タクシードライバーの推理日誌 2014.03.21

(夜明日出夫)芝田さんですよね?
(芝田)そう。
待ってたわよ。
迎車ありがとうございます。
見て。
これがあたしの旦那。
あぁ〜これからあたしたちの新しい人生が始まるのね。
婚姻届出されたんですね。
おめでとうございます。
え?離婚届出したのよ。
え?いや悪い人じゃなかったのよ。
でも稼ぎがいまいちだし価値観は合わないし第一ほら見た目がこれ。
美人のあたしとじゃ釣り合わないでしょ。
見た目ですか?うん。
大きいわよルックスは。
さっこの人と別れて新しい恋に向かってスタートするわ。
旦那と絨毯は新しいほうがいいなんて。
あはは…。
ありがとうございます。
この5円ご祝儀。
運転手さんにもいいご縁がありますように。
うふふ…。
今時ご祝儀5円ですか…。
(芝田)遠慮しなくていいから!
(橋本係長)「1646応答願います」はい。
1646どうぞ。
夜明さんまた夜明さんに迎車が入ってるんですけどもねいいですかね?お疲れですかね?もちろんです!どちらでしょう?ああよかったよかった。
あのですね警視庁の神谷警部からの依頼なんですけれども…。
神谷?場所は?
(橋本)「それがね栃木刑務所なんですよ」栃木刑務所?了解。
市川志穂さんですよね?
(市川志穂)ええ。
警視庁の神谷警部の依頼でお迎えに来ました。
神谷さんに?はい。
お望みのところにお送りするようにと…。
そんな事して頂けません。
いやほんとご遠慮なく。
どうぞ。
私がどんな罪を犯したかお聞きにならないんですか?もう罪は償われたんですから。
運転手さんは人を殺したいと思うほど憎んだ事がありますか?こんな仕事してますと腹の立つ事ありますけど人憎んだりしません。
人憎むと人相悪くなるし体にもよくないでしょ。
空が広い。

(嗚咽)
(嗚咽)可愛い人形ですね。
貸し金庫に預けてあったんです。
弟が大切にしてた人形で…。
母の手作りなんですよ。
髪の毛は母のものです。
どちらに行きましょうか?
(店員)いらっしゃいませ。
ありがとうございます。
ここ部屋が清潔で料金手頃です。
ご親切心に染みました。
ありがとうございます。
あっ料金は神谷警部に頂く事になってます。
じゃあ甘えさせてもらいます。
でも…神谷さんとは二度と会うつもりはありません。
そうお伝えください。
再出発です。
ゆっくりお休みください。
おう神谷。
彼女元気そうだったよ。
でも二度とお前とは会いたくないって。
(神谷警部)私も会う気はありません。
刑を終えたのに事件の担当刑事の顔なんか見たくもないでしょうから。
そうだよな。
しかし彼女の事件の捜査には正直悔いが残ってるんです。
会って確かめたい事もあるし…。
お前またあの事件蒸し返そうっての?いやですから…。
はっきりしないやつだな。
あら?取り調べの最中に彼女に特殊な感情を抱いたってあれ?そんなんじゃありませんよ!
(携帯電話)はい神谷。
…ん?わかったすぐ行く。
世田谷西署管内で殺しです。
今の話の続きはまた…。
オーケーオーケー…。
送る送る。
ああいやいや…。
送るって。
送るって。
いいいいですよ。
仕事だから俺。
送りますよ。
送るって。
はい毎度ありー!
(東山秀作)どうされたんですか?お二人お揃いで。
なんか問題ある?いえ…あっ警部。
被害者は竹村祐一さん44歳。
こちらが第一発見者でSF作家の大島…。
(大島和樹)刑事さん!大島和樹さん…でしたよね?警部お知り合いなんですか?その話はあとだ。
殺しに間違いないのか?階段上に複数のゲソ痕が残っていますから恐らく突き落とされたんではないかと。
被害者とのご関係は?祐一さんには僕のマネジャーをしてもらってました。
今日サイン会があるので朝電話しても出なくて来てみたらこんな事に…。
(陣内はるか)先生!祐一さん…どうして!?警視庁の東山といいます。
おたくは…?大島先生の担当をしている陣内です。
陣内さん…出版社の方ですか。
(馬場幸男)警部補殿!はい!こんなものが落ちてました。
(国代義明)なんなんですかね?これ。
馬場さん警察犬じゃないんですから。
古いもののようですね。
すみませんもう行かないと。
サイン会の時間が迫ってるんです。
また詳しいお話お伺いしますんで。
はい。
午後にでも必ず時間取りますから。
先生…。
(はるか)タクシー!はい。

(西村あゆみ)まもなくサイン会を始めます。
2列に並んでお待ちください。
(客たちの拍手)あゆみ!
(あゆみ)お父さん!何やってんだ?お前。
ただ今編集者目指してバイト中。
バイト?就活頑張ってさ正規雇用になるって言ってなかった?挫折したの。
でもついてた〜。
光堂出版で働けて。
だって…。
(笑い声)ね?知的で優しくて可愛い顔してるでしょ?見てくれ関係ない。
男は中身だろ。
いつか先生の担当になって距離を縮めてハートをゲット。
無理無理。
あんな売れっ子お前には無理。
この本…。
おんなじ本…?お父さんはね自分の娘の魅力に気づいてないのよ。
私だって…。
教えてあげる。
自信過剰。
ちょっと〜!
