(テーマ音楽)「道徳ドキュメント」。
今回の舞台は大阪です。
今大阪ではこのような自転車を見かけることがあります。
実はこれレンタサイクルなんです。
自転車を借りる場所は大阪市内に11か所あります。
どこで借りてもどこで返してもいいという仕組みでちょっとした移動に便利だと利用者もふえているそうです。
実はこのレンタサイクルスタッフとして働いているのは元ホームレスや仕事がなくこまっていた人たちなんです。
どうしてこのレンタサイクルは始まったんでしょうか?ここがレンタサイクルを貸し出す場所です。
きれいに整備された青い自転車がならんでいます。
仕事や買い物のために使う人。
観光で町を回るために使う人。
毎日たくさんの人が自転車を借りていきます。
このレンタサイクルを運営している…3人分の利用料金。
3人分。
ホームレスの人たちを支援したいと2年前この事業を始めました。
日本でいちばんホームレスの人が多い大阪。
住む所もなく路上で生活をしている人が2,000人以上いるといわれています。
川口さんはそうした人たちをやとうことで生活を立て直す手助けをしているのです。
給料はレンタサイクルの利用料や寄付役所からの助成金などでしはらっています。
川口さんがホームレスの人たちに関心を持ったのは14さい中学2年生の時です。
なぜホームレスの人がいるのか知りたいと食べ物を配る炊き出しに参加しました。
川口さんはおにぎり一つのために何時間も待つ人たちのすがたにしょうげきを受けました。
もうボロボロの半そでと半パンぐらいの服しか持っていないような人でとっさに自分のコートをわたそうとしたんですけどでもおっちゃんの後ろを見たらたくさん同じような人がいておっちゃんに今自分のコートをあげてもほかの人にもわたせるほど持ってないしすごい無力感がありましたね。
それまでホームレスの人はなまけているだけと思っていた川口さん。
しかし話を聞いてみると経済の状況や家庭環境などさまざまな理由でホームレスにならざるをえなかったことがわかりました。
このままではいけないと川口さんは思い始めます。
もし今自分が何もしなかったらホームレスのおっちゃんたちは路上でこどくに凍死や餓死をしていってしまうままやし…。
でももし今自分が何かしたら大きな変化はできないかもしれないけど何かは変わるかもしれないんじゃないかなって思ったら何か変わるかもしれないっていうほうにかけてみようかなっていう。
そして思いついたのがレンタサイクルでした。
スタッフとして働くことでお金をかせぎ自分で生活をする力を取りもどしてもらおうと考えたのです。
川口さんはこれまで53人をやといました。
町田清文さんもその一人です。
町田さんは以前仕事がなく役所から生活保護費というお金を受け取ってなんとかくらしていました。
失礼します。
一人でアパートにとじこもっていたという町田さん。
働くようになって以前より明るくなったそうです。
前にくらべたら…働くことで人と話す機会もふえました。
かつて仕事や住む家がなかった人たち。
川口さんのもとで働くことでお金を得るだけではなく人や社会とのつながりを取りもどしています。
しかし川口さんの事業はこれで終わりではありません。
次のステップがあります。
それは就職活動。
新たに仕事を探しレンタサイクルのスタッフを卒業してもらうのが本来の目標です。
これまでやとった53人のうち14人が再就職にこぎつけました。
しかし新たな就職先を見つけるのはかんたんなことではありません。
川口さんが気にかけているスタッフがいました。
去年の4月からレンタサイクルのスタッフとして働いています。
仕事はなれた。
なれたというかお客さんと会話がスムーズにできるようにはなった。
ただ今でもよく失敗します。
この間なんかお客さんからお金もらうのわすれたりね。
働き始めて半年。
そろそろ就職活動を始める時期ですがなかなか取りかかれずにいました。
おつかれさまで〜す。
心配した川口さん話を聞いてみることにしました。
6か月を働かれてじゃあ次どうしていこうかっていうのをお話させていただこうかなと思って。
自分もハローワークとかいろいろ探してるけども仕事もないし。
自分でも探してるけどなかなかない。
