(三宅)前はホンマに危なっかしい道でしたわ。
車が無理にすれ違うもんやからもうしょっちゅう門やら塀にぶつかってしもうて…。
一方通行にしてもろてホンマやっと一安心ですわ。
(池永清美)お役に立ててよかったです。
しかし偉いもんでんな副署長さんちゅうのは…。
いやいや自分は道路管理者に話をしただけですから。
まあそれにしても暑いっすね。
毎日毎日…。
(三宅)どうぞこちらへ。
え?いやっ…。
あの…こちらへっていうのは。
おこしやす。
(三宅)いやまあまあ…。
(一同)いらっしゃいませ〜!これは…ちょっとあの…。
(田村理香子)副署長さんお待ちしてました〜。
(ナナ)渋い!そこら辺のオヤジとは格が違うわ!
(さやか)私一度おまわりさんとつきあってみたいんです。
こらこらおしゃべりはあとや。
ほらお酌してお酌!いやあの…自分はこういうのはですね…。
堅い事言わんでもよろしやないか。
これぐらいのお礼は当然でっしゃろ。
いや立場上接待を受けるわけには…。
(理香子)もう!フクちゃん超マジメ!フクちゃん?副署長だから「フクちゃん」。
かわいいでしょ?いやかわいいって…。
あ!何してる…やめろやめろストップストップ!
(携帯電話)あ電話なってる。
うわぁ!
(近藤時男)にぎやかですねぇ。
うらやましいですねぇ。
まさかご自分の立場を忘れて接待など…受けたりなど…!何を言っちゃってるんですかこの池永清美がそんな河原町署の名を汚すような真似をするわけないじゃないですか。
(頭をぶつける音)イテ!
(悲鳴)
(上田聡)え?体温計壊れてんじゃないの?
(検視官)そんなはずはありませんよ。
(平松純平)計り間違いって事は?
(梶原勇)お前らと一緒にすんな。
(藤原あきら)どうしたの?あっ署長。
何かもめてたようだけど。
(花村一彦)ええ…。
遺体の直腸温度が極端に低いらしいんです。
29度しかありませんでした。
えー外気温以下です。
頭部の傷死斑の出方が普通じゃないわね。
所見から凍死の可能性もあると思われます。
凍死?嘘だろ夕べも熱帯夜だった…。
(鑑識員)道路からここまで遺体をひきずった形跡がありました。
頭を殴られて気絶したあと極端に気温の低い場所に放置されたのかもしれません。
気温の低い場所…。
(平松)真夏の凍死体か…。
まるでホラーだ。
いかにも池さんが首突っ込みそうなヤマですね。
あの男の話はしない!余計暑苦しくなる。
(池永佳子)副署長交通課の勤務日誌チェックお願いします。
えー「花園北公園にて交通違反の取締り中ボヤ騒ぎに遭遇」原因は…公園の夏祭り?はい…マジックショーの演出の煙を近所の人が火事だと思ったらしくって。
うん…。
まっ勘違いで何よりだ。
はいご苦労さん。
ありがとうございます。
検視調書です。
はんこお願いします。
ガイシャは仁科秀夫。
死因は…凍死?やっぱり引っ掛かった…。
勤務先はマルキヨストア。
流通大手だな。
生産管理部部長…って事は店の冷凍庫にでも閉じ込められたか?
(上田)池さんはんこ!凍死って事は死亡推定時刻も出ねぇし厄介だなこりゃ。
(梶原)ガイシャは仁科秀夫。
京都市下京区在住。
妻とは5年前に離婚し一人暮らしでした。
(花村)交際相手らしき女の存在が浮かんでいます。
田村理香子職業はコンパニオン。
3か月ほど前東京から京都に来て特に身寄りもなく一人暮らし。
事件の数日前にも被害者に会っていたようです。
被害者の当日の行動は?
(平松)はい。
昨日は通常どおりに会社に出勤。
18時過ぎには「花園に行く」と言って会社を出ています。
(野沢健作)花園?