(竹村英二)馬鹿野郎!ちょ…お父さん?うわっ!出たまただ!今度は娘だ。
東山さん。
国代さんも。
ここでバイト?そうですけど。
どうして俺たちの前にいつもいつもこの親子が…。
亡くなった方を悪く言いたくないですけど祐一さんは女性関係も乱れてましたし借金もたくさん。
人相の悪い人がここまで取り立てに来た事もあります。
あの…どうしてそんな問題の多い人をマネジャーに?誠実なところもありました。
僕にとっては兄のような存在でしたし。
先生は優しすぎるわ。
先生は竹村さんに頼まれて仕方なく祐一さんを雇われたんです。
竹村さん?祐一さんのお父さん?はい。
竹村英二さん。
今は銚子科学センターの館長をしてらっしゃいますけど元々は天文学の研究者です。
天文学の?竹村さんには学生の頃からお世話になっていて7年前僕をこの出版社に紹介してくれたのも竹村さんだったんです。
あの一応昨夜10時から12時の間どちらで何をされてたか教えて頂けますか?アリバイですか?私は先生とここの会議室で次の著作の打ち合わせをしていました。
随分遅い時間なんですね。
この業界では普通です。
真夜中過ぎまで議論してる事もあります。
そうだ。
11時頃祐一さんからメールをもらいました。
どんな?明日のサイン会15分ほど遅れるからって…。
そうですか。
11時頃メール…。
死因は頭部挫傷による失血死。
これ見てください。
荒っぽい手口だな。
はい。
死亡推定時刻は昨夜10時から12時の間ですが大島の担当編集者が11時に竹村からのメールを受け取ってますから11時から12時1時間に絞れます。
大島和樹はその時間のアリバイはあるんだな?はい。
(国代)警部!ガイシャの竹村祐一。
相当駄目なやつだったようですね。
らしいね。
うおっ!えー祐一は4年前に学術書を扱う出版社を立ち上げましたが雑な経営で倒産。
新宿の店で知り合ったキャバ嬢のヒモのような暮らしをしていたところを見かねた父の竹村が大島和樹に頼み込んで雇ってもらったようです。
ちなみにヤミ金からの借金はほとんどギャンブルにつぎ込んでました。
以上!現場に落ちていたこの紙は?ブロッターで使う吸い取り紙だそうです。
ブロッター?ブロッターって何?馬場さんブロッターっていったらあれですよ。
日本語でいう…。
あ〜…。
あれですよね?警部。
もう!お前たちは!これだ。
あっ!これですよ。
余分なインクを吸い取るんだ。
ちなみにこの赤い染みはB型の血痕でした。
祐一の血液型は?AB型です。
ですから別人のものですね。
このオスのマークはなんなんですかね?まぁごく普通に考えればオスでしょうけどね。
わかった!もしかして犯人は男だったっていう祐一のダイイングメッセージじゃないですかね?ほんとにお前は大きな単細胞だな!そんなに単純な証拠だったら苦労しないんだよ。
ねぇ馬場さん。
どうせ僕は単細胞ですよ。
だから巡査部長なのか国代ちゃんは。
えぇ〜!しかしこの吸い取り紙には重要な手掛かりが残されていました。
指紋か?はい。
残されていた指紋は3つです。
一つは祐一本人のもの。
一つは不明ですが残る一つにはマエがありました。
市川志穂39歳。
7年前殺人未遂と傷害の罪で栃木刑務所に服役し昨日出所した女です。
その女は…大島和樹の姉だ。
銚子までお願い出来ますか?もちろんです!あぁ…!東山。
夜明さん…。
どうしてまた先輩がここにいらっしゃるんですか!?俺は迎車の指名を受けて…銚子まで!!お前は?銚子はいいですけど…。
どうして夜明さんいつもいつも…笑っちゃう…。
警察です。
市川志穂さんですよね?ええ…。
竹村祐一さん殺害事件の件でちょっとお聞きしたい事があります。
祐一さんが殺された!?ご存じなんですね竹村祐一さん。
私の父と祐一さんのお父さんが兄弟のように親しくしてましたから。
銚子科学センター館長竹村英二さん。
(志穂)ええ。
それから祐一さんはあなたの弟さんのマネジャーでしたね。
大島和樹さん8歳の時に養子に出され現在は名字が変わっていますがあなたのたった一人の弟さんですね。
もう…随分会っていませんけど。
実は祐一さんの殺害現場の遺留品からあなたの指紋が検出されました。
確かに一昨日祐一さんとはお会いしました。
(竹村祐一)自分の立場わかってるよね?あんたの存在は和樹にとってはマイナスなんだよ。
和樹の事を思うなら近づかない事だ。
それで腹を立てたあなたはゆうべ祐一さんのマンションを訪ねた。
殺害現場です!そんな…!夜は会っていません。
マンションにも行っていません。
はあ〜!じゃあどうしてあなたの指紋が事件の現場に…。
もしかして私の指紋が付いていた紙ってこう…長っ細くて…長方形の紙ではなかったでしょうか?もう会いません。
(志穂)その時私の指紋が付いたのかもしれません。
では一昨日の夜10時から12時の間あなたどちらにいらっしゃいましたか?ホテル近くのバー「エリス」で弟の新作を読んでいました。
最初に言っておきます!言い逃れはあなたのためになりませんよ。
東山…!お前さあ前歴者っていう偏見で彼女見てない?ですが…出所した夜に弟のマネジャーの竹村祐一が殺されその事件現場に指紋が残っていたんです!これは事件となんらかの関係があると見られたも同然です。
同然です…!そういう偏った偏見で捜査するなよ。
言っとくぞ。
彼女にとって今一番大切な時期なんだよ?犯人扱いして彼女の人生台無しにするなよ。
なんで民間人に怒られんのかなあ?ほっときましょうほっときましょう!
(2人)えっ!?ちょっ…先輩!ああ…。
あ〜あ!いつもこのパターンですねえ。
(笑い声)笑っちゃうよ…。
警察の方とお知り合いだったんですね。
実は私元刑事なんです。
昔捜査にかかわった女性との関係誤解されて週刊誌にまで書かれてそれで辞職しました。
そうだったんですか。
私は7年前…人を殺そうとしました。
台場イベントホール通り魔事件…。
(志穂の声)恋人と別れてやけになって…。
(志穂)誰でもいいから殺したかったんです。
今考えるとどうしてあんな怖い事が出来たのか…。
うわあ…!懐かしい。
私はいつも弟と2人でした。
(志穂の声)両親を早くに亡くしたものですから。
(志穂)おじちゃんの言う事よく聞くんだよ。
和樹君行こうか。
しー姉ちゃん…しー姉ちゃん。
ん?これあげる。
カズ…。
(志穂の声)でも結局一緒に暮らす事が出来なくて私と弟は別々の親戚の家に引き取られたんです。
でもあの子は本当に遠くへ行ってしまった。
自分の犯した罪のせいです。
私は一番大切なものをなくしてしまった。
(和樹)信じられない…。
姉さんが罪のない人を手当たり次第に殺そうとしたなんて…。
どう考えても僕は姉さんを許せない!もう会いたくない姉さんとは…。
和樹!
(船の汽笛)どうしました?ここのご主人父の親友でよくかわいがってもらったんです。
ああそうなんですか。
こんな私でも受け入れてくれるって言ってもらってるんですけどでも…。
(古沢忠志)志穂ちゃん!