自分はやっぱり片目が見えないというハンディもあってなかなかないんですよ。
もう少しここで働かせていただきたいなという意向があります。
澤本さんどうしても就職に前向きになれません。
「どうせ自分なんか」っていうネガティブな気持ちにおちいりがちなんでそれをどう克服してそしてハローワークとかに通ってどう仕事を見つけていくかが課題かなっていうところです。
澤本さんが就職活動を始めない理由はもう一つありました。
それはホームレスだったころの経験です。
もともと警備会社の社員だった澤本さん。
6年前に左目を失明し職を失いました。
再就職先は見つからずたよれる家族もいない。
やがて貯金も無くなり路上で生活するようになりました。
空き缶とか投げられるのはしょっちゅうでした。
なんとか仕事につこうと面接に行きましたがホームレスというだけでひどい対応を受けたといいます。
「ふ〜んそうなん?ほ〜う」って。
澤本さんは過去の体験から就職活動をする気になれなかったのです。
あと半年残りたいという澤本さん。
川口さんは説得を続けます。
もう半年っていう気持ちはわかるんですけどでももう半年やと絶対中がダラダラしちゃうじゃないですか。
いっしょにわたしたちも考えるので一か月一か月目標を決めてやっていったほうがええんちゃうかなとは。
どうやろう?1か月がすぎました。
川口さんは澤本さんにできる仕事がないか探し続けました。
そして見つけたのが文房具をあつかう仕事です。
さっそく澤本さんにすすめてみました。
ここが働いてくれる人探してるみたいで…。
自信を取りもどすにはとにかく一度面接を受けるしかないと川口さんは考えたのです。
そうですね。
今聞いてみます?どうせやったら。
はい。
はい。
すいません。
タウンワーク見て募集を見て電話させていただいとる澤本と申します。
自分片目見えないんですよ。
まったくね。
そういう人間も大丈夫なんでしょうか?問題はないと説明がありました。
わかりました。
じゃあよろしくお願いします。
はい失礼します。
おお〜!おめでとうございます。
面接を受けることになりました。
澤本さん就職活動をしようと思い直したのはいつまでもここにいてはいけないという思いからでした。
それを考えてちょっと考えようかなと思って。
いよいよ面接の日です。
なんとかがんばります。
じゃあがんばってください。
ちょっときんちょう気味。
面接は15分ほどで終わりました。
ただいま〜。
おつかれさまで〜す。
おつかれさまで〜す。
おつかれさまです。
どうでした?面接終わりました。
おお〜。
金曜日か土曜日までに返事はしますということで。
よろしくお願いします。
結局会社から採用の連らくはありませんでした。
しかし澤本さんはくじけてはいません。
行ってらっしゃいませ。
澤本さんは就職情報誌を集めるなど前向きに仕事探しに取り組んでいます。
川口さんは今より多くの人にレンタサイクルを知ってもらおうと努力しています。
利用者をふやしもっとたくさんのスタッフをやといたいからです。
目ざすのは500人をやとうことです。
一人でも多くの人を救いたい。
川口さんの思いは少しずつ実を結び始めています。
2014/02/21(金) 10:00〜10:15
NHKEテレ1大阪
道徳ドキュメント「もう一度、働きたい」[解][字]
中学生の時からホームレス支援を続けてきた川口加奈さん(23)。2年前に元ホームレスの人たちをスタッフとして雇うレンタサイクル事業を始めた。奮闘の日々を追う。
詳細情報
番組内容
2年前、大阪でレンタサイクル屋さんがオープンした。スタッフとして働くのは元ホームレスや、生活保護受給者の人たち。働くことで、人とのつながりや、就労意欲を取り戻してもらおうと始まった取り組みなのだ。事業を運営する川口加奈さん(23歳)は、中学生のときからホームレス支援を続けてきた。仕事に慣れてきたスタッフには、新たな就職先を見つけてもらうのが事業の目標。奮闘する川口さんと、スタッフの日々を見つめる。
ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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