(平松)はい。
花園にはマルキヨストアの店舗があります。
犯行に使われたのはこの店の冷凍庫じゃないでしょうか。
すぐにその店舗に向かって。
令状が取れ次第鑑識作業を始めます。
(一同)はい!ただし今回の捜査は特に慎重に行う必要があると肝に銘じる事。
(野沢)先ほど府警本部から連絡があった。
マルキヨストアには商品の偽装表示の疑いがかかっているそうだ。
賞味期限の改ざんよ。
提携している冷凍食品業者に期限切れの商品を再パッケージさせたらしいの。
うわありがち…。
仮にそれが事実だとすれば事件の裏には偽装を巡るトラブルが存在する事も考えられる。
仕事関係とプライベート双方で聞き込みを徹底して。
(一同)はい。
しかしなんたるちーあだなぁ。
冷凍食品の偽装が疑われてる会社で社員が冷凍されちまうなんてな。
池さんそろそろ。
俺ら捜査に行かないと。
まあ待てっちゅうの。
あ…。
おいこれ見てみろよ。
カフスが2つとも取れてるぞ。
それは容疑者ともみ合った時に取れたんじゃないですか?1つはガイシャのポケットの中で見つかりました。
ああこれか?でももう1個はどこだ?
(平松)う〜ん…犯行現場…。
なんかにおうな。
例え容疑者ともめたとしてもだぞ2個同時に取れちまうってのはちょっと偶然が過ぎねえか?
(上田)ああストップストップ!ちょっと待ってください。
搬入は待ってください。
これから冷凍庫調べますから。
アホな事言うたらアカンわ。
この陽気やで外に出しといたらいっぺんに溶けてしまうがな。
早いとこ終わらせろや頼むで!邪魔や邪魔!池さんに捕まってたせいですよ。
このままじゃ証拠が…。
しょうがないだろ。
令状届かなきゃ動けないんだから。
ああ!この際ひと足先に調べましょうよ。
ん?勝手に鑑識動かすのか?だってどの道調べるんだから同じ事でしょ。
臨機応変って言葉あるじゃないですか。
おいおいちょっと待ちいな。
アカンて!おい!フクちゃん?ん?あーよかった!いなかったらどうしようかと思った!なんだあんたどうしてここへ?ねえ聞いてよ。
この人たちったらね私が仁科さんを殺したと思ってんの。
超失礼!さすが副署長お顔が広いようですな。
ところで彼女とガイシャどういう関係なんだよ。
それをこれから聞くんです。
何かあったらフクちゃん…助けてね!あっおいこら!ちょっと待て!あ〜ん助けて〜。
離れろっ。
ああ〜っ!彼女副署長の知り合い?ええどういう知り合いかは知りませんが。
(梶原)先月あなたは流通業界のパーティーにコンパニオンとして出席し仁科秀夫さんと知り合った。
(花村)その後彼と随分親しくしていたそうですね。
そうなのか?あれ?フクちゃんやきもちやいてんの?かわいい〜!あのなあこれは捜査なんだ。
マジメに答えろ。
(花村)仁科さんとあなたは男女の関係だったんじゃありませんか?
(理香子の笑い声)
(梶原)何がおかしいんです?そうなる前に死んじゃって…。
かわいそうだよね仁科さん。
(梶原)昨日の夜どちらにいらしたんです?仕事してたよ。
清水のホテルの宴会。
何時から何時まで?そんなの覚えてないよ。
っていうかこの部屋ムシムシする…。
んも〜化粧落ちちゃうじゃん。
これよーく見てくれ。
あ!現場の写真いつの間に…。
うるさいよ。
これは被害者のカフスボタンだ。
このブローチとそっくりだよね。
(梶原)確かに似てる。
これ被害者とお揃いで買ったものなんじゃありませんか?
(花村)彼とはやはり特別な関係だったんですね?うるさい!どうなんだ?正直に答えてくれ。
仁科さんとはなんでもなかった。
こんなのどこにだって売ってるじゃん。
ただの偶然だよ。
失礼します。
署長ちょっとよろしいでしょうか?今抗議の電話がありまして…。
マルキヨストアの海老沢社長からです。
なんて事してくれたの!