(古沢優子)志穂ちゃん!まあ!志穂ちゃん待ってたよ〜。
よかった〜。
いつ戻ってもいいように住む場所も仕事も考えておいたんだ。
ありがとうございます。
まず美味しいお茶を淹れるからそれ飲んで。
あっお連れの方もどうぞ!ねえねえ!あっお父さんさあさあ早く早く!やっぱりいましたねえあなたの帰りを待っててくれた人が。
ありがとうございます。
私これで帰ります。
ご乗車ありがとうございました。
自信持って。
大丈夫。
あなたちゃんと立ち直れます。
じゃあ!お前出所してたのか。
一昨日。
この方は?竹村さんです。
亡くなった祐一さんのお父さん?このタクシーのドライバーです。
祐一さんの事なんて言ったらいいか…。
見え透いた慰めなど言うな!私はこれで。
志穂さんのアリバイは証明されたわけだな。
はい。
市川志穂が事件の夜バーにいたのをバーテンダーが覚えていました。
ただ時間は微妙なんですが。
でもバーにいたのは事実なんだろう?はいおかわり。
はい…。
でもそうすると誰が犯人なのか…。
(馬場)手口から見るとヤミ金関係者の仕業かとも思われたんですがホシらしい人物は全く浮かんできません。
はいお待たせしました!めぼしい手掛かりといえば事件現場に残されていた…。
おい国代。
あっはい…。
これお茶。
これです。
このマーク何?オス…ですよね?つまり犯人は男。
はあ…お前の推理力は小学生以下だな。
お茶漬けで?うん。
殺害現場となった非常階段は鍵がないと入れない場所で人の出入りもめったになかったそうです。
祐一と近い人間…。
祐一のお父さんってどんな人?えーっと銚子で生まれ大学卒業と同時に渡米。
向こうで天体物理学を学び…まあ数々の研究成果をあげ日本に戻る直前にはNASAでも働いていたとか…。
それに比べ息子は借金まみれ。
それで…キャバ嬢のヒモ。
親としてはいなくなってほしい存在じゃなかったんですか?
(国代)いやでもまさか…!父親が実の息子を殺すなんてありえないでしょう!?あらら!?国代ちゃんご存じないんですか?日本で発生している殺人事件の半分は親族間で起きてるんですよ。
(咳払い)竹村英二調べてみたほうがいいなあ。
神谷なんて言ってんの?はい…それがまっ普段なら犯罪の陰に女あり。
志穂を真っ先に疑うところなんですがなぜだか今回違うんですよねえ。
そうそう。
違うんですよねえ。
ふ〜ん。
ごちそうさん。
はい。
仕事に帰ったほうがいいよ。
あっはい…。
はい。
出口こっち!はい…。
出口こっち。
はーい。
出口こっち。
はーい!おはよーっす。
(橋本)夜明さん夜明さん…。
また夜明さん指名で迎車入りました。
もううちで一番の売れっ子はあなた!
(野村)また遠距離?うっさい!あゆみ。
(あゆみ)お父さん。
はるかさんが上がってもらってって。
えぇ〜?迎車の指名ありがとうございます。
(はるか)銚子まで先生を送っていってほしいの。
はい。
その前に…一つだけ。
先日の殺人現場に私たちが立ち会ってた事他言しないでもらえない?マスコミに知られたくないのよ。
先生は来週千葉県の県民栄誉賞を受賞なさる事になってます。
くだらない事でわずらわされたくないの。
くだらないって…人一人死んでんですよ?つまらない男がつまらない死に方をしただけです。
先生の支度出来ました。
運転手さんはあゆみさんのお父さんなんですってね。
はい。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
人気者は大変ですねえ。
はるかさんの力です。
僕みたいなマイナーな書き手がここまで来れたのは。
それはご謙遜だと思いますけど。
確かにはるかさんの先生への力の入れ方ってすごいですよね。
しかも主婦業と両立して。
私もあんな編集者になりたいなあ。
高望みだよ〜。
ひどい〜。
先生のお話の舞台は大抵宇宙のどこかなんだけど主人公はいつも地球に残してきた美しくって物静かな女性の事を思っている。
そこがキュンキュンするんだな〜。
あの女性のモデルっているんですか?特には…。
もしかして…お姉さんじゃないですか?先日縁あって志穂さん銚子までお送りしました。
あなたの事をとても大切に思ってらっしゃる。
じゃあ…姉がどういう罪を犯したのかも?…はい。
あの人をモデルになんてするわけない。
僕はあの人を…軽蔑してる。
しかしそれ7年前の事でしょう?せっかく銚子に帰るんですから全て水に流してお会いになったらどうです?ち…近くのJRの駅で止めてください。
電車で行きます。
え?先生…!なんだかわかんないけど先生怒っちゃったじゃない!!このマーク何?これ。
(あゆみ)知らないわよそんなの。
(電話)はい捜査一課。
ああ夜明さん。
え?大島和樹の著作に?表紙に吸い取り紙に付いてたマークと同じマークが書いてあんだよ。
事件に関係あるかもしれない。
民間人のご協力感謝します。
あああのーで…一つ伺いたいんですが先日銚子へ行った市川志穂とはどんな話を?民間人のたわいない話お前に説明する必要はなし。
(波の音)和樹…!今の方がもしかして先生のお姉さんですか?こんなとこで会うとは…。
きれいな方ですねえ!人を殺そうとして7年刑務所に入ってた人だ。
(加藤百合子)竹村館長でしたら今日はまだお休みですが…。
(和樹)ええ。
実は竹村さんの論文の草稿がここに保管されてるはずなんですがそれを見せてほしいんです。
新作を書くのに参考にしたくて…。
竹村さんの許可も取ってあります。
だったらどうぞ。
保管庫の鍵今持ってきます。
(和樹)『火星におけるメタン菌の存在の可能性について』という論文の草稿を捜してくれない?メ…メタン菌…?うん。
20年以上前に直筆で書かれた…古い原稿なんだ。
わかりました。
捜します。
警部。
ここに書かれているのは太陽系の8つの惑星を示す惑星記号でした。
あの…中学の頃習いましたよね。
水金地火木…。
(東山・神谷)土天…。
海冥!冥王星だけは現在準惑星扱いです。
へえ…。
そんな事はどうでもいい!じゃあ4番目のこれは…。
はいオスではなく火星です。
とするとこの吸い取り紙は天文学に詳しい人間が使った事になるな。
はい。
この本の著者…大島和樹。
しかし大島はデビューして6〜7年しか経ってないだろう。
ああそうでした…。
この吸い取り紙は鑑識によれば少なくとも15年以上前に使用されたものという事でしたから。
天文学に古くから携わっていた人間が使った…。
失礼します!警部!祐一はやっぱりとんでもないワルでした。
(馬場)銚子科学センターに勤める女性に対し乱暴しようとしたとか…。
(国代)それを聞きつけた竹村は怒り心頭で出版社に乗り込み祐一と揉み合いになっていたようです。
(馬場)しかも事件当夜竹村らしき人物が祐一のマンション付近で目撃されています。
警部…。
祐一のこの背中の傷は…。
竹村英二に杖で殴られた痕…。
竹村には祐一殺しの動機が十分ある。
よし明日銚子へ行って竹村を引っ張ろう。
(3人)はい。
あっ…。
東山銚子には私が行く。
(3人)えっ…は?祐一…。
またまた銚子!ラッキー!竹村が祐一を殺した可能性が出てきました。
神谷お前が現場に出張るって珍しいよね。
私は確認したい事が他にありまして…。
へえ〜。
では我々は竹村の家へ行ってきます。
お前降りないの?犬吠駅に行ってください。
犬吠駅?
