(葵)ヨイショ…ワイシャツでしょ下着に靴下…あっ洗面道具忘れた!
(葵)はぁ危ない危ない。
よし。
出来た。
康ちゃん。
康ちゃん!
(康平)うん?出来たよ準備。
ああサンキュ。
ヤバイもうこんな時間だよ!ヤバイ!
(葵)急がなきゃ!はいはい…!ねえ今度の出張って5日間だったよね?うん。
康ちゃんの好きなエビフライ作って待ってるから。
うん…。
気をつけてね〜。
じゃあ。
うん行ってらっしゃい。
(ドアの閉まる音)私も急がなきゃ!
(携帯の着信音)うん?あっ!
(携帯の着信音)
(女性の声)もしもし?今日何時に帰ってくるんだっけ?えっ?
(ドアの開閉音)あれっ?これ康平さんの…。
(康平)何してんだよ!仕事の電話だと思って。
ねえ今の人…。
ヤバ!新幹線!行ってくる。
ちょっと康ちゃん!?ああごめんごめんさっきの。
うん間違って会社の同僚が出ちゃったみたいで。
うん。
そうどうした?
(葵)熱くないですか?
(客)はい。
(客)あの…。
あっすいません。
失礼しました。
(携帯の操作音)
(留守電)ただいま電話に出る事ができません。
お名前とご用件をお話し下さい。
もしも〜し康ちゃん?ねえまだ〜?遅くなるんだったら連絡ぐらいしてよ。
じゃあね。
(携帯の着信音)もしもし?今どこ?
(康平)葵ごめん。
どうした?仕事で何かあったの?帰って来れそう?
(康平)もう帰らない。
別れよう。
えっ!?
(康平)本当にごめん。
ちょっと待ってよ!もしかしてあの女?
(康平)とにかく俺の事は忘れてくれ!
(電話の切れた音)ちょっと待って!
(不通音)
(康平)もう帰らない。
別れよう
(知美)康平さん!これ忘れ物!ああ悪い。
助かったサンキュ!ねえ康平さん。
何?ううん何でもない。
行ってらっしゃい。
(康平)行ってきます。
(クラクション)あっ!すいません。
(香苗)葵さん?へっ?あっ…。
どうしたんですか?何か今日ちょっと変ですよ。
何かあったんですか?実は…。
(芳江)香苗ちゃん遅いわねぇ。
(里奈)きっと凝った髪形にしてもらってるんですよ。
ほらカットしてカラーして。
あっパーマもあててヘアパックもして。
そんなに!?聞いてるだけで疲れる。
春だからイメチェンしたいじゃないですか。
イメチェンしないといけないのはあの男よね。
それは言えてる。
今モミアゲ伸ばしてるんだって。
(里奈)フフフホントですか?遅くなりました!どうぞ。
あれ?美容院行ってたんじゃないの?行ってきましたよ。
先生!何も変わってないじゃないの。
むしろ乱れてますよ。
先生依頼人をお連れしました。
(袴田)お話は分かりました。
ご主人が浮気をしてしかも一方的に別れを切り出されたんですね。
それで葵さんはどうされたいんですか?私は本当の事が知りたいんです。
本当の事も何もないんじゃない?女が出来た。
別れたい。
それがすべてじゃない?芳江さん。
春ですし人の心は変わるもんなんですよ。
でも2年も一緒に暮らしてたんですよ。
電話1本でサヨナラだなんて納得できません。
まだ未練がおありですか?未練っていうか…。
ちゃんと説明してほしいんです。
もしホントに私を捨ててあの女を選ぶんだとしたらその時は…。
離婚して慰謝料を取りたいってことですね?はい。
ただ…。
ただ?離婚っていうか…。
私たち入籍してないんです。
え?でも夫婦なんでしょ?結婚して2年。
ハッ…内縁の妻ってこと?古いですよ。
今は事実婚っていうんです。
事実婚?簡単に言うと婚姻届を出さない結婚のことです。
でも何で?それは…。