(2人)すいません。
令状を待つように言ったはずよ。
私の指示を無視して鑑識を動かすなんて…。
まあまあまあ…。
もうその辺で勘弁してやってくださいよ。
こいつらも証拠が消えちまうのを恐れたんだと思います。
菓子折りを持って自分が謝りに行って参ります。
あなたたち今夜ひと晩ゆっくり頭を冷やしなさい!でどういう知り合いなの?誰と誰がですか?あなたとコンパニオンよ。
あっえーそれはですね…。
あなたまさか自分の立場を利用して妙な接待受けたりしたんじゃないでしょうね?心外です!自分がそんな男に見えますか?職務への情熱で燃えたぎっているこの目をよ〜く見てください!やめて…。
はぁ〜胸焼けしそう。
勝った!この度は申し訳ありませんでした。
あのこれつまらないものですけれども…。
(海老沢健一)弁償はしてもらえるんでしょうね?弁償ですか?冷凍庫が使えず損害が生じた分の弁償です。
その件につきましてはですねあの…前向きに善処させていただきたいと思います。
きっちり請求させてもらいますよ。
たとえ相手が警察だろうとなんだろうと甘い顔をしていたら商売なんてやっていけませんからね。
ごもっともです。
マルキヨブランドの冷凍食品はたくさんのお客様のご支持を得ています。
在庫切れでお客様にご不便をおかけするのが何よりも心苦しい。
(鈴木豊)そう落ち込まずにさあ。
元気出しなよ。
マスターなんかさ1発こう景気のいい曲パッとかけてよね?了解!ほら飲め飲め!百癒で百回癒やされろ!池さんすいません。
なんだよ急に。
俺たちのせいで謝罪するような事になって。
いや言いだしっぺは俺です。
すいません!よせよ。
いいんだよもう。
(携帯電話)誰だ?これ。
はい!もしもし池永です。
フクちゃん?リカでーす!元気ー?お前なんで俺の携帯知ってるんだよ!?料亭のおじさんに聞いちゃいました!エヘヘッ今どこ〜?
(鈴木)気をつけて階段だから。
(理香子)大丈夫だから!あ!いたいたフクちゃん!お待たせしました!お前相当酔ってんだろ…。
ウフフこれからもっと酔うんだから!とりあえず座れ。
あねぇマスター!私のイメージに合うようなカクテルをお願いします。
カクテルめんどくせぇ…。
なんでもいいから適当に混ぜてくれ。
な?わりぃね!でなんだよ?そのスゲェ情報っつうのは。
ん?私そんな事言った?言っただろ?さっき電話で。
ダメだなフクちゃん…。
女の嘘ぐらい見抜けなくっちゃ。
嘘なのか?だってああでも言わなくちゃ会ってくれないと思ってさ。
勘弁してくれよもう…。
ねえねえ…事件どうなった?犯人捕まりそう?それを聞き出したかったのか。
だって私疑われたんだよ。
犯人見つかったら文句言ってやらなきゃ気がすまないじゃん。
悪いんだけどなそういう事件の情報は俺の耳には一切入ってこねぇ事になってるんだよ。
そうなの?んもう!フクちゃん役立たず〜!悪かったな役立たずで…。
あ!そうだせっかく来たんだからさちょっとあのおじさんたち盛り上げてやってくんねぇかな?やだ…なんか暗〜い…。
真っ暗だろ?ちょっとちょっとどうしたのよ?ほら!盛り上がっていこうよ!池さん…。
え?今の俺たちにこのテンションはキツイっす…。
あ〜んもう何言ってんのよ!パーッっといこうよパーッと!そうだ!あいにくそういう気分じゃないんでね。
コラッ!!何があったか知らないけど人生楽しまなきゃ損だよ!ほら乾杯!はいは〜いかんぱーい!かんぱ〜い!ちょっと待てそれロック…。
ああほらそんな飲み方するんじゃないよほら…。
いいじゃん!心配しないでよ私の事なんか。
(平松)しょんぼりしててもしょうがねぇか…。
そうっすね。
飲みますか。
お!そう嫌な事はお酒を飲んで忘れる。
はい!は〜いありがとうフクちゃ〜ん!は〜い改めてかんぱ〜い!乾杯!よし。
あ〜っ!ああ〜!池さんボトル!おうおうはいはい…。
「HEROヒーローになる時」
(一同)「それは今」「HERO引き裂かれた夜におまえを離しはしない」海老沢社長の昨夜のアリバイは?夜8時から10時まで業界の会合に出席していますが前後のアリバイはありません。
署長マルキヨストアの偽装が仮に事実だとすればガイシャはそれを内部告発しようとして殺された…とも考えられますね。
口封じってわけね。
確かにあり得るわ。
海老沢社長の指示で社員の誰かが手を下したのかもしれません。
また死因が凍死である以上プライベートの線はいったん外すべきかと…。
まずは犯行に使われた冷凍庫を特定すべきです。
あ〜もうしょうがねぇなしっかりしろ!しかしここはどこだ?どこだっていいじゃん!よくねぇよ。
ホントにお前んちこの辺なんだろうな?そうだよ!あっねぇうち泊まってく?泊まってくわけねぇだろ!送ったらすぐ帰るよ。
あ〜もう堅物〜つまんないよ!つまんないよ〜!つまんないよ〜!イテェなもう!しょうがない娘だなこりゃ…。
じゃ〜ん!到着!「到着!」って…。
そんなわけねぇだろ。
おい転ぶぞ!ただいま〜。
お母さ〜ん。
「お母さん」?それは木です。
こらっ!女の子だろお前なんて格好してんだよ。
おい!おい…?寝たよ…。
勘弁してくれよ。
寝るな!ウェイクアップ!もしも〜し?泣いてんのか?桜か…。
(ため息)
(藤原拓海)え?