(国代)すいません。
竹村さんにお会いしたいんですが。
それが今朝から行方がわからなくて…。
喪主のいないお葬式なんて初めてだわ。
竹村さん連絡とれないんですか?ええ。
まさか息子さんが亡くなって悲観して…!刑事さん…。
お久しぶりです。
何しにいらしたんですか?どうしてもあなたと話がしたくて…。
市川さん…。
私はいまだに引っかかってるんです。
7年前のあなたの犯した事件が。
(神谷の声)私にはあなたが誰でもいいから殺したかったとはどうしても思えない。
本当の事話してくれませんか?それがあなたのためにもなる。
誰でもよかったんです。
ただ誰かを殺したかったんです。
(神谷の声)あなたはあの時私に何かを言おうとした。
あなた…やはり本当は誰でもいいからと見境なく包丁を握ったんじゃなかった。
違いますか?今さらそんな事…。
私は警察で本当の事を全てお話ししました。
本当に誰でもよかったんです。
だが…。
神谷。
お前そんなくだらない事聞きにここまでわざわざ来たの?私は今でもあの事件がどうしても腑に落ちない…。
いい加減にしろ。
お前だってわかってんだろ。
刑期を終えた人間が警察関係者につきまとわれるのどれだけ嫌なもんなのか。
しかし夜明さんも元刑事ならわかるはずです。
どんなに時間が経っても真実を明らかにするのが刑事の責務だと…。
何が責務だよ。
お前自分の自己満足だよ。
独りよがりじゃないか。
人の気持ちを考えないで。
大体お前が今やる事は祐一殺しのホシ捕まえる事だろ?何横道それてんの。
いえほんのわずかですが…。
あなたが祐一さん殺しの犯人だという可能性もある。
私が?祐一さんは午後11時に編集担当者にメールを入れている。
だから犯行時刻は11時以降となっています。
でも仮に犯人が事件現場から祐一さんの携帯を持ち去りバーで祐一さんになりすましメールを送ったとしたらあなたのアリバイは崩れます。
私はホテルのバーでずーっと和樹の本を読んでいました。
信じてください。
市川さん。
私がこんなにこだわって質問するのはあなたに犯人であってほしくないからなんです。
神谷…お前何言いたいの?
(携帯電話)はい神谷。
何…!?
(江古田)どうも。
溺死ですか?いや死因はまだわかりません。
(あゆみ)お父さん!
(国代)やっぱり祐一を殺したのは竹村ですよ。
良心の呵責に耐えかねて自ら死を選んだ。
いや果たしてそんなに単純な事件なのか…。
(馬場)お疲れさまです。
死因がわかりました。
頭部を強打した事による頭蓋骨陥没。
肺に海水が入ってなかった事から何者かに頭部を殴られその後海へ投げ込まれたのだと思われますね。
他殺…ですか。
(江古田)死亡推定時刻は昨日の夕方4時から6時の間です。
(馬場)祐一が殺されその父親の竹村まで…。
警部殿この2つの事件にはかかわりがあるんじゃないでしょうか。
ひょっとすると同一犯の仕業…。
(古沢)江古田さん。
(江古田)あぁ古沢さん。
竹村が殺されたっていうのは本当なんですか?ええ…。
なんて事だ…。
あのこちらは?ええ郷土博物館の管理をされてる古沢さんです。
本業は土産物屋です。
博物館のほうはボランティアで…。
確か死んだ竹村さんとは高校の同級生でしたよね?ええ。
少しお尋ねしてもいいですか?竹村さんは地元ではどういった方だったんでしょうか。
例えば名声をねたまれていたとか…。
いいえ。
むしろ尊敬の的でした。
地元の若者が世に出れるように尽力してましたしねぇ。
それでその中の1人が作家としてデビューした大島和樹だったんですね。
はい。
寝屋子みたいなもんですよ。
寝屋子?そうです。
寝屋子というのは財を持つ者が若者を援助するそういったもんです。
馬場君。
君は東京に戻って祐一殺し。
(馬場)はい。
国代お前はこっちに残って竹村さん殺しを洗え。
(国代)わかりました。
では皆さんは市長へのあいさつと竹村祐一さんの葬儀に出席するために昨日銚子にいらしたんですね?ええ僕とあゆみさんは銚子科学センターに立ち寄ったあとここにチェックインしてそれぞれの部屋に入りました。
私は遅れてここに着きました。
4時半頃だったかしら。
そのあと6時までどこで何を?それぞれ自分の部屋にいましたけど。
アリバイはない。
私たちを疑ってるんですか!?なんで私たちが竹村さんを殺さなければならないの?一応伺う事になっていまして…。
失礼はお許しください。
(鐘の音)姉さん!陣内さんってあなた?ええ。
これどういう意味ですか?土産物屋の方に伝言をお伝えしましたが…。
ええ聞きました。
立場を考えてくださいって言われたそうですね。
立場の意味がわからないとおっしゃるなら説明しますけど。
私に前科がある事がおっしゃりたいんでしょ?それくらい自覚しています。
だから和樹の迷惑にならないように生活しています。
なんなんですか!?このお金は!やめてくれよ。
はるかさんに頼んだのは僕なんだから。
姉さんが刑務所から出てきてそのうえ竹村さんや祐一さんまで殺されてこれ以上騒ぎを起こされたくなかったんだよ。
このお金で私に黙ってろって言いたいの?私はただ生まれ故郷で静かに生活したかっただけなのに…!足りないわ。
私と本気で縁を切りたいんだったらこんなはした金じゃなくてまとまったお金をちょうだい。
市川さんそれ以上は自分で自分を傷つけるだけです。
送ります。
行きましょう。
もう昔には戻れないんだ…。
懐かしい思い出は胸にしまっておいてこれからは現実を見て生きていってください。
つらいかもしれないが逃げるわけにはいかないんです。
優しいんですね刑事さん。
いえ…。
タクシー会社の規定で決まってるの知ってるでしょ!すいません…。
どうしたの?