(里奈)今結構多いんですよねぇほら夫婦別姓でいいし煩わしい親戚付き合いもしなくてすむし何よりお気軽なんですよね。
結婚がお気軽なんて世も末ですたい。
でも入籍していなかったら慰謝料取れないんじゃないですか?なんだぁ期待してた〜。
残念でしたねぇ。
いいえそんな事はありません。
じゃあ…。
入籍していなくても慰謝料は取れます!通常事実婚にも法律婚に準じた夫婦の義務つまり夫婦協力義務や貞操義務が生じます。
お2人が事実婚であった事を証明できれば法律婚とほぼ同じ額の慰謝料が取れるんです。
(一同)へぇ〜。
でも事実婚だったって事をどうやって証明するんですか?ポイントは2つあります。
1つ目は…。
もちろん婚姻の意思はありましたしお互い夫婦として生活していました。
それを証明する証拠が必要になります。
証拠?一番有効なのはお互いの名前が書かれた書類です。
例えば住民票が同一世帯になっていて片方が世帯主もう片方が未届の妻または夫として届出されているとか。
住民票は別々です。
ではマンションの契約書はどうでしょう?契約の欄がお2人の連名になっていませんか?いいえ私が住んでいたマンションに転がり込んできたので。
そうですか。
ではお2人がご夫婦であった事を証明してくれる人はいませんか?例えばお互いのご両親とか友人や職場の人とか。
まだ両親には紹介してませんし彼の友達にも会ったことありません。
とにかく夫は出張が多くて…。
それじゃあ証明できないじゃない。
何の証拠もないってことですよね。
(くるみ)お待たせしました。
フリー調査員の梅本で〜す。
別に待ってませんけど。
あれ?今証拠はないって言ってなかった?あっ私言っちゃった。
確固たる証拠が必要な時は『鋼鉄の女スパイ・マリリン』シーズン10エピソード9。
(マリリン)「うかつだったわね証拠はいつも思い出の中」。
振り返ればそこにある。
(銃声)バンッ!ヘッ!?どこどこ?思い出の中?そうよ2年間も一緒に暮らしてたんでしょう?思い出をたどれば必ず見つかるはずよ。
あっそういえばウエディングドレスの写真って証拠になりますか?結婚式は挙げたんですか?いえ式は挙げてないんですけど写真だけは残しておきたくって。
それは証拠として使えます。
あと誓約書…。
誓約書?はい。
夫婦として生活する中でお互いが守るべき三箇条をふたりで決めたんです。
それも使えます!あとは?まだまだあるでしょ?ふたりのスウィートメモリー。
ふたりのスケジュールが書かれたカレンダー。
いいですね!夫婦茶碗とか。
OKです。
あるじゃないふたりのスウィートメモリー。
ヤー。
とにかく証拠をなるべく集めて下さい。
はい!ご主人の浮気の調査は梅本さんにお願いします。
フッラジャー。
葵さん袴田先生が必ず何とかしてくれます。
はい。
(ノック)
(藤岡)どうぞ。
(康平)失礼します。
(藤岡)おう。
もう引越しは落ち着いたのか。
はいおかげさまで。
君の就任式だが再来週の月曜日に決まったよ。
分かりました。
何しろ先輩陣を飛び越えて若手の君を推薦したんだ。
それなりの波風は立つ。
前にも話した通り下らんミスやトラブルに巻き込まれて足元をすくわれるような事はするな。
承知しています。
ここまで来れたのは社長のおかげです。
ありがとうございます。
おう。
ところで知美から電話があってな君の浮気を心配してたぞ。
ご心配には及びません。
信用していいんだね?もちろんです!あれ…?ない…。
ない!なんで…?ない…。
カップも…夫婦茶碗も…ない!康ちゃん!?
