今後の行方に注目が集まる日米関係。
ケネディ駐日大使が就任後初のテレビインタビューに応じました。
スイートキャロライン!
去年11月日本の人々に大歓声で迎えられたアメリカのキャロライン・ケネディ大使。
ジョン・F・ケネディ元大統領の長女でアメリカ屈指の名門一族の出身です。
就任に先立った議会の公聴会では日米関係の発展に強い意欲を示しました。
しかし、待ち受けていたのは日本を取り巻く東アジアの厳しい情勢。
日中、日韓とも首脳会談が2年近く行われていない事態となっています。
そうした中、去年12月には安倍総理大臣が靖国神社に参拝。
アメリカ政府は近隣諸国との緊張を高めたとして異例の声明を発表しました。
さらにアメリカ議会調査局は先月安倍政権の歴史認識に対する懸念を指摘。
日米関係そのものまでぎくしゃくし始めています。
日米関係はどこへ向かうのか。
ケネディ駐日大使へのインタビューで迫ります。
こんばんは。
「クローズアップ現代」です。
ジョン・F・ケネディ元大統領の長女キャロライン・ケネディ大使が初の女性駐日大使として着任したのが去年11月のことです。
ケネディ大使が向き合う日米関係は複雑です。
安倍政権は、TPP・環太平洋パートナーシップ協定への交渉への参加を決め憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を容認する姿勢を打ち出しています。
さらに、この政権の下沖縄県知事による普天間基地の移設先の埋め立てが承認されました。
国内で賛否があるこうした日米間に関わる問題に積極的に取り組む姿勢を見せている安倍政権は日米関係を強化するパートナーだとしてアメリカに見られています。
その一方で、去年暮れに安倍総理大臣が行った靖国神社参拝で韓国や中国との関係が悪化したことを受けアメリカ政府は失望と批判しました。
さらにアメリカの議員在日アメリカ大使館そしてアメリカのメディアは相次いで日本政府関係者や安倍総理が国会の同意を得て任命したNHK経営委員そしてNHK会長による歴史認識に関わる発言を批判し日本のリーダーの歴史認識に懸念を強めています。
アメリカ政府はとりわけ同盟国である日本と韓国の関係が冷え込んでいる現状を懸念していまして冷え込みは、アメリカの国益を損ねるものという見方も出ています。
日米関係を強化する安倍政権の積極的な姿勢を歓迎しつつも歴史認識を巡る問題でぎくしゃくする日本とアメリカ。
きょう、ケネディ大使は就任して以来初めてテレビのインタビューに応じました。
ケネディ大使、ご出演ありがとうございます。
駐日大使に着任されてから、3か月半たちますが、日米関係を取り巻く雰囲気をどのように今、表現されますか?
私は最もすばらしい時期に、駐日大使として就任しました。
最高の歓迎を受けました。
この地域において、今最も魅力的で大変重要な時期だと思っています。
今、2国間関係の強固さを強調されました。
安倍政権は特定秘密保護法を成立させ、憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認する姿勢を見せています。
さらに、沖縄県知事の承認を得て、普天間基地の移設を進めようとしています。
また、TPP交渉への参加も決定しました。
日本国内で、大きな議論を呼んでいるこうした課題に積極的に取り組んでいる姿勢を、恐らくアメリカは歓迎していると思います。
安倍政権をどのように評価していますか?