(朋子)お客さんにタバコ吸わせてるのをよその会社のドライバーに見られたんです。
もうねもうほんとにね…車内は絶対禁煙!これ絶対守ってくださいね!わかった?ほんとに!はい…。
あっそうだ。
あのね警察から問い合わせがありまして3日夜西原町界隈でこの男性を乗せたタクシーはいなかったか?って。
あっ俺乗せたぞ。
竹村さん?あっ先輩!あの竹村の目撃情報が出たんですか?事件のあった夜祐一のマンションの前で竹村さん乗せたって。
となるとやはり祐一殺しのホシは竹村で決まりですか。
まあそうなりますね…。
野村さん。
野村さん!どうもすいません。
この男をマンションの前で乗せたんですか?ええ。
確かに3日ですね?3日ね3日ね。
はい。
何時頃です?9時過ぎでしたね。
9時5分って書いてある。
9時5分って書いてあるうん。
10時以降じゃないんですか?いや9時に乗せてそこから東京駅までまっすぐ。
で東京駅から電車で銚子に帰るって言ってましたよ。
祐一が殺された時間竹村は銚子に帰る電車の中。
竹村は犯人じゃありません。
では誰がやったのか。
そして竹村を殺した人物と同一人物なのか。
それとも全く無関係の人物なのか…。
祐一と大島和樹の関係ってどうなの?…というと?いや志穂さんを遠ざけたいほど大島和樹と編集者は神経質になってたわけだろ?素行の悪い祐一そばに置いときたくないじゃない。
なるほど。
祐一も遠ざけようとしていた可能性はありますね。
解雇されかかってたりして…。
その事をめぐって和樹と祐一との間にいざこざがあった。
そして和樹が祐一を殺した…。
さらには父親の竹村まで…。
うん…。
早速調べてみます。
いつもと違うってほんとだな。
…え?いつもの神谷なら犯罪の陰に女ありってさ志穂さんを疑うじゃない。
今和樹すんなり疑ってるもんな。
それは…。
それにこの間さ銚子で志穂さんに会った時なんかおかしかったよな?あなたには犯人になってほしくないとかなんか言って…。
彼女には同情すべきところがあるんです。
同情?市川志穂は…もう20年以上前ですが両親を惨殺されてるんです。
なんだって!?強盗殺人だったそうです。
(志穂)お父さん?お母さん?
(泣き声)
(神谷の声)さぞつらい思いをしたんでしょうね…。
あなたに何がわかるっていうんですか…。
わかるわけがない。
私たちの気持ちが他人に…。
もう…!何もかも嫌っ!私を…。
私を…!死刑にして。
私はあの時の涙と彼女の叫び声が忘れられないんです。
結局私は通り魔事件として彼女を送検しました。
結果7年という重い刑に決まった。
それだけでも重たすぎる人生なのに出所してまで殺しにかかわるなんて思いたくないんです。
それじゃ可哀想すぎる。
可哀想って…惚れたって事だろ?えっ!?神谷お前冗談抜きで彼女に特別な感情抱いちゃったんじゃないの?ち…違いますよ。
私はあくまで担当刑事として…。
え?変な憶測はやめてください。
え〜?もう失礼します!ほら…。
神谷〜!えっ!?神谷のおじさん志穂さんに恋してるの?いやまあ恋って言えるかどうかわかんないけどさロマンチックな感情持ってるのは確かだよ。
やだ…それって不倫じゃないの?いや違うよ。
お前だって大島和樹先生に胸キュンキュンとか言ってたじゃん。
似たようなもんだよ。
中年男の純情。
私のとは一緒に出来ないわよ。
だって刑事と元犯人なんでしょ?絶対のタブーじゃない。
う〜んタブーでもあるけども純情でもある…。
だからどうしたもんかなってお前に相談してるんじゃない。
そんな中年男の気持ちわかんない。
いや〜神谷さこの7年密かに彼女の事を思って彼女の幸せのために…。
バカ…!俺はなんでこんなバカなんだろ。
こんなデリケートな事をお前に相談して答えが出るわけないよな。
わかったサンキュー。
ちょっと待ってよ!焼肉焼肉!あっ…ちょっと!ちょっとちょっと大変大変!拾って拾って!もう〜…。
これ大島先生から預かったね竹村さんの原稿なの。
このマーク…。
同じだ…。
これ竹村の直筆原稿。
つまり竹村がこの原稿を書いた時にこの吸い取り紙を使った。
書かれたのは1988年12月24日。
(馬場)吸い取り紙は間違いなく竹村のものだった…。
しかし夜明さん。
竹村が祐一のマンションに行ったのは事件発生の前です。
この吸い取り紙は祐一殺しのヤマとは無関係なのでは?でも気になるなぁ…。
何か…?お前さ使ったティッシュどうする?使った…?何を聞いていらっしゃるんですか。
普通捨てますよ。
そうだよな?けどこれ使った吸い取り紙22年間保管してあるんだよ。
なんで?まあ何か思い出の品とか何かの記念とか…。
だって血が付いてるんだよ。
ひょっとして犯罪に関係のある証拠…?
(電話)もしもし。
ああ夜明さん。
神谷この前志穂さんのご両親の惨殺事件の話してたよね?あれいつ?はっきり覚えてます。
22年前の12月24日です。
やっぱり…。
吸い取り紙を使ったのは竹村だ。
使ったのはまさに事件のあったその日。
え?竹村がその惨殺事件に関与してる可能性あるな。
ひょっとして竹村が惨殺事件のホンボシ?あくまで推測の域を出ないけど。
こうなるとなんとしても銚子にもう一度行く必要がありますね。
毎度ありがとうございます。
竹村は大学を卒業すると同時にアメリカに渡りましたが22年前の12月一時帰国してます。
市川夫妻殺害は可能です。
しかし竹村と志穂の両親がどんな関係だったのか殺すまでの何があったのかです。
まずそこからだ。
古沢さんは殺された竹村さんそして22年前夫婦揃って殺害された市川勇樹さんと同級生でしたね。
ええ。
市川さんの事件についてご存じの事があったら教えてもらえませんか?あれはひどい事件でした。
ちょうどクリスマスイブの夜で志穂ちゃんは帰国していた竹村に誘われて祐一君や和樹君たちとプラネタリウムに天体ショーを見にいっていたんです。
が帰宅すると…。
(志穂)お父さん?お母さん?