(留守電)おかけになった電話番号は現在使われておりません。
番号をお確かめになっておかけ直し下さい…。
(電話を切る音)
(葵)あすいません…。
あいえ。
どうぞ。
ゆうべ仕事から帰ってきたら彼の荷物が丸ごとなくなってて。
丸ごとってじゃあ証拠は?パソコンにデータは残っていませんか?あ…。
どうしてこんな事…。
単に自分の荷物を持ち去った…という訳ではなさそうですね。
どういう事ですか?この部屋を見る限りご主人がいたとは思えません。
つまり康平さんは自分がいた痕跡そのものを消し去ったんではないですか?そんな!康平さんには法的な知識があるのかもしれない。
(葵)え…?葵さんから慰謝料を取られないよう先手を打った私にはそう見えます。
康ちゃんが?なんで…。
じゃあ先生…。
事実婚であった事を証明できないとなると難しいです。
ハァ…。
(携帯の着信音)梅本さん?
(くるみ)ややこしい事になってきたわよ。
ややこしい事?
(くるみ)これを見て下さい。
(葵)やっぱり…この女が浮気相手だったんですね。
いいえ違います。
じゃあ一体…。
この女性の名前は平野知美さん。
平野康平さんの正式な配偶者です。
え!?えっ!?
(くるみ)つまり平野康平さんの浮気相手は葵さんあなただったんです。
私が…!?私が…浮気相手…?待って下さいどういう事ですか?康平さんが勤めているのはフジハウステックの名古屋本社。
月に半分は東京に出張に来ていました。
出張に来ていた?出張に行ってたんですよね!?いいえ違います。
その逆なんです。
出張先の東京で葵さんと出会って事実婚をした。
それが2年前でしょ?はい。
その後本拠地の名古屋で知美さんと出会って法律婚をした。
それが1年前。
葵さんっていう奥さんがいるのに…。
つまり重婚?
(くるみ)おまけに知美さんは康平さんの会社の社長の娘。
(里奈)社長の娘?
(くるみ)そのおかげかどうか再来週フジハウステック東京支社の執行役員に昇進するんです。
納得しました。
つまり出世のために二重生活を清算する必要があった訳ですね。
それで葵さんに別れを切り出した。
そういう事!さすがね〜よく分かったわね。
(咳払い)それでは私はこれで失礼します。
もはやただの浮気の話じゃなくなりました!葵さん大丈夫ですか?私…ず〜っと騙されてたんですね。
信じてたのに…。
許せない…ひどすぎます!
(ドアの開く音)皆さ〜ん!新しい依頼人よ!旦那さんが浮気してその女から慰謝料取りたいんだって!興信所を雇って証拠写真も準備してるの。
やったね!立て続けに2件〜!今月は家賃期待できそう。
それで依頼人は?あっいけない!どうぞ〜!入って!こちらはいどうぞどうぞ。
あっあの人どっかで…。
あっ!あ…!あ…!!あんた西嶋葵?そうだけど。
何すんのよ!人の夫に手ぇ出してんじゃないわよ!あんたが手ぇ出したんでしょ!私は妻よ!妻は私よ!あんたが妻な訳ないでしょ!私が妻だって言ってんでしょ!だんだん面白くなってきた〜!袴田先生止めないと。
お2人とも落ち着いて下さ…。
(知美・葵)うるさいっ!康ちゃんはね…。
(知美)康ちゃん!?あんたね馴れ馴れしく呼んでんじゃないわよ!康ちゃんは康ちゃんなのよ!
(知美)嘘つきが…!
(葵)ニャロー!ざけんな…!!いい加減にしなさい!お2人共同じ被害者じゃありませんか。
被害者?こんな女と一緒にしないでよ!この女はね私の康平さんたぶらかして不倫してたのよ!証拠だってねほら!
(知美)これで分かったでしょ?この女が嘘つきだって!違うんです。
葵さんは2年も前から康平さんの内縁の妻として生きてこられたんです。
2年?内縁の妻!?康平さんはその事を隠したままあなたと結婚した。
嘘よ!嘘!!葵さん知美さん左手を見せて下さい。
左手?同じ指輪?葵さん康平さんからその指輪をもらったのはいつですか?去年の3月です。
記念日でも何でもない日に突然くれました。
えっ…3月?ちょうど知美さんと結婚された頃ですよね?つまり康平さんは同じ結婚指輪を同時に2人に贈ったということです。
自分の結婚指輪を東京と名古屋で…付けたり外したりしなくて済むからです。
これでお分かりですね?あなたたちは2人とも騙されていたんです!同じ被害者なんです!
