「友よ」[解][字][再]

数多くの創作落語を送り出す上方落語協会会長である六代桂文枝の「友よ」を楽しんでいただく。高校生のときにジャズバンドだった友人2人が、75歳になって考えることは…

詳細情報
番組内容
数多くの創作落語を送り出す上方落語協会会長、六代桂文枝の「友よ」を楽しんでいただく。高校からの友人だった石山武志と柳原智弘はどちらも75歳。もともとは5人でジャズバンドを組んでおり、ほかの3人は亡くなり、2人は互いにかけがえのない友達として過ごしていた。妻に先立たれて独り身の柳原と、子どもが独立して奥さんと2人暮らしの石山は、大阪近郊の温泉地に行って夕食を食べながら、いろいろと話しだすのだが…。
出演者
【出演】桂文枝,林家和女,桂米輔,桂米左,桂弥太郎,増岡恵美

ジャンル :
劇場/公演 – 落語・演芸

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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