最も重要なのは、安倍総理大臣は、日本経済を再び活性化させ、それによって多くの人に希望を与えたことです。
日本の人々は、今後の見通しと、自分たちの将来について、大変前向きで、それはとても重要なことです。
アメリカのパートナーとして、安倍総理大臣はぶれることのないすばらしいパートナーです。
このように同盟関係は強力で、安定した強い指導者の下、経済は回復し、女性の社会参画が進み、私たちは宇宙開発や、人道支援活動などで協力しているのです。
ですから、この日米のパートナーシップというのは、多くの側面があると思います。
そして安倍総理大臣は、経済における希望と、明るい見通しを日本社会にもたらしていると思います。
それによって、この地域での建設的な役割を担うことが可能になり、日米が共有する問題について、両国が協力して取り組むことはすばらしいことです。
就任されてから、安倍総理大臣の靖国神社参拝が、日米関係に影を落としました。
アメリカ大使館と国務省は、参拝後、コメントを発表しています。
それは日本の指導者が、日本と近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことについて、失望しているというものでした。
これは異例ともいえるものでした。
靖国神社参拝について、なぜアメリカは声を上げる必要があると感じたのでしょうか。
私たちには、一緒に取り組むべき重要な任務があると思います。
それを困難にするものについては失望します。
私たちは自分たちの立場を明確にしたと考えます。
日米は大変親しい友人であり、同盟国です。
多面的なパートナーシップ関係にあり、多くの事柄について協力しています。
そうした前向きな任務から目をそらし、地域の情勢を難しくするような行動は、建設的なことではありません。
なぜなら私たちは前進し続ける必要があるからです。
失望しているというアメリカのコメントに対して、日本では、次のような声が聞かれます。
これは国内問題で、アメリカは日本の国内問題に干渉すべきではない。
こうした声にあなたはどう反応されますか。
この地域の情勢は複雑です。
しかし、こうした状況だからこそ、私が思うのは、私たちは同盟国であり、友人です。
そして強固なパートナーシップを築いています。
友人や同盟国であっても、時として意見の違いはあります。
しかし、だからといって、私たちが親しいパートナーではないとか、同盟関係に深くコミットしていないとか、そういうようなことではありません。
私たちはただ、この仕事を一緒にやりたいのです。
その状況を困難にするようなことが起きた場合は残念です。
日米関係というのは、極めて前向きで極めて強固です。
この地域全体、そして日本、アメリカにとって重要なのは、パートナーという意識を持って取り組むことなのです。
半世紀以上続く日本とアメリカの同盟関係。
今、メディアは安倍政権に対して警戒感を強める記事を次々と掲載しています。
アメリカの歴史観と対立する動きが日本で強まっているとしているのです。
さらに4日アメリカ政府の高官が歴史認識を巡って冷え込む日韓関係に懸念を示しました。
さらにラッセル国務次官補は……と表明しました。
対話と協力を通じて日米の絆を深めたいと話すケネディ大使。
就任早々向かったのは東日本大震災の被災地でした。
津波の爪痕がいまだに残る場所や被災人たちが暮らす仮設住宅を訪れ、話を聞きました。
おばんです。
あとは、すべてみんな流されてしまったというような。
次に訪問したのは被爆地、長崎でした。
父親のケネディ元大統領は部分的核実験禁止条約の締結など核軍縮に取り組みました。
ケネディ大使自身も二十歳のとき広島を訪れ核廃絶に強い関心を抱いてきました。
この日被爆者の男性たちと交流し平和のために尽くす思いを新たにしました。
そして、先月にはアメリカ軍普天間基地の辺野古への移設で揺れる沖縄へ。
しかし。
沖縄県内の移設であることや環境面への影響などから根強い反発も。
ケネディ大使はアメリカ軍関係者の案内で移設先となっている名護市辺野古の沿岸部を視察。
移設に反対する名護市長とも会談し対立する意見にも耳を傾けました。
日本とアメリカの関係は、安倍政権の一員、それにNHKの経営委員や、会長の発言によって影響を受けていると言わざるをえません。
これらの発言について、アメリカのメディアは、第2次世界大戦の歴史解釈を書き換える、ないし変更しようとする試みだと報じています。
アメリカの専門家が先日、議会に提出した報告書を読みました。
それを引用します。
安倍首相の歴史観は、第2次大戦におけるアメリカの役割、そしてその後の日本占領についてのアメリカ側の概念と対立する危険がある。
アメリカ大使館は、一部の発言について、非常識だとコメントしています。
あなたが伝えようとしているメッセージについて、詳しく説明してください。
アメリカ大使館のコメントのとおりです。
友人や同盟国にも意見の違いはあるでしょう。
意見が食い違う点があれば、そのように言うことが重要だと思いますし、われわれはこれからもそうしていくと確信しています。