(知美)違う…違うわよ!指輪なんて偶然よ!私は苗字だって平野!戸籍上も間違いなく妻!でも…あんたが妻だったって証拠は何なのよ!!それは…。
言えないじゃない!私この女に慰謝料請求します!先生私の代理人になって下さい!残念ながらそれは出来ません。
えっ!?私は葵さんの代理人です。
葵さんを訴えようとしているあなたの依頼を受けることは利益相反に当たります。
それに葵さんは康平さんがあなたと結婚した事を知らされてなかったんですからあなたが葵さんから慰謝料を取ることはできません。
取れない!?でも知美さんもしあなたが康平さんから慰謝料を取るというのであれば依頼をお受けできます!康平さんから!?はい。
知美さん…葵さんと仲良くしませんか?はぁ!?はぁ!?手を取り合って協力するんです!
(一同)はぁ?何言っちゃってんの?今の見てましたよね?そうですよ。
無茶です!バッカじゃないの!?私が康平さんを訴えるわけないじゃない!
(知美)もういい…あんたみたいな弁護士に頼まない。
父に頼んでこの女から絶対慰謝料取ってやるんだから!!先生…。
無理は承知です。
しかし康平さんに2人の妻がいることを立証するにはこれが一番の方法なんです。
(葵)私…何やってんだろ…。
入籍なんかしないでもいいって思ってた。
一緒に暮らし始めた頃康ちゃんに聞いたことがあったんです。
これからどうすんのって。
そしたら康ちゃん…。
(康平)俺はこんな紙切れ1枚に縛られたくないんだ!大事なのは形式じゃなくて2人の気持ちだろ?
(康平)俺は葵とずっと一緒にいたいと思ってるよ…葵は?私だって…俺たちもうとっくに夫婦だろ夫婦?俺はお前を…妻だと思っているよ
(葵)あの時は…まさかこんなことになるなんて思ってもなかった。
私たち幸せだった…康ちゃんの言う通り大切なのは2人の気持ちだって思ってた。
(葵)でも…こんなことになってみると私は…私が妻だって証明できるものは何1つ持ってなかった。
ああ…。
私…悔しい。
あの紙切れ1枚のためにこんな思いしなきゃいけないだなんて…。
葵さん…。
(知美)康平さんこの人と結婚してたの!?そんなわけないだろ。
(知美)私…弁護士事務所でこの人に会った。
えっ!?お願い。
本当のこと教えて?ごめん!えっ!?
(康平)知美と結婚する前にたった一度だけ酔ったはずみで関係を持ったんだ。
でも一度だけなんだ!それ以来…俺ずっと付きまとわれてるんだ!でも…あの人私と同じ指輪してた!あの女が俺のを見て買ったんだよ!じゃあこれは?もうこれ以上付きまとわないでくれって言いに行ったんだ!…君とのこれからの生活を守るために。
それってストーカーってこと?そうそう…ストーカー!ストーカーなんだ!じゃあ警察に相談しよう?えっ?いや…それは待ってくれ。
知美だって…今俺が昇進を控えた大切な時期だってことは分かってるだろ?騒ぎになればお義父さんにだって迷惑がかかる。
そんなに俺が信じられないのか…。
知美…これだけは言わせてくれ。
世界中で一番大切なのは…知美なんだ!俺は知美とずっと一緒にいたいと思っているよ。
知美は違うのか?康平さん…。
信じていいの?
(康平)当たり前だろ!
(拍手)いや〜。
迫真の演技でしたね!そうやって2人のこと…騙し続けてたんですね?失礼だよ。
…あんた誰だ?申し遅れました。
西嶋葵さんの代理をしている弁護士の袴田と申します。
あんたか?知美に余計なこと吹き込んだのは。
酷い人ですね。
葵さんとの事実婚を出世のために一方的に解消するなんて。
事実婚?何か証拠でもあるのか?ありません。
…あなたが隠滅したじゃないですか?バカバカしい…。
あなたがやったことは…許されることではありません。
俺は何もやってない!近いうちに正式に…慰謝料を請求させて頂きます。
だから俺は何もやってないんだよ!
