その日学校は朝からピアノの音が鳴り響いていました。
(ピアノ)これまで聴いた事のないような音。
一体誰が弾いているんでしょう?それがその人との初めての出会いでした。
輝くような金髪。
猛烈な勢いでピアノを弾く人。
今回の先輩…
(拍手)
(松谷卓)ピアノっておっきい音鳴るでしょう?びっくりした?みんなもちょっと弾いてみたら?
(一同)ええ〜っ!作曲家松谷卓さんのメロディーはきっと誰でも知っています。
多くのテレビやドラマの音楽を担当。
その癒やしの世界に多くの人たちが魅了されました。
松谷さんの音楽の特徴は叙情的でありながら実は建築物のように一つ一つの音を計算して積み上げる作曲法。
今注目を集める作曲家です。
そんな松谷さんが母校でしたい事。
授業のテーマとは…。
できない!どんな音楽を…?リズムが分かんないし。
松谷流作曲の授業がいよいよ始まります。
教室が小さく感じる。
自分がおっきくなったからかな?実はねちょっと持ってきたんだけど機械なんだけれど…。
授業の前に実家に寄って物置から持ってきました。
みんなに見てもらおうかな。
それはシーケンサーと呼ばれる音楽を作るパソコン。
松谷さんが中学から高校時代に実際に使っていたものです。
音楽をやるためにある機械なのね。
太鼓もあるよ。
うそ!
(シーケンサー)いろいろな音が作れる魔法の箱です。
僕が子どもの頃に使っていたものなのよ。
実際にこれで曲を作ってたの。
(子どもたち)ええ〜っ!「論より証拠」。
即興で曲を作ります。
まずはベース。
…とかね。
(歓声)次はドラム。
次々と音を重ねていきます。
適当だからね。
すげえ!ええ〜!すごい!適当でそれはないだろ!この今やったドラムとかベースとかこの素材自体をみんなが自分で何か考えて作る事ができたらそれを組み合わせれば完全なオリジナルの作曲ができるようになる。
音を外に探しに行こうかと思っていて…。
今から行く?今から行くよ。
そんなに外に出るのがうれしいんだね。
いい?遊びに行くんじゃないからね。
ねえ?遊びに行くんじゃないからね。
そうそう。
音を外で探すって一体何をするんでしょうか。
じゅんやくんたちのグループの…ありがとうございま〜す。
ここで配られたのはなぜかスケッチブック。
初めの課題は音のスケッチ。
自然の中で聞こえる音。
その中から自分の好きな音を選びスケッチブックに写生していきます。
(木の皮を剥がす音)何だ?これ…書き方は自由。
感じるままに…。
よし!OK!音っていろいろあるんだね。
こっちの方が音がでかいと…。
音が響く。
(風の音)何か枯れ葉をね…。
すてきな音を捕まえたようです。
自分だけの音を見つけたら誰かに聞かせたくなります。
木の幹に耳を押し当てると…。
風があたって何か…。
これ普通の風の音なんだけど木に風がぶつかるとまた別の音が出る。
音を探しながら歩くと見慣れた町の風景も違ったものに見えてきます。
あっ!アメンボ!
(石をたたく音)タンタン…。
気が付くと松谷さんも何かの音に耳を澄ましていました。
子どもたちが歩いてる音もここを動いてる音も紙がめくれる音も鉛筆が転がる音もいっぱい聞こえるなあと思って…。
(鳥の鳴き声)あれもね。
この空間の音が懐かしいっていうか…。
地元の音なんだよなあこれ…。
この音のする町に生まれた松谷さん。
内気な性格で集合写真ではいつも端っこにいるそんな少年でした。
彼が好きだったのは自然の音。
重なり合う音の中からきれいな音好きな音を見つけメロディーを作る。
ふるさとの自然が松谷さんの音楽の原点でした。
自然の中で過ごした一日が間もなく終わります。
じゃあ草の音と木の音の違いというのはどうやったら表現できるかな?時間をかけて一人一人と話します。
何かの道具を使ってこの音を再現できる方法を考えてみようか。
見つけた音の表現方法が宿題です。
君面白い事書いてるじゃん。
何で?僕が聞きたい音はこれだな。
「ふうけいきらきら太陽とのいったい」。
これを音にしてよ。
ハハハ!「きらきら」とか「太陽の光」とかこれから川というものを感じさせる音。
川っていう…。
でもそれは…僕はこれを聞きたい。
すごくすてき。
キラキラとした川の情景。
音のないイメージを歌にする。
難しい宿題です。
さあみんな昨日の宿題出来たかな?出来た!メロディーみたいなフレーズを考えられた子っているかな?佑奈さんは川のイメージを歌にしてきたようです。
佑奈さんお願いします。
私は…。
はい。
いいよ大丈夫だよ。
ちゃんと宿題は出来ているのに言葉が出てきません。
ふう…。
大丈夫?どうした?どうした?大丈夫?緊張しちゃってる?どんな…言葉になってるの?うん?言葉にした。
これを歌にしてくれたの?「川の水面がキラキラ輝いている」。
じゃああとでこっそり教えて。
フフフ…。
何かでも…ちゃんと歌になったんだよね?じゃあそれはちょっと楽しみ。
きっと今恥ずかしいというのと自信がないんだよね?きっと…。
みんなの前で意見を言えない。
集団の中で自分を表現できない。
佑奈さんの姿に松谷さんは自分の少年時代を見ていました。
小学校は最も帰りたくない場所でした。
僕実は…今日来るまでこの学校の事ほとんど覚えてなかったです。