(池永はるか)お父さん!?誰ですか?それ。
でかい声出すな!お前んちの母ちゃんに聞こえちゃうだろ!女の人連れ込むなんて最低!違うよこれにはな深〜い事情があるんだよ。
聞きたくない!だからでかい声を出すな!大丈夫です大丈夫ですまだ帰ってきてないんで。
なんだお前それ早く言えよ。
うわー!帰ってきた!ええっ?うわ!なんとかしろ!なんとかしろ!ちょっと…!「HERO」歌うな!歌うな!拓海?何騒いでんの?
(拓海)なんでもないよ。
文化祭の打ち合わせ。
(はるか)そうなんです!私たち実行委員なんで。
(拓海)そうそうそう…。
何か隠してない?
(拓海)いやいや…。
ええ?ええっ?怪しい…。
(はるか)なんにも怪しくないです。
お兄ちゃん!誰?それ。
静かにしろ!はい!コンパニオンのリカです!閉めろ!ドア閉めてこい!「HEROヒーローになる時」歌うな!ん?なんなの?あの声。
(はるか)佳子ちゃんが酔っ払って歌ってるんです。
(拓海)そうそうそうあの人かなり酔っ払ってたから…。
呆れたわ…。
警察官としての自覚がなさすぎ!なんか今嫌な感じしたんだけど。
ぬれぎぬ着せられたような…。
気のせいだよ。
オエーッ。
おい!大変…!トイレ…!トイレあっち!おぉ目ぇ覚めたか?頭痛い…。
当たりめえだ!昨日はごめんね。
謝るんだったら俺にじゃなくて自分の体に謝れ。
ほれ。
ありがとう。
これ誰?うん?あぁ女房だよ。
6年前に死んじゃったんだけどな。
美人だねぇ。
まぁな。
ま私ほどじゃないけどね〜。
ハハハハッ。
でもさほっといてくれてもよかったのに。
えぇ?私の事なんて。
桜の木に抱きついて寝ちまった女をほっぽっとけるか!あの木ね私の両親の思い出の場所なんだ。
(理香子)京都旅行した時お母さんが話してくれたの。
お父さんとあの木の下で出会ったのよって。
へぇ〜いい話じゃねえか。
でもバカなんだよね私のお母さん。
バカ!?私を妊娠したとたんお父さんに捨てられて1人で東京に出て私を産んだの。
それからずっと2年前に病気で死んじゃうまでまったく他の男とつきあわなかった。
最後まで自分を捨てた男を思い続けて…。
(理香子)ホーントバカ。
母親の事をそんなふうに言うんじゃないよ!死ぬほど惚れた男の娘を女手ひとつで立派に育て上げたんだろ?スゲェお母さんじゃないか。
俺は尊敬するね。
それになお前なんか誤解してるかもしれねえぞ。
誤解?男と女の間ってのは特別なんだよ。
当人以外真実なんて誰にもわかりゃしねえんだ。
子供でも?あぁ子供でもだ。
うわーっやばいやばい!寝坊した!朝っぱらからうるさいお前らは!
(佳子・はるか)ご飯ご飯!そのくらい自分でつげもう!あのごめんなさい昨日は…。
いいのいいの気にしないで。
これからもお父さんよろしくね。
何言ってんだお前は!早くご飯!早く!味噌汁も!いっぺんに2つも3つも出来るか!
(はるか)梅干し取って梅干し!お前も一緒に食え!ほら梅干しだ!早く食えっ!
