グレーテルのかまど「“大統領の料理人”のサントノレ」 2014.03.07

つやつやのあめをまとった小さなシューと中央にはクリームがたっぷり。
このお菓子の名前はサントノレ。
初めて知ったという方も多いはず。
でもフランスでは誰にとってもなじみ深い伝統的なお菓子なんです。
あのミッテラン元大統領もこのお菓子のとりこになったそうで…。
映画…ある女性がミッテランのお抱え料理人として奮闘する物語です。
この中にサントノレが登場します。
官邸初の女性料理人が大統領のために最初に作ったデザート。
実は主人公のモデルとなった女性がいました。
サントノレは彼女にとって掛けがえのないスイーツでした。
大統領をも魅了したサントノレ。
今日はこのお菓子と共に次々と大きな壁を乗り越えてきた一人の女性の物語をひもときます。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
うれしい時悲しい時もうひとふんばりしたい時一口頬張ると何だか元気が湧いてくるのがスイーツ。
その一つ一つに思いがけない誕生のドラマやその味を愛してやまなかった人々の物語が秘められています。
そんな不思議なスイーツの物語を我が家のかまどで最高においしく焼き上げましょう。
ちょっとヘンゼル〜?何?ねえグレーテル心配じゃない?そうなんだよかまど。
見てよ。
何かね仕事の事で悩んでるみたいでさ岐路に立ってるんだって。
・「人生楽ありゃ苦もあるさ」まあね。
どうしたらいい…。
あっ!あのスイーツ作ってみたらどうかしら?大きなチャンスをものにした女性が作ったお菓子なんですよ。
ん〜?あっこれか!それです。
という事で今宵ひもとくのは“大統領の料理人”のサントノレ。
フランス映画「大統領の料理人」。
田舎町で小さな民宿レストランを営む女性が突然パリの大統領官邸に呼ばれます。
厳しい規律と料理人同士がしのぎを削る官邸の厨房で主人公の女性が任されたのは大統領の日常の食事を作る事。
多忙を極める大統領が彼女に求めたのは素朴な家庭の味でした。
祖母の味を望む大統領。
彼女が選んだデザートがサントノレでした。
あめがけの小さなシューが王冠のよう。
卵牛乳小麦粉バター砂糖。
シンプルな材料だけで華やかに見えるフランスならではの伝統の味。
このお菓子どのように愛されているのかしら?パリの日常に欠かせないパンとお菓子の店ブーランジェリーパティスリーをのぞいてみると…。
サントノレは日曜日にだけ作るのだそうです。
中心を飾るクリームにはバリエーションがあります。
この日は生クリームを飾りました。
カスタードにメレンゲを混ぜたシブーストクリームも定番です。
ボンジュール。
サントノレは日曜日の団らんに欠かせないお菓子。
フランスの人々に安らぎをもたらしてくれるものなんです。
ダニエルさんは多忙を極める大統領に懐かしい祖母の味でつかの間でもほっとする時間を届けたいと考えました。
彼女に目をつけ大統領の料理人に推薦したのがフレンチの巨匠…ダニエルさんは食後の皿を見て大統領が満足した事を実感しました。
サントノレの皿はきれいに空。
その後も定番のデザートとなりました。
サントノレはダニエルさんと大統領が心を通わせる事ができた特別なお菓子だったのです。
へえ〜。
女性で初めての大統領の料理人ってすごくない?すごいよ。
しかもさこのサントノレっていうお菓子自体俺初めて知ったもん。
あら初めて知ったの?うん。
フランスのお菓子興味あるでしょ?興味ありますよ。
じゃあ味わいのキメテどうぞ。
メメっていうのはフランスではおばあちゃんっていう意味なのね。
超多忙なミッテラン大統領も魅了した味よ。
グレも元気になる事…。
(2人)間違いなし!Yes!はいはいではではシュー生地を作りましょうよ。
鍋に牛乳と水とバターグラニュー糖も入れます。
塩も入れます。
塩。
それをね火にかけて。
おお一気に!はいいいです。
止めて下さ〜い。
そこに小麦粉を一気に。
一気に。
ゆっくりゆっくり混ぜてゆっくり混ぜて。
徐々に男らしさを出してきてもいいよ。
今日の髪形みたいに?はい。
大統領っぽいでしょ?大統領っぽくしてたんだ。
そうそう。
よっ大統領!