何がどこにあるって…。
どんなふうに小学校生活をしていたかほとんど覚えてないんです。
それだけ嫌だったと思うんですよね。
だから記憶から消しちゃったというか…。
嫌な事いっぱいあったと思うんですよ。
僕でもこの鉄棒とかはすごい好きで1人でよくやってたというのは覚えてるんです。
でも音楽の授業の事も覚えてないし…。
「今の子たち楽しく小学校生活できてるのかな?」って「みんなができてるのかな?」というのは知りたかった事でもあって…。
授業はいよいよ作曲活動に入ります。
グループごとにそれぞれが作ってきた音を重ねて1つの曲に仕上げるのです。
駿太くんのグループです。
駿太くんは木に耳をつけて聞こえた音を考えてきました。
すごいこれ…。
やっぱりこう聞こえるかも。
ちょっと聞かせて。
音のないアメンボの音?アメンボの音…。
作ってきた音を全員で一緒に鳴らしてみます。
(子どもたちが作った音)じゃあこれをどうやったらもっともっと音楽的になるかみんなで考えてみようか。
アメンボから入ってもいいしその音を加えていってもいいと思うのね。
こちらは佑奈さんのグループです。
まず佑奈ちゃんの歌に合わせて…。
まずは佑奈さんの歌を全員で聴いてみる事になりました。
いいよ。
・「川の水面がキラキラと」勇気を出して披露する。
佑奈さんが作詞作曲した初めての歌。
・「なっている」・「雨ではみれない景色がそこにある」でも今の歌いいと思うんだけど。
(子どもたち)・「景色」ああ〜!疲れた〜!・「そこにある」佑奈さんの歌に友達の音が重なります。
・「キラキラに見える」めっちゃ出来てるじゃん。
・「水面」これさ佑奈ちゃん君が作ってくれた歌みんなに教えられるかな?これ全員で歌おうよ。
嫌だ嫌だ嫌だよ。
無理無理無理…!松谷さんからの思わぬ提案でした。
ねえこれホントにやるの?まだ自信のない佑奈さん。
無理だよ絶対に!
(一同)・「川の水面がキラキラ」佑奈さんの歌がみんなの歌に。
みんなの音が1つの歌に。
・「なっている」・「雨ではみれない景色が」一方駿太くんのグループも音から音楽へ。
曲作りが進んでいました。
終わりが見えなくなってきた。
これが莉子さんが作った今やってくれたリズムが生まれた瞬間からもっともっと音楽になっていくと思うの。
最後にこの合奏がどんな音楽になっていったら面白いかな?じゃあどうやったら明るい感じになるかな?だんだん何か…それいいと思う。
すごく…。
自然の音に感じた明るさ伸びやかさ。
さまざまな音が重なり混じり合っていく。
(手拍子)手拍子のリズムが加わります。
音の重なりは音楽に変わっていきます。
最後の授業は作った曲の発表会です。
自然の音のスケッチからどんな音楽が出来上がったのでしょう。
駿太くんのグループは音楽室の四隅に全員が散らばって演奏を始めるようです。
自然のリズムは楽しい足音になりその足音はこだまして手拍子になっていきます。
(作った音と手拍子)
(手拍子)違った音リズムを奏でていた仲間はやがて1つの場所で出会い1つの音に溶け合います。
(手拍子)よくできました〜。
(拍手)最後は佑奈さんのグループです。
みんながいるんだよ。
佑奈さんの歌はみんなで作るみんなの歌です。
はいよくできました〜。
(拍手)なにかしらみんなにしか持っていないものがあってみんなにしか気付かない事があってそういう世界で1つだけの何かというものをみんな一人一人持っているのよ。
それを見失わないように耳を澄ましていろんな音を逃さないようにしたように感じててほしいの。
そして松谷さんと子どもたちのお別れの時間が来ました。
(「大改造!!劇的ビフォーアフター」のテーマ曲)おうちが出来ました。
(笑い声)ここにいた頃ここから出たいという欲がすごくいっぱい強くあったんですね。
…で東京に出れる意欲にもなったんですけどちゃんと帰化したいっていう欲が向こう行ったら出てきてたんですよ。
これもまた不思議で…何%か…まだきっと全部じゃないと思うんですけど帰ってこれてるんじゃないかなって感じがしました。
ありがとう!2014/03/07(金) 19:25〜19:48
NHKEテレ1大阪
課外授業 ようこそ先輩・選「音をスケッチ 音楽を作ろう〜作曲家 松谷卓〜」[解][字]
今回の先輩は作曲家・松谷卓さん。藤枝市の母校で作曲をテーマにした授業を行う。戸外に出て、自然の音に耳を澄ませ、その音の印象を写生することから授業は始まった。
詳細情報
番組内容
今回の先輩は作曲家・松谷卓さん。藤枝市立岡部小学校で、「絵や作文を書くように,曲を作ってみよう!」と作曲をテーマに授業を行う。戸外で、自然の音に耳を澄ませ、その音の印象を写生するように呼びかける。風、木々、水の音、みずすましの泳ぐ音。大好きな音を見つけたら,その音を工夫して再現することを考える。そうして音をつかまえてきた子どもたちは、お互いの音を重ねて自分たちだけの曲を作りあげていく。
出演者
【出演】作曲家…松谷卓,【語り】木村多江
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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