(店員)なんですか!?今からこの店の冷凍庫を調べる。
関係者以外は外へ!
(店員)ちょっとすいません!ちょっとなんですかちょっと!冷凍庫は2階だ!
(一同)はい!警察が各支店で一斉捜査を始めました。
(平松)ここもダメだったのか。
いくぞ。
(一同)はい!わかったわ次は九条店に向かって。
伏見店も違った?これで全滅…。
で結局全店舗空振りだったわけか。
えぇ容疑者はさっさと証拠隠滅したのかもしれないな。
あるいははなっから冷凍庫なんか使わなかったかだな。
へっ?冷凍庫使わずに凍死させたっていうんですか?でもどうやって?それを今考え中なんじゃないの。
ハァ…手品でも使ったのかなぁ。
なめとんのか!ウッ!手品?マジックショーの演出の煙を近所の人が火事だと思ったらしくって。
あの日花園北公園では夏祭りが行われてたんだ。
なんすか?突然。
近所の主婦がなそこでやってたマジックショーの煙をボヤと勘違いして通報してきてんだよ。
それが何か?すぐ隣はマルキヨストアだ。
演出に煙が使われてたっちゅう事は…。
あそうだ思い出した桜の木だ。
あぁ?何が?池さんガイシャのカフスボタンがどうこうって言ってたでしょ?あれ鑑識で調べてもらったら材質は桜の木でした。
桜の木…?
(理香子)ごめんね急に呼び出して。
お別れってどういう意味だ?私東京に帰る事にしたの。
明日の新幹線で。
明日?また随分急だな。
いつかまた一緒に飲もうね。
君が京都に来たのは父親を捜すためだったんだろ?でももうその必要がなくなったから東京に戻る。
違うか?何言ってんの?殺された仁科秀夫さんのカフスボタンあれ桜の木で作ったもんだったんだ。
そのブローチも同じ桜から作られたもんなんじゃないのか?君のご両親の思い出の木から。
さすがだねフクちゃん。
私のお母さんの名前ね桜子っていったんだ。
だからほらこれ桜の模様。
手作りだったのか?おっかさんの。
あの桜の木ね昔春一番が吹いて枝が折れちゃったんだって。
お母さんその枝を使って小物を作ったの。
1つはブローチ。
そしてもう1つはカフスボタン。
それを仁科さんが持ってた。
そう。
あの人が私のお父さん。
お母さんが死んだあと1冊のファイルを見つけたの。
(理香子の声)新聞の経済面の切り抜きばっかりを集めたファイル。
しかも全部マルキヨストアに関する記事だった。
それを見た時気がついたんだ。
私の父親はマルキヨストアの関係者に違いないって。
正体を突き止めて一発殴ってやりたかった。
そして京都に出てきてパーティーで仁科さんに出会ったわけだ。
(理香子の声)京都出身って言ってたし歳の計算も合うし。
問い詰めたのか?彼を。
ちょっとカマをかけてみただけ。
(仁科秀夫)父親?私のお父さんマルキヨストアの関係者らしいんです。
一度も会った事はないんですけど。
(理香子)ブローチについて話したら驚いた顔してた。
今度会った時ちゃんと問い詰めようって思ってたんだけど…。
それより早くあの事件が起きちまったわけか。
写真見てはっきりわかった。
やっぱりあの人が私のお父さんだったって。
だからあの夜様子が変だったんだ。
悪かったな遺体の写真なんか見せたりして。
私ねホントはフクちゃんがよかった。
えぇ?私のお父さんがフクちゃんみたいな人だったらよかった。
じゃあね。
「父は今年二月で六十五」「顔のシワはふえてゆくばかり」また親殺しかぁ。
少年が父親を撲殺だって。
時々あるよねこういうの。
親への愛と憎しみは紙一重なのかなぁ。
その紙が何かの拍子で裏返っちまう。
(平松)池さん!おう!俺ら名誉挽回です!出たか?花園北公園から。
池さんの言ってたとおりです。
あの夜公園には多量のドライアイスが置いてあったんです。
やっぱりそうか。
(上田の声)ずさんな業者でマジックショーで使った残りをプラスチックのゴミ箱に捨てて帰ったそうです。
(平松)おいドライアイスだ。
つまりあの夜マルキヨストアの隣の公園には即席の冷凍庫があったってわけだ。
(上田の声)被害者はきっとその中で凍死したんです。
容疑者と会っていた場所は店じゃなく公園だったんです!容疑者はマルキヨストアとは関係ない人物かもしれませんね。
府警本部から連絡です。
マルキヨストア強制捜査が決定しました。
偽装の証拠が出たの?業者が口を割ったそうです。
仁科秀夫に指示されたと。
なんですって!?