(和樹の泣き声)当時警察は竹村を疑ったようです。
竹村さんに夫妻殺害の動機があったんですか?竹村は市川さんの家の寝屋子だったんです。
寝屋子?詳しく教えてください。
元々三重に残る古い風習で中学を卒業した男子を寝屋親と呼ばれる漁師の家に寝泊まりさせて漁業を学ばせる制度です。
三重県の出身だった志穂ちゃんの祖父の勇造さんはこの外川に移り住んだ際にふるさとの風習をそのまま取り入れた。
竹村たちを寝屋子として自分の家に住まわせて漁師の修業をさせたんです。
これがその勇造さんです。
そして息子の勇樹さん。
そして竹村です。
つまり志穂さんの祖父の代から竹村さんは市川家と繋がりがあった。
ええ。
竹村はそこで航海術を学ぶうちに天文学に興味を持つようになり才能を開花させました。
寝屋親と寝屋子の絆は生涯続きます。
勇造さんは竹村をほんとの息子のように可愛がりましてねえ。
きっと大物になる男だとアメリカに留学させたんです。
ところがその勇造さんが亡くなって問題が起きました。
…というと?勇造さんは竹村に財産の半分近くを相続させるとの遺言を残したんです。
竹村さんに財産の半分を…。
(市川勇樹)お前にやる金はない。
(竹村)待ってくれ!今アメリカで進めている研究のためにはどうしても金が必要なんだ。
親父さんの遺言にどうか従ってくれないか?頼む!
(市川)うちだって船を買う金がいるんだ!
(古沢)それが事件の3日前の事です。
市川さん面白くなかったでしょうね。
息子の自分よりも寝屋子の竹村さんに肩入れする件。
ええ。
それだけに対立は深かったようです。
竹村さんには動機があった。
なのになぜ逮捕されなかったんです?彼にはアリバイがあったんです。
(古沢)事件当夜の犯行時刻プラネタリウムで天体ショーの解説をしていたんです。
そこで竹村の声を何十人という客が聞いていた。
なるほど。
その後竹村さんは?事件から2か月後再び渡米しました。
研究に精を出す傍ら和樹君が大学進学の際には進んで学費を援助したそうです。
つまり今度は竹村さんが大島和樹さんの寝屋親になった。
ええ。
そして向こうで大きな成功を収めた竹村は7年前に帰国してしばらくは大学で教鞭を。
これがその時の写真です。
竹村が凱旋帰国して地元も活気づきましてねえ。
お台場で講演会を開いた時には地元から若者がこぞって参加したんです。
お台場…。
12月8日。
夜明さん市川志穂が通り魔事件を起こした日です。
繋がってるんですよ。
22年前の事件7年前の事件そして今回の2つの殺しは…。
間違いありません。
志穂は7年前竹村を襲うのが目的でお台場を走った。
両親を殺された復讐をしようとした。
親を殺された恨みを持ち続けた志穂は出所後再度竹村を襲い殺害。
親が憎ければ子も憎い。
祐一を殺したのも志穂…。
待て神谷。
22年前の事件の犯人竹村だって確証はどこにもない。
アリバイがあるんでしたね。
それに志穂さんの両親を殺害したのは竹村だとしても今回の事件志穂さんが犯人だと決まったわけじゃない。
信じたいです。
だが…。
ともかく2つの事件の犯人を突き止めなければ。
夜明さんどうか力を貸してください。
神谷…。
《22年前の事件そして今回の2つの殺人》《それらが繋がってるとしたら犯人は事件全てにかかわりのある人間》《あるいは…》《祐一を殺したのは誰か…》《竹村を殺したのは誰か…》運転手さんは人を殺したいと思うほど憎んだ事がありますか?《彼女じゃない》《…ないはずだ》竹村と陣内はるかが言い争いをしていたとの証言が出ました。
何?同僚の編集部員が目撃したそうです。
あいつもバカだ!こんな女にあれこれ言われて…。
大島先生の担当者として1つお願いがあります。
今後一切先生の作品に口出ししないでもらえませんか。
なんだと!?和樹は私の息子も同然だ!2人が争ってたとなると陣内はるかにも竹村殺しの動機があるわけか。
はい。
もしかしたら大島和樹本人との共犯という事も。
よし。
陣内はるかの周辺をもう一度洗い直せ。
《彼女はここで通り魔事件を起こした》
(志穂)どいて!やめろ!《誰が持ち込んだのかはわからない》《でもあの吸い取り紙は竹村が使ったもので間違いない》《とするとあの血痕は22年前の事件の夜に付いたのか…》《あの人形は母親の髪の毛で作られた》《吸い取り紙に付いた血痕と髪の毛をDNA鑑定して一致すれば竹村の犯行だという決定的な証拠になる》《あの時俺何かを感じた》《あれなんだったのか…》
(和樹)しー姉ちゃん…。
(志穂)ん?