(笑い声)しっかり混ぜて下さい。
いちいち古いんだよな。
ハハハッ。
ではまずね20cmくらいの円を作っていきます。
はい。
これは一体何になんの?これね土台になんのね。
あんまりぴったりくっつけると膨らんだ時にね生地が押しつけ合うから…。
そうそう。
そうやって隙間空けた方がいいんですね。
でも空け過ぎると隙間が空いちゃうから。
微妙な加減がいります。
そこね空き過ぎ!え?ちょっとほら見て。
左の渦巻きくらいに5mm間隔に隙間を空けるとちょうどいいのよ。
そういう事か。
じゃあ残りの生地で3cmくらいの円を作って下さい。
3cm?このくらいか?丁寧に塗って下さい。
これ下にこぼれちゃ駄目だよね?うん。
もちろん。
さっさっさって感じだよね?罰点?罰点して下さい。
あっそうそうそう。
そういう事そういう事。
それねそうやって罰点つけとくと膨らむでしょ?シューが。
焼いた時に。
そしたら凸凹しなくていいの。
へえ〜。
そしたらそれで焼くんですけどもその前にオキテ!お願いします。
こんがりなんだ今回。
あのねフランス人のお好みでシューはしっとりじゃなくてカリッがいいのね。
小さなシューは180℃で30分。
大きなシューは途中でひっくり返して50分ですよ。
OK。
カリッと焼けろよ!フランス南西部に位置するペリゴール地方。
ここはトリュフやフォアグラの産地として名高いフランス屈指の食材の宝庫。
ここがダニエルさんの故郷です。
地元の食材が集まる朝市でダニエルさんを見つけました。
70歳を越えた今も現役。
家庭料理の講師として世界各国を回っています。
ふだんは地元の市場で新鮮な食材を調達します。
その見極め方がダニエルさん流。
いい食材は生産者の手と顔を見れば分かるんですって。
なるほど。
豊かな自然の中で育ったダニエルさんは19歳で結婚。
4人の子どもを育てます。
生活のために小さな民宿を始め週末にはフォアグラを使った料理教室も開きました。
郷土料理を学べる民宿は大きな話題となりダニエルさんの料理は評判に。
46歳で大統領の専属シェフに抜てきされるのです。
ダニエルさんの料理の先生は彼女の母親でした。
ダニエルさんが大統領のために作ったサントノレ。
それはお母さんが休日によく作ってくれたスイーツでした。
サントノレのレシピは母直伝。
地元の新鮮な材料で作るクリームがポイントです。
メメとはフランス語でおばあちゃん。
クリームは祖母から母そして孫へと伝わりました。
カスタードに卵白を泡立てたメレンゲを混ぜ合わせたフレッシュなクリーム。
砂糖は少なめ。
素材の持ち味を大事にしています。
濃厚なオレンジ色。
作りたてが最もおいしいメメクリームです。
土台にメメクリームをたっぷり載せて。
手作りのぬくもりを感じさせるダニエルさんのサントノレが出来上がりました。
この日近所に住む親戚たちが集まりました。
休日の午後サントノレを囲んで団らんのひとときです。
ダニエルさんのサントノレは食べると幸せになるフランスの家庭の味です。
あ〜。
休日の午後にみんなで食べるサントノレ。
幸せそうだね。
ねえ〜。
あのひとときホントにすてきな時間だね。
味わいたいな〜。
あ〜いい時間の過ごし方だな。
幸せを象徴するお菓子なんだねサントノレってね。
そうだね。
(オーブンの音)あっかまど!シューがそろそろ焼けたんじゃないかな?焼けたんじゃないかしら?よいしょ。
あっ大きいのはもう少しだね。
もう少し?でもねかまどこのちっちゃい方。
おお〜!見てほらいい感じにカリッカリ。
カリカリもっとカリカリもっともっとカリカリしちゃいたいから鍋に砂糖と水を入れてあめを作ります。
Yes!かまど。
あめがもうキラッキラしてるよこれ。
そうよこれ。
あめの食感もまたすごくいいんですよ。