(美里)事実婚って危ういんですね。
ええ。
私もつくづくそう思いました。
(美里)でも今回は2人の妻が手を組むって話なんですよね?そうなんです。
そんなことって出来るんですか?それが…。
(沙羅)それしか手はありません!妻です。
よろしくね!私も妻です。
よろしくね!あれ?手が…組めない。
(沙羅)手が!
(沙羅)手を貸して下さい!
(美里)あっ見ちゃダメです!
(沙羅)あ〜止めて!
(沙羅)誰か〜!誰か止めて下さい!!♪〜
(クラシック音楽)先生…やっぱり2人にタッグを組ませるなんて無理なんじゃないでしょうか?一体どうやって知美さんを説得するんですか?わかりません。
ただ私は…2人とも助けてあげたいんです!香苗さん。
もう一度葵さんの部屋を見たいんですが?えっ?さっきから何を探してるんですか?私にも分かりません。
えっ!?ただ2年間一緒に夫婦として暮らした痕跡を完璧に消せるんでしょうか?これは?ああ…。
八丁味噌です。
なるほど…。
ちょっと…先生!あっ。
ちょっと…ちょ…ここはあの…ちょっと…ダメです!あっ…わかりました。
はいすいません。
えっ?あ…すいません。
トイレをお借りできますか?えっ…どうぞ。
あっ…。
変わった人ですね。
あっ…ねえ。
(トイレの水を流す音)スッキリしました。
先生何かわかったんですか?いくつか分かりました。
え?
(知美)何の用ですか?まだ私とあの人を組ませようとしてるんですか?はい。
差し出がましいようですが私にとってはあなたも葵さんも同じ被害者ですから。
私は康平さんを信じます。
そうですかじゃあ最後に一つだけ確認させて下さい。
確認?あなたが興信所に撮らせた写真のことです。
あの日付確か3月6日でしたよね。
それが何なんですか?その日なんです葵さんの部屋から康平さんの痕跡が消えたのは。
え?康平さんが証拠を隠したって言いたいんですか?ご判断はお任せします。
冷静に考えてみてください。
ちなみに明日ご主人に慰謝料を請求させていただきます。
ちなみに午後2時にご主人の会社です。
あっもう一つありました。
もしかしてお宅のトイレットペーパー「ふんわりダブルの極上やわらか仕上げ幸せ」じゃありませんか?そうですけど?葵さん大丈夫ですか?はい…。
あれ以来康平さんと会うの初めてなんですよね。
ええ…。
じゃあ行きましょうか。
知美さんは?私はきっと来てくれると信じてます。
知美さんやっぱり来てないですね。
・盛り上げてやってくれ・・よろしくお願いします・・次からはね・・はいぜひとも・今日からしっかり頼む期待してるよ。
はい。
(秘書)平野部長。
ご面会の方がいらしてます。
(康平)面会?お忙しいところすみません。
平野さんに緊急で大事なお話がありまして。
会社に来るなんて非常識だろ。
非常識?あなたにそんなこと言われるとは思いませんでした。
何を言ってるんだ。
とにかく今日のところは帰ってくれ。
何事だ?いえなんでもありません。
ちょっとこっちへ。
座りたまえ。
一体なにがあったんだ。
(康平)いえあのこれはあの…。
ちょうど良かったです藤岡さんの娘さんにも関係あるお話なんです。
知美に?何がだ…。
いえ社長本当に何でもないんです。
話を聞こうじゃないか。
平野康平さんは事実上の重婚をしていたんです。
重婚?もっと分かるように話してくれ。
こちらの西嶋葵さんと事実上の夫婦でありながらそのことを隠してあなたの娘さんである知美さんとも結婚なさったんです。
なに〜?社長これは根も葉もない嘘です!出張が多いことを利用して月の半分は東京で葵さんと残りの半分は名古屋で知美さんと二重生活をしていたんです。
証拠もないくせにそんなでまかせを言うな!証拠は見つけました。
え?これです。
なんだよそれ。
「ふんわりダブルの極上やわらか仕上げ幸せ」です。
失礼ですがあなたはお尻に何か問題でもお持ちなんですか?何を言ってるんだ。
私も使ってみたんですが気持ちよくて病みつきになりますね。
これは4ロールで800円もする超高級トイレットペーパーです。
ダブルで香りつきおまけに真綿のような柔らかさ。
フッバカバカしいそれのどこが証拠なんだよ!そんなのどこでも売ってるだろ!