(和樹)これあげる。

(野村)俺さ一昨年までタバコ吸ってたろ?だから酔っ払ってタクシーに乗って家までの道中途中で一服したくなる客の気持ちよくわかるんだよなあ。
距離が出そうな客にさタバコを吸わせてくれって断るの苦労するよね。
でしょ!そこのところちっともわかってないんだよあの係長!まあまあ飲んでさ愚痴吐き出したら?うん。
はい。
はい。
言わせてもらえばですよタバコのにおいが駄目でなんで香水ならいいんだって話ですよ。
ん?ほら〜いるでしょ。
これからご出勤のホステスさんが香水のにおいをプンプンさせて乗ってくるの。
あれ俺苦手なんだよな〜。
香水…におい…。
それだ。
ん?東山。
はい。
これは祐一の部屋を家宅捜査した時の写真だな。
はいそうですが。
これはなんの取扱説明書だ?あっ携帯電話です。
ガイシャ買ったばかりのようで。
(電話)はい捜査一課。
「夜明さん」人形の件ありがとうございました。
神谷その前に世田谷西署の馬場刑事に会いたい。
馬場ですか?俺の推測だが今度の事件を解く鍵あいつが握ってる。
どういう事ですか?神谷のおじさん!ちょっと調べたんですがあなたとご主人との間に離婚話が出ているそうですね。
そんな事まで調べてらっしゃるんですか。
原因は大島和樹さん。
離婚話が出てるのは本当です。
でも先生と私の関係を主人は誤解してるんです。
私たちはあくまで仕事上のパートナーでそれ以上でもそれ以下でもありません。
ともかく2人は運命共同体です。
今大島さんが逮捕されたらあなたがこれまで注いできた情熱は全て無駄になる。
何がおっしゃりたいの?本当なんですか?竹村祐一さんが殺された時間あなたが大島和樹さんと一緒だったというのは。
祐一さんが死んだ夜出版社の会議室は使われてなかったと警備員が証言しています。
もう嘘は通用しませんよ。
私はただ…作家を守りたかったんです。
和樹さんの才能を…。
ありがとうございます。
あ…夜明さん。
犯人がわかりました。
22年前あなたのご両親を殺害した人物。
祐一さん竹村さんを殺害した人物。
祐一さん殺しの現場に残されていた吸い取り紙に付着していた血痕がDNA鑑定の結果あなたのお母さんのものと一致しました。
吸い取り紙は22年前の事件当日竹村が使ったものです。
あなたのご両親を殺害したのは竹村に間違いありません。
そんな…。
僕は竹村さんをずっと尊敬して…。
竹村がどのようにアリバイ工作をしたかは不明のままです。
ただ恐らくは竹村があなたの家の寝屋子だったからこその犯罪だったんでしょう。
だから罪の償いの意味もあって竹村はあなたを支援し保護した。
それが事実だとしたら…残念です。
でも今の僕には過去を振り返ってる余裕はありません。
授与式があるのでこれで失礼します。
大島和樹さん。
あなたは竹村祐一さんが殺された現場にいましたね。
いえ。
あの夜ははるかさんと一緒に…。
陣内はるかさんは全てを話しました。
あなたに頼まれて事件当夜一緒にいたと嘘の供述をしたと。
ハハハハハハ…。
すごいですねえ警察は!嘘は通用しない。
確かにアリバイの証言をしてもらいました。
警察に色々と聞かれるのが嫌だったんです。
その時間は僕は1人で自分のマンションで仕事をしていてアリバイがなかったものですから。
違う。
あなたは祐一さんのマンションに行っていた。
祐一さんの携帯電話にあなたの指紋が付着していました。
当然ですよ。
彼は僕のマネジャーだったんですよ。
携帯にはしょっちゅう触っていた。
ところが祐一さんは殺された日携帯の機種変更をしたばかりだった。
それにあなたの指紋が付いていたという事は事件の夜あなたが祐一さんのマンションへ行き買ったばかりの新品の携帯に触れたという証拠になる。
祐一さんの素行の悪さが我慢ならなかったんです。
竹村さんに解雇させてもらう事を話しました。
すると彼からあの夜マンションに来てくれと連絡があって…。
俺を辞めさせたいって親父に言ったそうだな。
すいません。
でももうこれ以上は…。
ちょっとついてこい。
(祐一)親父にやられたんだよ。
クソ…。
(祐一の声)親父はお前に肩入れして俺にはこれだ。
やってられるか。
次の勤め先は僕が…。
何かというと和樹和樹だ。
もうたくさんなんだよ…!消えろ…。
(祐一)ああっ!
(和樹の声)避けようとして揉み合ってるうちに祐一さんは階段から転げ落ちて…。
いやそれは違う。
祐一さんのマンションにあなただけじゃなくてもう1人いたでしょう。
志穂さんそれあなたです。
いや僕は1人だった。
姉さんは関係ない。
出所した日志穂さんは銀行の前でいったんタクシーを降りた。
そして貸し金庫に預けてあったお母さんの古い人形を取り出し再びタクシーに乗った。
その時何かを感じました。
そうにおいです。
樟脳は昔から着物に虫が付かないように使われてきました。
恐らく志穂さんあなたお母さんの形見の人形を大切に保管するために貸し金庫の中に人形と一緒に樟脳を入れたんです。
祐一さんの殺害現場で同じにおいを嗅いだ人物がいました。
世田谷西署の馬場刑事です。
彼は犯人の遺留品と思われる吸い取り紙が同じ樟脳のにおいがしたって言ってます。
つまり人形と吸い取り紙が同じ貸し金庫に保管されてたんです。
22年間あの吸い取り紙を大事に保管したのは志穂さんそれはあなたです。
でたらめだ…そんな事はない!和樹…。
もういい。
姉さん…。
祐一さんを殺したのは…私です。
みんな22年前の事件のせいです。
(和樹の泣き声)
(志穂の声)犯人が残していったものだと思いました。
警察には話をしませんでした。
これを使って父や母を殺した犯人を必ず自分の手で捕まえてやろうと思ってそう決意して吸い取り紙を大切に保管しました。
竹村さんの犯行じゃないかと思ったのは…?7年前竹村さんがアメリカから帰って来た時…。
(志穂の声)凱旋帰国をした竹村さんの論文が銚子科学センターに特別展示されたんです。
私はこれを15年前両親の遺体のそばで発見しました。
これはなんだ?この吸い取り紙あなたが論文の草稿を書いた時に使ったものじゃないんですか?あなたじゃないんですか?両親を殺したのは。
こんな紙切れが証拠になるのか?私はあの晩プラネタリウムにいた。
違う!あなたは…!
(竹村)「さあ冬の夜空を見上げてみましょう」「年間を通して冬の星空は明るい星が多く一番華やかです」「ではオリオン座から見ていきましょう」「オリオンはギリシャ神話に登場する狩りの名人です」
(悲鳴)「冬の星座を巡る旅はこれで終わりです」「皆さんもどうか家に帰る時に夜空を見上げてください」「今夜は星がよく見えます」
(拍手)
(志穂)違いますか?この間和樹を出版社に紹介してやった。
このままいけば作家デビューが出来る。
それぐらいの力が私にはある。
逆に言えばいつでも和樹を潰せるって事だ。
和樹を人質に取られたそんな気がしてそのやり口が許せなくて…。
(志穂の声)体中がカーッと熱くなって…。
(志穂)どいて!どいて!なぜそれを取調室で私に話してくれなかったんですか?私にはまだ竹村に対する復讐心が残っていました。
いつか必ず…刑務所に入っていた7年間も竹村に対する復讐心は消える事はなかった。
でも…刑務所を出て和樹の本を読んだ時あああの子は7年間でこんなにも成長したんだと…。
今私が竹村さんを殺したら和樹には大変なダメージになる。
だから思い直したんです。
竹村さんを説得して自首してもらおうと…。
(志穂の声)祐一さんに竹村さんの消息を聞こうとマンションを調べて訪ねました。
すると…。
(志穂の声)懐かしかった。
思わず後を追いました。
(祐一)何かというと和樹和樹だ。
もうたくさんなんだよ…!