ただホント慎重にね。
あめホントに熱いから。
危ないからね。
じゃあね次はクリーム作りいきます。
オキテどうぞ!はい!そうです。
今回はダニエルさんのメメクリームを目指します!OK。
メメクリームっていうのは決まったレシピがある訳じゃなくて家庭でねそれぞれメメの味っていうのがあります。
へえ〜。
それぞれの家庭で味が違ってくるって事ね。
そうです。
まず卵黄をほぐします。
はい。
そこに小麦粉を加えて。
はい。
さっくり。
粉気がなくなるまで?はい。
牛乳加えて混ぜて下さい。
焦げたらどうなる?駄目!焦げたらもう帰るからね。
帰る?かまどは帰るから。
どこに帰んのかまど。
世界の果て。
世界の果てに帰るから。
艶が出てきてぶくぶく沸騰してきたらいいんだけど。
はい。
それも見極めながらグルグルして。
そろそろいいかな?OK?じゃあ火止めて。
乾燥を防ぐためにぬれ布巾を掛ける。
OK。
いいんじゃないですか?よし!はいでは次!卵白に塩入れて。
メレンゲを作りますからね。
最初低速。
あとアッパーですね。
はい。
しっかり泡立てる〜!はいはいはいはい。
これがクリームをふんわりさせるのよ!はい!1すくいぐらいメレンゲを加えて下さい。
分かりました。
これ泡立て器でいいんだよね?はい。
泡立て器で混ぜて…。
こんな感じでいいのかな?OKで〜す。
そしてメレンゲの方に戻しましょう。
はい。
その余熱で卵白に火を通すの。
そのメレンゲにね。
混ぜ過ぎるとねもうふわふわ感がゼロになるので。
そこも見極めつつ。
じゃあ決めて頂こうかしら?という事でふわとろのメメクリーム完成です!ちょっと一息TeaBreak。
フランス伝統の味サントノレの今をご紹介〜!サントノレが生まれたのは今から170年ほど前の事。
一説にはパリのサントノレ通りの菓子店であるパティシエが考案したそうよ。
サントノレという名前は通りの名にちなんで名付けられたとか。
はたまたパンとお菓子の守護聖人サントノレに由来するともいわれています。
ともあれ今でもフランスのお菓子屋さんでは定番のスイーツ。
最近ではお一人様仕様が主流なんですって。
オホホッ。
パリの街角でこんな麗しいサントノレを見っけ!スミレが香る薄紫のサントノレよ。
スミレの砂糖漬けがちりばめられているんですって。
オホホホッ。
食べてみた〜い。
スタイリッシュなサントノレはパリから東京にも上陸。
季節ごとに装いを変えて登場するんだって!ボンジュール。
冬はパリジャンにも人気のショコラとユズのコラボ。
クールよね。
オホホホ…。
春にはバラの花びらをあしらったローズとフランボワーズが愛らしいわ。
初夏を彩るのはグリーンのピスタチオのクリームだって。
アラモード!歴史あるパリ生まれのお菓子サントノレは日々進化し洗練されていま〜す!マドモアゼ〜ル!こっからの作業はホントに手早くお願いします。
分かりました。
クリームが軟らかいうちに仕上げていかなきゃいけないから。
ミニシューの底に穴を開けて下さい。
OK。
クリームの口が入るぐらいの大きさまで。
こんな感じか。
ここに…。
素早くね。
クリームを…。
ギュギュギュギュギュッ。
じゃあそっからですよ。
それにあめをからめていきたいんですけど。
あめか〜。
底だけつけて下さいよ。
今ついてた?いやでももう怖いから…。
そして土台に。
周りに。
あめが接着剤の役割をします。
おお!こういう事か。
いや〜。
いけましたね。
はい。
じゃあ次いきますよ?はい。
その一つでスプーンの中のものをすくいまたすくい。
こういう事か。
そうそうそう。
それでこうオムレットみたいに形を整えていきます。
こんな感じ?そうですそうです。
いいねえ。
すごく上手上手。
中心に。
載せるよ!