(平松)これマルキヨストアの社内報です。
提携している冷凍食品会社なんですがここの社員が証言したそうです。
って事はだつまり内部告発者が殺されたんじゃなくて偽装工作を指示した側の人間が殺されたって事だろ?
(上田)とにかく海老沢社長を聴取する事になりましたから。
(平松)引き続き田村理香子の取り調べも行うそうです。
何ぃ!?
(平松・上田)しーっ!
(上田)じゃ俺らこれから本社に向かいますから。
上田!おいひら!ちょっと待った!あ〜暑い…。
わっびっくりした!さぁ始めましょう。
決裁に待ったなし!
(パトカーのサイレン)
(平松)材質は桜の木でした。
(理香子の声)お母さんその枝を使って小物を作ったの。
(理香子の声)だからほらこれ桜の模様。
(池永の声)カフスが2つとも取れてるぞ。
(理香子の声)私の父親はマルキヨストアの関係者に違いないって。
見えた…!俺の我慢もここまでだ!まことにやっかいでしょうがよろしくどう…あっ…。
えー副署長そうきましたか…。
副署…しょしょしょ…!あぁどうもすいません突然お呼びたてして。
仁科秀夫さんの事件でどうしてもお伺いしたい事があったもんですから。
なぜわざわざこんな場所で?その前にこの写真を見てもらえますか?仁科さんのポケットに入っていたカフスボタンです。
自分は初め当然これは仁科さんのものだと思ってました。
でも違ったんです。
これは犯人のものだったんです。
犯人が仁科さんともみあった弾みに犯人の袖から取れて仁科さんのポケットに入ったものだったんです。
遺体の頭部には打撲傷がありました。
おそらく仁科さんは頭を打って気絶したんです。
ところが犯人は仁科さんが死んだと思い込んで一時的に隠そうとしてゴミ箱の中に入れたんです。
ゴミ箱の中にはマジックショーで使われたドライアイスの残りが大量に捨てられてました。
仁科さんはその中で気絶したまま凍死したんです。
なぜ私にそんな話をするんです?あなたの会社の社報です。
このカフスボタンこれと同じものですよね?海老沢社長仁科秀夫さんを殺したのはあなただ!あの夜会議に出席しなければいけなかったあなたは仁科さんをゴミ箱の中に残したまま現場を立ち去った。
そして深夜公園に戻り遺体を運び出して空き地に捨てた。
しかし遺体を捨てる際あなたは自分のカフスボタンが1つなくなってるのに気づいた。
それを警察が発見すればそこから自分が割り出されてしまうかもしれない。
そう考えたあなたはとっさにカフスボタンを仁科さんのものに見せかけようとした。
だからあなたは遺体のカフスボタンを2つとも持ち去った。
違いますか?気づいてしまったんです。
彼が独断で偽装工作を指示していた事を。
弁解するつもりはありません。
行きましょう。
どうしてですか!あなたどうして今まで自首しなかったんですか?それはある女性のためなんじゃありませんか?あなたは彼女に気づかせたくなかったんだ!何をおっしゃってるんだか私にはわかりません。
カフスボタンにはもう1つ真実が隠されてるんでしょう?事件に関係ない事まで答える義務はありません。
いやあなたには義務がある。
なぜならこの木彫りの桜にはあなただけのものじゃない深い絆が秘められてるからです。
その絆がある限りあなただけの問題じゃないはずです。
仁科さんはその事に気づいてしまったんですね?ある女が私に近づいてきましてね随分センチメンタルな話聞かされました。
顔も知らない父親を捜している。
その男はマルキヨストアの関係者だと。
手がかりは桜の木彫りだけだそうです。
社長ご愛用のそのカフスボタン木彫りじゃありませんか?経営者に隠し子か…。
「主婦の味方」が合い言葉のスーパーにとんだスキャンダルですねぇ。
まお互い相手の汚点は黙ってる事にしませんか?
(仁科)フフフフ…。
(仁科)ウッ!ウアッ…!