(祐一)消えろ…。
(志穂)ああっ!
(和樹)姉さん…。
祐一さん!姉さん悪くない。
僕を守ってくれたんだ。
警察行こう。
話せばわかってもらえる。
今は駄目。
え…?3日だけ待って。
お願い…3日。
逆らえない何かがありました。
僕は祐一さんの携帯を持ってその場を離れはるかさんの携帯にメールを入れ…。
もしもし警察ですか?知り合いが倒れてるんです。
すぐに来てください。
はい。
(和樹の声)見た記憶がありました。
竹村さんの論文にあの火星の惑星記号が書かれてた事…。
祐一さんのマンションに吸い取り紙を残したのは姉さんとしか思えなかった。
でもなんでわざわざ手掛かりを残したのか3日待ってと言ったのはどういう意味なのかそれを自分の目で確かめてみようと思い竹村さんの原稿を探しました。
両親が殺された日でした。
何もかもが繋がりました。
3日待ってと言った姉さんの目的も…。
先に部屋に行ってて。
(あゆみ)はい。
(和樹の声)姉さんは竹村さんに会う時間が欲しかった。
会って22年前両親を殺したのが竹村さんかどうか確かめようとしていた。
(志穂)話してください。
22年前の事全て。
やっぱりあなただったんですね。
私の両親を殺したのは。
ああそうだ。
プラネタリウムを抜け出して私はお前の家に行った。
もう一度頼む。
親父さんの遺産を渡してくれないか?お願いだ!頼む!駄目だ駄目だ!あれはな船を買うのに使う金なんだよ!帰れ!
(市川妙子)あなた…!
(悲鳴)
(竹村)寝屋子のせいだ。
お前の祖父が親でもないのに私に子供同然の愛情をかけた。
(志穂)今からでも遅くありません。
自首してください。
祐一が死んだ。
あの晩…私はあいつを何度も何度も…杖で叩きのめしてやった。
だが…死なれてみてわかった。
あんなしょうもない奴でも息子は息子だ。
私は私で…。
息子を愛してた…!
(竹村の泣き声)お前だ…。
お前が祐一を殺したんだ…!…和樹!
(志穂)何してんの!
(志穂の声)和樹を守りたい。
和樹に無事に県民栄誉賞を取らせたい。
もうその事しか考えませんでした。
これが全てです。
残念です。
志穂さんあなたが事件現場に残した吸い取り紙あれあなたの覚悟の証しですよね?覚悟?竹村が22年前あなたのご両親殺害した真犯人だとしたら説得に応じて自首する可能性は低い。
逆に口封じのために殺される可能性のほうが高い。
そうなったら22年前の真相は闇の中。
それを恐れてあなたあれを置いた。
もし自分が殺されたらあの吸い取り紙手掛かりに竹村逮捕してほしい…神谷に対するメッセージ。
そうですよね?でも姉さんなんで7年前本当の事言ってくれなかったの?竹村を刺そうとしたんだとなぜあの時…。
そしたらこんな事には…。
怖かったの。
あなたの憎しみが…。
僕の…?あなたは小さい時から穏やかな子だった。
でも心の底にはうんと激しいものを持っている。
もし両親を殺したのが竹村さんだと知ったらあなたは必ず私と同じ事をする。
何がなんでも竹村さんに復讐しようとする。
純粋にまっすぐに育ったあなたのこの手が血に染まる事が…私には耐えられなかった。
いつまでもあなたには純粋な気持ちのまま作品を書き続けてほしかった。
結果としてあなたに罪を…。
ごめんなさい!私を許して…。
しー姉ちゃんやめて。
やめて頼むから…。
(和樹)これあげる。
カズ…。
ご両親が亡くなってから志穂さんあなたずーっと見守ってきた。
自分の幸せ考えないで。
(和樹)夜明さん…。
あなたの言われたとおりです。
僕はずっと姉を思い続けて小説を書いてきました。
僕の小説のモデルは全て姉です。
もう一度僕はペンを持つ事が…もうないかもしれない。
でも…また姉と離れ離れになったとしても…。
僕は…。
僕を一番理解してくれて一番心配してくれる姉を思い続けます。
今度は僕がしー姉ちゃんを見守ります。
この2つの殺人事件2つとも殺意はなかった。
そう信じます。
大きな波に溺れてもがいた結果だって。
でも憎しみは憎しみしか生まない。
これはこの事件が残してくれた悲しい教訓です。
でも…お互いがお互いを思いやる気持ちそれだけが唯一の救いです。
神谷。
しー姉ちゃん…。
和樹…。
(パトカーのサイレン)結局私は何も出来ませんでした。
無力でした。
人間ちっぽけだからさ善意の人も悪意の人も大きな波がきたらどこへ流されていくかわからない。
悔しいです。
けどお前刑事辞めない。
新たな事件が起きたらその解決に向けて進んでいく。
志穂さんもさ和樹さんも明日はくるよ。
自分はいつかもう一度夜明さんに迎車の依頼をするつもりです。
市川志穂が今度出所する時に。
喜んで。

(あゆみ)そっか…。
神谷のおじさんの純情は通じなかったのか。
でも無駄じゃない。
人の力になりたいっていうのは自分の人生豊かにするからね。
お父さん時々いい事言うね。
まあね。
それでお前のほうどうなのよ?大島先生に胸キュンキュンとかなんか言ってたけど。
それがさ今ね水族館でバイト始めたんだけどそこのアザラシ係にすっごい包容力のある人がいるの。
立ち直ってもう次の人見つけたの?頼れる〜!って感じなんだ。
ねアザラシってねこんな顔してんの。
ん〜っ!2014/03/21(金) 13:55〜15:46
ABCテレビ1
タクシードライバーの推理日誌[再][解][字]

「塀の中からの乗客・星降る夜のアリバイ殺人!!吸い取られたDNAと謎の記号の秘密」

詳細情報
◇出演者
渡瀬恒彦、国生さゆり、風見しんご、佐藤二朗 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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