(2人)おお〜!
(チャイム)あっ!姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り〜。
いいタイミングでホント。
ねえねえサントノレって知ってる?俺知らなかった。
素材の風味を生かしたメメクリームのサントノレ。
クリームのふわふわとあめをまとったシューのカリッとした絶妙の食感。
思わず笑顔がこぼれそう。
ダニエルさんは官邸の任務を終えたあとフランスの家庭料理のよさを知ってほしいと再び世界を駆け巡ります。
そして2000年。
60歳を目前に彼女が向かった先は…映画にも描かれた南極での日々。
極地で調査をする母国の隊員たちの賄いシェフを務めました。
南極最後の日。
仲間のために作ったスイーツはやっぱりメメクリームのサントノレ。
調査隊のメンバーたちはその味にふるさとの家族の姿を重ねました。
祖母と母の思い出のサントノレには人を和ませ勇気づける力があると信じるダニエルさん。
彼女の挑戦はこれからも続きます。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?ダニエルさんの人生のパートナーでもあったサントノレ。
彼女の人生のようにすごく魅力的なスイーツでした。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
じゃあちょっと失礼して。
よし!頂きま〜す!どうぞ〜。
いやこれは楽しみだわ。
頂きます!どうでしょうか?う〜ん。
このふわふわ感ねまず。
あんだけ苦労して作ったかいがありました。
すごくおいしい。
さくふわに仕上がってますか?ちょっとねこっちが多分…。
よし!頂きます。
(あめをかむ音)う〜ん!聞こえた?かまど。
聞こえた聞こえた。
このねあめのカリッと中のメメクリーム。
それすごいおいしそうな音がしてるわ。
いやグレ。
それで元気になったの?それ食べて。
かまど聞いてよ。
それがさもうけろっとしちゃってさ。
ちょっと「このままでいいの?私」とか言ってなかった?そうだよ。
何だったのあの発言は?何だったんだろうね。
もうサントノレを食べたら急に笑顔になっちゃってね。
サントノレ食べて笑顔になろ!強すぎるわホントに。
メンタルがね。
2014/03/07(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「“大統領の料理人”のサントノレ」[字][デ]

サントノレをご存じ?あめが覆った小さなシューが冠のように並び中央にフワフワのクリームがたっぷり!ミッテラン元大統領も魅了したお菓子と人生を共に歩んだ女性の物語。

詳細情報
番組内容
仏映画「大統領の料理人」(2012年)の主人公には実在のモデルがいた。当時ミッテラン大統領の専属料理人だったダニエル・デルプシュさん(71歳)である。官邸初の女性料理人は、保守的なしきたりや女性への偏見の中、大統領のためにフランスの“おふくろの味”を作り続けた。日常の家族の団らんに欠かせない菓子、サントノレ。ダニエルさんが大きな壁を乗りこえる度に身近にあったサントノレの魅力と彼女の生き方に迫る。
出演者
【出演】元仏大統領官邸料理人…ダニエル・デルプシュ,フランス料理シェフ…ジョエル・ロブション,瀬戸康史,【語り】キムラ緑子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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