(ぶつかる音)娘の存在は汚点なんかじゃない。
(海老沢)あの日春一番が吹かなければこの桜の枝が折れなければ…。
(海老沢)30年前彼女は折れた桜の枝を見つめていた。
枝を持ち帰り木彫りの小物を作るんだと彼女は笑った。
自分の手でもう一度命を与えてやりたいと。
(海老沢の声)恋人同士だったのはたった2年間だった。
(海老沢)ある日突然桜子は私の前から姿を消しました。
祖父が創業したマルキヨストアは父の代で傾きました。
父は私を地元の有力議員の娘と結婚させ経営再建の後ろ盾を得ようと考えていたんです。
それで桜子さんは…。
私はなんにも知らず桜子を恨みさえしました。
そのあと私は自分なりに妻を大事にして家庭を守ってきたつもりです。
だが妻はやがて私のもとを去っていった。
(海老沢の声)結局私は誰も幸せに出来ない男なんです。
そう思い知ったあとはひたすら仕事一辺倒の日々を過ごしてきました。
そんなあなたの前にある日1人の女性が現れたんですね?
(海老沢の声)えぇひと目で桜子の娘だとわかりました。
(海老沢の声)あのブローチが教えてくれたんです。
理香子さんは自分の父親が母親の事を愛していなかったって思い込んでます。
そのせいなんでしょう彼女にはどこか投げやりなところがあるんですよ。
自分自身を大切にする事が出来ないそんな一面があるんです。
彼女を変えられるのはあなたしかいません。
彼女の心の奥の底にすんでいる本当の父親であるあなたしかいないんです。
私には父親の資格などありません!ボタンの事はどうか公表しないでほしい。
娘に知られたくないんですよ!父親が殺人犯だなんて…。
私は彼女の母親を不幸にした。
娘だけは…不幸になってほしくない。
そうでしょうか?なぜこんな真似を…。
あなたになんの権利があるんだ!君のお母さんは不幸だったか?1人の男を死ぬまで思い続けた。
結ばれないながらもその男への愛を失わずに生き抜いた!そんなお母さんの人生を君は不幸だったと思うか!?不幸なんかじゃない!お母さんはずっと幸せだったよ!お母さん…亡くなったのか?はい。
(嗚咽)すまない!ボタン持ってますよね?なくさなかった方のボタン。
これもう1つと一緒にしてあげて。
2つで1つだから。
わかった。
その代わりこれを持っていてください。
やっぱり行くのか?東京。
(理香子)お母さんのお墓にいろいろ報告したいから。
これだけは覚えとけよ。
お前さんはご両親が愛し合って生まれた子供だ。
心配しないで。
私の父親捜しは本当にこれで終わったから。
あとはもう東京でもどこでも同じ空の下でしょ?私ね…。
うん?フクちゃんに出会えてよかった。
バーカ。
(理香子)照れるなよフフッ。
理香子さんってさお兄ちゃんの事好きだったんじゃないかな。
ヘッそんなんじゃねえよ。
だって幸せそうだったもんお兄ちゃんの背中で。
あの子はな俺の中に父親を見てたんだよ。
まぁファザコンの心理ってやつだな。
えぇ?それだけかなぁ?あ〜ら嫌な偶然。
おーっこれはこれは署長!ハ〜ッ気絶するほど悩ましい!僕まで無理矢理着せられちゃって。
おっバカボン!あ痛!いいじゃん似合ってるよ。
あなたも制服より似合ってんじゃないの?あそうですか?今度から浴衣で仕事したら?またまたご冗談を。
自分は制服命の男ですぜ。
あぁそう。
じゃあ勤務時間内に制服脱いだら罰金。
あなたは酔っ払って歌ったら罰金。
は?いや署長!じゃ署長は怒ったら罰金。
なんですって!?ほら怒った!せーの!
(一同)罰金罰金罰金!コラーッ!アイタタッ!2014/02/21(金) 15:55〜16:50
ABCテレビ1
その男、副署長2[再][字]
「京の桜がつなぐ絆…真夏の凍死体の謎!!」
詳細情報
◇番組内容
船越英一郎主演▽本格派“副署長”ミステリー第2弾。捜査を禁じられた所轄署の副署長・池永清美。彼が制服を脱ぎ捨てたとき、難事件は解決する!
◇出演者
船越英一郎、田中美里、本田博太郎、萬田久子 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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