しかし、全体的な関係を見て、そうした事柄を見ていかなくてはならないと思います。
日本とアメリカの関係は、極めて強固で前向きなパートナーシップであり、この地域の人々の幸せのために取り組んでいるのです。
そしてこの関係が、安定と経済的繁栄をもたらしているのです。
経済的なリーダーシップが、過去50年間において実現してきた多くの発展の土台となってきたのです。
そうした背景を捉えたうえで、問題を見る必要があると思うのです。
歴史は複雑です。
オバマ大統領が引用した、キング牧師のことばのように、歴史は正義に向かっており、それこそ私たちが目指したいと思っていることです。
歴史認識の問題が注目を集めていますが、日韓関係の悪化は、アメリカの国益にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
友好関係にはさまざまな側面があります。
おっしゃられたように、韓国と日本は、アジアにおけるアメリカの最も緊密な同盟国です。
両国とも民主主義国であり、言論の自由があり、法治国家です。
こうした事柄について、議論することが重要ですが、日米韓の3か国が協力することができ、また協力していくと思います。
良好な関係は3か国の国益にかなうことであり、それゆえに3か国が共に目指していくことだと思います。
日本と韓国が、あらゆるレベルで対話を続けていく道を見つけることを望んでいます。
両国は経済面での対話や協力が多く行われており、ビジネス上の結び付きも深いです。
防衛協力もあり、観光客の往来も多いです。
個人や専門家のつながり、さらに家族のつながりもあります。
両国の政治家の意見が異なっても、個人レベルの交流は続いていくでしょう。
ですからこうしたつながりや対話は続いていくと思います。
日韓の国民は意見の相違を乗り越える方法を見つけていくでしょう。
それは3か国の国益にかなうことであり、アメリカはそのために、できる支援はなんでもしたいと思っています。
アメリカは、日韓関係の改善を支援できるとおっしゃいましたが、具体的にどのようなことができると思われますか。
日韓両国は緊張緩和のプロセスを主導すべきです。
同盟国であるアメリカも支援はなんでもしたいと思っています。
オバマ大統領は、多くの問題に積極的に取り組んでいます。
日韓両国が関係を改善すれば、オバマ大統領もその成果を歓迎すると思います。
中国の問題に移りたいと思います。
中国は軍事費を急速に増やしており、経済的にも、そして軍事的にも大きく成長し、域内の大国となり、この地域のパワーバランスを変えています。
中国が大国化する中で、日本との同盟の強化はアメリカの国益にかなうことなのでしょうか。
強力な日米関係は、多くの理由からアメリカの国益にかなうことです。
強力な日米関係は、この地域全体の経済的繁栄と、平和と安定にとって土台となると思います。
地域関係は一つの側面ではありますが、ほかにも多くの側面があると思います。
日中関係を悪化させるような歴史認識に関わる言動は、中国と新たな関係を構築しようと思っているアメリカの戦略にとって、妨げとなりますか。
強固な米中関係は、日本にもメリットをもたらし、強固な日米関係は、中国にもメリットをもたらします。
アメリカにとっての国益は、隣国どうしが協力し、対話を促進し、域内のすべての国々と協力することです。
人々の暮らしを改善させることを妨げるような事態を回避することです。
それこそが私たちが目指していることです。
大使は、沖縄を訪問して、普天間基地に代わる新たな基地の予定地を視察されました。
名護市の市長や、多くの沖縄県民は新たな基地の建設に反対しています。
この問題の難しさをどのように捉え、そして解決の見通しについて、どのように考えてらっしゃいますか。
沖縄を訪れる機会を得られたことはとても幸運でした。
私は沖縄については、これまで多くのことを聞いたり読んだりしてきましたので、地元では意見が大きく割れていることも知っていました。
だからこそ、現地を直接訪れて、土地の様子や雰囲気を理解することが重要だと思ったのです。
沖縄では知事と名護市長にもお会いし、市長の情熱と決意に感銘を受けました。
確かにこれは難しく複雑な問題です。
アメリカ政府は、在日アメリカ軍基地が与える負担を、できるだけ早く減らすことに真剣に取り組んでいると思います。
私自身も、この問題がいかに重要か、その理由を理解しています。
実際に沖縄に行けば、その理由ははっきり分かります。
私たちは、日米の同盟関係の強化を図りながら、基地が現地に与える負担を減らしていかなければなりません。
どちらも重要です。
沖縄では難しい問題があることも理解しています。
沖縄の皆さんが、子どもたちのためによりよい未来を求めていることも知っています。
ケネディ大使は、女性として初めて駐日大使に就任されました。
アメリカの国内でも女性の地位向上のために力を尽くしてこられましたね。
日本の女性の地位向上のために、どのような支援をしたいと思いますか?安倍政権は成長戦略の中に、女性の社会進出を掲げていますが、ケネディ大使はどのように貢献できると思われますか?