(葵)この人いつもこれじゃないと。
問題はあなたがこの銘柄を買うように葵さんに指定していたことです。
同時に知美さんにも指定していましたよね?え?
(知美)その通りよ。
家のトイレットペーパーも同じです。
知美。
知美さん。
康平さんいつもこれじゃないとダメだったわよね。
あなたは色々と拘りがあるようですね。
歯磨き粉は…。
(葵・袴田・知美)粒塩入り。
靴下は…。
(葵・知美)五本指。
防虫剤は…。
(葵・知美)森の香り。
梅干しは…。
(葵・知美)はちみつ入り。
お味噌は…。
(葵・知美)八丁味噌!こういうことは一晩限りの関係で言えることではありません。
長い間一緒に生活していないとわかり得ないことなんです。
つまりあなたがお2人と婚姻関係にあった証拠になります。
そんなの証拠になるかよ!証拠は他にもたくさんありました。
でもそれらはあなたが全部隠滅したんですよね?そんなことはしていない!葵さんあなたの部屋から康平さんの物が持ち去られたのがいつですか?3月6日です。
これがその時の写真だったのね!
(知美)葵さんこの前はひどいこと言ってごめんなさい。
こっちこそ。
平野康平さん。
西嶋葵さんが受けた精神的苦痛は甚大です。
つきましては慰謝料500万円請求します。
500万…。
(知美)康平さん。
私あなたと離婚します。
知美ちょっと待ってくれ!袴田先生慰謝料ってどのくらい取れますか?不貞行為と離婚による精神的苦痛。
合わせて大体400万円ぐらいは。
お願いします。
ということは葵さんと知美さんの慰謝料合わせて900万円になります。
そんなの払えるわけないだろ!
(藤岡)退職金があるだろう。
え?君は今日でクビだ。
えっ…そんな。
後日知美さんの方の書類も作成して郵送します。
新しい住まいと職場が決まったらご連絡ください。
康ちゃん2年間ありがとう。
葵…。
さよなら。
へ〜ぜ〜んぶ失ったんだ旦那さん。
ええ。
で2人の妻はどうなったわけ?傷ついた者同士意気投合したらしく葵さんの美容室に知美さんが通ってるそうですよ。
じゃあ結局先生の計算どおりになったってことですか?そういうこと。
(トイレの水を流す音)は〜スッキリした。
あっそれ。
一度使ったら病みつきになってしまいました。
皆さんもぜひ!でもそれ4ロールで800円もする高級品ですよね?
(芳江・里奈)高っ!ちょっと先生家賃滞納してるくせにこんなものにお金を使っていいと思ってるの?バイト代だってまだ先なんですけど!あっいやでもこれはすごく良いんです!じゃあなに私たちはトイレットペーパー以下ってこと!?ああいや一度使えばわかりますって!あのほんとに癖になります。
ええ?「ふんわりダブルのやわらか仕上げ幸せ」です。
(里奈)えっでもどうせ水に流れちゃうじゃないですか。
あっいやそうなんですがあの…。
2014/03/06(木) 23:59〜00:54
読売テレビ1
木曜ドラマ『慰謝料弁護士』第9話〜事実婚vs法律婚“2人の妻”壮絶バトル[字][デ]
【あなたの涙、お金に変えましょう】浮気・不倫・離婚…男女の様々なトラブルを抱えた依頼人のため、腕利き弁護士が慰謝料を取るべく活躍する一話完結のリーガルストーリー
詳細情報
出演者
◇袴田幸男:田中直樹(ココリコ)
◇野々村香苗:矢田亜希子
◇梅本くるみ:渡辺直美
◇水谷沙羅:山田菜々(NMB48)
◇田畑美里:高嶋香帆
◇篠塚里奈:岩