まず私は、女性の社会参加の問題を、政策の中心に据えた安倍総理大臣の判断を歓迎しています。
こうした動きによって、女性の問題に関わる議論が始まってきているように思います。
もちろん、これは女性だけの問題ではなく、男性や企業の問題でもあります。
ですから政府にも、果たすべき役割があるのは、間違いありません。
私は、強い女性が多くいる家庭で育ちました。
私が成人したころは、ちょうど女性が仕事でも家庭でも、自分の目標を追求できるようになった時期でした。
こうしたことは、私の人生にとって重要です。
日本に来てからも、才能と活力にあふれたすばらしい女性にたくさんお会いしました。
日本の女性が持つ可能性をすべて発揮できれば、すばらしい成果が生まれると楽しみにしています。
大使はケネディ家のお生まれです。
日本でもよく知られています。
日本での任務を果たすうえで、ケネディ・スピリットをどのように生かすことができるとお考えでしょうか。
私はことば、そして人の思いが力を持っていると信じています。
すべての市民には自分の国や社会について学び、自分の考えを表明する権利があるのです。
アメリカには、民主主義の最高機関は市民であるということばもあります。
より多くの人が議論に参加すれば、新しい発見があります。
私の父、ケネディ元大統領は、好奇心が旺盛だったと、母からよく聞かされました。
私もその血を受け継いでいるのです。
大使として特に取り組んでいきたいと思っていることはなんでしょうか?
やるべきことはたくさんあって、一つだけ選ぶことはできません。
でも一つ重要だと思っていることがあります。
私の父は第2次世界大戦のとき、太平洋戦線に赴きました。
それから時がたった今、両国関係は驚くほどの進歩を遂げたことが分かります。
パートナーシップの構築という意味で、世界の見本となるものだと思います。
この時期に日本に着任したことは本当に光栄です。
両国の関係を、私の子どもや孫のために、強固なものにしていきたいと思います。
これまで数え切れないほどの人たちが、現在のような強固な日米関係の維持に努めてきました。
今では日米の友情はとても強いものですから、これを大切にし、それを維持するために時間を費やすべきだと思います。
それぞれの人々が、お互いの国を訪れて、相手の国のことを学ぶことが重要です。
そうすることで、このすばらしい同盟関係を維持することができるはずです。
ケネディ大使の着任早々、同盟国、日本に失望という厳しいコメントを発表したアメリカ。
日本と韓国の関係改善には、当事者が主体的に取り組むべきだと話していました。
ことばの力を信じるケネディ家の一員として、難しい状況になっている今こそ、対話が重要だと、繰り返し強調していたのが印象的でした。
今夜のクローズアップ現代は、これで失礼いたします。
2014/03/07(金) 00:10〜00:36
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代「日米関係はどこへ〜ケネディ駐日大使に聞く〜」一部[二][字][再]
去年11月に着任したアメリカのケネディ駐日大使。安倍総理大臣の靖国神社参拝後、ぎくしゃくする日米関係はどこへ向かおうとしているのか。大使へのインタビューで迫る。
詳細情報
番組内容
【ゲスト】駐日アメリカ大使…キャロライン・ケネディ,【キャスター】国谷裕子
出演者
【ゲスト】駐日アメリカ大使…キャロライン・ケネディ,【キャスター】国谷裕子
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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